サガト王国は
ルシリア東北部に密集する各国のほぼ最東端に位置し、長い沿岸部を有しトルスト大河、トルノ大河、肥沃な草原を持つ大国である。
ルシリア東北部の三雄の一角を占めるが、やや保守的な面がその成長を遅らせているとも見受けられる。
多くの街は大河にそって発展し、大河から外れる部分では起伏が緩やかな草原が広がり遊牧が広く行われている。
古典的な芸能は他国からは田舎臭く見え、また羊毛を主体とした服装が多い為、外見がモッサリと見られ これも田舎臭く見られる要因である。
他国からの扱いは古い文化を誇示する田舎者と見られるが、数学に関する知識研究は他国と一線を画す。
歴史はそれほど古くは無く、バーレフ、カルガー、サントテスの三国が一つに統一されて出来上がったのは現王の四代前の出来事である。
質実剛健、弱者排他が国是と成って居る。
歴史が若い分、未だ統一感が薄く王位を狙う者が後を絶たない。
その為に国王と成った者は常に暗殺を恐れ、外出はおろか口にする物に対しても用心を怠らない。
大河に沿って街が作られる為、多くの住人は北方に居住する。
唯一の港町クーリャンもこの地方にあるが、北に商国が有る為、あまり流行っている場所では無い。
反対に南方には大きな街は無く、広々とした草原が大海の如くに緑の波を揺らしている。
海岸線の開発に出遅れた為に、北の
タリエリス商国と南の
トトル商国に交易と言う部分で格差が広がったが、今ようやくその開発に着手し始めている。
国民性は寡黙にして有言実行、無理はせず冒険を好まない、商機が薄い為に大きな商人が登場する事は無いが、堅実な商売が行える為 中小の商人が幅を利かせている。
羊の目を持つ者が多く棲み、どちらかと言うと牧歌的な生活を送る者が大半だ。
他の王国に比べ支配階級には
猫以外の者が多く、
犬、
羊の順で猫に続く支配率と成って居る。
その為に
目の地位よりも実力で自分の地位を掴もうとする者が多い。
「約束を違えぬ者」「実力を惜しまぬ国民性」と評価される反面、「何を着ていても恥ずかしく無い国」と馬鹿にされる場合も多い。
識字率は63%程度、これは遊牧民が文字を必要としない場合が多く、遊牧民に対しては法令の変化も少ない事からこの数字に低迷して居ると思われる。
特産は畜産から得られる羊毛、乳製品、または牛、豚などが主力と成って居る。
自給率は150%を越えるが、その70%を輸出してしまう為に民が潤う事は少なく、為政者と貴族階級そして商人のみ その恩恵に浴する事から、国民との軋轢が常に存在する。
隣国である
キリシア王国とは基本的に友好な関係を維持しているが、隙あらば版図の拡大を狙っている。
一時期
キリシア王国の東方を狙ったが、その作戦は「
祝福される者達」の活躍であっけ無く幕を閉じ、それは無かった事の様にしてそれまでの関係を維持している。
また
テリニア王国にも触手を伸ばすが、それは容易く
トルシャによって阻まれた。
しかし北に存在する
タリエリス商国とは反目は公然とする場合が多い。
数年に一度は国交を断絶し矛を交えるが、両者を行き交う商人の仲介でその矛を収めるのが定番である。
戦が起これば国民の殆どがまたかと思い、真剣な戦争には発展せず両国とも国軍を傭兵を雇い入れての戦争が展開されている。
最終更新:2012年09月25日 04:39