テュポン


   ガイアが産んだすべての子に優っていたという。
   腿までは人の形で、腿から下は巨大な毒蛇がとぐろを巻いた形をしており、
   すべての山よりも大きく頭が星を摩するほどという。
   肩の辺りから百の竜の頭が出ていたという。
   全身には羽が生え、頭と頤からは乱髪が風になびき、眼から火花を放っていたとか。

  • オリュンポスの神々が巨人(ギガース)たちを退治した事に怒ったガイアが産み、
   まっすぐ天へ向かって突進、一時神々はこれを恐れてエジプトに逃れて動物に姿を変えた程という。
   また、これを退けるためにゼウスが雷霆を放ち一時はテュポンを追い立てるも、
   現在のシリアにあたる場所にあるカシオス山にてゼウスと組みあってその鎌を奪い、
   ゼウスの手足の腱を切って隠してしまった。
   しかしヘルメスアイギパーンとがこの腱を盗んでゼウスに与え、
   再び力を得たゼウスによりエトナ山に投げつけられ、
   この時に放たれた雷霆により今でもエトナ山からは火が噴き上がっているのだ、という。


   怒ったヘラが生み落とした、としている。


      参考文献
『ギリシア神話』アポロドーロス
『四つのギリシャ神話』


最終更新:2015年11月03日 01:51