救けなきゃ。

みんなを救けなきゃ。

この世界は絶望が多すぎるよ。

だから私が新しい世界を造らなきゃ。

私はからだじゅうからたくさん生えた腕を伸ばす。

殺し合いに苦しむ人々を救うために。

地球の割れた裂け目に飲み込まれる人々を救うために。

次から次へと天空に造った世界へ導いてあげています。

私にはなんの取り得もなかったけど。

今こうしてみんなの役に立てているのなら。

それはとっても嬉しいなって、思ったのです。

みんなを救けなきゃ。

救けなきゃ。


「――――どか!」


誰かが私を呼んでた気がするけど。

あなたのこともきっと私が救けてあげるから。


「――――スターライトッッッ!!!ブレイカァァァァーーーーー!!!」


あれ?

腕が何本か焼かれたような気がします。

どうして私の邪魔をするの?

なんで幸せになろうとしないのかな?


「――――ああ!!まどか!!よくも…よくもあんな深手を!!許さない!!」


私の為に怒ってくれている娘がいるようです。

何の取り得もない私なんかの為に。

誰だったかな。

私なんかを助ける為だけに未来から来たあの娘。

だれ、だったかな。

おさげを下げた恰好いい名前の眼鏡の娘。

あの娘は。

だれ。



◆ ◆ ◆


「はぁ……はぁ……なんて大きさなの!?あれで倒しきれないなんて!!」

「くっ!」

セルを倒した後、特に行くあてもなく会場を飛行して移動していたら
突然無数の黒い触手に襲われ否応なしに戦闘に突入した高町なのはは、
触手の主である天空まで届くような巨大な怪物の根元に居る彼女をサポートしている
黒髪の少女をバインドで拘束して身動きが取れないようにした後、
全てのデバイスから全力全開のスターライトブレイカーをクリームヒルトに解き放った。
完全体セルを跡形もなく消滅させた現時点最大威力の攻撃魔法は黒い触手を何百本も
焼き払う事に成功したが、それでも巨大な消滅させるには至っていない。

「くそぉっ!こんな鎖ごときにぃ!!」

怪物の仲間らしい黒髪ロングの少女、暁美ほむらはバインド魔法にはなす術がないらしく、
当分の間なにもできないだろう。放っておくと焼き払った黒い触手は再生してしまうらしい。
どう見ても交渉の為の会話なんかできる相手ではないし、一体どうやって倒せばいいのか。

「魔力と体力が尽きるまで連発……どっちが倒れるのが早いかな?もう少し頑張らなきゃ、だね。」

「―――――なのはぁ!!」

「え?」

なのはが覚悟を決めたその時、地上から懐かしい声が聞こえてきた。
髪が青くなってるしなんか隣に白くて気色悪い筋肉ダルマを引き連れてるけど、
あの声、あの凛々しくて可愛らしい顔つきはまさしく。

「フェイトちゃん!!」

互いに互いを捜して続けていた恋人同士がついに再会を果たしたのである。
クリームヒルトにデバイスを向けて対峙いる事も忘れ、
なのはは空を飛んで向かってくるフェイトを抱きしめようとする。


パリ――ン。


その時。


「――――やあ、危なかったね、ほむら。」

フェイトの隣にいた筋肉の塊と化したキュウべぇその場から一瞬で駆け出し、
ラリアットでほむらを拘束するバインドを破壊した。音を立てて砕ける光の輪。

パン!パン!

