名探偵コナン 100万ドルの五稜星

登録日:2024/04/27 Sat 11:00:00
更新日:2024/05/07 Tue 18:24:30NEW!
所要時間:約 30 分で読めます


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意志を継ぐ者がいる……


真実(おたから)”を奪い合え――
天下分け目のお宝争奪戦ミステリー、今その幕が上がる!


名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』とは、劇場版『名探偵コナン』第27作。
2024年4月12日公開。上映時間は111分。

監 督:永岡智桂
脚 本:大倉崇裕
主題歌:aiko『相思相愛』

※以下、ネタバレが多く含まれます。
未鑑賞の方はブラウザバックするか、ネタバレを承知の上でお読みください。

◆目次

概要

本作のキーキャラクターは、怪盗キッド服部平次
この2人はこれまで劇場版で数度に亘りそれぞれ主役を担ってきたほか、『世紀末の魔術師』『探偵たちの鎮魂歌』『天空の難破船』においては既に同時に登場しているが、顔を合わせることなく終わっている。銀幕で直接対峙し、また両者が同じ作品の中でメインを務めるのは今回が初めて
原作では、前出劇場版3作の後に発表されたエピソード『キッドvs高明 狙われた唇』にて初めて相対しており、本作ではその際に生じたとある因縁に基づく対決が繰り広げられることとなる。

「ビッグジュエル」と呼ばれる宝石を主に狙うはずのキッドが、今回は日本刀を狙う。その理由は一体?
また、幼なじみである遠山和葉と恋仲になりたい平次の奮闘ぶりや、彼の得意な剣道を活かした超人的なアクションシーンも見どころ。
――そして、プロモーションで「ついに明かされる、怪盗キッドの真実」と銘打たれていた通り、江戸川コナンの正体である工藤新一と怪盗キッドの正体である黒羽快斗の容姿や声が何故似ているのかという謎が、とうとう月下へと導かれる……!

時系列では、原作エピソードだと前述の通り『キッドvs高明~』ほか『上野発北斗星3号』『ホームズの黙示録』『恋と推理の剣道大会』『紅の修学旅行』、劇場版だと『銀翼の奇術師』『から紅の恋歌』『紺青の拳』よりも後。

劇場版への登場は、キッドは『紺青の拳』以来4作ぶり。平次、和葉、大岡紅葉、伊織無我は『から紅の恋歌』以来6作ぶりで、工藤優作に至っては『ベイカー街の亡霊』以来実に21作ぶり。彼らが令和時代、及び2020年代公開の作品に登場するのは初めて。
『コナン』から初登場のキャラクターは工藤有希子。その外見を模したキャラは既に『ベイカー街の亡霊』で出ているものの、主人公の母という重要ポジションながら劇場版に出演したことが無かったが、この度彼女本人も満を持してのデビューを果たした。
加えて『まじっく快斗』『YAIBA』の面々も登場しており、さながら「青山剛昌ユニバース」とでも言うべき仕上がりになっている。
そのため、『コナン』だけでなく『まじっく快斗』も読んでおいた方がより楽しめるだろう。
また、過去の劇場版ではオリジナルキャラクターを演じるプロ声優は公開まで伏せられていたのに対し、本作では主要なゲストを担当した声優を公開前に解禁する試みがされている。

今回の舞台は、北海道函館市
同市が劇場版に登場するのは『銀翼の奇術師』以来19作ぶり2度目。
かの土方歳三が一晩だけ用いたという「星稜刀」なる刀にまつわるミステリーや、現地の名士が隠したとされる「お宝」を巡り、様々な者たちの思惑が絡み合う争奪戦が繰り広げられるとともに、「100万ドルの夜景」と名高い夜景や五稜郭を始めとする同市の名物が美しく描写されている。
北海道が舞台の、土方歳三も絡むお宝争奪戦……どこかで聞いたような……。
作中の季節は春。函館市で桜が見ごろを迎えるのが例年4月中旬前後なのでそれくらいの時期と思われる。

監督は永岡智桂氏で、『緋色の弾丸』以来3作ぶり3度目。平次がメインキャラクターとなる作品に携わるのは本作が初めて。
脚本は大倉崇裕氏で、『ハロウィンの花嫁』以来2作ぶり4度目。うち2作において、平次とキッドがそれぞれメインを張る作品を手掛けた経験がある。
この両名がタッグを組むのは『紺青の拳』以来4作ぶり2度目。
音楽は引き続き菅野祐悟氏が担当。

公開翌日の2024年4月13日には、本作と連動するアニメオリジナルエピソード『失われたお宝ミステリー』が放送された。
コナン以外のレギュラーキャラクターは映画だと現地にいない鈴木園子だけが登場し、ほとんどのエピソードで彼女と一緒に出てくる毛利蘭さえ名前しか言及されない異色の回である。


プロモーション

前作『黒鉄の魚影』と同じく、今作でも積極的なプロモーションが行われている。

まず、前作終了後の予告は2パターンあった。
当初は、函館の夜景をバックにハートのエースのトランプが飛んで来たところで「許さんで、キッドぉ!」という平次の怒声と「え!?何で」と戸惑うキッド、「キスじゃね……?」とツッコむコナンのやり取りが流れてから、刀の音がしてトランプが切り捨てられるというものだった。
9月からは一新され、キッド=黒羽快斗が亡き父・黒羽盗一に向けて「そういうことかよ、親父……!」と呟くセリフや、燃え盛るイメージの中でコナンと平次の掛け合いが聞こえたあと「意志を継ぐ者がいる……」とのセリフとともに、日本刀が関わることを示唆する内容に切り替わった。

