異星人インキュベーターが少女の願いを叶えるというのは実のところ正確ではない。
暁美ほむらが一ヶ月限定で時間を巻き戻す魔法を手に入れたように、
佐倉杏子が人々を幻惑する魔法をかつて持っていたように。
インキュベーターは普通の少女を願いを叶える力を持った魔法少女に変化させるのである。
では、暁美ほむらが繰り返した最後の時間軸で「全ての宇宙、全ての時間の魔女をこの手で消し去りたい」
と願った鹿目まどかは、一体どんな魔法少女になってしまったというのか?
全宇宙の魔女を破壊できる戦闘力を身に着け、あらゆる時間に同時に存在する為に
肉体を棄てて概念と呼ばれるようになった少女。その者を、魔法少女たちはいつか円環の理と呼び神の様に崇めることになる。
「――――――ウォームアップはおしまい?」
イデオンの全身から発射された全てのミサイルを無数の光の矢で撃ち落した鹿目まどかは
天使のような翼を羽ばたかせて空に浮きながら伝説巨人に語りかける。
バッフクランの無数の艦隊を一気に全滅させる、イデの力を使わない武装では最強の威力を誇る攻撃も
必殺技のシューティングスターを拡散タイプで放てば全く恐れるに足りない。
だが勿論、伝説巨人の本当の力はこんなものではない。
イデオンは足元に落ちていたを巨大な砲銃を蹴り上げて手に取り、そのトリガーを両手で握る。
イデオン波導ガン。
イデの力によって腹部シャッター内に発生させたブラックホールのエネルギーを
超重力渦巻きとして放出する、亜空間すら突き破るほどの威力を持つ重力衝撃砲である。
制限がかかっている会場内でなければフルパワーで放てば星々を銀河ごと消し飛ばしてしまうだろう。
「その大砲ですべてを無に帰そうというのかな?」
まどかは樹木のようなデザインの弓の先端についている花に意識を集中させる。
すると、閉じていた花弁が花開き、まるで炎の様に光り輝きだした。
「あれは――?過去現在未来のすべての魔法少女の力を集約しているの?」
「なるほど、孫悟空の元気玉と同じ原理か。」
「みなさまお菓子はいかがカシラ?」
「あら、ありがとうシャルロッテ。」
ほむらが抱きかかえているお菓子の魔女が口から出したチョコレートやスナック菓子を
食しながら暁美ほむらと範馬勇次郎は神と神の戦いを眺めている。
「フフ……最高だなこの戦場は。」
キャンディーをバリバリ喰いながら勇次郎は語る。
「俺の世界には俺より強いやつが誰も居ねぇ。富、名声、地位、ありとあらゆる栄光。
この強すぎる腕っぷしで全てに届いちまう。まるでジュースでも買いに出かけるように、
栄光とやらの場所まで歩いて行き、自販機で缶ジュースを入手するように栄光を手にする。
そこには挫折障害の一切が存在しない。そのジュースを栄光と呼べるかい?
