ガンダム強奪(ガンダムシリーズ)

登録日:2021/08/30 Mon 17:12:00
更新日:2024/02/22 Thu 14:22:34
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この機体と新型核弾頭は頂いていく、ジオン再興のために!


ここで見過ごさばその代価、いずれ我らの命で支払わねばならなくなるぞ

地球軍の新型機動兵器、あそこから運び出される前に奪取する

慣れねぇとちと扱い辛いが……武装さえ分かりゃ後は何とかなるってなぁ!


想いだけでも、力だけでも、駄目なのです…だから!


ガンダム強奪とは、『機動戦士ガンダム』シリーズにおける定番イベントである。


概要

機動戦士ガンダムシリーズにおいて「ガンダム」と呼ばれる機体は特別扱いされる事が多いが、その一方で常々強奪される憂き目に遭う。
機体性能の高さや貴重品である事もさることながら、時にはその場にたまたまいたからとか、売り飛ばして金にするために盗まれるなど、様々な事情のもと本来の持ち主の手を離れてしまうのだ。
メタ的には仮面キャラ電波妨害と同等レベルで行われる定番の流れに近く、2号機だったり雰囲気が他と違ってたりすると奪われるんじゃないかと視聴者に邪推されてしまうほど。
ガンダムシリーズのみならず、ロボットアニメの最初期からのお約束ではあるが、
一説には「主役が敵から強奪してそのまま運用する」という展開が初めて描かれた『Ζ』に同監督による前作
重戦機エルガイム 』を意識したような点が見られることから、同作のエルガイムMk-IIの展開をブラッシュアップしたのではないかとも。

この項目では、それらの機体を強奪された機体強奪されかけた機体で区分して取り扱う。

狭義の強奪以外にも鹵獲・奪取・捕獲も当該項目にて取り扱うものとする。
但し明確な所有者及び所有勢力が不明な場合や、持ち主の意思のもと交換した機体放棄されていたのを拾得した機体またガンダムタイプ以外の機体に関しては除外とする。

既に述べた通り、伝統的に2号機は強奪されがちというジンクスが存在する。何ならガンダム関係ないロボアニメ全般に渡って存在する。
何しろアムロが勝手に乗り込み、一度はアムロも強奪同然に持ち逃げした初代ガンダムからしてRX-78-2である。
また敵側に奪われる機体は、奪われた先で使われることを前提としたデザインになっている事が多い。
つまり「2号機+悪人顔=強奪」である。さらに暗色塗装で確率UPまである

何故こんなに強奪されやすいのか?

ガンダム強奪は特に近年ではシリーズに於ける一種のお約束であるが、
それだけに「カギくらい掛けとけ」「重要機密の割にザル警備なのではないか」といった視聴者からの疑問・指摘は絶えない。

お話の都合と言ってしまえばそれまでだが、メタ的なもの以外にも理由はいくつか挙げられる。

  • 突破できるとは考えにくいセキュリティが施されている
DX、スローネツヴァイ等が該当。
「正規パイロット以外には動かせない様な特殊な鍵」を掛けていたのに奪われてしまった例。油断するのも無理からぬ事とも言える。
DXは後述の通り起動キーとなる部品が無ければ動かせない筈の機体であり、同型のキーをたまたま持つパイロットがいるなんて予想できる筈もない。
スローネも虹彩認証などの偽装の難しい生体データが起動キーになっており、それがハッキングによって書き換えられ強奪されるなどという緊急事態は、
内部に裏切り者でも出ない限りは本来あり得ない事態であった。

因みに、現実の兵器で言うと戦車や戦闘機には基本的にキーは無いとされる。
戦車は中からハッチに鍵を掛ける事はできるが外からは掛けられず、精々展示会等で侵入防止に南京錠を掛ける程度という。
軍基地というそうそう侵入できない保管場所や、自動車などと違ってすぐには起動できない点が鍵の代わりになると考えられているためである。

  • 厳重な警備を敷く訳には行かない
『SEED』のGAT-Xシリーズ等が該当。
これらは本来中立である筈のコロニーでの極秘建造であり、地球連合軍としても大々的に警備できなかったと考えられる。
中立コロニーで連合が兵器開発している事自体がグレーを通り越して真っ黒であり、それが公になれば国際的に大問題になりかねない。
ましてや大っぴらに警備しようものなら、地球軍が中立コロニーで何かしている事が丸分かりになってしまう。
「警備したくてもできない」事も時にはあるのである。
そもそも中立コロニーでは戦闘行為は禁止されているので、よしんばガンダム建造が外部に露呈したとしても、
(政治的な問題こそ発生するだろうが)ザフトがガンダム強奪作戦というリスキーな実力行使に出る事はないだろうと考えていた可能性もある。

  • 内通者の存在
ガンダム試作2号機、フリーダム、ブルーディスティニー2号機等が該当。また上述のスローネツヴァイの高セキュリティも内通者の協力で突破されている。
一番どうしようもない、かつ現実にもままあるタイプ
スパイや何等かの意図で敵対組織や外部の人間にガンダムを横流ししようとしている人物が居り、その手引きによって強奪されてしまったというもの。
スパイがいれば、強奪対象の特徴や武装、強奪対象が置かれている場所、警備や操縦方法まで把握も可能なので潜入・近づくことさえ出来れば後は勝ちである。
それが有力者であれば潜入・強奪をしやすいように変装用道具の調達は勿論、強奪するための細工や警備を手薄にしてやる事もできるだろうし、なんなら直接譲渡する事すら可能である。