2024年に入ってからは、1月5日に総集編として『名探偵コナンvs怪盗キッド』が劇場で公開された。
主題歌はWANDSの『大胆』。同作のために新たに書き下ろされた曲である。
3月30日には、本作の前日譚とも言えるエピソード『キッドvs高明~』が1時間スペシャルとして前後編とも放送された。
更に舞台である函館市でも『コナン』ラッピングバスの運行を始め、様々なイベントやキャンペーンが展開されている。

他作品では『ゴジラxコング 新たなる帝国』、『帰ってきた あぶない刑事』とコラボ。
『あぶ刑事』とのコラボでは、同作の主人公コンビであるタカ&ユージとコナンが互いの決めゼリフを交換して言い合うお遊びが楽しめる。*1

なお「キッドにフィルムが盗まれた」ことを理由に本作の公開前の試写会は行われず、代わりにキャスト陣が登壇してのファンミーティングが開催された。これに関しては公開前にネタバレの拡散を防ぐためという見方が強い。
その後公開を迎えて鑑賞したファンからは、試写会を見送ったのは英断だったとの声も聞かれる。


興行収入成績、及び新記録の樹立について

公開後3日間で33.5億円、4月末時点では92.2億円を記録しており、公開月だけで既に歴代作品セールストップ5入りを果たした。

その後、5月4日にはシリーズ歴代最短期間での100億円超え、並びに『コナン』はもちろん邦 画 ア ニ メ 史 上 初 の同一シリーズ作品2作連続興収100億円台達成を成し遂げ、シリーズ歴代ナンバー2ヒットに浮上した。なお、この日はご存知の通りコナン(新一)の誕生日で、ファンには二重にも三重にも嬉しい日になったといえる。
次はナンバーワンヒットとなった前作にどこまで迫れるか、あるいは3年連続の記録更新が叶うのか注目される。

そして何よりの特筆事項として、本作公開年の4月末で、劇場版『コナン』の累計動員人数はめでたく1億人を突破したと発表された。
この記録は我が国では既に『ゴジラ』『ドラえもん』が打ち立てているが、しかし27作目での達成は史上最速の快挙にして偉業。名実ともに『コナン』がもはや前述のビッグタイトルに並ぶほどの国民的作品となったことの証だろう。
このことを祝して、本作も含む歴代劇場版の名シーンを抜粋した動画が公式から投稿されたほか、青山先生やコナン役の高山みなみ氏も喜びのコメントを寄せている。


ストーリー


こういう謎解(かけひ)きは、得意だろ…?

明治時代初頭、雪の降り積もる夜半の函館でのこと。
新選組副長・土方歳三は、知人の家を訪ねていた折新政府軍の襲撃に遭うも、献上されたばかりの刀「星稜刀」を振るい、一人でその場を収めた。

時は流れて現代。
北海道を拠点とする斧江財閥に、キッドから「斧江財閥所蔵、東窪榮龍の脇差二本頂戴に参上する」との予告状が届き、果たして彼は予告通りに犯行を成し遂げ逃走を図る。
だが、追跡してきた平次と盗み出したばかりの刀でもって一戦交える中、シルクハットが切られ片眼鏡も外れたせいで素顔を一部とはいえ見られてしまった!
平次は驚愕する――キッドの声、容貌。どちらも工藤新一にそっくりだったからだ。

あくる日、剣道大会に出場するはずの平次の姿が会場に無い。その姿をコナンと共に探していた和葉は、ひょんなことから居合の達人である医学生・福城聖と知り合った。
そんな中、コナンたちは付近の港で刀傷のある遺体が発見されたのを知り、事件に関わり合っていくこととなる。

謎多き刀に秘された暗号が指し示すものとは、「お宝」を巡る陰謀の結末は、キッドの思いとは。
そして、平次の恋模様の行く末は……。
キッドと時に手を組み、時に彼を追いかけつつ、コナンと平次は真実への道しるべを探しながら「意志を継ぐ者」との対決に臨む。


ゲストキャラクター及び事件関係者

明治期前後の人々

当然既に全員故人。なお土方以外は架空の人物である。

  • 土方歳三

どうした……何故足を止め、勝機を逃す!

ご存知新選組「鬼の副長」。史実での詳細についてはググられたし。

当作においては、町田のもとを訪れていたところを新政府軍に踏み込まれるも、彼から献上されたばかりの刀「星稜刀」を振るってただ一人だけで返り討ちにしてのけた、という設定。

  • 町田正徳
CV:金光宣明
海産物卸商。土方に「星稜刀」を献上した。
筆まめな人物でもあり、件の日の出来事を克明に書き残した日記が手掛かりの一つとなる。ある意味ヒント要員。
しかし命は助かったとはいえ、新政府軍の襲撃で邸中滅茶苦茶にされたばかりか、せっかく献上したものを「悪いが俺には(元からの愛刀の)兼定があるので受け取れない」と返されてしまった、ちょっと可哀そうな人。

