バシィィィィィ!!!!
二人の拳がクロスカウンター気味に互いの頬に突き刺さり、気持ちのいい音が周囲に響き渡った。
先ほどから武器も使わず喧嘩のような殴り合いを繰り広げている黒崎一護とウルキオラは
そのまま吹き飛ばされるもなんとか踏みとどまり息を切らしていた。
「はぁ……はぁ……。」
「……そうか……巴マミは逝ったか……。」
パートナーの霊圧の消失を感じ少し悲しそうに呟いたウルキオラは血が滲み出ている腹部を押さえている。
対する一護も腹からの出血が止まらず朦朧とする意識の中それでもウルキオラに立ち向かおうとする。
戦う前から二人とも既に重傷を負っていたのだ。霊力などすぐに底を尽き、
あとはひたすら泥臭い殴り合いを続けるだけであった。
「悪いが喧嘩なら負ける気はしねぇぞウルキオラァ!!」
ウルキオラの頭を掴んだ一護は顔面に膝蹴りをブチかまし、仮面跡に罅を入れた。
そのまま連続で繰り出し勝負を決めようとしたがよろけるウルキオラに首を掴まれバランスを崩し
脇固めに入られる。一気に勝負を決めようとするウルキオラだが首を絞められたまま
首だけで背負い投げを決めウルキオラを地面に叩きつけた。
「がはぁ!?」
衝撃で腹部の傷が開き血を吐きだすウルキオラを仁王立ちで見下ろす一護。
黒崎一護はかつて『馬芝中の黒崎』と呼ばれヤンキー界で恐れられていた存在である。
殺し合いならともかく、殴り合いにおいては圧倒的なアドバンテージを有していたのだ。
「どうする?もう終わりか?」
体をふらつかせながらなおも立ち上がるウルキオラ。
「馬鹿を言うな、まだこれからだ。」
「ずいぶんお喋りになったじゃねぇか。」
「黒崎一護、一つお前に聞きたいことがことがある。」
「ん?なんだ?」
「おまえは井上織姫をどう思っているんだ?」
「………………………………は?」
ウルキオラの口から出た意外な人物の名前に虚をつかれて唖然とする一護。
「どうなんだ!?」
「いや、どうっていわれても……なんでいきなりそんなこと言い出すんだよ!?」
「あの女は貴様のことをたとえ5回生まれ変わろうと5回とも同じ人を好きになる、などとほざいていた。」
「なんだとっ!?」
「貴様は気持ちに応えてやらんのだ!?答えろ!!」
普段の無表情からは考えられない程の形相で叫ぶウルキオラを一護は呆然と眺めていた。
正直井上のことは今初めて知ったのでどうしようもない。だから、ふっと笑い話題を逸らすことにした。
「始めて遭った時とは大違いだな。前やりあったときは機械か石造と戦ってるような感じだったのによ。」
「……なん……だと……?」
「お前は芽生えちまってんだよ、感情ってやつにな。」
ウルキオラはバランスを崩してよろつき始める。よく見ると腹部を中心に灰化が始まっている。
考えてみれば超速再生ができる筈のこの男の傷が治ってなかったのだ。
恐らく戦う前からすでに致命的な傷を負ってしまっていたのだろう。
「………そうか………これが………心………か………。」
「どうする?まだ続けるか?」
ウルキオラは右手を抜き手の形に構えニヤリと笑う。
「………―当たり前だろう。」
そう言って突撃してきたウルキオラの顔面を一護の右ストレートのカウンターが容赦なく捉え、
彼を吹き飛ばし地面に叩き伏せた。
「……俺の、勝ちだな。」
「……残念ながら、そのようだな。」
灰化が全身に広がっていくウルキオラを見下ろしながら一護は尋ねた。
「なあウルキオラ、なんでお前そんなに井上のことが気になってたんだ?」
「……さあな、俺にもよく分からん。だが、始めて遭った時からあの女のことが頭から離れなかった。」
「多分だけどよ、お前は井上のことが好きだったんだよ。」
それを聞いてきょとんとしたウルキオラは、表情を崩して、高らかに笑った。
「ははははははっっっ!好きだと!?俺が井上を!?