強奪に味方である筈の者が協力しているとあっては、最早警備やセキュリティの強度云々以前の問題である。
パイロット自身が一騎打ちの相手に絆され死後の機体を託すなんて例まであるが、これは「強奪」とは言わないか。

  • パイロットの油断
Mk-Ⅱ、クロスボーンX2等が該当。
如何に機体が優秀でも、パイロットが油断していて奪われてしまったという例。
Mk-IIの場合は「襲撃に伴う混乱のさなか、基地内で勝手に乗り込む部外者」「接近した味方機が既に強奪済み」といったやむを得ない点はあるが、
X2はなんと生身の人間相手に反撃を受けて奪われている。

強奪された機体

G-3ガンダム

異聞のとにかく多い機体であるが、その中でもキワモノ中のキワモノの漫画『Gの影忍』での顛末。
輸送中にジオン側の忍者ヒュウガの襲撃を受けて強奪され、主君であるデギン・ソド・ザビに献上される。
紆余曲折の末この機体はヒュウガの弟リュウガの手に渡り『Gの影忍』の通り名と共に宇宙世紀の歴史の陰を駆けることになる。

フルアーマーガンダム

機動戦士ガンダム サンダーボルト』で登場した機体。
序盤の出撃から生還したパイロット中で最も階級の高いイオ・フレミングにあてがわれたが、ガンダム神話共々に故郷奪還の人身御供になるのを多くのクルーから願われていた。
そんな願望に逆らうように戦果を重ねていき、宿命のライバルたるサイコ・ザクと交戦。
互角の勝負を繰り広げたが、相手の不意打ちと不幸で敗北を喫してしまい、増援にかけつけたジオン軍によって鹵獲されてしまう。
一年戦争後は久しくジオン残党軍の所有する秘密基地で保管されていたが、ダリルの手によりパーフェクト・ガンダムの外装部品として再利用される。

ブルーディスティニー2号機

ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』3部作の3作目のライバル機。
テスト中にニムバス・シュターゼンの手で強奪される。
テストだというのになぜかビームライフルを持たされていたこと、なぜかジオン側に情報が漏れていたことなどから分かる通り、
EXAMシステムの開発者であるクルスト・モーゼス博士の手引きによるものであった。

ガンダム試作2号機

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する機体。
作品発表順としてはMk-IIの方が先に奪われているが2号機は強奪されるというジンクスが広まったのはほぼこいつのせい。なんなら1話のサブタイトルからして『ガンダム強奪』である。

核弾頭がほぼ唯一にして最大の武器の機体なのだが、その核弾頭を狙ったデラーズ・フリートのアナベル・ガトーによって、
オーストラリア大陸にあるトリントン基地で核弾頭を積んだタイミングで強奪される。
連邦軍基地内ということで検問自体はあったが、内通者が製造元のアナハイム社員でガトーも連邦軍の制服を調達して着用しており、基地の外でガトーと合流したアナハイム社員が関係者を装ったガトーを同行させたため検問の通過を許してしまった。

追撃に参加した試作1号機パイロットが格下の腕前という事や、政治闘争による追撃の不十分さもあって地上での奪還に失敗。
デラーズ・フリートによって南極条約違反の口実やコンペイトウ(旧ソロモン)宙域で行われた観艦式での核発射テロリズムの原因に繋がってしまった。
その後は核弾頭発射時に発生した機体の不調と腕の上がったコウとの交戦で試作1号機フルバーニアンと相討ちとなり、ソロモン宙域で放棄・大破した。

余談だが、厳密に言えば1号機本体ではないが、1号機も予備コア・ファイターを盗まれかけた。
なお、これは敵基地の所在を炙り出すためアルビオンに乗艦していた内通者にわざと奪わせた形になっており、敵に辿り着く前に撃墜されたので未遂に終わった。

ガンダムMk-

シリーズ2作目である『機動戦士Ζガンダム』の第一話で早速強奪される機体。
後にティターンズ崩壊のきっかけを作ったと揶揄されるジェリド・メサ中尉が搭乗していた3号機がコロニー内の基地に不時着して放置されていたのを、
当時はエゥーゴどころか連邦軍人でもない民間人だったカミーユ・ビダンに八つ当たり気味に奪われた。
しかも直後に、味方が乗っていると誤認したカクリコン・カクーラーの2号機も鹵獲。
パイロットは地上に降ろしたが、そのまま機体はリック・ディアスによって宇宙に運ばれている。
更に残った1号機もエマ・シーンがバスク大佐の親書をエゥーゴへ送り届けた時に、その内容から組織への疑念を抱いたエマが寝返った事で、
1号機から3号機までの全機がアーガマに奪われてしまった。
一応、後でティターンズは3機の奪還に成功しているのだが、エゥーゴに寝返ったエマの作戦によって結局捕らえていたカミーユ諸共取り逃し、
結果的に3機揃って2回も強奪された事になる。
因みに4号機も存在したのだが、本編強奪より以前に墜落事故で喪失しており、ティターンズにはMk-Ⅱの実機は一機も残っていない。*1

こういった強奪兵器にありがちな「実戦に使う場合整備はどうするの?」という問題も、一機でも奪取できれば研究用に回せるかもという目論見が棚ボタ的なハプニングで3機も同時に獲得できた為「研究用(と新規の予備パーツの見本用)・現場の予備部品用・実戦用」という形で解決してしまった。