  • 東窪榮龍(ひがしくぼえいたつ)
CV:無し
刀鍛冶。イメージシーンのみに登場しセリフは無い。
率直に言えば無名で、打った刀も全く貴重なものではないらしい。

斧江(おのえ)財閥関係者

北海道を拠点とする財閥、及びその一族や関係者。
家紋は丸に九曜紋、及び家名からか斧を意匠化したような文様を配したもの。

  • 斧江圭三郎
CV:無し
故人。斧江財閥の祖で立派な髭を蓄えた紳士。
写真やイメージシーンにのみ登場しセリフは無い。

金の鉱脈を掘り当てたり、戦時中は軍需産業にも携わったりして巨万の富を築いた。
戦後の混乱期に財産は失われたというが、しかし連合軍に接収される前に一部を金に変え、どこかに隠したともされる。また、園子によれば「大の土方歳三マニアで、ゆかりの品を何でも買い漁ってたみたい」とのこと。
ちなみに件の写真の中には、星稜刀を携えて床面がガラス張りの気球に乗り込み、何かを観測している様子が収められたものがあるが、目的は不明。

  • 斧江忠之
CV:不明(クレジット無し)
故人。斧江財閥の二代目で拓三の父。本作の一年前に75歳で病没しており、回想シーンや写真にのみ登場。
圭三郎ほどの量ではないが髭を生やし眼鏡をかけた、穏やかな印象の人物。

生前、冬の海辺で良衛と出会い意気投合するとともに、彼に「意志」を託して逝った。
良衛は忠之との邂逅について「曾祖父の導きとしか思えない運命的な出会いだった」とし、また「忠之さんは足が悪くが手放せなかった」とも振り返っている。
とはいえその割に、川添が捜査会議中に誤操作で示した画像には、忠之が様々な場へ足を運んでいたことが窺える光景が写っていて……?

  • 斧江拓三
CV:中博史
斧江財閥の三代目で現当主。

父亡き後事業を引き継ぐも上手くいっておらず、金に困って代々の所蔵の品を売り払い、ほとんどのものを鈴木財閥に買われているありさま。
こんな状況ゆえ「お宝」を欲していたが、事故に遭ったこと(拓三はカドクラの手の者のせいだと主張している)や久垣のを理由に「宝からはもう手を引くことにする、命を失くしては何にもならない」と涙ながらに言い、斧江家に伝わる暗号表を警察に渡す。

しかし、その言葉は実は全くの嘘。
おまけに病院で中森と接触した際彼に盗聴器を仕掛けており、暗号が解かれたことを聞き付けてから動き出す狡猾さを見せるほか、結局逮捕されるも「カドクラの情報を持っている、取引しないか」と悪あがきをするなど小物ムーブが目立つ。
その後良衛が拉致されてからは取り調べでカドクラ一味の居場所を吐くが、移送のため函館署の庁舎の外に連れ出された際、邪魔者を消そうと目論んだ彼に射殺されそうになる。
そして被弾し意識を失う前、自身を庇った中森に伝えたこととは……。

  • 久垣澄人(ひさがきすみと)
CV:不明(クレジット無し)
斧江財閥顧問弁護士。拓三の命を受け圭三郎の宝のありかを探していた。
しかしドバイから帰国し函館に到着した直後、何者かに斬殺される。
遺体には十文字の切り傷が見られた。遺留品には航空券、空のゴルフバッグがあったほか、遺体の手には破れた銃砲刀剣類登録証の紙片が握り締められていた。
また、斧江財閥の関係者でありながら雇い主を裏切り、カドクラと何度か面会して東窪の刀の情報を流していたことが判っている。

コナンと平次は、登録証が偽造のものであることと、ゴルフバッグには戦後の混乱期に海外の好事家のもとへ流出した刀を収めて(かつ、表立ってはこうしたものを持ち込めないはずなので予め手配しておいた裏ルートなどを経由して)帰国したが、その中身を下手人が持ち去ったため空になっていたと推理した。

  • 拓三の部下たち
北海道東照宮から刀を盗み出したキッドや、それをキャッチしたコナンを追いかけようとしたが、彼に加勢してきた聖に全員打倒される。

カドクラ一味

カドクラとその配下。
話の都合上全員日本語は堪能。

  • ブライアン・D・カドクラ
CV:銀河万丈日本語パート)/ジュリアン・マクファーレン(英語パート)
日系アメリカ人投資家。恰幅の良い強面の男。喫煙者。
部下たちからは「ボス」と呼ばれる。

表向きはチャリティーに熱心な人物として知られる……が、裏の顔は兵器を売買するいわゆる「死の商人」で、本性は悪辣にして残忍そのもの。
実際、一般市民のいる白昼の市街地でも危険な運転をしたり、刀の入った箱を持って逃げるコナンたちにも躊躇なく発砲したりするなど、目的のためならばどのような手も厭わない。
また、中森に変装して訪ねてきたキッドの正体を、部下を連れずに単独で現れた違和感から即座に見抜くなど洞察力も高く侮りがたい人物。

川添によればアジア一帯で手広く商売しており、彼の提言で道警は何年も前からカドクラをマークしてきたという。今回はチャリティーイベントのため来日しているが、久垣殺害の容疑で捜査線上に浮上した。
商売柄やはり「お宝」を手中に収めんとしており、手に入れた暁には北海道近海を航行中のある人物に売ろうとしているようだが、相手から時間制限を突き付けられているために焦りを滲ませる場面も。
序盤ではホテルにステイしているが、とある廃屋もアジトとして押さえていて、中盤からはそちらへ移っている。

終盤では、良衛をアジトに拉致監禁した上でコナンたちにコンタクトを取り、良衛の解放の条件として「『お宝』を今から24時間以内に持って来ること」を要求。
更に「示した条件を呑まなければ市内にいくつか仕掛けてある爆弾を爆発させる」と、実際に爆弾を作動させながら脅迫してきて……。揺れる函館警察署 24万人の人質

