世界設定

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・錬金術師の粒子

非公式、秘密裏に開発されたAI「know」と人類の共同研究によって作られた新物質。
世界をそのように変える物質。
AP粒子、神の粒子、悪魔の粒子、Exotic Matterなどと呼ばれている。

一般的にはソールサイトから発生する粒子とされているが、実態は逆で粒子によって汚染された物質が鉱石化している。

・ソールサイト / Solusite

謎の多い鉱石。
莫大なエネルギーを生み出す、夢のようなエネルギー物質。
核兵器の爆発地点、原子力関連施設の跡地やその周辺で発見されることが比較的多いとされる。
成分上は塩化ナトリウムと少量の不純物で、透明で色はおよそ黄緑や黄色、緑。

生体のみならずありとあらゆる物質を汚染し変質させる作用もあるが、その存在(変質作用等)は公には認められていない。
実際のところ粒子に汚染されてできた鉱石、鉱物のように見える何か。

・劣化ソールサイト

純度の低いソールサイト、とされている。
純度の高いソールサイトや汚染体内のソールサイトと反応させることで、塩素や炭素、ナトリウムを主成分とした化合物に分解、再構築する。
劣化ソールサイト自体も放射性物質なため扱いには注意が必要。
〝劣化〟というより〝反〟の方が実態に即した表現。

・汚染物体、汚染された生命体、変異体、感染体

ソールサイトや錬金術師の粒子による汚染で元の生物や物体とは異なる性質を持つに至ったもの。
固定された正式な名称はないが、汚染された人間や生物を感染者や感染体、汚染され何らかの異常な性質を持った物体を指してアーティファクトと呼ぶことが多い。

衛生局は特定汚染物質や特定感染者、特定感染体と呼び、汚染や変異の進行度合いによってレベル分け、カテゴライズをしている。

汚染された生物は、その体にソールサイトに似た鉱石が生成されやがて全身が結晶化し死に至る。
症名は進行性石様異形成症、PPあるいはPPD / Progressive petrodysplasia(要検証Progressive petrifieroid(petroid,lithoid) dysplasia / Progressive crystalloid dysplasia)だがこの名称で呼ばれることは書類上以外ではあまり多くなく、結晶病、鉱石病、石化病などローカルで様々な呼ばれ方をされている。

中には生き延び、身体や精神の変異が進み元の形状を逸脱することもあり、そうしたステージの進んだ感染体は人を襲い都市や社会にとって大きな問題となっている。

形態の変異が起きた状態で感染者が生存し続けている場合、周囲の人間や環境に大きな影響を与える災害とも呼べる存在となる可能性がある。

北米やユーラシア北部では、戦後の駆逐作戦と都市外の人口減にも関わらず感染体が人や動物の数に比して多く発生し、その多くが高レベルの変異感染体となっている。
そのことは都市外の人口や都市内の発症者が追放されているとしても明らかに数のつじつまが合わない上、新規感染者だとしても進行が早すぎることから何か作為的なものがあるのではと噂されている。


  • 感染ステージ
  1. 通常感染者、軽い意識障害や体内あるいは体表に結晶の発生。結晶化部位によっては、その部位に機能障害を引き起こす。
  2. より重篤な症状。多くの場合は臓器や筋肉の結晶化による臓器不全を起こす。明らかに感染によるものと判断できる精神構造の変化。ほとんどのケースで血液中の粒子濃度が感染源としての汚染レベルに到達。医療機関に収容されている患者の場合は汚染の拡散とステージ3個体の発生を防ぐため安楽死させる場合がほとんど。軽症者の安楽死も認められているものの実際には処置申請に対し行われる実施件数は少なく、施術はほとんど重症者に限られていると言ってもいい。意外にも自殺者は少なく意思確認のとれる重症者も処置を拒むことが多いため、精神症状との関連性の一つとして研究が進められている。このステージの後期でおよそ半数の感染者は死亡する。
  3. 形態の変化とより顕著な精神構造の変化、あるいは我々が自我と認めるものの消失。いわゆるゾンビのような状態となり運動可能な個体は徘徊し、7割以上が暴力性を発露させ人を襲うことが多い。感染者が恐れられるのはステージ3以上の人を襲う徘徊感染者によるイメージが大きい。体液、体組織のほとんどが長期的な汚染源になり得る。人間や動物にとっての弱点部位を破壊することで殺すことができる。9割がこのステージで全身が結晶化し活動を停止する。
  4. より大きな形態の変化と、なんらかの超常的な能力が発現する。通常の生物に対する弱点の考えは通用しない場合がほとんど。他のステージ4個体と比べて特に強力な個体には固有名がつけられるケースもある。
  5. 災害クラス。ARフィールドと呼ばれる個体固有の場、世界を局所的に書き換える能力を持っている。通常の戦力では有効打にならないほど強力だが、数が少ないのと活動的でない個体がほとんどのため、その脅威度の割に被害は少なく済んでいる。