この一件もあり、ティターンズはMk-Ⅱの量産を断念。その後の兵器開発にも大きな影響が出る結果となってしまった。
後に本機の設計を受け継いだ新型量産機としてバーザムが開発された。あんまり活躍しなかったけど。

ZZ』でもキャラ・スーンがネオ・ジオンに帰るための足として強奪・使用したが途中で乗り捨てたため、ネオ・ジオンに渡ることはなかった。

余談だがエゥーゴもガンダムМK-Ⅱ強奪直後に、自分達の最新鋭機であるリック・ディアス(クワトロ機)を強奪されたことがある*2

ガンダムF90 2号機

宇宙世紀0120、ラー・カイラム級戦艦アドミラル・ティアンムでのテスト中にオールズモビルこと火星独立ジオン軍の手で強奪され、火星まで持ち去られて改造される。
ちなみにオールズモビル側の内通者が居た故の鹵獲強奪でありセキュリティ上の問題はそこまでない。
1号機との戦闘で撃破されるが、後にサナリィの手で回収され、F90Ⅱとして生まれ変わる。

ネオガンダム2号機

機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場する機体。
本来は主人公であるトキオ・ランドールが上官であるバズ・ガレムソンから原隊復帰と同時に乗機として与えられるはずだったが、ガレムソンの所業に反発していたトキオが2号機を強奪。
ガレムソンの駆る1号機と決戦を繰り広げ、最終的に両機とも大破する(トキオは生存)。
なおガレムソンはトキオに反発されるだけのことはある悪行を繰り返しているのだが、
対立していたトキオにわざわざ最新鋭のガンダムを与えようとするという面倒見の良さを見せている。
一種の懐柔行為ではあるがトキオが反発した理由はそもそものガレムソンの率いる部隊の汚れ仕事と
その引き受けの代償としての違法行為への見て見ぬふりに対する義憤だったので当然のことながら懐柔行為は失敗した。
ちなみ1号機が黒、2号機が白という、連邦制のガンダムにしては珍しい配色をしている。*3
しかし奪うのは主人公陣営なので結局敵が黒、味方が白になっちゃったのだが…。

クロスボーン・ガンダムX2

機動戦士クロスボーン・ガンダム』中盤、X2はパイロットのザビーネ・シャル木星帝国に寝返ったことにより、
脱走した彼共々木星側に渡った後、同時に捕らえられたトビア・アロナクスの公開処刑に用いられるが、
なまじ形ばかりの抵抗を許す意図でトビアを拘束せず、MS相手には役立たないであろう機関銃を渡していたのが仇となり、機体に関する知識があったトビアの機転で彼に奪取し返されてしまった。
この際なんと「生身のトビアを襲ったら反撃でバルーンダミーの誤作動を誘発されてカメラアイを塞がれてしまい、やむなくコクピットを開けて対応しようとした所を殴り込まれて奪われる」という醜態を晒している。*4
その後、X2はトビアの脱出に使われた上、最終的にコア・ファイター以外の部分は囮として明後日の方向へと射出され、
トビア本人はコア・ファイターでマザー・バンガードと合流した。
なお囮とされた部分は木星により回収されX2改として再度実戦投入された他、木星のMS開発技術を飛躍的に進歩させる礎となった。

ファントム

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』の事実上の主役機。形式番号は「EMS-TC02」。
木星共和国特殊部隊「サーカス」が開発した「一騎当千機」(サウザンド・カスタム)の内の一機で、上述のX2などのサナリィ製MSを参考に開発されたが、
光の翼を使いたいためにレコードブレイカーから流用した制御システムが上手く作動せず、「失敗作」の烙印を押されて封印されていた。
しかし、たまたま乗り込んだフォント・ボーが「八掛けの吊橋」からヒントを得てバイオコンピューターの起動に成功し、
彼によって「サーカス」から奪われ「新生クロスボーン・バンガード」のエンジェル・コール追跡に使われることとなった。
ちなみに、木星製MSということもあって一見するとガンダムとは思えないフォルムだが、組み込まれたミノフスキードライブが起動すると、
それによって発生する本機の「光の翼」である「ファントム・ライト」により、顔が所謂ガンダムフェイスになる他、
元々開発の際に参考とされた機体にX2などのガンダムタイプが含まれているのもあってか、作中後半に改修された際には「ゴーストガンダム」と名付けられている。

ちなみにこのファントム、後の『DUST』で量産型の「ノエル・レイス」が登場しているのだが、
こちらも主人公アッシュによって輸送船が襲われ(製造工場と輸送船にスパイを入れて無力化しておく念入りな方法)、「借りる」という形で一部の機体が奪われている。

ドラゴンガンダム

機動武闘伝Gガンダム』のネオチャイナ代表機体。しかし地球に降りる際に手違いがあり、野盗に奪われてしまう。
ガンダムファイト国際条約第四条「ガンダムファイターは己のガンダムを守りぬかなくてはならない。」に完全に反する不祥事であり、
ファイターのサイ・サイシーはネオジャパン代表のドモン・カッシュを利用して奪還している。

デビルガンダム

ご存じガンダム史上最凶最悪の機体。
当初主人公ドモンは兄キョウジが強奪したデビルガンダムを探すという目的でガンダムファイトに参戦していたが、それはウルベが吹き込んだ嘘だった。
しかしガンダムファイト決勝戦後、大破していたデビルガンダムはどさくさ紛れにウルベに本当に強奪されてしまう。
それ以前でも東方不敗マスター・アジアは時が来ればウォンの手からデビルガンダムをかっさらう気満々であった。
また、スパロボを始めゲーム作品にデビルガンダムが登場した場合は高確率で争奪戦になると、つくづく人間のエゴに振り回される不憫な機体である。

