「お疲れ様ハルト。ったく、ショ―コ様も人使いが荒くて嫌になるわね。
まあ、人間なんか嫌いだし、私は有名になれれば別にいいんだけれども。
ん?どうしたの?具合が悪いの?―――ちょっと!何考えて!?きゃああああああぁぁぁ!!!!」
―――――僕じゃない、これは、僕じゃない。
「ハルトさんはカミツキだから。あ、噛みつくからって意味じゃないですよ?
あんな凄いロボットを動かせるんですよ?きっとハルトさんには神様がついてるんです。
あれ?どうしましたハルトさん?気分が悪いんですか?―――え?何!?いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」
――――そう言い訳を重ねて信じてもらえる確率は。
「おいやったぞ!ハルト!見ろよこれを!ハルト募金が5億突破だ!
一割は手数料として俺がピン撥ねするからな!世界一の金持ちまであと一歩だぜ!
あぁ?どうしたんだよ?腹でも痛くなったのか?―――あ?あぁ!?ああああぁぁぁーーーーー!!!!」
――――ゼロじゃない、ゼロじゃない。
「やっほーハルト!羊羹持ってきたよー!まぁ、見た目はともかく味は保証するわ!
え?犬塚先輩?きゃぁぁぁぁぁ!!!!ハルトぉぉぉぉ何やってんのぉぉぉぉぉ!!!?」
◆ ◆ ◆
「――コイツモココマデミタイダナ。」
「――マァ、ケッコウガンバッタホウナンジャナイカ?」
「う……うぅ……!?……今のは、夢?」
ロワ会場のE―5付近。
地面にできた巨大なクレーターの真ん中で大の字になって倒れている
ヴァルヴレイヴ一号機のコックピットの中で気を失っていた時縞ハルトは目を覚ました。
「……こ、こいつら、なんて強さなんだ……!?」
切り札のハラキリブレードが跳ね返されたことを思い出しハルトは戦慄する。
最初はヴァルヴレイヴの空を跳びながらの三次元的な戦法で二人の巨人相手に
有利に戦闘を進めていたハルトであったが二人が謎の光に包まれた瞬間事態は一変した。
鎧の巨人と超大型巨人に金色に輝く翼が生えて彼らも空を飛び回り始めたのだ。
そう、彼らはプリキュアを超えたプリキュア、クレッシェンドスイートプリキュアに進化したのである。
こちらのアドバンテージの消失とあまりのおぞましい姿に戦意も消失したハルトは
ヤケクソ気味に放ったハラキリブレードも封殺されコックピットの中で恐怖していた。
「……か、帰りたい……。」
もう既に星が真っ二つに砕けているのを見て嫌な予感はしていたがここは本当に地獄だ。
元はと言え自分がこの星に左遷されたのもシューコが銀河を支配してやるぜとかトチ狂い始めたのも
呪いの発作が押さえきれなくなり誰であろうと構わず襲い掛かるようになった自分のせいなのだが。
「――モウラクニシテヤロウ。」
「――アア、フィナーレダ。」
二人の巨人は倒れているヴァルヴレイヴの周囲を回転しながら結界のようなものを発生させ機体を包み込んだ。
「な、なんだこれは!?」
「――プリキュア・ミュージックロンド・スーパーカルテット。」
「――1・2・3・フィナーレ。」
二体の巨人の掌から発射された放たれたト音記号のエネルギーが碌に動けないヴァルヴレイヴに襲い掛かる。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!ショーーーコーーーー!!!!」
幼馴染の顔を思い出し、こんなことなら一度襲っておけば良かったと後悔しながら破滅の光に包み込まれた。
その時であった。
「どりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
天空から飛来してきた二つの巨大な物体が鎧の巨人と超大型巨人の頭部を蹴り飛ばしたのだ。
地響きを立てて二体の巨人が倒れ込むと同時にその二機のロボットが振り向く。
「大丈夫ですかハルトさん!?」
「あーあ、やっぱり苦戦してたわね。捜したんだから感謝しなさい。」
ヴァルヴレイヴ四号機火ノ輪のパイロットである元アイドル流木野サキと
山田雷蔵が独房に入ってる間にヴァルヴレイヴ三号機火神鳴と契約した櫻井アイナである。
「流木野さん!?」
「あ、そういえば。」
「え?―――がふっ!?」
四号機の特に理由のない多連蹴りがハルトが乗ってる一号機の腹部に叩き込まれた。
「……ねぇ、ハルト、あんた私だけじゃ飽き足らず桜井さんや犬塚先輩にも手を出したんだって?