担当声優は、偶然にもお宝つながりで某お宝鑑定番組で長年ナレーションを担当している大ベテランの銀河万丈氏。
ちなみに同氏の奥方は、『コナン』では妃英理役の高島雅羅氏である。

  • ナチョ・ベルガ
CV:武田幸史
カドクラの最側近と見られる褐色肌の男。スキンヘッドで顎のあたりにタトゥーを入れている。
太目の体格だが見た目によらず俊敏な動きを見せる。

  • アフロ
CV:宮本崇弘
カドクラの側近の一人。
名前の通りのヘアスタイルで無精髭を生やしている。

  • カドクラの部下たち
拓三の部下たちに輪をかけてガラの悪そうな面々。
終盤ではコナンと平次の前に立ちはだかるが、そこへ駆け付けた沖田と鬼丸の前には手も足も出なかった。

福城家

代々居合道の師範を務めてきた。
また、東窪の刀のうち2振、及びとある絵(後述)も所有している。

  • 福城良衛(ふくしろりょうえ)
CV:菅生隆之
聖の父で元高校教師。変わった形の眉が特徴。医師だった妻は既に亡くしている。前述の通り忠之と親交を結んでいた。
キッドによれば「病気のため退職し、現在は家にこもっている」とのこと。

訪ねてきた川添らを招き入れ「刀は曽祖父が圭三郎から直接賜った」と話すとともに、刀は川添に、一緒に保管されてきた絵は平次に預けた。
また、居合は筋が悪くすぐに止めてしまったが、その分腕の良い息子のことは「まあまあ」自慢に思っているという(なおもちろんこれは謙遜)。
その他、運気にこだわりがあるようだ。

その後カドクラ一味に自宅に踏み込まれ、彼らのアジトに拉致監禁されるが、そのことを予見しており布団の下に血で五芒星を書き残していた。
また、コナンたちにカドクラが連絡を入れてきた際、彼には話そうとしなかった忠之との出会いの経緯と、彼から「宝の破壊」という意志を継いだと明かす。それを聞いて激高したカドクラに銃を向けられるも、動じることなく「撃ちたければ撃て。だが私の意志は止められんよ」と、意味深なことを口にする。その真意は?

  • 福城聖(ふくしろひじり)

さあ、本気を出そうか

CV:松岡禎丞
良衛の息子で八幡坂大学医学部の学生。父のことは「父さん」と呼ぶ。
茶髪でたれ目のイケメン。変わった形の眉は父譲り。
そして今作きっての夢女子ホイホイである。

一人称は「僕」または「俺」。
若くして居合の達人。その実力は父に「歴代の先人たちをも凌ぐ」と言わしめ、平次も対峙した際は内心「この男やりよる!」と思ったほど。大会では何度も優勝経験があり、異性のファンも多い。
剣道大会には試合の合間に特別演武を披露するため訪れていたが、その開始前の稽古中、平次と間違えて声をかけた和葉に「樋鳴り」*2が良い音だと褒められたのをきっかけに彼女に好意を抱き、平次と恋の鞘当てを演じることに。

一旦惚れると積極的になるタイプと見え、出会って間もない和葉を「ちゃん」付けで呼び、市内の絶景スポットを案内させてほしいと誘う。
更には、拓三の部下たちに追われていたコナンを逃がしてやりその相手を引き受けるが、そんな緊迫した状況にあっても彼に「僕が(君を)助けたってこと和葉ちゃんに伝えといて」と言うなど抜け目なくアピールしてもいる。
他方、恋敵となる平次が和葉との関係を幼なじみだと言った際には「じゃあ子供の頃からの古い知り合いか」と挑発て彼の地雷を踏み抜いたり、和葉を巡っての勝負を持ち掛けたりもする。
とはいえそうした面を除けば、基本的には正義感が強く優しい好青年。チェイスを繰り広げるコナンと平次を見かけて(「君たちを追っていけば和葉ちゃんに会えるかもって」とは言いつつも)助けに入ったり、追われる中で負傷した二人に医学生らしく手当てを施したりしている。
その他、移動にはスクーターを使うことが多いほか、医学部に進学した動機は「死んだ母が医者だったからその影響かな」と話す。

だが、刀の鞘からどういうわけか久垣の指紋が検出されたことを理由に、殺人の容疑で逮捕されてしまう
当然身に覚えが無いため一貫して否認し続け、その後無実が証明され釈放の方向に向かいそうになるも、父が書き残した五芒星の画像を西村から見せられたあとに脱走。
そうまでして急いだ先、その理由とは……!?

