「この階は貴様が相手か?」
「お、お前は!?」

その姿を確認し、涅マユリは驚愕する。

「本当にびっくりだよ。苦労して連れてきた巨人たちよりも、僕一人の方が強いだなんて。」

斬魄刀、鏡花水月を腰に掛けた藍染惣右介が広場の中央に現れ彼らの前に立ち塞がった。

「藍染……まさか君までこのゲームに加担していたとはね。」
「涅マユリ君。首輪を外したのはひょっとして君かな?」
「なんでぇ、知り合いかマユリさん?」
「尸魂界(ソウルソサエティ)の重罪人ダヨ。最近脱走したと聞いたがこんなところに居たとはね。」
「私があんな牢屋で大人しくしているわけがないだろう?」
「まあ貴様なら何をやってもおかしくはないか。気をつけろ独歩。奴はトンデモない能力を…。」
「死刑囚かおめぇ?まあどうでもいい。そこをどきな。どかねぇなら容赦しねぇ。」

愚地独歩は藍染惣右介に向かって走りだし突撃する。

「おい馬鹿!!話を聞け!!」
「まあそう慌てるな独歩とやら。まずはこの刀を見てくれ。」

そう言って藍染は腰に掛けた日本刀を取り出し刃を独歩に見せた。
すると、独歩は藍染の目前でピタリと動きを止め、意味の分からないの行動取り始めた。

「お、おい!?何してんだよ!?独歩さん!?」
「あぁ~!だから言わんこっちゃないってのに!!」

その奇行を見て刃牙は驚愕する。
独歩は何もない空間をひたすら殴り続けているのだ。

「……あれは完全催眠だよ。」
「完全催眠!?」
「解放の瞬間を一度でも見た相手の五感・霊圧知覚を支配し対象を誤認させることが出来る、
 斬魄刀、鏡花水月の能力。奴は元々並の隊長格の2倍近い霊圧を持っていて出鱈目な強さの
 十刃(エスパーダ)達を従わせる程の実力があったが、それに加えてあの斬魄刀さ。
 やつが無敵である理由だよ。言っておくが私は藍染に対して何もできないよ
 既に奴の催眠にかかったことがあるからね。」

藍染は無様なシャドーボクシングを続ける独歩の横を余裕の表情でスタスタと歩き、後ろに回り込んだ

「さあ、もう終わらせてあげよう。永久の夢を見続けるがいい。」

そして、鏡花水月を無慈悲に独歩に振り下ろす。









――――ドゴォォォォッッッ!!!!








激しい打撃音と共に、藍染の鳩尾に菩薩の拳が強烈にめり込んだ。

「――――がはぁぁぁぁっっっっ!!!???」

内蔵を潰され、藍染は激しく嘔吐する。
刀が触れる直前、急に後ろを振り向いた独歩が藍染を捉えたのだ。
地面に転がりのたうちまわる藍染を驚きの表情で見つめる三人。

「じょうじ!?」
「こ、これは!?独歩は催眠にかかっていなかったのか!?」
「……マユリさん、独歩さんの顔をよく見てください。」
「!?――そ!そうかっ!その手があったかぁっっ!」

刃牙に言われた通りマユリは独歩の横顔を凝視し、その事実に気付く。

「――――眼帯を普段とは逆の方の目に付けている!!独歩は最初から何も視えてなかったんだ!」

最初、あらぬ方向を攻撃していたのは、目が視えないから手探りで空気を滅多打ちにしていただけだったのである。
菩薩拳の確かな手ごたえを感じ、藍染の位置を捉えた今、そのような行動を取る必要はもうない。

「……お、おのれぇ!」

ふらふらと立ち上がった藍染は高層ビルを数本まとめて叩き壊す威力を持つ鏡花水月の一閃を横なぎに斬り払う。
だが、独歩は腕を素早く回してそれを受け流し、そのまま当身投げにシフトして藍染の腕を取り、
地面に叩きつけ、組み伏せた。独歩は倒れた藍染の首筋に踵落としを叩き込む。