そりゃもう退屈で退屈で辟易していたさ、人生ってやつに。頂きへ届いちまったら、
目指す場所はもう何処にもねぇ……そう思っていた。」
勇次郎は孫悟空を思い出してニヤリと笑った。
「山のてっぺんまでまで来たら空を飛べばいい。その先には宇宙。俺にはまだ目指す場所があるってワケだ。」
「よかったわねおじさん。でも、努力しても努力しても、人間がたどり着けない境地は存在するわ。
あなたはまどかに、私の女神様に勝てるのかしら?」
チョコボールをモシャモシャ食いながらほむらはニヤリと笑う。
上空ではまどかの弓のチャージとイデオンの波動ガンのチャージがほぼ同時に完了したようだ。
「魔法少女の願い、その希望をなかったことになんてさせない。」
まどかは純白のドレスをはためかせ、セフィロトの樹を描いた魔法陣を前面に発生させる。
今回放つ矢は「拡散」でなく「集約」。惑星より巨大な宇宙を滅ぼす存在「誰でもない魔女」を
一撃で仕留めた鹿目まどかの必殺の一撃。
「シューティング・スタァァァァァァーーーーーー!!!!」
イデオンが発射した超重力渦巻きに向かって、宇宙一つを滅ぼす威力の光の矢を解き放った。
その膨大なエネルギーは超重力渦巻を掻き消しながらイデオンに向かって突き進んで行き。
「勝った!……え?」
「な―――そんな!?」
イデオンに当たる寸前に光の矢はエネルギーを使い果たして消滅した。
そして重力の渦が消え、姿を見せたイデオンの両腕から眩い光が発せられ。
無限力の放出そのものである光の剣がまどかに向かって真っすぐ伸びていった。
「これが無限力……!くっ!」
まどかは慌てて天使の羽で全身を包み込みイデオンソードをガードする。
直撃による本体のダメージは免れたものの放たれたエネルギーを消滅させることはできず
まどかは何処までも伸びていく光の柱に吹き飛ばされ、瞬く間に地球の外へと追いやられ、地上から姿を消した。
文字通り宇宙の果てまで吹き飛ばされたかもしれない女神を、暴走しているイデオンは咆哮を挙げて追撃を開始する。
神と神の戦いの舞台は宇宙へと広がっていったのだ。
「あーあ。行っちまったぜ。」
「……まどか……。」
◆ ◆ ◆
「はぁ、どうしようかなぁ?」
星々を横目で見ながら吹き飛ばされるまどかは次の作戦を考える。
全宇宙が今まで放出してきた全エネルギーを遥かに上回るイデオンの無限力。
超新星爆発と同等以上の威力を持つガンド・ロワの過電粒子砲が直撃しても無傷だったそのバリアの強度は伊達ではない。
この壁を破るには自分も「全開」になるしかないだろう。
まどかは両手からイデオンソードを放出しながら自分を追ってくるイデオンを睨み付ける。
宇宙なら制限はかからない。不利なのは寧ろ向こうの方だ。
――――――全ての魔法少女の願いを込めて、今、無限力を突破する!!
「見よ!母星に、肉体と進化の可能性を封印した、この醜き姿こそ我々の決意の印!
螺旋の力に溺れる愚か者達よ…貴様らにそれだけの覚悟があるのか?
元は同族だった者を倒し、我が身の進化を閉じ込め、この宇宙を守ろうとする我々の覚悟に、
敵う道理があるか!?」
大宇宙の最果ての何処か。
銀河を手裏剣の様に投げながらアンチスパイラルが叫ぶ。
螺旋の炎を纏った紅い鬼神、天元突破グレンラガン。
アンチスパイラルがグレンラガンに絶対的な絶望を与える為に具現化した造り出したグランゼボーマ。
銀河系や球場星団を遥かに超えた、宇宙よりも巨大な二体のロボットによる次元を超えた殴り合い。
螺旋宇宙の中で螺旋族の時間と空間を超越した最後の戦いが繰り広げられていた。
「ない!! 否!! 否否否否否否否否否否!! 断じて、否ぁあああああああああああっ!!!」
「決意もなく、覚悟もなく、道理もなく、己の欲望のままに螺旋力を使い、
その力に溺れる…それが螺旋族の限界! だからこそ、滅びなければならないのだ!!」
「それが貴様の限界だ!!俺たちはドリルが一回転すればその分だけ前へ進み進化する!!
