ゆっくりいじめ系1922 ダメな子 5



 我が家には不釣り合いの大ぶりで立派な火鉢と、三日ごとに割ってためている薪を一
抱え。ちなみに、炭は我が家にとっての貴重品だ、少量しかない。
 火鉢にごうごうと火をおこしたところで、一度囲いの中へ戻したありす種を再び取り
出す。

「今の内に、逃げ出さないのか、まりさ?」
「ゆっ!? に、にげないよ! 逃げるわけないよ! まりさは最初から約束を守って
いたんだから、お兄さんも約束を守ってゆっくりしないでまりさをここから出してね!」
「約束を忘れてるぞ〜、まりさ」
「ゆゆ!?」
「そこから出られるのは、ゆっくりしたカップルだけだ」
「ゆぅ〜〜……」

 囲いの蓋を戻し、火鉢の隣──土間へと座り込んで、ありす種を足を使って固定する。
逆さまの体勢で。
「ゆゆっ!? お兄さん!? とかいはのありすは、髪の毛もおつむも超一流なのよ!
それを足で触るなんて! お兄さんの足臭いわね!」
「言われるほど臭くはない!」
「ゆぎぁあああああっ! じめづげだいでぇええええ!」
「これくらいで叫ぶな。これからもっと凄いんだから」
「や、やめなさい! やめ……やめてね! お願いだから許してね! ありすはとかい
はなのよ! いなかものが酷いことをしていい存在じゃないのよ!」
「ありすは田舎者だろう? 山に住んでたんだから」
「あでぃずばどがいばよぉおおおおおお!!」
 ありす種の怒りの咆吼を聞き流し、暴れる体を足でしっかりと押さえたまま、火鉢か
ら燃え盛る薪を一本、慎重に火箸で掴み上げた。
 まりさ種が、囲いの中から目を見開いて、ガタガタ震えている。何が起こるか想像出
来ているのか、言葉一つ発しない。
 ぱちゅりー種は、仰向けの体勢で、しかも俺が座り込んだものだから、視界に入りき
っていないらしい。炎が上がっていることくらいは、察しているだろうが……元々、あ
りす種とは仲が悪かったようだし、特に庇う必要も感じていないのかもしれない。静か
に押し黙ったままだ。
 俺自身も、言葉数が少なくなる。うっかり手を滑らせれば、自分が大火傷をするのだ
から。
「んな゛……!? だ……だにずるぎだどぉおおおおおおお!?」
 唯一、元気に声を張り上げているのは、ありす種だ。まぁ、それも当然だろう。

「ゆびぎゃっ!? ゆががががぎがぐげがぎゃぎゅぁああああああ!!!!!!?」

 ありす種の、体の裏──こいつらにとって、足──に、燃える薪を置き、素早く上か
ら火箸で押さえる。
「ふぅ……うまくいった」
 置いた瞬間に暴れられたら、薪が跳ねて俺の脚の上へと落ちてきたかもしれない。そ
うなれば、大火傷に苦しむのは俺の方と言うことになる。
 うまく火箸を開いた形で燃える薪の両端の側を押さえられたので、もうありす種が体
を震えさせようがくねらせようが、ずりずりと薪はズレる程度の動きしか出来ない。
 火にあぶるのなら、上にかざした方がよく、火の下はそれほどでもないという話を聞
いたことがある。
 だが、土に魚を埋めてその上で焚き火をして蒸し焼きにする料理があるそうだ。
 何より、燃えてる薪を素手で掴むなんて、荒行の修験者でもなかなかやらないだろう。
 熱いものは、熱いのだ。
「ゆびぃい!!! ゆぎゃ!! ぎゅぐぎぎぎぎひぃいいいいいいい!!!!!」
 燃える薪がズリ動くということは、ありす種の底面で焼け爛れていく部分が増えると
言うことでもある。
「ゆびゅびべぇえええええ! ぶぎゃぁああああああ! ゆっぢゅぢげぎゅぢゃばぎゃ
ひぃいいいいい! ぶびゅひぃいいいいいいい!」
「ぶひぃ? ありす、『ぶひい』は豚の鳴き声だぞ?」
「あっ、あでぃず……! あでぃずは、ぶだざんじゃぎゅひあっ!? ゆぎぐぎゅう!?
ひぶふううううううっ!?」