「おぉ~回し受けからの連撃かぁ~。」
「じょうじ。」
「しかし、なぜ独歩さんは完全催眠のことを知っていたのでしょう?」
「いやぁ、ワタシは彼に事前に何も知らせなかった。眼帯を逆にしたのは独歩の勘によるものだろうね。
 恐らく独歩は知っているのだろう。戦いとは思い通りにいかないもの。戦いとは苦痛を伴うもの。
 武神・愚地独歩にとって、それが戦いなのだよ。」

ほぼ勝負はついたと感じた独歩はその場を離れるが藍染はなおも立ち上がり、呆然としながら宙を見上げた。

「……やれやれ、最初に喰らった一撃が想像以上に効いていたようだな。」

やや自嘲気味に笑い、語り始める。

「……私はいつも退屈していた。虚圏を制圧したのも、霊王に挑もうとしていたのも、
 私の力がどこまで通用するのか試したかっただけなのかもしれない。
 ……愚地独歩よ、キミならあるいは。こう切ればかったとか、こう突けばよかったとか。
 そういうことを考えないで済むような、本当の敗北を僕に与えてくれるのかな?」
「さあ、どうだろうな?」

藍染の目前まで来た独歩は構えを取る。それは空手の基本の型のような
完成された、だがどこかがちがうフォルムであった。

「―――空手界の最終兵器(リーサルウェポン)、愚地克己の切り札、マッハ突き。
 足の親指から始まる、都合約10箇所の関節これをフル稼働させ突きはマッハを超える。
 だがマッハは時速1225kmとするなら各関節のスピードは100kmを超えねばならねぇ。
 ―――不可能だ。関節の数が少なすぎる。ならばどうする?背骨、脊髄だ。
 31個の骨片をジョイントさせた背骨、内動作に関係する17箇所の各骨片を同時加速。
 可動部位計27箇所。だから不可能の壁を越えられる。だがこれでもまだ不十分だ。
 右手の指の関節。手指の第三関節から第一関節までを駆動させ更なる加速を生む。
 そんな超高速への贅沢に重さをも加えたいと言うのならここ、人体最重量部位、頭部!
 こいつをフル可動させ――――――鋭利な貫手に頭部の重さを加えるっっっ!!!」





パァンッ!!





そう言って独歩が繰り出したマッハ貫手は、これまでに聞いたこともないような衝撃音を生み出し、
藍染惣右介の心臓ごと胸部を貫いた。

「―――空手史上最完全なる武器完成と相成るというわけだ。」
「…………ごふっ!」

吐血した藍染は膝から崩れ落ちた。

「…………ははっ、これが、敗北、か…………。」

どこか満足そうな顔をしながら藍染は仰向けに倒れこみ、そのまま息を引き取った。

「―――やったのか!?すごいじゃないか!?」
「じょうじ。」
「ああ、だがやはり、殺人というのはどうも気分がスッキリしねぇ。」

独歩は下り階段の方に首を向ける。

「さっさとこのゲームを終わらせるぞ。」



◆ ◆ ◆


すでに真上に設置されたの研究所は破壊され地上から吹き抜けとなっている
主催者本部地下一階層。所々壁や地面が崩壊し見るも無残な光景である。

「―――ドウ・シタ・モウ・オワリ・カ?」

太く響く声を発しながらで首をコキコキと鳴らす鎧の巨人。
遠くの方の壁際やクレーターの出来た地面には、既に事切れた四人の男の遺体が横たわっていた。

「―――アンガイアッケナカッタナ。」
「―――マァ・コンナ・モンダロ。」

大きく伸びをして巨人化を解こうとする二体の巨人。
だが、空から妙な気配を感じてキュアメロディの恰好をした超大型巨人が上を向く。

「―――ドウシタ!?」
「―――ナニ・カ・クル・ゾ?」


鎧の巨人と超大型巨人は空からやってきたそれを凝視し、戦慄する。

『どりゃぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁ!!!!!!』

―――遥か彼方の宇宙乱入してきた霊長兵器ヴァルヴレイヴである。




◆ ◆ ◆

「ダイソンスフィアに攻撃を仕掛けてきた連中の座標が特定できたわね!
 それにしてもあんな遠くまで行けるなんて!ドルシアの科学力って凄いわね!」

生徒会室でモニターを見つめているショ―コは玉座に座って踏ん反り返っていた。

例の大厄災の直後、突如モジュールを切り離して独立宣言をしたジオールは
ヴァルヴレイヴを使って戦力の大半を失い疲弊したドルシアとアルシアに侵攻し、
瞬く間に両国を占領、支配下に置きジオールを中心とした統一国家を作り上げたのだ。
そしてつい先ほど、外宇宙の侵略者にリベンジを仕掛けるべくハルトを会場へ派遣したのである。
現統一国家大統領に就任したショ―コは号令を出した。