俺達のドリルは天を貫くドリルだぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
グランゼボーマは銀河を捏ね繰り回して巨大なエネルギー体を造り出す。
「永劫に続く宇宙創世の劫火に焼かれ!!DNAの一片まで完全消滅するがいい!!」
「うおおおおおおおおお!!!!!!!!」
その超巨大エネルギー球を天元突破グレンラガンに向けて解き放った。
パリ――――ン。
その時であった。
「な、なんだぁ!?」
螺旋宇宙に穴が空き、とてつもなく小さい物質が二体の間に割り込んできたのだ。
「あれ?何ここ?――――わああああああ!!!!!????」
エネルギー体はその人間サイズの物体を巻き込み、グレンラガンに向かって突き進んでいく。
だが、徐々にエネルギー体は小さくなって行き、とうとうグレンラガンに当たる前に消滅した。
「あー、びっくりしたぁ。」
天元突破グレンラガンの鼻先にぶつかったその極小の物質、
女神の様な恰好をした純白の少女が持っている弓の先端の花がメラメラと燃えている。
宇宙を破壊する超エネルギーを弓がすべて吸収したのだ。
「……え?」
「……女の子?」
天元突破したラガンの中で、シモンとニアは突然の意味不明な事態に困惑していた。
純白の少女は振り向き、じたばたとしながら何か伝えようとしている。
「――――あれ?ひょっとしてこれ人が乗ってるんですか?」
「おい!何だキミは!?」
「いけない!すぐ逃げてください!ここは危ないですよ!!!」
「螺旋宇宙に孔を空けて破壊するだと!?馬鹿な!!一体何者!?―――――だ?」
狼狽えるアンチスパイラルがグランゼボーマに後ろを振り向かせたそのその先に居たのは。
螺旋宇宙に侵入し多元宇宙空間の機能を狂わせたもう一つのイレギュラーの姿であった。
そしてその玩具のようなロボットの両腕から何かが振り下ろされるのを目撃する。
その一撃は体積比率を考えれば髪の毛より細い一閃だったであろう。
だが無限の射程範囲を持つその光の剣の全長はは銀河の直径をも凌ぎ。
直撃したグランゼボーマがコアの母星ごと真っ二つに切り裂かれた。
「――――な、なにぃぃぃぃぃ!?」
母星ごと両断され絶叫するアンチスパイラル。
その様子を唖然としながらシモンは眺め。
「やべぇええええ避けろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
無限に伸びるイデオンソードが天元突破グレンラガンの頭部を直撃した。
「はぁ……はぁ……。あ、危なかったぁ。剣が途中で止まってよかったね。
なんだかよく分かんないけど、アンチスパイラルはもう虫の息よ。さあ!早く止めを!
………え……?……シモン……?……嘘……?……シモォォォォォォォォォォン!!!!!」
イデオンソードを翼の白刃取りで受け止めたまどかは背後から聞こえる少女の悲鳴を黙殺する。
魔女の殲滅を願った自分にできることは破壊のみ。この力を救いへ当てることは敵わないのだ。
「……少し、力を借りますね。」
まどかは弓に意識を集中させ、天元突破グレンラガンの力、螺旋力を吸い出していく。
そして、緑色に輝き螺旋状に渦巻く光の矢を弓にかけた。
「―――スパイラル・シューティングスタァァァァァァーーーーーー!!!!」
まどかの手から放たれたその光り輝く矢は両断されたグランゼボーマを瞬時に消し去り、
後ろに居るイデオンに直撃。その衝撃で螺旋宇宙が消し飛び、無数の銀河の爆発と共に
イデオンは表面の塗装を剥がしながら遥か宇宙の彼方へと吹き飛ばされた。
◆ ◆ ◆
「よぉ、捜したぜ親父ぃ。なんだよその恰好?コスプレにでも目覚めたのかい?」
同時刻のロワ会場。
勇次郎の臭いを嗅ぎつけ、丸太を装備して巨人と闘い始めた独歩と別離した
範馬刃牙が木陰でくつろぐほむらと勇次郎の前に姿を現した。
地上最強の親子が遂に再会を果たしたのだ。
「俺も色々あってな。貴様もこの会場の闘争を生き延びてきたのかぁ。」
「まあな、じゃあ早速始めようぜ親父。」
興味無さそうにポテチを喰らうほむらに見守られながら、構えを取った二人の空間がぐにゃりと歪む。
瞬間、刃牙がゴキブリダッシュで突進を仕掛けた。それを受け止めがっちりとホールドする勇次郎。
「……ところで刃牙よ、貴様はこの会場で今まで何をしていた?」
「ああ、激しい戦いの連続だったぜ。カマキリを召喚して戦わせたり
巨大なゴキブリと友達になったりそりゃもう全編通して苦戦続きで……。」
「そうか。」
バシィィィィッッッ!!!!