………くくくっ、なんだ、最期に俺が感じた感情がなんだったのか、ようやく分かったぞ。」
完全に灰化して消える寸前、巴マミや井上織姫の顔を思い出しながら
どこか満足そうな顔をしたウルキオラは静かに呟いた。
「そうか、これが。」
愛
か
「……あの野郎、笑ってやがったぞ。」
遂にウルキオラと決着をつけることに成功したもののやはりどこか釈然としない思いを抱きながら
一護はふらふらとその場を後にする。正直自分のダメージも深刻だ。
もはや奇跡でも起きない限り生きて帰ることは絶望的だろう。
「でもよぉ、立ち止まるわけにはいかねぇ。」
戦っている最中に発覚したこのゲームの黒幕、孫悟空。
奴に一太刀浴びせるまでは倒れるわけにはいかない。
「あいつが……あいつこそチャドの仇なんだ、まだ終わるわけにはいかねぇ……。」
だが体は思うように着いていかず、石に躓き前のめりに倒れ込んでしまう。
「―――――よぉ、ボロボロだな、苺ちゃん。」
その体を、ベジータや勇次郎と別れて一人行動していたゼブラが受け止めた。
「……お前は!あの時の!?」
「弱ってる心音を聞きつけて来てみればオレンジ頭が見えたからな。
そんな体じゃもう戦えねぇだろ。てめぇはもう休んでろ。」
ぶらきっぽうながらも自分を気遣うゼブラの手を振りほどき、一護は立つ。
「なぁ、あんたは孫悟空の居場所がどこか判るのか?」
「心音を聴いてりゃなんとなくな。てか
チョーシに乗るなよ。お前はもう無理だ。」
「いや、まだやれるぜ。……ウルキオラの時は使わなかったけど、最期のとっておきがな。」
「なんだと?」
そう言った一護は黒い瘴気のようなものを全身から発し、瘴気が晴れた時そこに居たのは
口から上半身にかけて青灰色の包帯を纏った黒髪のロングヘヤーの男だった。
「―――最後の月牙天衝。切り札っていうのはつまり、俺自身が月牙になることだ。」
真紅の瞳をこちらに向けた一護を眺めてゼブラは呟く。
「テメェ、名前は苺なのに髪はブラックなんだな。」
「行くぞ、ゼブラ。――――――奴を斬りに!」
【ウルキオラ・シファー@BLEACH 死亡】
【E―4/1日目・午後】
【黒崎一護@BLEACH】
【状態】最後の月牙天衝 疲労(大)ダメージ(大) 、腹部損傷
【装備】 天鎖斬月
【持ち物】ランダム
支給品0~2、基本支給品一式
【思考】
基本: 孫悟空を倒して元の世界へ帰る
1:ゼブラと手を組む
【備考】
※参戦時期未定。ですがウルキオラとは会っています
※普段より霊圧を感じられません。一エリア。もしくは二エリアが限界です。
※侘助に疑問を持っています
※放送を聞き逃しました
※最後の月牙天衝を放つと全ての霊力を失います
【ゼブラ@トリコ】
【状態】 ダメージ(中)、疲労(中)、カロリー消費(中)
【装備】
【持ち物】ランダム支給品0~2、基本支給品一式
【思考】
基本: 主催含めチョーシに乗った者は殺す。他は知らない。
1:悟空を殺す
2:邪魔する奴(チョーシに乗ってる)は潰す
3:小松はついでに救う。あと食料がほしい
【備考】
※グルメピラミッド後参戦
※若干能力の方に制限
※オープニングでトリコと一緒に食べていたのは四天王達です
※ウルベやまどかの音を聞きましたが誰かは分かっていません
※トリコの変化の音を聞きました
最終更新:2015年01月01日 00:55