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ココが死んだ。
ホテルで休んでいたトリコが豊臣秀吉から聞いた放送の内容である。
トリコはこの事実を受け入れることは出来なかった。だから彼はホテルを飛び出した。
ココの匂いは北の方から感じていて、その場所と思われる所から激しい戦闘音が聞こえてくる。
左を見れば怪物が、右を見れば巨大なロボがいるが今はそんなことは関係ない。
唯一つ、友の生死を確かめるためにトリコは走り続ける。

きっとサニーとゼブラも同じようなことをしているだろう。
口には滅多に出さないが四天王は固い絆で結ばれている。
この殺し合いに置いても悪を倒すために奮闘しているはず。
もし仮にココが本当に死んだとしたらその使命を全うしたのだろう。
トリコが為すべきことは一つ。

「ココ……俺達が仇をとってやる――」

それが死んだ友への手向けとなるだろう。
トリコもココが本当に死んだことに対して疑いを持っていなかった。
この会場にはトリコが感じたこともない闘気を至る所から発せられている。
ここの放送で嘘をつくデメリットも無い。信じたくはないが心の底では理解している。

「ん?なんだぁ……!?」

足を止めてトリコはその正体を確認する。
大きな音を立てて自分に迫る者の正体を。
怪物やロボがいる事もあり、捕獲レベルの高い動物がいてもおかしい事はない。
だが気配は感じられず、大きな音だけが聞こえてくる。

それもそのはず


「津波だあああああああああああああ!?」





何も感じられない暗い空間。
ソファに腰を掛け土御門とスタージュンはモニターを見つめる。
その先にいるのは先程こちらに飛ばされ来た垣根帝督である。

「これが未現物質の進化形態か……」
「君の世界には面白い能力があるな、土御門」

まどかとほむらの戦いによって劣勢を強いられていた垣根は柄にもなく必死に戦っていた。
それが実を結んだのか自身に掛けられたいた制限を自ら突破することに成功した。
だが、唯でさえ数値だけでは測れない参加者が多い中そんな事をされては困る。
いや――垣根までそうされたら困る話しだ。

「ニトロがこうも簡単に破壊されるとはな」

先の倉庫襲撃で破壊されたいたニトロだったが何も倉庫は一つではない。
別の倉庫から引っ張り出してきたニトロを何体も垣根がいる空間に送り続けた。
ニトロは名の高い美食屋や料理人を殺すことも出来る戦闘力の強い兵器であり、並大抵の力では倒すことは出来ない。
だが垣根は迫り来るニトロを何体も破壊しており、無類の強さを発揮している。
枷から開放された垣根の力はニトロ如きで止められることは出来ない。

手を横になぎ払うだけで飛ばされるニトロ。
小さい羽を手から飛ばしただけで壊されるニトロ。

ニトロの攻撃に当たらない垣根。
例え体を破壊されても、上半身をレーザーで消されても瞬時に体を再構成する垣根。

その差は歴然であった。

垣根の見た目も人からかけ離れていた。
その瞳は赤く、その他の色素は白しかなく、とても人間と判断できる状態ではなかった。
未現物質による体の構築。

今の垣根は未現物質という能力から成っており、垣根という個体は徐々にその姿を変えていた。
足元には何体ものニトロの残骸が転がっている。
送られてきたニトロを粉砕した垣根はそれらを蹴り飛ばしその空間に笑いを響かせる。

「俺が最強……最ッ高にハイってやつだあああああああああああああああああああ!!!!」

彼は学園都市第二位の器を乗り越えたのかもしれない。




「くっそおおおおおおおおおおおお」

突然の大津波にトリコは未動きがとれない状況に陥った。
必死に泳ぐことで生命を繋いでいるが、津波は創造よりも遥かに大きくこのままでは持たない。

(俺もここで死んじまうのか?)