  • 結晶化について
多くの場合は体内あるいは体表に長辺10mm(または125mm3)の大きさの結晶が確認できた場合、感染したものとして扱われる。
体液、筋肉、臓器中の濃度に基準値が設けられているが、代謝や環境によって変動するため指標に過ぎず、結晶化が認められた段階で診断を確定することになっている。
現状治療法は無く、進行速度の差こそあれほぼ100%の〝致死率〟を持つ。
以前は、進行初期の段階で結晶化部位を除去することもされていたが、1ヶ月以内に再発する割合が80%、一年以内に再発する割合が96%にものぼるため、現在では治療としては推奨されていない。
しかし、切除することよりもそのまま結晶化を放置することのリスクの方が大きい位置に結晶化が認められた場合は除去手術が行われることがある。

長期的かつ確実に防疫することは不可能のため、リスク軽減のため全感染者は隔離されることが原則とされている。
ただしステージ1では条件付きで都市内で暮らすことも可能。
緊急用の即効性放射線除去薬で進行を大きく遅らせることができるという研究結果もあるが、その放射線除去薬自体が有毒なため定期的に投与を継続しなければならない結晶化治療とは相性が悪く投与しないほうが結果として長く生存できるという指摘もある。

ステージの進んだ感染体は、その生死問わず汚染源となる。
都市などの管理された医療施設において安楽死が認められているのは、管理された環境で適切に処理し汚染を最低限にするためであると同時にステージ3以上の制御不能な感染体を発生させないためでもある。
運良く(運悪くとも言える)結晶化が一部位に集中した場合は、その部位を切除することで比較的容体が安定するが、それでも腕一本や、いくつかの内臓をごっそりと取り除くなど負担は決して少なくない。特に開腹手術を行う場合は患者からすでに施術に耐えるだけの体力が失われていることが多い。

結晶化した部位や死体はソールサイトの代替鉱石として利用できるものの、その事実は一般には知らされていない。

  • 結晶化抑制薬
幾つかの研究施設や企業によって何種類かの抑制薬が開発、販売されている。
ステージ1に有効なものが多くステージ2前期に対しても効果がある薬剤も開発されている。ただし治す薬ではなく症状の進行を抑える薬剤であり、継続投与が必要かつ副作用も0ではない。(投与後に発熱や脱力の起こる抑制薬が多い。)
予防投与は有効だとする趣旨の報告がされているが結晶化の研究者や開発企業、衛生局など複数の信頼できる機関からは予防が期待できると明言可能なほどの効果はないと結論付けられている。

・能力者

汚染によって何らかの能力を得た者。
外見上の変異は少なく、何らかの異常な性質を獲得した人間や亜人種。

能力を獲得した際の本人の主観的印象や外部から見た様子から契約者とも呼ばれることもある。
英語ではDeviantとされることが多い。

大抵は通常の人間に比べ身体能力や再生能力が高いが、能力を使うたびに消耗し程度は少ないものの結晶化が進むなど心身にダメージを負う。
また能力を使用することによって周囲に一時的な極低レベルの汚染を引き起こす。
最終的には感染者と同様に肉体や精神の変異が進み人の形状を逸脱したり結晶化するが、能力者の場合はより著しい変化が起こる場合がほとんど。

AIによって従来とは異なった兵器が開発され、相対的に脅威度は低くなってきているが、生身の個人で扱うには大きすぎるエネルギーを元手なしに扱える点においては変わらず脅威的。
戦略兵器級(核)の能力を持った戦術兵器。