勇次郎は蠅を叩き潰すように刃牙の頭を掴んで地面に叩きつけ、
人間大に形成されたのクレーターの中にねじ伏せた。刃牙は涎を垂らして気絶する。
「 昆 虫 遊 び は 家 で や れ ド 阿 呆 。」
セル、孫悟空、ブロリー。
想像を絶する強者との戦いを経て全開に目覚めた範馬勇次郎とひたすら妄想していた範馬刃牙。
両者の戦闘力の差は再び大人と赤子の関係まで戻ってしまっていたのである。
「……あー、終わった?」
「戦勝祝いにチョコレートボンボン一杯作っておいたのダワ。存分に喰らうがいいのダワ。」
「うむ。」
気絶した刃牙を放置し木陰に帰還した勇次郎はシャルロッテが召喚した
高級ブランデー入りのチョコレートボンボンを鷲掴みにして貪り喰った。
◆ ◆ ◆
――――――儒生暦35670、兜卒天羅王降臨す!!
「虎空王だな?」
「来たか、遅かったじゃねぇか。もう始まってるぜ。」
大宇宙の最果て。虎空王と対面した空海坊爆烈はビッグバン以上のエネルギーを発し
星々を破壊しながら合体する銀河より巨大なロボットの姿を宙域で見守っていた。
宇宙を破壊する機械の怪物、ゲッターエンペラーである。
ゲッター線の導きで造られた進化するロボット、ゲッターロボの最終進化系。
永劫の時をひたすら戦い続け宇宙を支配するまで進化し続けてきた成れの果てである。
一体何の為に?答えは彼らの目の前に広がる空間のような怪物と闘う為にあった。
赤子のような形状をした意思を持った空間体、星々を喰う魔物、ラ=グース。
「役者は揃ったみてぇだな!じゃあおっぱじめるぜぇ!」
流竜馬の叫びとともに、今、全宇宙の支配者の座を賭けた最期の戦いが始まろうとしていた。
『―――ヴオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!』
ラ=グースは宇宙を空間ごと振動させ粉砕する基本技、デストロイスペーシーでエンペラーを圧殺しようとする。
いまここに集う者は全員が空間支配という能力をもっている。
支配している空間において空間や物質、果ては時間までもが意のままに操れる全知全能の力を行使できるのである。
ラ=グースの支配領域はあろうことか宇宙全体。故に全宇宙最強とされる。
だが。
「おりゃあああああ!!!!!!!」
宇宙振動を切り抜け、空間支配を無視したゲッターエンペラーの鉄拳がラ=グースの頭部を打ち抜き粉砕した。
双方が空間支配能力を持っている場合、その勝敗は支配の濃度によって決まる。
ゲッターエンペラーの支配領域はラ=グースより狭いものの
その濃度はもはや空間支配の影響力の及ばぬ域に達していた。
すぐに再生するもののラ=グースは動揺を隠せず、否、生誕して初めての好敵手の出現に歓喜していた。
「やるじゃないかあの男!」
「俺達もいくぞ!――――――――んん?」
爆烈王と虎空王の目前を、派手な赤色に塗られた玩具のようなロボットがものすごい速さで通り過ぎた。
「何だ今のは?」
「さあ?……あ、ラ=グースに飲み込まれたぞ。」
大きく開けた口の中に吸い込まれた玩具みたいなロボット。
一体何事かと首を傾げた次の瞬間。
銀河を飲み込むほどの超巨大な渦巻きがラ=グースの体内から発せられ、ラ=グース宇宙を内部からぶち抜いた。
「な!なんだぁ!?」
「うおおおお!?」
渦巻きに巻き込まれてゲッターエンペラーの下半身が消し飛ばされる。
『―――ヴオオオオオオオオオオオ!!!!!!!?』
明らかに動揺し苦痛の叫びを上げるラ=グースを流竜馬は呆然と見つめていた。
「なんだ、今の攻撃は!?」
「わからん!だが!これは好機だ!」
「お前らぁぁぁぁぁ!!!すべての力をゲッターエンペラーに集中させろ!!!!」
ゲッターエンペラーが両手を合わせ、巨大な光の球を造り出す。
あらゆる物質、存在を因果地平の彼方へ吹き飛ばす究極の武装。
「エンペラァァァァァシャァァァァァァインスパャァァァァァァクッッッッ!!!!!!!」
光の球がラ=グースに向けて放たれ、数万年にも及ぶ全宇宙の存亡を賭けた戦いの幕が今降ろされる!