「さぁハルト!ヴァルヴレイヴの力を見せてあげなさい!」





【革命機ヴァルヴレイヴ2~叛逆の物語~ 放送開始】


【藍染惣右介@BLEACH 死亡】
【ラオウ@北斗の拳 死亡】
【トキ@北斗の拳 死亡】
【織田信長@戦国BASARA 死亡】
【藤虎@ワンピース 死亡】


【バトルロワイヤル会場・主催者本部地下三階/1日目・昼】

【愚地独歩@グラップラー刃牙】
【状態】 首輪解除
【装備】 スーツ
【持ち物】 ランダム支給品0~2、基本支給品一式
【思考】
基本:涅マユリと協力して主催をぶっ潰す
1: 守れるものは守り通す
2: 花山から任された……任せとけ
3: 勇次郎……
4: ピッコロ……
5: 美琴……
6: 学園都市に御坂美琴が一方通行を倒したことを報告する


【備考】
※学園都市についての情報を得ました
※キュゥべぇに対して警戒
※花山に任された少女を守り抜こうと考えています
※勇次郎が人間を辞めた事を悟りました


【涅マユリ@BLEACH】
【状態】健康、液状体から固形体に戻っている途中、首輪解除
【装備】
【持ち物】 首輪、ランダム支給品1~3、基本支給品一式
【思考】
基本: このゲームの研究成果をソウルソサエティに持ち帰る
1:ここには貴重な研究素材が多いようだネ
2:キュゥべぇを解剖する
3: もう主催戦行っちゃおうか?


【範馬刃牙@グラップラー刃牙】
【状態】健康、首輪解除
【装備】
【装備】
【持ち物】不明支給品2~6、基本支給品一式
【思考】
基本:範馬勇次郎を倒す
1:強者が集まるここでトレーニングすれば親父を超えられる!
2:シグナムの仇を討つ
3:独歩と共に戦う

【テラフォーマー(トミーロッドの寄生昆虫)@トリコ】
【状態】
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本: じょうじ
1:人間と共闘する
2:じょうじぃ

※本田忠勝と合体したトミーロッドの能力で死体からテラフォーマーズが産み出されました。
※テラフォーマーズは刃牙と闘っている個体の他にも何体か産まれたようです。


【バトルロワイヤル会場・主催者本部地上/1日目・午後】


【時縞ハルト@革命機ヴァルヴレイヴ】
【状態】
【装備】ヴァルヴレイヴⅠ火人
【持ち物】
【思考】
基本:ジオールを護る
1:ショ―コ調子に乗り過ぎ

【超大型巨人@進撃の巨人】
【状態】変身(キュアメロディ@スイートプリキュア)
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本: 人類を抹殺する
1:目的の為主催者に協力する
【備考】
※ヴァルヴレイヴと交戦中です

【鎧の巨人@進撃の巨人】
【状態】変身(キュアリズム@スイートプリキュア)
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本: 人類を抹殺する
1:目的の為主催者に協力する
【備考】
※ヴァルヴレイヴと交戦中です



The Expendables―終わりの始まり― 時系列順 絶影のシェルブリッド
投下順
愚地独歩 紅蓮の矢
範馬刃牙 紅蓮の矢
テラフォーマー
藍染惣介 GAME OVER
幕間は終わり ラオウ
TUNAMI トキ
幕間は終わり 織田信長
Love me do! Look at me! 藤虎
GAME START 鎧の巨人
超大型巨人
GAME START ハイエナのベラミー GAME OVER
師弟対決 キュアハート 宇宙最強の絶望クラッシャー

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最終更新:2014年12月31日 22:06