・強制進化促進剤

FEPAあるいはFEP(ForcedEvolutionPromotingAgent / ForcedEvolutionPromoter)と呼ばれる液体。
ソールサイトと類似した性質を持つ。
戦争期の遺物で、投与された対象を能力者として覚醒させる目的として研究されていた。しかし、適合する可能性は極めて低く、能力者を生み出すのなら自然発生の方が確率が高いとさえ言われる。
そもそもの想定された進化が能力者ではなく、完全な結晶化である可能性が示唆されている。

・ゾーン

世界各地に大小様々な形で点在する〝粒子〟によって重度に汚染された解析不能の領域。
粒子の影響で時間も空間も法則、多くが既知から逸脱し歪んでしまっている。
汚染された地上の中でも特に何者に対しても平等に危険な場所。
汚染地帯はゾーンなどと呼ばれ、中でも重度の地帯はブラックゾーンやダークゾーンなどと強調されることも多い。
レッドゾーンと呼ばれる汚染域もあるが、そちらは既知のCBRN等の汚染による立入禁止区域。

・アーティファクト

汚染地域やソールサイト産出地で発見される遺物。
大小様々の代物で形状は問わない。石や宝石、結晶のようなものから、機械や道具等様々。
全く同じものはないと言われるほどに形態と異常性の多様さがあり、作動することによって使用者や周囲に汚染を引き起こす。

人間が加工した結果により異常性を獲得したものではなくアーティファクトと呼ぶのは厳密には正しくないが、これは遺物を総称した英名詞や「魔法の道具」の意味としてartifactsを当てはめたため、こうした呼び方が通例となった。
Anomalous object、Anomaly、Singular objectなど組織や地域などで異常物体や特異物体などを意味する言葉で呼ばれることも多い。
アーティファクトは常に異常性を発現しているものや人間が使わなければ効果を現さないもの、特定条件下でのみ作動するものなど、形状や能力だけでなくその異常性の現れる条件も様々。

人間アーティファクトと言えるものが能力者だと考えることもできる。
中には汚染や結晶化を除去するアーティファクトも存在するが、それ自体が汚染物である。

アーティファクトを使う者を魔法使いなどと呼ぶこともある。
本来は研究者としての側面が強かったが、アーティファクトの異常性を利用することを要求される場面が増えたためそれを使うものとしての意味合いが強くなった。
魔法使いはその職業柄、汚染への曝露が多く場合によっては能力者や結晶化専門の医療従事者や研究者よりも消耗が早い。

・第六の力

すべての願いが叶う、手に入れたものに絶対の力を与えるなどと噂される異常物体、あるいは異常事象。

第六の力を起動する鍵として作られた人造人間が12体おり、元々は衛生局本部直轄の厳重封鎖された秘密施設に収容されていたが、何者かにより収容破壊され脱走、各地に散った。

・ゾーンの信奉者

粒子による汚染領域を聖地とし信仰する団体、勢力の総称。
各地でローカルな宗教的な勢力として自然発生しているが、その多くが類似した思想や教義、信条を持つ。
変異した人間や生物、植物を神の使者とし、汚染された物体を聖なる遺物として扱う。
その反面、能力者を領域の産みだした叡智の欠片を奪って不正利用する敵としたり、祝福された者でもあるとしたり、信奉者内でも能力者の扱いで意見が別れていたりもするが、大きな対立には発展していない。

信奉者は傾向としては穏健かつストイックな勢力だが、治療という観点ではあまり協力的ではないため、要注意勢力としていくつかの都市や組織で指定されている。

積極的に被曝するものもいるが彼らは修験者や修行僧のような立ち位置で、ゾーンや結晶化に対して神秘的な印象を抱いて信仰しようとするような一般の信仰者とはあまり関わりはない上、結晶化することで死亡した遺体が新たな汚染源となることを知っているためゾーンの奥深くや洞窟、山岳など人が立ち寄ることの少ない場所を修行の最後の地点として選ぶ。

一部の過激派はセンコローラと手を組み、各地で問題を引き起こしている。こうした過激な勢力に対し信奉者は明確な態度を示してはいないが、否定的な立場に立つ傾向がある。

・人型自動機械

人型の自律機械。
特に人間に外見的にも機能的にも似せたものを自律人形や自動人形、機械人形、人型インターフェイスなどと呼ぶ。
精巧な人型タイプを人形と呼称する場合が多いのはその用途に加え、初めに製品化したメーカーが製品名に”人形”を入れていたことにちなむ。