「今度は『ひぶふぅ』か。まりさも豚のようだと思わないか?」
「ゆぎゃぁああっ!!!? ゆるしてね!!! まりさはゆっくりゆるしてね!!!」
「質問に答えろ〜、まりさ。ありすは、豚みたいだよな?」
「あっ、あり……ありすは……ありすは今、熱いのでゆっくりできないから、まりさは
ゆっくりしたいから、ありすみたいなのは……」
「こっちに来るか、まりさ?」
「ゆぁあああああっ!? いかない! ゆるしてね! ゆるしてください! ありすは
ぶたさんです! ありすはぶたさんです!」
「ばぁああ……!? ばでぃ、ば、ばがががががががっが!」
 ガクガクと、痛みのためか怒りのためか、ありす種が震え続ける。
 火の勢いも弱くなって、ほとんど消えかかってきた薪を、火箸で持ち上げて火鉢へと
戻した。
「あ〜らら。汚く斑に焦げちゃって」
「ぁああああぁああああああありすのとかいはなあんよがぁああああ!!!!」
「ゆぁあぁあぁあ……あ、ありすぅ……」
「むきゅぅ……燃えちゃったの? ありすのあんよは、燃えて……歩けなくなったの?
ねぇ、まりさ?」
「わ、わかんないよぉ、ぱちゅりー……ま、まりさは、ありすじゃないから……わかん
ないよぉ……」
 じくじくと、底面に近いありす種の前面から、汁が滲み出している。その手の穴や器
官がゆっくりにもあるらしいが、これは一体……どれだろう?
「おい、ありす。ここは、ありすのなんだ?」
 火箸で突いてやると、これまで以上にありす種が暴れ出した。
「やべでぇええええっ!! ぞごは! ぞごはだいじな゛……だいじな゛ありずのべに
べによぉおおおおお!!!」
「べに……? ああ、ぺにぺにってお前達は言ってるんだっけ。そりゃ火箸で突っつく
ものじゃないな」
 火箸をありす種の体から離し、火鉢へ突っ込む。がさがさと薪を動かすと炎の勢いが
増し、それを見たまりさ種が甲高い悲鳴を上げた。
「そ……そぉよぉ……ぺにぺには大事なのよぉ……」
 火箸が離れたためにいくらか落ち着いたのか、取り乱したダミ声ではなく落ち着いた、
しかし弱々しい声でありす種が抗議し始める。
 それを聞きながら、火箸で薪の一つを選んで、慎重に突き崩す。よく燃えて、割れて
崩れかけているものを、さらに細かくしていく。
「あっ……ありすのあんよに酷いことをした、いなかものの……クソジジイが、触って
いいものじゃないのよぉ……ありすのペにペには、まりさをとかいはな愛で……満たし
てあげるためにあるんだからぁ……」
 抗議の声ではなく、罵りと独りよがりだったらしい。
「いらないよ! まりさは、ありすのぺにぺになんてほしくないよ! とかいはな愛と
か、わからないこと言わないでね!」
「どぼじでぞんだひどいごどをいうのぉおおおおおっ!?」
「むきゅ……ありすは……はぁ……はぁ……れいぱーだからよ」
「ぢがうわぁあああああ! あでぃずはどがいばなれでぃーよぉおお! いだがもどど
ばちゅでぃーはだばっでねぇええええ!」
 脚を焼かれて衰弱したかと思ったありす種は、まだまだ元気なようだ。
 一方で、いくらか回復したかと思ったぱちゅりー種は、声もすっかり弱々しくなり、
呼吸するのも大変そうだ。
「ぱちゅりー、もうお終いか?」
「おし……まい……? むきゅ……そうね……ぱちぇは、低脳なあなたに殺されて……
最悪のえいえんなゆっくりを迎えそうだわ……」
「えいえんのゆっくり……ね。じゃあ、その前に聞くが、ありすのペにペには……必要
か? 不要か?」
「ひづようよぉおおっ!? なにいっでるの、ごのおじんばぁあああああっ!?」
「……むきゅ……不要ね」
「ぱでゅでぃいいいいい! ゆっぐじじないでざっざどじねぇえええええええ!」
「まりさは?」
「ひづよぉでじょおお!? ひづようなのよぉおお! までぃさ、ずっぎでぃじだいで
じょぉおおおおお!?」
「ゆあぁあ……! ま、まりさ……! まりさはぁ……まりさはぁああ……!」
「までぃざあああ! あいじでるっでいっでえええ! どがいばなあでぃずとずっぎじ
じだいっでいっでぇえええええ!!!」