我慢できなくなったら私のところへ来なさいって何度も言ってたのに!!」
「ち、違う!僕は何も覚えていない!」
「やめてください流木野さん!確かに犬塚先輩はこの前『嫁に行けない体になっちまったぜ』
とか言って部屋に引き籠っちゃいましたけどハルトさんは病気なんです!」
「――ゾウエンカ?」
「――ナンニンコヨウガオナジダ。プリキュアノチカラヲテニイレタワレワレノテキデハナイ。」
「ふん!後でゆっくり調教し直してあげるわハルト。じゃあ、こいつらをさっさと片付けるとしましょうか。」
ヴァルヴレイヴ四号機は両肩の超電磁ヨーヨーを外して戦闘態勢を取る。
「カーミラの力をとくと味わいなさい!!」
腰の多脚ブーストから緑色の光を放ち、超高速でキュアメロディの恰好をした超大型巨人に襲い掛かった。
顔面に向かって空を飛びながら突進してくる鋼鉄の巨人を巨体に似合わぬ俊敏な速度で手を動かし
超大型巨人は十字固めにガードして防ごうとする。
その様子を見て、サキはコックピットの中でニヤリと笑った。
「……獲った。」
「――ナニィ!?」
超大型巨人の目と鼻の先まで接近した機体のコックピットがパージし、中から生身の流木野サキが飛び出したのである。
かぷっ。
そして、サキは超大型巨人の首筋に蟻のように噛みついた。
「―――ドウシタ?ベルトルト?」
緑色の機体のパイロットが謎の奇行に走って以来膠着して動かなくなった超大型巨人の様子が
気になったキュアリズムの恰好をした鎧の巨人は彼の傍に近づいていく。そして目前まで来た時。
ドゴォォォォォ!!!!
超大型巨人の特に理由のない暴力が鎧の巨人を襲った。
「―――ガハァ!?」
「ラ、ライナァァァァーーー!!!」
超大型巨人に襟をつままれた状態で宙にブラブラと浮かされているサキが絶叫する。
「あ、あれは!?」
「そうか、流木野さんがあの巨人と入れ替わったんだ!」
「―――ウ、ウゥゥ……!?」
「―――サア、あなたのお友達を潰れたトマトにしたくなかったら大人しく降伏しなさい。」
「な、なんて卑劣な!?」
「……あの場合潰れたトマトになるのは流木野さんの体だけどいいのかな?」
ドン引きするハルトとアイナが見守る中、鎧の巨人は両手を上げて膝をついた。
「―――ワ、ワカッタ、オレタチノマケダ。ベルトルトヲハナシテヤッテクレ。」
「……す、すまないライナー。僕なんかの為に。」
◆ ◆ ◆
「よお待たせたなハルト!助けに来たぜ!」
「あ、山田さん。」
「遅かったわね山田。もう終わったわよ。」
「なんだと!?」
「……つーかあの男は無事だったのね。せっかくだから山田も襲っときなさいよハルト。」
「勘弁してください。」
「おい!何の話だ?」
救援に来た、火神鳴をアイナに取られた為仕方なくヴァルヴレイヴ六号機火遊(魔法少女タイプ)に
乗ることになった山田ライゾウ(自称サンダー)を無視して三人はロープで縛り上げた巨人の中に居た男、
ライナーとベルトルトを尋問する。
「全開バトルロワイアル?」
「ああ、この星の会場で行われているイベントの名前だ。俺達も詳細は知らん。」
「僕たちの故郷に帰る手伝いをしてくれるっていうから協力していたんだ。」
「こいつらですら雇われの身にすぎなかったって訳ね。はぁ、先が思いやられるわ。」
溜息をつくサキの頭上でコックピット内の山田ライゾウ(自称サンダー)は叫ぶ。
「いいじゃねえか!俺たちでそのゲームの主催者を倒しちまおうぜ!燃えた来たなぁ!」
「いや、もうその必要はなくなった。」
六人が振り向くと、そこにはハルトの暴走から逃れる為に一足先に会場まで逃げていた
旅団ひとりと呼ばれる男エルエルフの姿が。
「どういう意味?エルエルフ?」
「さっきこの星の状態を調べていたのだが、かなり不味いことになっているぞ。」
「イデオンガンを地表に向けて発射した衝撃で星の核が深刻なダメージを受けたらしい。
俺の予測が正しければ、もうすぐこの地球は爆発する。さっさと逃げた方が賢明だ。」
【E―5/1日目・午後】
【時縞ハルト@革命機ヴァルヴレイヴ】
【状態】
【装備】ヴァルヴレイヴ一号機火人
【持ち物】
【思考】
基本:ジオールを護る
1:ショ―コ調子に乗り過ぎ
2:会場から脱出する
【流木野サキ@革命機ヴァルヴレイヴ】
【状態】
【装備】ヴァルヴレイヴ四号機火ノ輪
【持ち物】
【思考】
基本:有名になる
1:ハルトを脅迫して籍を入れさせる
2:会場から脱出する
【櫻井アイナ@革命機ヴァルヴレイヴ】
【状態】
【装備】ヴァルヴレイヴ三号機火神鳴
【持ち物】
【思考】
基本:ハルトを助ける
1:犬塚先輩大丈夫かな?
2:会場から脱出する
【山田ライゾウ@革命機ヴァルヴレイヴ】
【状態】
【装備】ヴァルヴレイヴ六号機火遊
【持ち物】
【思考】
基本:仲間を護る
1:俺の出番は?
2:会場から脱出する
【エルエルフ@革命機ヴァルヴレイヴ】
【状態】
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本:会場から脱出する
1:俺達は何しに来たんだろう?
【超大型巨人@進撃の巨人】
【状態】捕縛、変身(キュアメロディ@スイートプリキュア)、人間形態
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本: 人類を抹殺する
1:目的の為主催者に協力する
【鎧の巨人@進撃の巨人】
【状態】捕縛、変身(キュアリズム@スイートプリキュア)、人間形態
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本: 人類を抹殺する
1:目的の為主催者に協力する
最終更新:2015年01月01日 01:18