その他の人物

  • 川添善久(かわぞえよしひさ)
CV:大泉洋
今作のゲスト声優枠。
北海道警巡査部長で西村の部下。丸眼鏡をかけた糸目で団子鼻の男。ちなみに鼻の頭が少し赤い。

上司曰く「ドジ」。
実際、車で駆け付けた際には駐車に失敗したり、捜査会議中にはうっかり飲み物を端末の上に置いて無関係の画像(忠之の写っているもの)を表示してしまったりしている。
また「(ドジだけど)遅刻するような奴じゃない」と言われてもいるのに、初登場シーンでは遅刻してどやされている。
その他、北海道の方言「わや」のイントネーションが実際のそれと少し違う。
このようにおっちょこちょいで冴えない印象だが、民間人、それも未成年者であるコナンや平次の意見も撥ね付けずに聞くなど人当たりは悪くはない。
……一方、時折目を見開き不敵な笑みを浮かべる場面も。果たして敵か味方か?
ラストシーンから言えるのは「またしても何も知らない大泉洋さん」だったということ。

担当声優は、今や国民的俳優となった大泉洋氏。
よく知られた通り北海道出身であることに加え、『レイトン教授シリーズ』などで声優としてのキャリアも積んでおりそちらでの評価も高く、更に公開前年には実兄が函館市長に就任している繋がりもある。様々な点から今作に相応しい人選と言えるだろう。

  • 吉永神子(よしながみこ)
CV:高野麻里佳
北海道東照宮に奉仕する巫女。
ぱっつん前髪に切れ長の目が印象的な美人で、ヒント要員の一人でもある。

小五郎に変装して訪ねてきたキッドに、土方歳三ゆかりの刀の所蔵の有無を訊かれた際には真相を伏せるも、その後話しておかなくてはならないと思い立ち川添を訪ねる。
しかし川添がコナンと平次に対応を丸投げしたため、二人に「星稜刀は何年も前に盗まれ、犯人は未だ捕まっていないこと」「星稜刀の目釘穴の周りにはアーモンド型の模様があり、ちょうど人の目のような形をしていたこと」「戦時中に五稜郭が一晩だけ赤く燃えたらしいこと」などを伝えたほか、神社に保管されていた絵(後述)も託す。正直、出番がこれで終わりなのが惜しまれる。


  • 狐面の男
CV:無し
正体不明の人物。一言も発しないのでCVは無い。
赤茶色のおかっぱ頭で、その名の通りの仮面を着け軍服を纏い日本刀を携えている。

カドクラのもとから刀を盗み出した直後のキッドを襲撃し、尋常ならざる身のこなしと剣の腕前で彼を追い詰めるも、コナンと平次が立ちはだかったことで撤退していった。
また、キッドの服の一部を切った際の切り口が久垣の遺体にあったものと同じだったことから、彼を殺害した張本人と目される。
ちなみにキッドの居場所を辿れたのは、刀に発信機が仕込まれていたからだった。

CV:ロバート・スペンサー
本名はじめパーソナルデータは一切不明。カドクラの取引相手で、彼同様武器商人と思われる。
部下を引き連れ北海道付近を航行しており、カドクラから「お宝」を買う気のようだが、買い手だからか彼に対しては終始優位な態度で接している上「もし我々を裏切るようなことがあれば……」などと穏やかでない発言もしている。

  • 運転手
CV:山口竜之介
アバンに登場。氏名は不明。そばかすが特徴のトラックドライバーの青年。
しかし実際はキッドの変装した姿。なお、本物は商店街の福引で温泉旅行が当たったためそちらへ行っているという。

補修のための掛軸を取りに来たのを装い、斧江邸にまんまと進入。そのまま脇差を首尾よく頂戴するはずが、そこへ平次が現れ正体を暴かれて……。
ちなみにキッドの正体である快斗はまだ17歳なので大型免許が取れる年齢ではないから、当然無免許運転をしていることになる。罪状がまた増えた。

担当声優は山口勝平氏の長男。

  • 受付
CV:山口茜
中盤に登場。氏名は不明。茶髪を後頭部でシニヨンにまとめた女性。
コナン達が情報収集のため訪れたホテルのフロントでその応対に当たったほか、久垣から預かった荷物が無いかを調べるため端末を操作していた。

担当声優は山口勝平氏の長女。


レギュラー陣

今回は複数の青山作品からキャラクターが登場しているため、出典作品別にまとめた。

『名探偵コナン』から

ご存知主人公にして「キッドキラー」。いつものアイテムを駆使しつつ、真相解明に挑む。
ちなみに今回の新一の登場シーンは、オープニングのいつものシーンと蘭にビックベンの近くで告白した時の回想の1シーンのみとなっている。なお恒例の「蘭!」「新一!」のやり取りは無かった。
また兄弟がいるのかと平次に訊かれた際には否定しつつ、キッドに似ていることは「たまたまだよ」ときっぱり答えているが……。
終盤ではあるとんでもないところをスケボーで爆走する。

その他、本作の事件に関わり始める前には、平次より一足先に意中の相手と恋人同士になっているという余裕がそうさせるのか、彼の恋路を冷やかし半分で見ている描写がある。
平次がキッドに執念を燃やすのを「キスの恨み怖っ」と眺めていたり、聖が和葉と沖田に恋人同士なのかと訊ねた際には「服部に見せてぇ~今の光景!」などと思いつつ、若干ゲスい笑みを浮かべて面白がったりしてもいた(笑)。

ご存知西の名探偵。今作の主人公その1。
函館市主催の剣道大会出場のため当地を訪れる。

かつてキッドが和葉に変装しているのを見抜けずにキスをしようとしたことを「オレの純情を汚しよって!」と逆恨み根に持っており、「キスの借り」を返すことに燃えている。
同時に、今度こそ和葉に告白しようと意気込んでもいて、「キッドを追い掛けて夜の間中函館を走り回っていた」としつつ、実は告白の下準備のために大会をすっぽかしてまで市内の絶景スポットを巡り目星を付けていた。
キッドと対峙した際は、目撃したその素顔が新一にそっくりだったことに大変驚き、彼(コナン)に兄弟がいるのではないかと訊ねるも否定された。

クライマックスでは、あるとんでもない場所で剣戟を繰り広げる。

ご存知合気道娘。今作のヒロイン。

剣道大会応援のため現地入りし、ひょんなことから知り合った聖にアプローチされるようになる。
事件には関わらず蘭と函館観光を楽しんでいた折、終盤で平次に夜の函館山へ呼び出され蘭と向かうが、そこでは恐るべき企みが実行に移されようとしていて……!