「まりさは! そんなありすとはゆっくりできないよ! れいぱーのぺにぺにはゆっく
りしないでさっさとしんでね!」

「だってさ。多数決ってヤツだ」
「ゆぎがぎゃぁあああぉおおあぁおおおおおおおほぉおおおあうぉおおおお!!!!?」
 細かに砕き、半ば炭化しながらも真っ赤に燃えている薪の一欠片……大人の人差し指
ほどの長さと太さの火の固まりを、火箸でつまんでジクジクと液を滲ませているありす
種の「穴」へと突き立てた。
「ゆぼぉおおおお!? ぎゅぉおおおおおお!? ひゅぉおおおおおおおお!?」
 今までとはまるで違う悲鳴を上げながら、ありす種はその丸い体を、前後にがっくん
がっくんと振るわせた。
「ぁあああああぁあありぁりずのべにぃいいいいべにべぬべべべべべべべべ!!!!!
ぐぎゅげ!!!!」
 ひときわ大きな声で叫ぶと、ありす種は奇妙にくぐもった声とともに、びくりと一度
体を震わせてから動かなくなった。
 見てみると、苦痛に歪んだ口の中がカスタードクリームで満たされている。さらにそ
こから、ぼたぼたと頭へ……俺の足先へも、零れ落ちている。
「派手に吐いたのか……もしかして、死んだのかな?」
 これまでも、責め続けているうちに中身を吐いて死んだヤツは多い。
 人間は穴という穴から、糞尿だろうが涎鼻水だろうが垂れ流すと言うが、ゆっくりの
場合はぽっかりと空いた一番大きな穴……口から、垂れ流すのかもしれない。
 ぺにぺにと言っていた場所からまだ煙をくすぶらせているありす種の体を起し、髪の
毛を掴んで持ち上げる。
 まだ火にくべてない薪を二本、もう一方の手に取り、囲いへと近づいていく。
「ゆぁぁ……! ゆぁあああ!! ゆひぁああ! ゆじゅじでぐだだい! ばでぃざば
わるぐないんでず! ゆるじでぐだだいぃいい!」
 蓋の上に一旦薪を置いて、ズリ空ける。隙間から見ると、ガタガタと震えながら見上
げていたまりさ種と目があった。
「いぎゃぁあああああああ!!? どぼじでごんだごどにだっだのぉおおおおお!!?
ばでぃざをゆっぐじざぜでぇええええええ!!!!」
「ほれ、まりさが一緒にゆっくりしたいと言った、とかいはのありすだぞ」
「ゆぎゃぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ!! ぎだだいぃいい! ぞんだぎだないもの、
ゆっぐりでぎだいよぉおおおお!」
「お前、みんなに虐められて泣きながら怒ってたれいむを汚いって言って、怪我をした
ぱちゅりーを汚いって言って、今度はこのありすを汚い……か?」
「だっで、ぎだだいんだぼんんんんっ!!!!!」
「はいはい、俺から見れば、お前らは三匹とも汚いよ」
 ふと、こいつらを一纏めにするときの勘定が『四匹』から『三匹』に変わっているこ
とに気が付いた。
──まぁ、あのれいむは……外してやっても良いか。良く出来たお母さんに免じて。
「だずげでぇええええ!! おにいざんん!!! ばでぃざをゆっぐじじだいではやぐ
だずけでねぇえええええええ!!!!!」
「他に言うことはないのか……ありすよりも、さらにバカで語彙が貧困だな」
「へんだごどいっでないで、はやぐだずげろ、ぐぞじじぃいいいいいい!!」
「むきゅ……ぱちゅりーは……もう、ふぅ……はぁ、はぁ……もう、人里には、近づか
ないわよ……」
 息も絶え絶えの、か細い声が割って入る。
 ぱちゅりー種を注視すると、裂傷まみれの顔で器用に表情を作りながら、ゆっくりと
言葉を紡ぎ続けた。
「そして……お……おかあさんと……ゆっくりした、優しいお母さんと……カップルに
なるわよ……」
 浮かべている表情は、自信か……いや、勝ち誇っているのか。
──俺のことを見下している……が、一番正しそうだな。
 なるほどなるほどと頷いて見せてやると、さらにぱちゅりー種は得意げに続けてきた。
「ぱちぇは……ちゃんと聞いていたし……わかっているのよ……こういえば……低脳な
お兄さんは、助けるしかないんでしょう? あ……あんな……ダメで、役に立たない、
れいむでも……」
「でも、今のぱちゅりーは怪我だらけで、まともに歩けないだろ? まずは体を治さな
いとな」
「むきゅ……愚かな人間にしては……よく気がついたわね、むきゅん……ぱちぇが……
元気に、なるために……手当てをして……美味しいご飯を、用意なさい……」
「はいよ」
 ありす種を持ち上げ、蓋の上にそっと置く。視界から「汚いもの」が消えたからか、
まりさ種は大袈裟なほどの音を立てて深呼吸を繰り返した。