己自身に問いを投げる。ここで死すべき運命なのか?
いや違う。やり残したが数多にも残っている。ココの仇を誓ったばかりだ。
それに小松の救出、そしてフルコースを埋める夢がある。
ここで死ぬ?いいや違うね。こんな所で死んでいいはずがない。

「この俺を舐めるなあああああああああああ!!」

水中に深く潜り込み地に足をつけるトリコ。
迫り来る水流に体を持っていかれないようにどっしりと構え津波に耐える。





「こんな海水全部飲み込んでやるぜええええええええええ!!!!」






大きく口を開き迫る海水を飲み始めるトリコ。
普通の人間には多少難しい技ではあるがトリコになら出来るかもしれない。
本来ならエリア分の質量を人間に与えるなど容量が大きくて無理な話である。
だが、グルメ細胞により活発しているトリコの器官になら話は別である。
大量の海水と同じ量を消費すればいいだけのこと。
体中のありとあらゆる物をフル稼働して体内に溜まる水分を消費する。
ジバリングを行い体温を保つことも忘れない。

完全ではないが海水は減り始めている。


しかし人体一つで海を処理することは叶わなかった。
次第にその体は津波に飲まれてしまった――


「今度は何だ!?」



トリコは知る由もない。

同じ参加者の宇宙からの攻撃で地球に亀裂が走り海水が宇宙に流れたなどと。



「これはさっさと行ったほうがよさそうだな」





「フフフ……ハハハハハハハ!!これはいい!!これはいいぞぉ!!!」

スタージュンの歓喜に満ちた声が部屋に響き渡る。
その声を聞くのは土御門と垣根の二人である。
力を思う存分振るっていた垣根を引き寄せ、交渉に成功したスタージュン。
垣根の首輪解除及びまだ知ることのない未知への到達。
後者は不確定要素であったが邪魔な首輪を外すのは美味しい提案であり垣根は承諾した。
未知への到達。これは本来垣根が通るはずの時間軸に置いての進化である。
無論、イレギュラーに巻き込まれた今たどり着くかは不明だが。


今の垣根は人に非ず垣根でもない。


未現物質と呼んだほうが適切かもしれない。


「随分とご機嫌だな、スタージュンは」
「お前……どっかで見たと思えばグループの頭か」

スタージュンを見ながら土御門と垣根は会話を行う。
この二人は同じ軸の住人であり、両者ともに学園都市の暗い深い闇に携わるもの。
派閥は違えど暗部と言う点から見れば同じ存在であり互いの顔は知れていた。

「お前がいるなら第一位様もいるのか」
「ああ。あいつもいるぜぃ。それとお察しの通りだが――」
「アレイスター……だろ?ここまで来たらレベル0でも……無能力者と言ったら一人いたよな?」
「……」
「無言は肯定だ。知り合いか?」

垣根の問に答える事無く土御門は立っている。
暗部にもいれば知り合いが死ぬことなど日常茶飯事の事でありいちいち止まっていては仕事にならない。
土御門もそれをわかっているのか、上条当麻が死んだ後にその死に対してアクションを起こしていない。

「形あるものいずれ崩れる……君たちはどうして個体一つの死にそこまで執着するんだい?」
「こいつが契約野郎か」

謎の白い小動物が突然話し始めるのは常人にとって常識外れだろう。
だが垣根はスタージュンとの取引の際に情報も要求しておりキュゥべぇの存在も知っていた。
今の彼には常識は通用しない。自分の領域が上がったせいか会場を写すモニターの悟空やブロリーに慣れ始めた。

「そこに写っているのは?」
「あそこに写っているのは別の個体さ。でも感情が明らかに感じ取れる残念な個体のようだ。
でもあれはキュゥべぇの中でも最弱さ。本来なら新たな刺客も送りたい所なんだけどね」
「そいつは出来ない話しだぜぃ」

土御門が言う通り現在キュゥべぇの新しい個体を送り込むとは不可能な状態である。
宇宙空間で暴れまくる悟空とブロリーにより本星が破壊されてしまった。
魔女化したまどかを攫ったり、勇次郎やセルにフェイトなどの契約によりある程度のノルマは達していた。



「それはそうと垣根帝督」

キュゥべぇは垣根へ話しかける。
垣根は面倒臭いと思いながらも自身のテンションの高まりもありその話を聞くことにする。

「この際契約とかどうでもいいんだ。君が望む条件を飲む、だから僕の星を君の未現物質で創星してほしいんだ!」

一般人なら惹かれる可愛らしい営業スマイルを垣根に向け交渉をし始めるキュゥべぇ。
本来なら契約と引き換えに願いを叶えさせるのがキュゥべぇのスタイルである。
それを無条件で願いを叶えさせると言うのは破格の条件である。
感情がないと言っていたが星の破壊により個体の創造が出来ない今キュゥべぇにも感情が芽生え始めたのだ。
自身の死に対する恐怖心がキュゥべぇに感情を植えつけたのだァッ!!
クールを装いつつも内心(本星ぶっ壊れたあああああああああああ)や(死ぬの?これ死んじゃうの?)など崩壊している。