筈だった。
「え?」
「なに!?」
突然、光の球が縮小し、虚空に消え失せたのだ。
否、消えたのではない。余りの小ささゆえ見えないが宇宙に佇む一人の人間にすべて吸収されたのである。
純白の衣を身を纏い宇宙空間に降臨したその姿は正に天使。
「丁度いいエネルギーだね。ちょっともらうよ。」
「お、女の子だと!?」
面食らう流竜馬を無視して、鹿目まどかはシャインスパークの全エネルギーを吸収した弓に矢を掛ける。
狙うのは孔が開いたラ=グースの体内からイデオンガンを構えた伝説巨人。
「―――シャイニング・シューティングスタァァァァァァーーーーーー!!!!」
ゲッター線を全て吸い出した、全宇宙を滅ぼす威力の光の矢が放たれ、
余波でラ=グースが空間ごとその存在を消滅させる。
「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!??????」」」
爆発に巻き込まれたゲッターエンペラーと虎空王と爆裂の断末魔の叫びを尻目に、
攻撃が直撃したイデオンは装甲を歪ませながら吹き飛ばされて宇宙の果てを遠ざかり、
まどかも超光速でその後を追っていった。
ところで産まれたときから戦っていたとされるラ=グースやゲッターエンペラーは
一体何のために進化を続けていたのか?その答えは宇宙の外側に存在する。
『まだか?まだ出来ないのか?奴に対抗する兵器は?』
『最大の候補の二つの反応が消えた。自滅したのかもしれん。』
『ええい!なんということだ!一刻も早く神の力が通じぬこの怪物を倒さねばならぬというのに。』
全知全能の大いなる意思達が焦り始める。
彼らの目の前に広がるのは宇宙の外側を全て覆い尽くす無限の浸食空間、時天空。
ありとあらゆるものを同化し浸食し喰らうこの空間から宇宙の消滅を防ぐために
大いなる意思は長い時を経て無限に進化する生物体、人類を造り出した。
ラ=グースとゲッターエンペラーはその完成系であったのだ。
『ビッグバンの衝撃が収まるまでに次の手を!』
『ああ!そうだな!―――ん?なんだ?』
宇宙の内部から外部へ向けて、何か無数の光の矢のようなものが放たれた。
それはどこまでも無限に飛び回りながら時天空の空間を次々と破壊していく。
『なんだこの攻撃は!?』
『おお!見ろ!』
すぐさま再生するはずの時天空の崩壊が収まらない。
機械のような空間が次々と崩れて消滅していき、とうとう宇宙の外側には何も無くなってしまった。
『これは……核が破壊されたのか!?』
『―――――――時天空が死んだ!?』
『宇宙は、我々は救われたというのか?』
『でも、一体誰が……?』
全知全能の大いなる意思たちは喜びなどせず、未知なる現象に恐怖を覚えるのであった。
◆ ◆ ◆
同時刻ロワ会場。
空から飛来してきた巨大な物体が会場に落下し、地面に巨大なクレーターを作り上げた。
「あ、帰ってきた。」
「ずいぶん派手にやらかしてたみてぇだな。」
飛来した物体、イデオンは塗装がすべて剥がれ落ち、装甲のあちこちが凸凹にへこんだ
見るも無残な姿に成り果てていた。だが、まだ伝説巨人はその機能を停止してはいない。
「本当にしぶといなぁ、でも、今度こそ終わりだよ。」
天使の翼をはためかせて飛来した鹿目まどかの右手には螺旋状に渦巻く緑色の光の矢。
左手には赤く輝く炎のような花を先端に咲かせた弓を掲げている。
「螺旋力とゲッター線、そして私の力。さっき宇宙の外に向けて試しにぶっぱしたら
なんか宇宙を覆ってたよく分かんない怪物も倒せちゃったし、これならいけそうだね。」
イデオンのエネルギー総量は全宇宙の99.9999999999……99倍。すなわち「無限」に相当する。
本気でバリアを展開すればどんな攻撃でも絶対に通用しない。
だが「絶対防御」も、更なる威力を秘めた「絶対攻撃」の前には無力と化す。
光の矢を、「拡散」させずに真下のイデオンに向けて「集約」させ、まどかは叫んだ。
「アルティメット・シューティングスタァァァァァァーーーーーー!!!!!!!」
解き放たれた宇宙最強の一撃が伝説巨人に襲い掛かり、激しい光がその巨体を包み込む。
◆ ◆ ◆
「行くぞ必殺!タワーブリッジネイキッド!!」
「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!」
「うおおおおおお!!!!いいぞーロビー――ン!!!」」
「ああ!行けるぞキン肉マン!!」
ブチッ
「なに!?」
「どうしたテリーマン!?」
「大変だ!ミーのシューズの紐が千切れた!?」
「なんじゃと!?」
「不吉だ!!ロビンは無事なのか!?」
ブシャアアアア!!!!