解放されたほむらは速攻で気色悪い白い筋肉ダルマに向けて弾丸を数発無言で発砲する。
キュウべぇは全力の連続スゥェーバックで慌ててそれを回避した。

「落ち着いてほむら!ボクだよ!キュウべぇだよ!君を助けに来たんじゃないか!」
「え?ああ、ごめんなさい。キモかったからつい。一体どうしたのよその姿。」
「まあ色々あってね!―――さぁ!早くまどかを助けにいきなよ!」

何の風の吹き回しか分からないし、この胡散臭い契約獣は絶対信用なんかしちゃいけないのだが、

「そうね、とりあえず、礼をいっておくわ。……ありがとう、キュウべぇ。」

ほむらは跳び上がってまどかの元へ向かう。



「あいつ……!いきなり寝返るとか最低ね!」

なのはの目前まで来ていたフェイトはさっきまで一緒に居たキュウべぇの行動を見て憤慨する。

「え?なんで?キミがボクに冷たいから悪いんじゃないか。」

キュウべぇは胸筋を張ってフェイトを見上げる。

「大体なのはの必殺技で倒しきれないんじゃ、もう君達にまどかを殺す手段がないんじゃないのかい?
 君達に味方するメリットがどこにある?ボクはいつでも強い者の味方だよ!」

「あなたねぇ!!」

「それに、もうおしまいだよ。」

「―――危ない!フェイトちゃん!」

なのはは全力の回し蹴りで目前まで来ていたフェイトを蹴り飛ばし地上まで叩き落とした。

「がはぁ!?なのは!なにする











                カチッ






                          ―――の?……え?」



突然、体を完全に覆い隠すほどの無数の触手がなのはを取り囲み、あっという間に彼女を繭状に包み込んだ。
ほむらがまどかの触手に触れた状態で時間を止めたのだ。
なすすべなく天空へ連れて行かれるなのはを地面に落ちたフェイトは呆然と見上げた。

(すばらしい!流石最強の魔法少女だよまどか!ほむらの魔法とのコンボとかまさに無敵じゃないか!
 会場じゃ制限かかってるから恐らく悟空でもまどかを殺しきれないだろうしこの二人についていれば安心だね!
 今回の件で恩も着せたから最後までボクを護ってくれる筈だし参加者全滅させたらドラゴンボールに頼んで
 まどかを消滅させればボクの優勝だ。―――このゲーム、勝った!)

勝利を確信しガッツポーズを決めるキュウべぇ。

「――――なのは。」

どんどん天空へ登っていくなのはをフェイトは浮浪者のように歩きながら見上げている。

「……やっと会えたねなのは。ずっと会いたかった。知ってる?今度隣に引っ越すことになったんだよ?
 ……もう、一人は嫌なんだ。これからはなのはとはずっと、離れたくないな。」

そう呟きながら、フェイトは手に持ったバルディシュから一筋のフォトンランサーを上空に向けて放った。
細い光の矢がなのはを取り囲む触手に突き刺さる。

「ん?なにやってるんだいフェイト?早く友達を助けにいきなよ?」

余裕をかますキュウべぇは、ある違和感に気づき、フェイトに訊ねた。



「――――ねぇフェイト、どうして右耳から血がどくどく流れてるんだい?」

開始直後に上条当麻に襲われてからからずっと浮かべていた狂気の貌が消え、
フェイト・テスタロッサは天使のように優しい微笑みを浮かべた。



「―――高町なのは。私の肉体も命も魂も、私の全てを、あなたに捧げます―――。」



そう呟いた彼女は突然、まるで最初からそこには誰も居なかったかのように、その場から消滅した。



「……命は一つしかないから人間はみんな必死になるんじゃなかったのかい?
 頑張って他人に尽くしたって自分だけ不幸になって絶望していくだけなのに。
 わけがわからないよ。」

キュウべぇは少女の献身に呆れながらなのはを取り囲んでいる触手の繭を見上げた。
その黒い繭の中から放射状に光が放たれていき、ついに触手を内部から破壊した。

「……なにあれ?」

ほむらは空を見上げて驚愕する。
黒い繭を破壊して出てきた、黒と白の下地に青色と赤色のラインが入ったジャケットを着た、
スーパーサイヤ人のような金髪をツーテールに束ねた高町なのはの顔をした少女は、
ザンバーフォームの様な形状の十基のビットを周囲に円状に展開していた。