ちなみに中盤では少しの間髪を下ろした状態が見られる。かわいい。

ご存知蘭ねーちゃん。

かねがね平次と和葉に「ラヴの予感」を感じているが、本作でもその仲を後押しすることに徹しており、そのためならとある人物に手刀をお見舞いすることも辞さない。
平次が告白のためにムードある市内の名所を探していると察すると、函館山から見る夜景は「100万ドルの夜景」として知られることを彼に教えた。
また「100万ドルの夜景っちゅうんは(新一が蘭に告白した場所の)ビッグベンよりも上か?」と問われた際には、その背中を押すことを優先して「断然、上よ!」と返している(なお、その後内心で新一に謝っていた)。

その他終盤では、とある経緯から平次がパラシュートで降下してきた際には「すごい、すごいよ服部君、天から舞い降りた王子様みたいだよ~っ!」とギャグチックな泣き顔を浮かべながら思っているなど、総じてシリアス成分は控え目な上に戦闘シーンといえる場面は無し。

ご存知おっちゃん。本作でキッドが変装した人その1。

久垣殺害事件の捜査に協力することになるも、二転三転する状況に少々お疲れ気味。
しかも、五稜郭タワーで居合わせた子供に「下を見て」と言われ思わずその言葉通りにしてしまうが、その床面は運の悪いことにガラス張り。高所恐怖症*3なのにそんなことをしたせいで驚いて腰を打ってしまうなど、あまり見せ場らしい見せ場は無く、また娘同様シリアス成分は控え目。

ご存知鈴木財閥のお嬢様で皆勤賞要員。
加えて今作ではヒント要員でもある。

鈴木財閥が買い付けた斧江財閥の所蔵品目録の点検を担っているが、本一冊が足りないという。また、この作業があるため都内に留まったことから今作での出番はビデオ通話越しのみとなり、函館でキッドに会うことはかなわなかった。
中盤では、アフタヌーンティーを楽しんでいたところに、拓三の口にした町田正徳の日記こそが件の「足りない本」だと知ったコナンに頼まれ、それをデータ化したものを彼に送っている。
なお、ボーイフレンドである京極真についてのセリフは無かった。

ご存知西の園子。
やはりヒント要員の一人にして、北海道名所PR大使

伊織から平次が函館で剣道大会に出場すると聞き、キャビンが姫系仕様の自家用ヘリで現地に乗り込むも、「旦那様♡」には会えずご機嫌斜め。
また、その折に平次が和葉に告白しようとしている可能性に思い至り「それだけは絶対に阻止せなあかん!」と、彼が向かいそうな「告白絶景スポット」を伊織の提案のもと札幌、小樽、網走と巡って妨害を目論むも空振り続きだった。

その後稚内で連絡がようやく付いた際には、平次が土方歳三と月にまつわる可能性がある暗号に苦戦しているのをビデオ通話で知り、彼の句集『豊玉発句集』が関わるのではないかと伝えて解読に貢献する。
ちなみにお嬢様ゆえか、100万ドルを「意外と安いけど」と言っていた。
終盤で函館に戻ってきた際には、とある人物を追うもカドクラ一味の妨害に遭っていたコナンを見かけ、伊織に援護を命じる。

なお、剣道大会の出場者名簿を閲覧しているので、そこに載っているはずの沖田の名前は見かけたかもしれないが、そもそも眼中に無いのか作中では彼に一言も言及していない。*4

  • 伊織無我
ご存知大岡家執事にして、北海道名所PR大使アシスタント
そして公開当時はアニメでは明かされていないが、過去に公安警察に所属していたことも……。*5

平次の連絡先をまだ把握していないお嬢様のために調べるなどしてその恋路を支えるほか、終盤では彼女の命を受けスタングレネードを投擲。カドクラ一味の車列を足止めすることに成功した。
流石は元・公安、やることがメチャクチャすぎる……。

しかし一件落着後、強風に煽られてスタングレネードを函館山頂上に取り落としてしまう。
しかもそれは、今まさにそこで想いを伝えようとしていた平次と和葉の近くで炸裂して……!!

北の大地にやってきた、ご存知少年探偵団とその保護者。またの名を皆勤賞要員ズ、あるいは北海道新幹線PRチーム
出番は終盤近くで控え目だが、「お宝」のありかを指し示す重要な役割を果たす。

阿笠はコナンの頼みを受け、やたらと主張の激しい「あるもの」を持参。ちなみにお馴染みダジャレクイズは時短のため(?)今年は2択になり、また第二問を出題しようとしたがその前に灰原に止められた。
元太に関しては、ジンギスカンや海鮮丼などの函館名物を巡ろうとしていた。正直他のメンバーと比べて何かしら貢献したかというと微妙。
歩美に関しては、後半で高い所からオートパラシュート装置が取り付けられたスケボーを地上にいるコナンの方へ投げており、何かとあるパン型ヒーロー仲間みたいな感じになっている。
そして光彦はコナンの指示で「お宝」のありかを指し示すための「あること」をするが、エンディングでは……。

ご存知新一の両親。二人とも自邸にいるため事件には直接関わらない。*6

……と見せかけて、優作はエピローグで妻も視聴者も驚く衝撃の新事実を明かし、ある意味一番美味しいところを持って行った。
有希子は優作に「君は(私の兄に)会ったことがある」と言われていたが、誰なのかはピンと来ていない模様。
また「マカデミー賞受賞のお祝いにある人から贈られた」という刀を床の間に飾っているが「錆び付いてて抜けないから背中搔くのにちょうど良いのよね~」と話し、これには夫も苦笑い。

ちなみに件の刀の鍔は星形をしているものだが、まさか!?