「面倒くせえ却下だ。それに未現物質で星創ってもお前らの個体を創れる気がしねえ」
「そうか、それは残念だね」
(所詮は人間か、使えない。これは真剣にドラゴンボールを集めた方がいいかもしれない)

そうでもしなければ気が気じゃない、キュゥべぇはそう考えていた。

そもそも彼らがこの空間にいる理由とはなんだろうか。
それはスタージュンと垣根の交渉であり、垣根側が提供したことである。
先のスタージュンの笑いもこれが原因である。
ホールの中央に立つスタージュンの側方はカーテンで遮られており何も見えない。
だがそこから「何かを感じる」のだ。

「俺の能力を使ったんだ。そんな簡単には壊れないぜ」
「ああ、感謝するよ垣根帝督」
「僕にも見せてほしいものだね」

土御門はこの正体を知っているがキュゥべぇは知らないためスタージュンに問いかける。
その問にスタージュンは答えようと右手を広げた。


「よかろう……これが未現物質により構築された真ニトロ!!」


言葉と共にカーテンが開き大量のニトロが現れる。
見た目は従来通りだが未現物質の応用により強度及び戦闘能力が大幅に上昇し、数多の並行世界の中でも数ある力を持つ。


「そしてこっちが第三位の複製に未現物質を応用した『欠陥電気未現物質』……これでは長いな。
間を取り『未現電気』――『ダークノイズ』とでも名付けようか」


そこには大量の欠陥電気が並べられており、その一つ一つが未現物質による再構築を受けている。




主催側も来たるべき最終戦に向け準備を始めていた――


【???/1日目・昼】


【垣根帝督@とある魔術の禁書目録】
【状態】 未現物質
【装備】 未現物質
【持ち物】
【思考】
基本:今を楽しむ
1: 負ける気がしねえ
【備考】
※15巻終了後(死亡後)より参戦
※能力に若干の制限あり?
※この企画に対する考察は一時中断。今は情報を集める。
※べジータやゼブラ一護にほむらの力の興味あり。
※ベジータの知り合いに会ったら二回目放送の時に会場に来いと伝え自分も行く
※制限を超えましたがもう一度出来るかは不明です
※未現物質状態(新約時代)になりました。
※スタージュンには伝えてませんが真ニトロ、未現電気に対する最終命令権は垣根にあります。






「やべえ……やべぇよ……」

トリコは一人で何度も呟く。
それは友の死へでもなく、割れた会場でもない――自分自身に対して。

「これは何だ?……食ったことがねえ味だ」

海水を飲み干している間に口の中には固形物も入ってきた。
数はそれなりにあり、どれもが中々のサイズを持っていた。
そして食べたことのない未知の味でありその味にトリコも惹かれていた。

それもそのはず――――――














人を喰らうのは初めてだから――






【G-2 ホテル前/1日目・昼】

【トリコ@トリコ】
【状態】 喰人状態
【装備】
【持ち物】 ランダム支給品1~3、基本支給品一式
【思考】
基本:馴染む……馴染むぞ、この味は
1:食いてえ……もっと食いてえ
【備考】
※放送を聞き逃しました
※ベイの挑発は聞いてなかったようです
※聞き逃した情報を聞きました
※人を喰らった事により喰人状態になりました。人を見たら捕食します
※ゾロ、グリンバーチ、クロコダイル、アミバ、ゆり、ダークプリキュア、サウザーを喰らいました
※喰らいによりスナスナの実の能力を使えるようになりましたが泳げますよ。



Love me do! Look at me! 時系列順 とあるお嬢のマッハキャノン
投下順
未元物質は砕けない 垣根帝督 第二回放送
モーニングはいかが? トリコ 食戟-WILD FANG-

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最終更新:2014年12月31日 22:28