『決まったぁぁぁぁぁ!!!ロビンマスクのフェイバレット、タワーブリッジ!!
完璧超人ネメシスの胴体を真っ二つに圧し折ったぁぁぁぁ!!!』
「うおおおおお!!いいぞーーロビー――ン!!
なんじゃい冷や冷やさせおって!!ロビンのヤツ絶好調ではないか!!!!」
「あ、ああ……杞憂だったか……?」
◆ ◆ ◆
クレーターから黙々とキノコ雲が立ち上る。
恐らくイデオンは跡形もなくなってしまったであろう。
「やったわまどか!最高よ!」
「えへへ♪―――――え?」
勝利を確信したまどかが地上ではしゃぐほむらに手を振ろうとしたその時、
地面から伸びた光線が、まどかの体に直撃した。
「まどか!?」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!????」
消滅こそ免れたものの、純白のドレスが破け羽根が飛び散り、まどかは地面へと落下していく。
モクモクと立ち上る煙が晴れ、満身創痍の伝説巨人が姿を現した。
――イデオンの内部。
『全宇宙の99.9999999999……99%のエネルギーを内容しているイデオンのバリア。
宇宙一つを滅ぼす力を持った「誰でもない魔女」を破壊するアルティメットまどかの一撃。
0.0000000……01%の差異とは言え、理論上はこちらが彼女に打ち負けるはずだが?』
「宇宙で戦えばそうだっただろう。だが、彼女と我々は会場に帰ってきた。
ここで戦う以上、威力に制限がかかるのは道理。最後の最後に、爪が甘かったな。」
水槽の中で逆さまになりながらアレイスターはほくそ笑む。
車酔いが深刻なほかの乗組員と違って衝撃に対する対策は万全だ。
『こちらBメカ。マスター、ベイ様が息してません。』
「放っておけ。」
「……あーこれだ。」
落下するまどかを、筋肉質な腕が空中でキャッチした。
「男ならどれだけ軟弱者だろうが先ほどのような黄色い悲鳴は上げん。
いかに神様だろうが、それが女の限界よ。」
「……むっ、失礼な。」
「まどか!」
「ほむらちゃん!」
ほむらはドレスが破れてボロボロになったまどかと抱き合う。
彼女は勇次郎と一緒に変身したシャルロッテの恵方巻きのような胴体に乗ってまどかを救助しにきたのだ。
彼女たちの目前には大破しているとはいえまだ立ち上がる伝説巨人。
「欲を出しおって。あのまま宇宙で戦えば貴様の勝利は覆らなかっただろうに。」
「えへへ……いやぁ……やっぱ最後はほむらちゃんの前で恰好よく決めたかったからつい……。」
「……まどか。」
「ごめんね、格好悪いところ見せちゃって。」
「そんなことないわ!すごく恰好良かったわよ!」
「ほむらちゃん……。」
「まあいい、貴様らはそこで休んでいろ。」
勇次郎はシャルロッテの上で両手を上げて構え、イデオンと目を合わせて二ィ…と嗤う。
「―――伝説巨人!!久々に喰ってみたくなってきたぜ!!」
【天元突破グレンラガン@天元突破グレンラガン 死亡】
【アンチスパイラル@天元突破グレンラガン 死亡】
【ゲッターエンペラー@ゲッターロボサーガ 死亡】
【空海坊爆烈@虚無戦記 死亡】
【虎空王@虚無戦記 死亡】
【ラ・グース@虚無戦記 死亡】
【時天空@真説・魔獣戦線 死亡】
【E―4/1日目・午後】
【暁美ほむら@魔法少女まどかマギカ】
【状態】 疲労、ダメージ(小)ソウルジェムに穢れ(小)
【装備】 トカレフ(3/8)、魔法少女服
【持ち物】 ランダム
支給品1~3、基本支給品一式 ×3、予備弾薬32/40
【思考】
基本: まどかを守る
1:まどかの戦いを見守る
2:なにか私にできることは?