  • 西村京兵
北海道警警部。劇場版への出演は『銀翼の奇術師』以来19作ぶり。フルネームは今回で設定された。本作でキッドが変装した人その2。

事件現場を訪れた小五郎たちと再会し捜査への協力を要請する。
聖の逮捕後は彼の取り調べを担当していた。

  • 鈴木史郎
  • 鈴木朋子
ご存知園子の両親。中盤に一瞬だけ登場しセリフは無い。
夫婦で仲良く庭を散策しており、テラスでビデオ通話中の娘に手を振って通り過ぎて行った。


『まじっく快斗』から

ご存知平成のアルセーヌ・ルパン改め、令和の魔術師(ウィザード)(だってもう令和だから)。今作の主人公その2。
何故か日本刀、それも価値が無いものを狙う。そのわけを「簡単に言えば好奇心ってやつかね」と話すが……?

今回はモブも含めると変装した人数は5人以上に上り歴代トップクラスに多く、また予め正体はキッドだと判っている場面が多い。沖田に変装した際には彼が京都府民だからか、語尾にやたらと「どすえ~」と付ける不自然な京都弁を話し、コナンと平次(と、一部視聴者)をイラつかせている。*7
後半では『紺青の拳』でも使用した『プロペラエンジン付きハンググライダー』も登場し、コナンや平次をサポートした。

そして、中盤で中森がカドクラに撃たれた直後、キッド(快斗)は……。

ご存知キッド専任捜査官。やはりキッド確保のため機動隊員を引き連れて現地入り。本作でキッドが変装した人その3。
中盤では拓三を移送する際にカドクラに撃たれたところを庇って自身も2発被弾、一時意識不明の重体に陥ってしまう。
奇跡的に回復したあとは、拓三の口にしたことを青子を通してコナンらに伝える。

劇場版初登場。CVは『1412』での声優が担当。

銀三の娘で快斗の幼なじみ。

父が重体になったとの報せを受けて飛んで来る。
そして病院で初めてコナン、小五郎、平次と対面し*8、意識が戻った父からの言伝をコナン達に伝えたほか、彼を見て「きみ、青子の幼なじみの男の子の小さいころに似てる」と言った。
エンディングではスマホに快斗の名前を「ば快斗」と登録していることが判明。かわいい。

『YAIBA』から

全員劇場版初登場。

ご存知剣道小僧。本作でキッドが変装した人その4。

平次同様、函館市の剣道大会に出場している。
やはり圧倒的な実力を見せ付けており、聖にも「剣道界の有名人」と称されていた。
終盤では鬼丸を伴って平次のピンチに現れ、文字通り助太刀に入る。

CVは土方歳三と兼任。

ある意味サプライズ枠。何故函館にいるのかは不明だがやはり剣道大会出場のためか。
悪い奴らが大勢いると聞いてやって来た」と、沖田とともにカドクラの部下たちを蹴散らしていく……というかガンガンふっとばしていっている。もはや無双。


用語

  • 星稜刀(せいりょうとう)
町田正徳から土方歳三へ献上されたった一晩だけ用いられた、鍔が星形をしている刀。町田の日記によれば「五稜郭築城の折作られしもの也」とのこと。
後に北海道東照宮に納められたが本作の数年前に盗まれ、以来所在は不明。現在では、かつて刀が入っていた空の箱だけが地下に納められていたが、キッドに盗み出されたあとチェイスの中で路面電車に轢かれ木っ端微塵になってしまった。

なお、土方は鍔に返り血を浴びた状態のまま、背後から切り掛かろうとしてきた刺客を屛風もろとも刺し貫いたため、星形の血痕がそこに染み付き今に至る。

  • 豊玉発句集(ほうぎょくほっくしゅう)
土方が詠んだ俳句を収録した句集で実在するもの。「豊玉」とは土方の俳号(俳句を詠んだり発表したりする時に名乗る、いわばペンネーム)。
斧江財閥の暗号表解読の鍵を握る。
なお俳句自体の評価は……うん。

  • 東窪の刀
値打ちは無いが暗号のヒントとなる6振。
なお星稜刀とは違い固有の名前は付いていない。

2振が福城家伝来で、良衛が川添にどちらも提出。
2振が斧江財閥所蔵だったが、うち1振をキッドが盗み出す。
残り2振は海外に流出していたのを久垣によって国内に持ち込まれ、一旦は彼を殺害した人物が持ち去る。
しかしその後、紆余曲折を経て6振全てがコナンらのもとに揃った。
また、通常目釘穴は正円であるところ星形や半円をしていたり、全ての刀の鍔を合体させると五稜郭のような形になったりする、という不可解な点が見られるが……。

  • 斧江財閥の暗号表
縦方向には1〜5までの、横方向には0~9までの数字が規則的に、そしていろは文字は不規則な順番で並んでいる、いわゆるクロス表。
『豊玉発句集』の句のうち、月が詠まれた6句が鍵を握っており、解読すると「ほくとうおに」、つまり鬼門(北東)の鎮護のため建立された北海道東照宮を指し示していることが判る。