ガンダムデスサイズ

新機動戦記ガンダムW』に登場した機体。
何かと不幸に縁のあるデュオ・マックスウェル同様に、ウイングガンダムの改修用にヒイロにパーツを無断で拝借されるなどの目に遭っている。
しかも宇宙に上がった直後にトーラス部隊に捕捉され、機動性が皆無なまま交戦状態になった結果、かなりの損傷を受けパイロットのデュオ共々鹵獲されてしまう。
「自爆装置まで作動しないとは運がない、いやいいのか」
後にデュオはヒイロに救出されるが、デスサイズは別の場所に移動されていたのか鹵獲されたままで、
そして最期はコロニーの人間の大半がOZを支持するようになった状況で悪の根源として全国放送で損傷したままの姿を映されながら、トロワ・バートンの手により「公開処刑」される。
なお、OZによって戦線投入されたわけでもないし本作では自爆後に回収されゼクス・マーキスによって修復されたウイングやカトルが投降した後トラントが操縦していたウイングガンダムゼロなどガンダムがOZに回収されることは結構あるので
この項目で挙げられる他の強奪とはやや意味合いが違うのだが、OZから本機は「ガンダム02(ゼロツー)」というコードネームで呼ばれるので特筆。

ガンダムジェミナス02

新機動戦記ガンダムW DUAL STORY G-UNIT』に登場するMS。
敵部隊「OZプライズ」の襲撃を受けて応戦するも敗北、大破した状態で奪われてしまい、修復・改造されて敵として登場した。後に奪い返され、G-UNIT最終型のパーツに使われた。
背景がやや特殊で、機体設計者が最初から敵方と通じていたため、奪う前から改造用のパーツが用意されており、技術解析の必要も無かった。という点で珍しい例と言える。*5

ガンダムDX

機動新世紀ガンダムX』の後期主人公機体。
新地球連邦軍が威信をかけて開発した新型機で、ゾンダーエプタ島でガロードらの前に登場する。
神々しいまでの後光を見せながらのツインサテライトキャノンの発射演出は圧巻の一言。
本来、サテライトキャノンの使用にはニュータイプによる月の施設への初回登録が必要なのだが、新連邦はかつてジャミル・ニートが搭乗していたガンダムX(NT-002)の残骸を回収し、登録済みのデータを流用することで使用可能にしている。
一度はカトックとガロードによって格納庫を制圧されるも、機体の開発を推し進めた当のアイムザット・カートラルは(自分達の手元にある)Gコンが無いと起動しないと高を括っていた。
だが保管されていたガンダムX(NT-001)時代から使っていたGコン*6を別行動していたジャミル達が奪取しガロードへと渡された為、それを使って即起動されてしまう。
DXはジャミルやカトックの亡骸を手に乗せて船から脱出し、同じく脱出したフリーデンに届けた後、追撃のバリエント部隊に対し固定装備のみで戦闘し全機返り討ち。
更に現れた新連邦極東部隊に対しツインサテライトキャノンを無人のゾンダーエプタ島に撃ち込んで威嚇し撤退させた。

∀ガンダム

∀ガンダム』に登場する主人公機。
終盤に月面で兄弟機のターンXとの決闘を行った時、ロランがコックピットだけを離脱させて敗走している。
その後残った機体本体がギム・ギンガナムらギンガナム艦隊の手に渡り、地球侵攻作戦ではスモーのコックピットを流用して運用されていた。
その後ロランたちの手で再度奪還される事となるが、それまでの間にメカニックによって整備されていたようで、本調子に近付いたターンタイプ同士の交戦ができるようになっていた。

ストライク以外の初期GAT-Xシリーズ

機動戦士ガンダムSEED』に登場する機体群。
地球連合軍内部で立案され、オーブ連合首長国のモルゲンレーテ社が主導となって秘密裡に開発された初の地球連合製MSだったが、
ヘリオポリスから搬出される直前、情報を掴んでいたザフト軍クルーゼ隊によって強襲を受け、強奪された。
唯一強奪を免れたストライクガンダム以外の4機がザフトの手に渡り、以後長い期間、兄弟機が敵味方に分かれて相対する事となる。
5機の内、ブリッツはストライクによって撃破、イージスはストライクを巻き込んで自爆し、唯一強奪を免れていたストライクも第一次プラント大戦末期に母艦を陽電子砲から庇い爆散したため、稼働状態で終戦を迎えられたのはデュエルとバスターだけであった。
なお、デュエルは終戦までザフト軍によって運用されていたが、戦後に地球連合に返還されており、三隻同盟にパイロットと共に加わったバスターも、紆余曲折を経てデュエルと同じく返還されている……はずだったのだが、劇場版ではプラント側で改修された機体が再登場した。
返還したものを再度譲渡してもらって改修したのか、そもそも設定を覆して返還そのものが無かった事にされたのかは不明。

