女神と伝説巨神が矢とミサイルを目霰のごとく撃ちまくり、巴マミが召喚した巨大な飛行戦艦が
ファンネルを飛ばしてオールレンジ攻撃を仕掛けてくる魔法少女との激しい空中戦を展開している最中、
地上で戦う四人の魔法少女達の長い膠着状態は続いている。
鉄球を召喚してオクタヴィアの車輪を迎撃し続けているヴィータは内心かなり焦っていた。
早くオーフィリアに苦戦している八神はやての援護に回らなければならない。
八神はやての魔導師としての実力は確かになのはやフェイトに勝るとも劣らないレベルなのだが、
本来司令官である彼女は近接戦用の魔法をほぼ封印している為、タイマンの勝負は苦手なのである。
距離を取って大規模破壊魔法で一気に殲滅できれば倒すのは容易い筈だが、肉弾戦のエキスパートらしい
この騎馬兵の魔女は常に一定の近距離で槍を振るってくるため中々思うようにはいかない。
一方、自分が戦っているこの甲冑騎士は二本の刀を大げさに振り上げてるにも関わらず
さっきから車輪を飛ばしてくるばかりで、こちらが得意な肉弾戦に全然持ち込めないのだ。
(くそっ!戦う相手を間違えちまったか!?)
長期戦になれば恐らくこちらの魔力が尽きる方が早いであろう。
何とかしなくてはとヴィータが頭をフル回転させて考えている―――その時であった。
「――――目、目が回るゥゥゥゥゥ!!!!」
「ん?なんや?」
「……この声、どこかで聞いたことがあるような……?」
「―――――超級ッッッ!!覇王ッッッ!!電影だぁぁぁぁん!!!!」
放置されていたハッピーロボに乗った東宝腐敗がキュアハッピーを激しく回転させながら飛んできたのだ。
「なんだありゃ!?―――どわあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!????」
不意を突かれたオクタヴィアの脇腹にハッピーの鋼鉄の頭が直撃し、
そのまま彼女と一緒に空の彼方へと吹き飛んで行った。
「……マスターアジアはん、助けてくれはったんやなぁ。」
「……なんでプリキュアに乗ってたんだろ?」
呆然とする二人の前に地響きを立てて音を立ててオーフィリアが立ち塞がる。
「なんや、助けに行けへんのか?」
頭部の炎を揺らしながら、オーフィリアは二人に槍を振り下ろす。
「一人で十分、てか?馬鹿にすんなよ!はやてっ!!」
「行くで!!ヴィータ!!―――うりゃっ!!捕らえよっ!!」
地面に魔法陣が発生し、その光の中から無数の鎖が発生しオーフィリアを捕縛した。
「―――今だぁ!!リミットッッ!!ブレイクッッ!!」
空に飛びあがったヴィータはグラーフアイゼンのリミッターを解除する。
限界まで巨大化したハンマーのヘッド部からドリルが生え激しく回転する。
これぞヴィータの持つ技で最大の威力を持つ攻撃。
「砕けろぉっ!!!破壊の槌(ツェアシュテールングスハンマー)!!!」
ロケット噴射で加速したハンマーの一撃がオーフィリアに襲い掛かった。
「―――――――――――。」
拘束され攻撃をかわすことが出来ないと悟ったオーフィリアは頭部の炎に力を集中させる。
すると蝋燭の炎が大きく燃え上がり、瞬く間に紅く輝く矛になった。
自身を巨大な槍へと変えた彼女はその先端を発射し、グラーフアイゼンを迎撃しようとする。
「あいつ、まだあんな能力が。せやけどヴィータとの力の差は歴然やで。これで終まいや。……ん?」
はやては、オーフィリアの首になにかリボンのようなものが巻き付いていることを発見する。
それは、小さすぎてはやてたちが存在を忘れていた、おめかしの魔女キャンデロロの両腕であった。
「なんや、あれ?―――え?」
オーフィリアの全身が青く発光し、元から大きい槍の先端が更に肥大化する。
グラーフアイゼン・ギガントフォーム以上のサイズになった槍が、回転するドリルの先端にぶつかった。
杏子が変化した武旦の魔女オーフィリアは、お菓子の魔女シャルロッテと同じ、
何故か稀に生まれる「特別強力な魔女」である。ワルプルギスの夜などの例外を除けば
殺傷力は魔女の中でも最強に近い。更にキャンデロロの能力によって強化された、
その魔女の必殺技はヴァルケンリッターの攻撃力を一時的とはいえ上回り。
「――――――そ、そんな!!??」
巨大なハンマーの横なぎに亀裂が走り、グラーフアイゼンは真っ二つに砕け散った。
「何してるん!?はよ避けぇ!!」
「……あっ……。」
呆然とするヴィータにハンマーを砕いた巨大な槍の先端が襲い掛かり、
紅の刃がそのまま彼女の胴体を貫いた。
「…………がっ……………!?」
「ヴィーーータ!?」
血反吐を吐くヴィータは絶叫する主はやての顔を遠目で視ながら歯を食いしばる。