それぞれ福城家と北海道東照宮に1枚ずつ伝来する絵。
前者は一面真っ黒な中に五稜郭の形だけが赤々と浮かび上がっているもので、後者は函館市の古い地図のようなもの。
一見互いに何の関係も無さそうに思えるが、二枚を重ね合わせると五稜郭の位置がピタリと一致する

  • お宝
斧江圭三郎が隠したとされるもの。正体も所在も一切不明。
一説には金塊とも、あるいは「(太平洋戦争の)戦況を一変させるほどの兵器」だとも。
これを巡りカドクラや拓三は争奪戦を繰り広げるが、一方で福城父子は破壊するべく動いている。


余談

  • 公開日である4月12日はキッドの国際犯罪者番号「1412」にちなんだものと思われる。前回キッドが主役を務めた『紺青の拳』公開日も本作公開の5年前の同日だった。
    ちなみに、『紺青の拳』においてコナンはキッドによってシンガポールに拐われていたが、彼はその所在を本作の舞台である北海道だと誤魔化していた。

  • 今回のオープニングは、ステンドグラスや刀の刃にイメージが投影されるというもの。また場面転換では襖が閉まったり畳敷きの空間に番傘が置かれていたりするなど、前作とは打って変わって和風の演出となっており、テーマ曲にも和楽器が用いられている。
    なお、オープニングではその作品のキーパーソンたちを紹介するのが恒例だが、今回は平次とキッドの二人のみで終わり、事実上のヒロインである和葉については言及が無かった。

  • 数字がサブタイトルに含まれるのは、『ゼロの執行人』以来5作ぶりで通算6作目。表記が算用数字であるものに限れば『11人目のストライカー』以来11作ぶりで通算4作目。
    また、歴代タイトルに含まれる数字の大きさでは、これまで最大だった『沈黙の15分』を抜き本作がトップになった。

  • 『コナン』劇場版でお馴染みの「当て字」が用いられたのは本作で通算18作目。これで歴代作品のちょうど3分の2に「当て字」が含まれることとなった。
    なお、これまでの「当て字」のセオリーは「ルビの振られる語、あるいはそれから連想される語を英訳してその読みをカタカナ表記したもの」だったところ、「ルビに日本語が用いられていてひらがな表記」という点は初めて

  • コナンと平次が神子と話すのに利用した店は、函館市に実在のハンバーガーショップ「ラッキーピエロ」がモデルと思われる。

  • 警視庁の管轄外という事もあり、目暮十三ら警視庁捜査一課の面々は一切登場していない。キッドの登場作品ということもあって中森だけが登場しているが、大倉脚本の劇場版作品では彼の登場回数が捜査一課のそれを上回った。

  • 『ゼロの執行人』以降、SNSにおいてはその年の劇場版『コナン』を鑑賞することを、作品のテーマやタイトルに関連する語を用いて「△△*9、鑑賞したら「△△済み」と表現するムーブメントが自然発生的に起きるようになっている。
    その種類はこれまで1~2種類程度だったところ、本作では
    • 刀が献上されたことから「献上済み
    • 函館市が舞台であることから「来函済み
    • ゲスト声優である大泉氏の苗字を捩って「おおい済み」(未鑑賞なら「おおいず」とする例も見られる)
    • 作中でキッドが沖田に変装した際口にしていたけったいな京都弁に由来する「どすえ済み
      など、例年になくバリエーション豊かな表現が生まれているようだ。

  • 本作には前述の通り山口勝平氏の長男・長女も出演しており、キャスト陣にも「意志を継ぐ者」がいると言える。




追記・修正は、誰かの意志を継いだらお願いします。




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「へぇーっくしょい!!」
「風邪ひいてんじゃねえよ……」
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最終更新:2024年05月07日 18:24

*1 『あぶ刑事』の主人公コンビの片割れを演じる舘ひろし氏は、実写版『ゴールデンカムイ』では本作にも関わりのある土方歳三役を務めている。

*2 刀を振ったときに聞こえる、風を切る音。

*3 『天国へのカウントダウン』『ゼロの執行人』『紺青の拳』では平気で高所にいるし、本作においても五稜郭タワーの高層にいるがガラス張りの床に乗る前までは平気そうな様子だった。高所の景色でも水平方向に見る場合はなんともないが、垂直方向に見下ろして高い位置にいることを意識してしまうとダメなタイプなのだろうか。

*4 『紅の修学旅行』でもさほど仲が良くなさそうに見える描写があった。

*5 伊織の公安の元所属設定は公式サイトの「キーパーソン」で明かされている。

*6 なお、今回は前作にも登場した同居はいないが仕事に行っているのだろうか?

*7 他にも、本物の沖田は「居ない」を「居いひん」と言うが、キッドは「おらん」と言っている違いがある。

*8 その時、青子と雰囲気が似ている蘭は和葉と函館の観光をしていた。

*9 2018年以降2023年(公開延期となった2020年は除く)までの作品について、「△△」に入る語は順に「執行」(タイトルから)「出国」(海外が舞台であるため)「被(緋)弾」(弾丸がキーアイテムであることから。また、メインキャラクターである赤井秀一を象徴する緋色を「被」に掛けて)「参列」(結婚式が関わることから)「潜航(水)」(潜水艦が関わることから)との表現が主流。