なお強奪や鹵獲とは異なるため詳細は省略するが、ヘリオポリスではこれとほぼ同時期に別のMSも3機ほどそれぞれ別々の勢力に持ち去られている

フリーダムガンダム

機動戦士ガンダムSEED』の後期主人公機体。
かつての友人がいるであろう地球連合軍本部JOSH-Aにザフトが奇襲を仕掛けたことを知り、友人を守るべく再び戦うことを決めたキラ・ヤマトに、
彼が戦うための『剣』としてラクス・クラインが横流しに近い形でキラを手引きし、結果強奪されたザフト製の『ガンダム』。
核の使用が制限されている劇中において初めて登場した、作品内でも数少ない核エンジンを搭載したMSであり、
その無尽蔵ともいえるエネルギーを利用する前提の圧倒的な性能と、パイロットであるキラの技量の高さから無類の強さを誇った。

ちなみに兄弟機のジャスティスガンダムは正規パイロットに任命されたアスラン・ザラに引き渡されたが、
アスランはフリーダム破壊任務を途中で投げ出して機体諸共三隻同盟に加わったため、こちらもザフトから持ち去られてしまった格好になっている。
ザフト側からすればフリーダム共々三隻同盟(というかクライン派)に奪われたに等しいが、
一度は正式に機体を受領した正規パイロットが機体ごと離反した格好なので強奪とは些かニュアンスが異なる。

同じく兄弟機に相当するプロヴィデンスガンダムでようやく正規パイロットによって正規運用されたが、
これもこれでパイロットのクルーゼとしては計画が上手く行ったらこのまま持ち逃げしてプラントを裏切り壊滅させるつもりだった様なので、
一歩間違えれば結果として3機とも持ち去られていた可能性があった。

ソードカラミティガンダム

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』で登場した、ストライク以下前期GAT-Xシリーズの後発である後期GAT-Xシリーズの1つであるカラミティガンダムの再設計機。
強奪の被害に遭ったのはエドワード・ハレルソンが受領した2号機で、第一次プラント大戦末期の第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後にエドが脱走した際に強奪。
そのまま彼の愛機として南米独立戦争の旗印となり、彼を危険視した連合の差し向けた刺客の最後の1人である「乱れ桜」レナ・イメリアの搭乗する1号機との激戦の末に相討ちとなり中破。
エド、レナ両者共に瀕死の重傷を負い、その模様を撮影していたジェス・リブルが彼らをプラント側の中立基地へ担ぎ込んだためそのまま放棄されていたが、MSコレクターのカイト・マディガンが1号機2号機共に回収して保存しており、「Δ ASTRAY」の描写では2号機はエドへ返却された模様。
1号機はそのままコレクションとして保管され、3号機は第三次ビクトリア攻防戦への協力の見返りとして乗り手である連合製コーディネイター「ソキウス」3名と共にサハク家へ譲渡されているため、描写の限りでは1機残らず連合の手元から散逸している。

ハイペリオンガンダム

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』で登場した機体。
地球連合軍の一勢力ユーラシア連邦の初のMSで、腕利きだが人格に難のあるカナード・パルスが搭乗、彼が率いる「特務部隊X」が運用していた。
彼の所属する衛星基地「アルテミス」の指揮官ガルシアは彼とハイペリオンガンダムの力を持って連合内で出世しようと目論んでいたが、急激に進む戦況に対応できず上層部に切り捨てられてしまう。
その逆恨みにカナードを処刑しようとするが察知されてしまい、ハイペリオンガンダム、そして特務部隊Xごと離反されてしまう。
更にオマケとして虎の子であったハイペリオンガンダム2号機を追撃させるが、まんまと撃破、拿捕されてしまうのであった(その後の扱いは後述)。
こうして一瞬にしてガンダムを2機も失ってしまったアルテミスとガルシアは以降出てくること無く生死不明である。
ハイペリオン自体は修復され核エンジンを外付けし、独立部隊となったカナードが駆るも、激戦の末に撃破され核エンジンが暴走してロストしてしまった。
ただしカナード本人は生存しており、以降は受け継いだ別の機体を愛機として傭兵部隊として戦っている。

ちなみに元のパイロットを戦闘で殺害し機体を持ち帰る展開は実はガンダムシリーズでは割りと珍しかったりする。

ガイアガンダムカオスガンダムアビスガンダム

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で登場したセカンドステージシリーズと呼ばれる機体群。
SEEDとは逆転する形で、プラント国内のアーモリー・ワン内部で地球連合軍のファントムペインによって強奪されてしまった。*7
描写を見る限り、ダークダガーの奇襲、武器の持ち込みに加えてザフト兵に成り済ました兵士が写っているので、内通者による手引きである可能性が高い。

同セカンドステージシリーズのインパルスガンダムセイバーガンダムらと交戦しつつも戦地を宇宙から地上へと移し、物語中盤に至るまでメインの敵機体として幾度となく交戦を続けていった。

ガイアはパイロットの独断行動でロドニアに先行した所をシンとアスランに迎撃され、機体を破壊せず無力化された*8ことからそのままザフトに奪還される。
……かと思いきや今度はクライン派に再度強奪されエターナルに運び込まれ、カラーリングを変えた上でバルトフェルド専用機として運用された。
劇中で描写が一切無いためクライン派の手に渡った経緯は不明だが、バルドフェルドが隻腕で義手付きかつ隻眼という非常に重いハンディキャップを抱えているため、クライン派の手に渡った後でそれを埋める為の改修が行われている可能性はある。
一度は強奪された機体が奪還されるだけでも珍しいのに、その後更に別の勢力にまた強奪されるというのは前代未聞である。

アビスは宇宙では勿論、得意の水中・水上戦でミネルバを何度も苦しめたが、ガイア奪還後のクレタ沖での戦闘で、SEEDを発現させたシンの駆るブラストインパルスによって撃墜される。