軍用の人型機械は二足歩行で腕があるという点では人型であるものの機械的な外観でステレオタイプ、オールドファッションなロボットというものが多い。性能は高く、実戦でも大きな成果を挙げているが重量問題やメンテナンスなど運用上の問題もあり、局地的な投入に留まっている。
戦闘用に開発されていない人形に戦闘用・治安維持用のプログラムを施して法執行・治安維持・戦闘に用いるケースがあり、人型機械に比べるとメンテナンスの頻度も少なくて済む上、人形による自己診断も可能なこともあり、人員の補填・人間の代替として採用されるくらいには多い。
こういったケースを受けて、戦闘・鎮圧用に性能を調整した人形を各メーカーが売り出したが、高価過ぎたため一部に少数が採用されるのみだった。

・亜人

異人とも。
従来の人間・ヒトとは異なった特徴を持つ、人間と同様の外形や生活様式を持つ種族的なもの。
動物でも人間でもないが、ヒトに近い人でない特徴を持った人間。
常時二足歩行の獣のようなほとんど動物といったものから、一部の特徴以外はほぼヒトというものまで、幅が非常に広い。

遺伝や遺伝子操作によって生まれるのではなく突然変異的に発生する。
そのため人間の両親による一卵性双生児の片方だけが亜人として生まれるケースもある。

あくまで、ヒトと別の生物の(主に外見的)特徴を掛け合わせた人間であるため、ヒト以外の生物の習性や能力が必ずしも顕われるわけではない。

・ユズリハ型

人類に進化・発展を齎しその助けになるために作られた12体の自動人形。
秘書や司書、書記用途に使われていた自動人形リベルス型をベースに開発された移動体AIでもある。
その多くが破壊あるいは機能不全状態にあり、想定されていた当初の目的を果たすことは難しくなっている。

・Know

公には存在の認められていない、非公式の機密AI。
とある人物のデータをベースにデザインされている。

・Eir

鉄血連合の保有するAIの一つ。

・火星の殺人者

Carbunculusと呼ばれることも。
2076年に東京へ出現した巨大なステージ5個体。
東京消滅の一因となった。
ARフィールドを持たないか、あるいは体内に展開していると推測される。
大型爆弾を用いても足止めと言うには足りない程度しか打撃を与えられず、急造のソールサイト弾頭搭載地中貫通弾で半日の休眠状態への移行に成功した。(出現時点で現存の劣化ソールサイト弾で無力化できる質量を超えている。)
その後、形態変化し樹木のように根付こうとし始め、これ以上の進化を阻止すべく有志連合の大規模な攻撃が行われるも無力化には至らなかった。
事態収束の経緯は資料に残されておらず、光の柱が離れた都市や太平洋上の艦隊によって観測されたという情報しか確たるものはない。
コアを破壊されているが完全には無力化されておらず、飛び散った破片が成長したと思われる変異生物が各地で確認されている。

・CH19S08 鳥落とし

旧日本の北関東と中部地方の間の山中に定着しているステージ5個体。「鳥落とし」と非公式に呼ばれていたものが半ば公式名称化している。
固有領域は半径5kmに満たない上陸路や対地高度10m以内から侵入する限りではほぼ無反応だが、およそ4000平方キロメートル、海抜高度50kmの半球に近い空域を監視しておりその内部に侵入した対地高度10m以上かつ一定以上の大きさの飛翔物を攻撃する。
射程内は重要な空路となっておらず物流、旅客上は大きな問題には至っていないが、回転翼機や気球などにも反応する上攻撃は射線上のほぼあらゆる遮蔽を貫通するため予想しない二次被害を産む可能性がある。過去には高架を飛び出し落下した車両を攻撃したこともある。
2076年に東京へ上陸した「火星の殺人者」と呼ばれる個体への作戦において航空支援の大きな制約になるも、同時に作戦失敗時の防波堤としても想定されていた。
勢力や都市を超えて作られた調査チームによって「鳥落とし」は本来の性質を歪められたステージ5個体で何者かによる改造が行われている可能性が高いと報告されている。
「鳥落とし」と呼ばれてはいるが実際にはほとんど鳥は狙わず、翼長2mを超えるような大型の鳥類に対してのみ低い攻撃感度を持つことがわかっている。

最終更新:2019年08月26日 14:48