「……フェイトちゃん……。」


フォトンランサーに引っかかっていたフェイトの右耳にかかっていたポタラをとっさに装着したことで
彼女と融合したなのはは、主導権を手放して消滅した恋人の名前を寂しそうに呼ぶ。
そして、目の前の巨大な怪物を睨み付け、低い声で呟いた。

「……許さない……みんな……殺してやる……。」




【フェイト・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは 消滅】




【E―4/1日目・昼】


【暁美ほむら@魔法少女まどかマギカ】
【状態】 疲労、ダメージ(小)ソウルジェムに穢れ(小)
【装備】 トカレフ(3/8)、魔法少女服
【持ち物】 ランダム支給品1~4、基本支給品一式 ×3、予備弾薬32/40
【思考】
基本: まどかが世界を滅ぼすのを見届け最後に願いを叶えその先へ進む
1:もう油断はしない
2:まどか(クリームヒルト)の邪魔をする者を排除する
3:最後に願いを叶える
4:キュウべぇは味方?
【備考】
クリームヒルトの麓に落ちていた鹿目まどかのディバックを回収しました。
※制限に気づきましたがどれくらいかは理解していません
※プリキュアに対し別の魔法少女と判断しました
※願いを叶えると言っていますが『まどかを殺さなければならない』という事実に気づいていません。
※垣根に対して異常な恐怖心と警戒心を抱いています。


【鹿目まどか@魔法少女まどかマギカ】
【状態】 魔女化(クリームヒルト・グレートヒェン) ダメージ(小)
【装備】 触手消費(回復中)
【持ち物】
【思考】
基本:世界から不幸を取り除き、生きているものを楽園へ導く
1:美樹さやかと彼女の周囲1マップ分を除く場所に居る参加者を天空に創った結界へ放り込む
【備考】
※全方位へランダムに攻撃を仕掛けてきます。攻撃は現在は緩やかです。
※現在は深夜なので遠くからは目視しにくいですが日が登ればマップのどこへ居ても目視できるようになるでしょう。
※制限で弱体化してるため物理攻撃で倒せます。
※動き始めました


【キュゥべぇ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】 本部壊滅、再生不可能、ドーピングによる筋肉増強
【装備】 ジャック・ハンマーのステロイド
【持ち物】
【思考】
基本: 契約♪
1: 美琴と契約したい
2: まぁ誰とでも出来るんだけどね♪
3: 大 変 な こ と に な っ た
4: せっかくだから優勝を目指す
5: ひとまずほむらに協力だ!
6: あれ?なんかヤバい?
【備考】
※参加者ではありません。主催側です。が、殺す事は出来ます。もう生き返れません。
※今後の契約がどうなってしまうのかは不明です。
※体内に貯蔵しているエネルギーを使えばあと一回くらいは出来るかもしれません。

※会場の上空は禁止エリアに含まれないようです。
※現在月の欠片が会場に向かって落下しています。


【高町なのは@リリカルなのはシリーズ】
【状態】 憤怒、合体(フェイト・テスタロッサ、来海えりか)
【装備】 レイジングハートエクセリオン・ストライクカノン×5 、
     バルディッシュアサルト・フォートレス×5、
    バリアジャケット、ポタラ  
【持ち物】 ランダム支給品5~14、セルのグリーフシード、基本支給品一式
【思考】
基本:――――――――。
1: 全員殺す。
【備考】
※フェイトの願いで大人になりました。参戦時期変更(A,s→Force)
※フェイトとポタラ合体したことで戦闘力が乗算されています。


食戟-WILD FANG- 時系列順 魔法少女大戦
投下順
アルマゲドン 暁美ほむら
鹿目まどか
マックシング キュウべえ
これが私の全力全壊 高町なのは
マックシング フェイト・テスタロッサ GAME OVER

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最終更新:2014年12月31日 20:34