カオスは途中でフリーダムにバラバラにされたりしながらも最後まで生き残るが、ベルリン粛清の際の戦闘でイケヤ・ニシザワ・ゴウのムラサメ一個小隊の連携攻撃で墜落した所を胴体を両断され大破した。
ちなみにパイロットのスティングはギリギリ生存。強化人間とはいえ流石にタフすぎる。


ストライクフリーダムガンダム∞ジャスティスガンダム

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場した機体。フリーダムとジャスティスの二代目とも言うべき後継機。
設定が二転三転しており出自が明確ではないが、どの設定でもザフトから情報なり設計中の機体を奪った事は間違いなく、クライン派が有する軍事工廠ファクトリー内部で完成されている点では共通。
しかしギルバート・デュランダルらプラント上層部が盗まれたか否かについて明確に言及するシーンは無く、あくまで設定上の記載でしかない。
ちなみに、ストライクフリーダムは後の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』においても(現在のところは本編開始前の設定だけだが)強奪されかける目に遭っている。

テスタメントガンダム

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』で登場。アウトフレームのオリジナル機体。
元々ジェネシスαで管理されていたが、同施設の強豪パイロットのアッシュ・グレイの留守中に連合(厳密には一族)が襲撃し強奪。
ストライカーパック検証用の機体というのも仇になり、戦場で放棄されていた物を回収・保管していたソードストライカーを駆使して防衛線を突破し、エールストライカーに換装してまんまと逃げきった。
その後カイト・マディガンに渡るがこちらはその時のパイロットが事実上放棄したものを回収したため強奪ではない。
なお予備フレームと予備パーツがジェネシスα内に残されており、それらをロウが回収。発泡金属装甲等を継ぎ足す事で組み上げたのがアウトフレームである。

ガンダムキュリオス

機動戦士ガンダム00』の主人公側勢力「ソレスタルビーイング」の運用する主要機体、通称「ガンダム」の一つ。
物語序盤からセルゲイ・スミルノフら人類革新連盟の部隊によって追い込まれ、ソーマ・ピーリスとの相性の悪さに付け込まれるなどして鹵獲されかけた事が何度もあった。
しかしその度にパイロットの覚醒や別部隊の救援で事無きを得ていたため、最も窮地に追い込まれつつも生還も果たしていた。
しかし物語終盤から登場したGN-Xによって更に状況が悪化し、最終決戦でセルゲイの捨て身の行動で機体が大破。
撃破こそされなかったがそのまま国連軍によって鹵獲され、アヘッド開発の礎として研究開発の対象にされてしまった。
ただしアレルヤが咄嗟の判断でGNドライブをパージしプトレマイオスに送ったので、GNドライブの鹵獲だけは免れている。

ガンダムAGE-3

機動戦士ガンダムAGE』の3代目主人公機。
物語中盤でウェアをオービタルに換装したものの、強化されたギラーガザムドラーグによって苦手な近接戦闘を強いられ、挙句鹵獲されてしまう。
その後はヴェイガンの工廠に運ばれ機体構造などを解析されてしまい、後のガンダムレギルス開発の一翼を担ってしまう。
しかもキオがヴェイガンから脱出するとレギルスによって圧倒的なまでの実力差を見せつけられ、最期はダルマにされてしまった。

G-セルフ

ガンダム Gのレコンギスタ』の主人公機を務めるG系MS。
ヘルメスの薔薇の設計図に基づいてドレット軍に開発され、斥候として地球に降下していたのだが、第1話からして地球に降下してきたところをキャピタル・アーミィに鹵獲され、それを海賊部隊が横から掠め取るところから物語が始まる。
その後、同話後半でアイーダ・スルガンが本機を使用してキャピタル・タワーに攻撃をかけるも、ベルリ・ゼナムの活躍によって拿捕されてキャピタルの管理下に置かれ、第3話ではアイーダがこれを奪還してベルリ達と共に海賊部隊に帰還。
更に中盤ではクレッセント・シップを占拠したジット団に戦利品として拿捕され、これをベルリがG-アルケインで奪還
…と、奪還も含めるなら全26話の中で5回も強奪されていると言う多難過ぎるMS。
この機体には「レイハントン・コード」という強固なセキュリティロックがかけられており、レイハントンの血を引く人物と正規パイロットのラライヤ以外には操縦どころかコクピットハッチを開けることすら出来ない。
殆どの工業製品がユニバーサル・スタンダードに基づいて互換性を持つ時代では言うまでもなく殆ど見られない機能であり、ジット団のフラミニアからは「資源が限られた宇宙で使うマシンなのに、ユニバーサルに使えないなんて何事か」と怒りを露わにされていたが、そんな機体に限って何度も奪われるという皮肉めいた経歴を辿ることとなった。

G-ルシファー

同じ『ガンダム Gのレコンギスタ』において、ジット団がヘルメスの薔薇の設計図から開発していた下手なラスボスよりもラスボスっぽいデザインに定評があるG系MS。
最終調整中の機体が格納庫に保管されていたことに目をつけたマニィとノレドによって強奪され、そのままメガファウナに持ち込まれてラライヤの乗機となった。
なお、調整中ということでコクピットにはサブパイロット用シートが取り付けられていたのだが、海賊部隊で使われるようになってからも取り外されることはなく、ノレドがサブパイロットとして同乗している。