「今のぱちゅりーは食べるのにも苦労する大怪我だ。食べやすいように手伝ってあげな
いとな」
「むきゅぅ……気が利くわね……ぱちぇの奴隷にしてむぎゅあががが!?」
 薪を二本、縦に並べてぱちゅりー種の口へと突っ込み、並行の状態を維持したまま横
へ広げる。『ミチチッ』と裂けたような音がしたが、今更気にするほどのことでもない
だろう。
「元より、大怪我してるんだしな」
「ふひゅー!? ふひゅぅううん!?」
 例の鳴き声を上げているのだろうか、大口を開けたまま固定された状態では、間抜け
な音とともに空気が、か細く漏れるだけだ。
 大きく四角く開かれたぱちゅりー種の口内は、ちょうど三等分されているように見え
る。太い薪が左右と、その間にうっすらとクリーム色の、口内本来の色。
「こうして見ると……薪の割れ口より、いくらか白いって程度か? 濁ったクリームな
んだな、ぱちゅりーの中身は」
「ふひゅー!? ふひゅぼっ!? ごぼぼぼっ!?」
 大口を開けたままなので、咳き込んだところで“咳”という感じの音が出ない。ただ
不気味に喉がなり、体をびくんびくんと跳ねさせるだけだ。
「ほらよ、あま〜いご馳走だ」
「ゆぎゃぁああああああっ!!!!?」
「ふひゅぶぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼふごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼ!!!!!!」
 まりさ種の悲鳴を、ぱちゅりー種の上げた奇妙な音が掻き消す。
 動かなくなったありす種の口を、ぱちゅりー種の開きっぱなしの口の真上へ持ってき
て、ありす種を絞ってやったのだ。
 ぱちゅりー種の口に、カスタードクリームの池が出来上がっていく。体力を失ってい
る体は、起き上がることも寝返りを打つことも出来ず、薪で空けっぱなしにされた口を
閉じることも出来ない。
「ぶぼぼぼっ!!!! ごぼぼぼぼばぼばぼばぼばぼごぶごぶごぶごぶごぶ!!!!」
 ぱちゅりー種が咳き込んでも、吐き出そうとしても、上を向いて大きく開けた自分の
口、そこに出来た黄色い池が、不気味にゴボゴボと泡立つだけだ。
 ありす種がビロビロとした皮だけになるまで、絞り上げ続けた。ぱちゅりー種の口だ
けではなく、体中にカスタードクリームが降り注ぎ、どろどろと黄色く薄気味の悪い塊
にしか見えなくなった。
「ついでに、傷口も塞がるかもな。元気になれよ、ぱちゅりー」
 その黄色く気味の悪い固まりに、優しく毛布でも掛けてあげるような手つきで、あり
す種の皮を被せる。絞り上げられて、ボロボロになった皮だが、広げればなんとか判別
はつく。
「ほぉら、まりさ。大好きなぱちゅりーと、一緒にゆっくりするって言ったありすが、
一つになったぞ」
「ゆっ……! ゆが……! ゆぁあ……!?」
「れいむは居なくなったし、もう迷う必要はないかな?」
「ゆぎやぁあああああああ!! だじでぇええええ!!! ごごがらだじでぇえええ!!
ぞのぎぼじわるいのがら、までぃざをだすげでぇえええええええええ!」
 ふと、何かが聞こえた気がして顔を上げる。耳を澄ます。
「ひびゅべぇえええ!!! おにいざああんん!!!! ぎいでるどぉおおおお!!?」
「黙れ。お前も絞るぞ」
「いやぁあああああああああ!!!!! ありずはいやぁああああああああああ!!!」
「黙れ!!」
 まりさ種を掴み出し、土間へと叩き付け、踏みつける。
「ぶびゅびゃばばばば!」
 顔を土間に押しつけられたまりさ種が、ぶっ、ぶっとしか言わなくなって、ようやく
かすかにだが、聞こえた。
「めーりんっ!?」
「ぶぶべーびんばっっばびょび、ばびばぼ……!」
「煩い!」
 再びまりさ種を持ち上げ、囲いの内側へ叩き付けた。
 蓋を戻し、後も見ずに駆け出す。
「めーりんの声だった……! ゆっくり休めって言ったのに!!」
 それでも、めーりんは畑を見張っていたのだろう。そして、よりによってこんな日に、
野良ゆっくりが畑へ侵入した。
 『責任感の強い、自慢のうちの子』にたいして褒めてあげたいような、だが休むよう
に言ったのに……と叱りたいような、そんな気持ちまで混乱したままの状態で、とにか
く走った。


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最終更新:2009年01月11日 13:36
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