「……痛ぐ…………ねぇよ……。」
全身を痙攣させながら、周囲の空間に無数の鉄球を発生させる。
「や、やめぇ!!ヴィータ!!」
「……病気だったごろのはやては……もっど……痛かったんだ……。
――――――こんなの!!全然いたくねぇぇぇぇぇぇ!!!!」
数発の鉄球をオーフィリアに向けて発射したと同時に、ヴィータの四方から
襲い掛かってきたオーフィリアの使い魔の槍が彼女の全身を串刺しにした。
「…………ごめん……はやて…………。」
そう呟いたヴィータは体中から血を吹き出しながら、地面へと落下していった。
「ヴィィィィィタァァァァァァァァ!!!!!????」
取り乱すはやての体を、何者かが押さえつける。
「―――な!?なんやお前ら!?」
へらへら笑いながらはやてを拘束するのは赤とピンクの髪をした等身大の少女の人形、
キャンデロロの使い魔、あかいろさんとももいろさんである。
「離せぇ!!離さんかい!!……………はっ?」
身動きの取れないはやてが上を向いたとき視界に映ったのは、
自分目掛けて落下してくる砕けたグラーフアイゼンの半身。
「―――――――あ―――――――。」
はやては自分を押さえつけている使い魔達と共に、落下してきた巨大な鉄槌に押し潰された。
◆ ◆ ◆
『今日は――さんに会えてよかったな。』
『――さん、お願いっていうか、図々しいついでにいうのもなんだけど。』
『あたしを、―――さんの弟子にしてくれもらえないかな?』
『みんなの幸せを守る、それがあたしの願いなんだ。』
『あたしと――さんのコンビだったら向かうところ敵なしだよね!』
『今のあたし達ならワルプルギスの夜だって倒せるんじゃないかな』
『一緒にこの街を守ろうよ、――――マミさん!』
◆ ◆ ◆
「――――――――――――――。」
戦闘を終えたオーフィリアは、地面に落ちて息絶えようとしているキャンデロロを見つめている。
ヴィータが最後に苦し紛れに放った鉄球が首筋に乗っていた彼女に直撃したのだ。
自分はこの魔女を知っているような気がする。
彼女もまた、失った大切なものの一つだったのだろうか?
事切れた小さな魔女におじぎをするように頭を下げた武旦の魔女は、
東方不敗に吹き飛ばされた美樹さやかを援護すべく馬を走らせその場から立ち去った。
救い出す姫を見つけた自棄の魔女はもはや自棄ではないのだ。
「………あーあ。また足動かんようになってもうたなぁ……。」
ハンマーで下半身を潰された時の衝撃で吹き飛ばされたはやては、
血まみれになって息絶えたヴィータを発見し、内臓を引き摺りながら
這い進んで彼女の傍まで近づいた。少女の隣に寝転んだはやては、
三つ編みに編んだ髪の毛に触って母親のように優しく笑う。
「……なぁ、ヴィータ……今晩の夕飯、何がえぇ……?」
そのまま目を閉じた八神はやてが再び動くことは二度と無かった。
【巴マミ@魔法少女まどかマギカ 死亡】
【八神はやて@魔法少女リリカルなのは 死亡】
【ヴィータ@魔法少女リリカルなのは 死亡】
【E―4/1日目・午後】
【美樹さやか@魔法少女まどかマギカ】
【状態】健康、 魔女化(オクタヴィア・フォン・ゼッケンドルフ)、破面(アランカル)化
帰刃(レスレクシオン)
【装備】 人魚の魔女の甲冑、魔女の大剣×2、破壊の車輪×∞、崩玉
【持ち物】ランダム
支給品3~11、 基本支給品一式
【思考】
基本: 杏子を人間に戻す方法を探す
1:なんだかよくわからないが知ってる人がほむらやマミさんしかいないので彼女たちに加勢する
2:情報を集める
【備考】
※9話で無理心中した直後から参戦です。
※杏子のディバッグに入っていた崩玉の力で破面化したことにより自我を取り戻しました。
※回帰(レスレクシオン)することで魔女本来の力が使えるようになります。
※崩玉と一体化しているため再生能力が強化されています。
※魔法少女時にソウルジェムがあった場所に、孔が開いています。
※東方不敗と交戦中です。
【東方不敗@機動武鬪伝Gガンダム】
【状態】 疲労
【装備】 キュアハッピー(左中指中破)
【持ち物】 ランダム支給品1~2、基本支給品一式
【思考】
基本:地球を汚染から救い出す
1:美樹さやかを倒す
※キュアハッピーはスマイルプリキュア!第35話からの参戦です。
【佐倉杏子@魔法少女まどかマギカ】
【状態】 魔女化(オーフィリア)
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本:虚無を抱えて会場を彷徨う
1:美樹さやかを護る
【備考】
※9話で無理心中した直後から参戦です。
最終更新:2015年01月01日 00:46