ガンダム・バエル

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場する機体。
300年前に起きた大戦争『厄祭戦』で活躍した72機あるガンダム・フレームの一号機。
作中ではギャラルホルン本部の地下格納庫に安置されていたが、マクギリス・ファリドの手により再起動する。
起動後はギャラルホルン全部隊に反旗を翻し、革命軍の旗印として活動。キマリスヴィダールと激しい攻防を続けるも戦略的な勝利に恵まれず、
最終的にはスキップジャック級戦艦の格納庫にもつれ込む形で突っ込んで機能停止、戦後は厳重な封印処置をされたうえで再び元の場所に戻された。
強奪されつつも最終的にはボロボロのまま取り戻したという点ではデュエルやバスターに近しいものがあるが、パイロットの言動や目的からして簒奪に等しい行為も行われている稀有な例。

ガンダム・アスタロト

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼』に登場する機体。本当に「ガンダム売るよ」されてしまった機体。しかも2回も。
まずストーリー開始前に、ウォーレン家が所持していたアスタロトが御家取り潰しの憂き目にあい闇市場に売りに出されてしまった。
そのウォーレン家の嫡男「ヴォルコ・ウォーレン」が修復に奔走しておりある程度戦える状態にまで修復されていた。
その後色々あったのとヴォルゴは体が不自由な為、主人公のアルジにパイロットを任せる事となった。
とはいえこちらは恐らくは正式な手続きによる売却かつ、元の持ち主が正式に渡したため強奪ではない。

問題はその後。
アスタロトの装甲は別のガンダムフレーム「ガンダム・ウヴァル」に使われていたが、それを撃破した事で奪還。
こうして残り18%くらいでアスタロトが元に戻る…というところで、ウヴァルのパイロットの元にいた謎の女ナナオ・ナロリナによって強奪され、またもや闇市行きとなった。
とりあえずフレームだけは木星で見つかったので、別の機体の装甲を使い「ガンダム・アスタロトリナシメント」として生まれ変わる事となった。

ガンダム・ダンタリオン

鉄血世界のガンダムは一部を除いて「家」が所有し、ダンタリオンもザルムフォート家が所有・管理している。
しかしザルムフォート家の活動に疑問を持った嫡男のザディエル・ザルムフォートが家から強奪する形で持ち出した。
その後は独自に活動するも、紆余曲折を経てパイロット共々ザルムフォート家に帰還する。
正規パイロットが所属組織から勝手に持ち出し、返還されて元鞘に納まり、なおかつ終始パイロットが変わらないという強奪では中々珍しいパターン。

ちなみにナディラ家の所有する「ガンダム・グレモリー」も、家に掛けられた不正取引の疑いから逃れるために正規パイロットかつ当主の「デイラ・ナディラ」に持ち出されている。ポスト・ディザスターのガンダムこんなんばっかだな
後にデイラの疑いは晴れ家に戻る事となったので、グレモリーも戻ったと推測される。

エルガイヤーを除く機甲神

SDガンダム外伝シリーズの『機甲神伝説編』に登場する機兵*9だが、主役機のエルガイヤー以外は毎回のように奪われたり操られたりしている。
まず本編以前、ネオガンダムとルナガンダムが月から脱出する際にアルテイヤーが破壊されて脱落する。
そのアルテイヤーの残骸はエルガイヤーの模造品であるカオスガイヤーとして修復され、エルガイヤー以外の5機を奪って合体し闇機甲神ガンジェノサイダーとなる。
最終的にはカオスガイヤーが破壊されたことで奪還された。それとは別にジュピタリアスも当初はデラーズ軍に鹵獲・洗脳されて死機兵エビルシャドウとして運用されていた。
鎧闘神戦記編では今度は暗黒卿マスターガンダムの怨念が鹵獲されたエルガイヤー以外の機甲神を操り、暗黒機甲神ジェノガイストとして暴れまわる。この時には破壊されて長期の修復に入る。
新生生誕伝説編ではマスターガンダムに乗っ取られていた後遺症がまだ残っていたギガンティスが暗黒機甲神ギガンティスと化し、他4機を操っていた。
ギガンティスが騎士バルバトスに浄化されたことで他4機も正常に戻った。

機動武神天鎧王

SD戦国伝シリーズの『新SD戦国伝 超機動大将軍編』に登場する天空武人の遺産である巨大ロボット。
天宮と魔界の境界を封じる力を持っており、魔界への扉をその身をもって抑え込んでいたが、
魔星大将軍に乗っ取られ覇道大将軍のパーツ*10として取り込まれてしまう。

後に同じく天空武人の遺産である超機動大将軍によって倒され奪還されるが、短期間のうちに魔界側にすっかり解析されていたのか、
*11覇大将軍編では魔刃頑駄無(魔刃冥王殿)率いる魔界の戦力として模造品と思しき黒い天鎧王が投入されている。

また武者○伝では魔王頑駄無が「天馬の国沈没エネルギー」を吸い取る為に(恐らくは超時空転移装置によって)天馬の国(=現代日本)に召喚。
再び闇の力に支配されてしまい、その波動を感じ取った號斗丸=爆王頑駄無との死闘の末に破壊された。
こちらは號斗丸の反応から、恐らく「超機動大将軍編」の物と同じ本物の天鎧王と思われる。劇中では容赦なくブッ壊しちゃってるけど、良かったんだろうか

強奪されかけた機体

RX-78-2ガンダム

実は早くも第一作目『機動戦士ガンダム』から奪われかけている。

第1話で連邦側民間人のアムロが勝手に乗り込んだことや、第2話でシャアがドズルから「できるならそのモビルスーツを手に入れろ!」と命を受けた*12が、
実際にはとらえる以前の問題だった事はノーカンとしても、第16話でセイラが勝手に乗り込み満足な操縦が行えなかった時に鹵獲されかけたことがある。