3:この男は一体?
4:そういえばキュウべぇは何処へ行ったんだろう?
【備考】
※クリームヒルトの麓に落ちていた鹿目まどかのディバックを回収しました。
※制限に気づきましたがどれくらいかは理解していません
※プリキュアに対し別の魔法少女と判断しました
※願いを叶えると言っていますが『まどかを殺さなければならない』という事実に気づいていません。
※垣根に対して異常な恐怖心と警戒心を抱いています。
※シャルロッテの上に乗っています
【お菓子の魔女@魔法少女まどかマギカ】
【状態】 魔女化(シャルロッテ)、変身
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本: チーズが食いてぇ
1: まずは腹ごしらえなのダワ
2: 参加者に見つかったのでぬいぐるみのふりをする
3: めんどくさいから大人しくしておく
【備考】
※暁美ほむらに抱きかかえられて移動中です
※お菓子を出せます。
【鹿目まどか@魔法少女まどかマギカ】
【状態】 アルティメットまどか降臨、疲労(極大)、パワー消費(極大)
【装備】 アルティメットマジカルアーチェリー
【持ち物】
【思考】
基本:魔法少女が本当に幸せになれる世界を創造する
1:ほむらを守る
2:イデオンを倒す
3: 悟空を倒す
【備考】
※アルティメットまどかが降臨しました
※アルティメットマジカルアーチェリーに螺旋力とゲッター線の力が宿っています
【範馬刃牙@グラップラー刃牙】
【状態】瀕死、ジャガッタ・シャーマン状態
【装備】
【装備】
【持ち物】不明支給品2~6、基本支給品一式
【思考】
基本:範馬勇次郎を倒す
1:気絶
【備考】
※悟空の放送を聞き逃しました
【範馬勇次郎@グラップラー刃牙】
【状態】 ダメージ(小)、疲労(小)
【装備】魔法少女服
【持ち物】ダイヤモンド、 ランダム支給品1、基本支給品一式
【思考】
基本: 不明
1: 悟空と戦う
2:イデオンと戦う
【備考】
※参戦時期は書き手さんに任せます
※戦闘力に制限はありません
※魔法少女から人間に戻りましたが魔法少女服は気にいったのでそのまま着ています
※勇次郎が何を願ったかは不明です
【アレイスター・クローリー@とある魔術の禁書目録】
【状態】 焦燥
【装備】イデオン@伝説巨人イデオン(大破)
【持ち物】
【思考】
基本: 対主催として悟空を始末し、ゲームの勝者となる
1: ――――――えっ?暴走?
【備考】
※対カカロット用最終兵器イデオンは現在操縦を全く受け付けていません
※木原、ベイ、シスターズが一緒に乗っています
※地図上のF―6地点は超重力渦巻に巻き込まれて消し飛びました
◆ ◆ ◆
「グロロロ~!!よくもネメシスを!!」
「ゲェェェ!?ウォーズマンと戦っているウォーズマンのポーラマンの中からストロング・ザ・武道が!」
「馬鹿な!生きていたのか!?」
ブチブチブチ!!
「大変だ!ミーの靴紐が全部千切れ飛んだ!」
「なんじゃとぉ!?とてつもなく不吉じゃ!ウォーズマーン!!!」
「スクリュードライバー!!!」
「グギャァァァァァ!!ワシの目がぁぁぁ!!!!」
「武道!確かに貴様は完璧だったが超人としてではない!完璧な剣道着を着たおっさんなのだ!」
バキィィィィ
『決まったぁぁぁぁぁ!!!ウォーズマンのフェイバレット、パロ・スペシャル!!
ストロング・ザ・武道の両腕を圧し折ったぁぁぁぁ!!!』
「うおおおおお!!いいぞーーウォーズマーーーーン!!
なんじゃい冷や冷やさせおって!!ウォーズマン完全復活ではないか!!!!」
「あ、ああ……杞憂だったか……?」
【キン肉マン 完璧超人始祖編 完】
最終更新:2020年07月15日 14:33