結局ガンキャノンに乗ったアムロが駆けつけ、逆にパイロットごとザクを鹵獲してホワイトベースに帰還している。
またアムロがホワイトベースから脱走した際も無断でガンダムを持ち出しているが、別にアムロがジオンに内通してたりしてたわけではないし、
後にホワイトベースに帰艦するにあたり一緒に持ち帰っているので「強奪」ではないだろう。
しかし劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』では歴戦のエースパイロットであるククルス・ドアンの乗るザクとの一騎討ちの末に割とガッツリ負けて*13ガンダムを鹵獲されている。
(なお、TV版第15話はコアファイター部分のみでドアンの島に来てMS部分は未出撃だったので、「RX-78-2ガンダム」自体は鹵獲されてない。)

ガンダム・ピクシー2号機

同組織内で起きた強奪。
元々はホワイトベースに輸送予定だったが、ジオンのウルフ・ガー隊に目をつけられ何度も基地を襲撃される。
高性能なガンキャノンですら太刀打ちできない敵部隊に対抗するために、護衛小隊隊長のボルク・クライ大尉は無断でピクシーに乗り込み敵を退けた。
しかしその越権行為は無能な上官のノクトに取っては目に余る行為であり、現状を把握しようともせずピクシーを取り上げようとするが、ボルクに自分の靴を舐めろと命じた後正式に譲渡となり、彼の愛機となる。
とはいえノクトとしては現状を打破できた後は再びピクシーを輸送するつもりだったのだろう。
だが結果的にそうはならず、ボルクの愛機として最後まで戦い抜いた。

「事情により余ったガンダムに強引に乗り込み敵を撃破し認められる」というのは一種のテンプレでもあり、同じような展開が『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラ戦記0122』の主人公ベルフがガンダムF90に乗ることで行われた。
ただしF90の方は本来の乗機であるジェガンが修理中だった事と、上官が物分りの良い人物だったのでスムーズに譲渡されている。

Ζガンダム

機動戦士Ζガンダム』の後期主人公機。
実際に奪われかけたのは続編の「機動戦士ガンダムΖΖ」序盤で、ジャンク屋稼業をしていたジュドー・アーシタによって整備中のアーガマ内部に侵入・強奪されかけた。
もし成功していたら本人らの手によって売り飛ばされ、その資金は妹のリィナ・アーシタの学費になっていたことだろう。

νガンダム

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主人公機。
物語中盤でケーラ・スゥのリ・ガズィを人質に取ったギュネイ・ガスが人質解放と引き換えにνガンダムの武装解除を要求し、もう一歩で捕獲されるところまで追い詰められた。
しかし逸ったギュネイのミスで人質のケーラが死亡してしまい、結果として捕獲を免れている。
なお、ゲーム媒体のギレンの野望ではifルートとしてνガンダムが手に入ったら……?というルートが存在しており、この場合では奪取に成功している。

陸戦型ガンダム

機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の初代主人公機(部下も同じ機体)。
ゲリラの少女キキ・ロジータが 全裸で 水浴びをしていたところを偶然見てしまったシロー・アマダが、後の挟撃作戦の際にゲリラに因縁を付けられ、ガンダムもろとも連れ去られた。
必死の説得の末、キキに監視を付ける条件で解放し作戦に復帰、機体も取り戻したが、ゲリラに相当荒らされており頭を痛めていた。

ユニコーンガンダム

機動戦士ガンダムUC』の主人公機。
元々ネオ・ジオン軍残党の袖付きに譲渡される予定だったのが急遽変更されてしまったのと、
連邦政府の根幹を揺るがすと言われた"箱"の鍵である特性から、箱の居場所が特定されるまで各陣営に固執されている。
クシャトリヤシナンジュは勿論、同じ地球連邦軍陣営のバンシィにまで追われている始末で、
必要なのはコクピットとパイロットだけだから、四肢を捥いで強引に連れ帰れとまで命ぜられている。
何度か誘拐・奪取されているがセキュリティ上の都合でパイロットであるバナージ・リンクスから放す事ができず、いずれも最終的にはネェル・アーガマの元へ帰参している。

クロスボーン・ガンダムX3

機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場する三番機。
木星軍と地球連邦軍の攻撃によりシーブックやベラたちの海賊軍が窮地に陥り、シェリンドン・ロナの思惑により監禁されていたトビア・アロナクスが奪取しようとする。
しかし、相対した際のやり取りと自ら血を流す姿にトビアの覚悟を受け止めたシェリンドンは追撃を放棄。半ば投げやり気味の形ではあるが持ち出しが認められた。

Vガンダム

機動戦士Vガンダム』の初代主人公機(高級量産機)。
序盤で敵のクロノクル達の部隊に捕まり、鹵獲され試験運用される。
だが他の仲間達との戦闘の際に、クロノクルが操縦に慣れていなかった事もあり脚部を破損。分離も出来ず丸ごと放棄したため奪還された。
因みにウッソは奪還の際ゾロに乗っていたがあっさり慣れ、奪還後にはブーツアタックまで行っているとクロノクルとは対照的だった。

もしこのままラゲーン基地まで持ち帰られていたら、単純ながら性能が高い機体構造やベスパより完成度が高いミノフスキーフライトのシステム等を解析されていただろう。

ゴッドガンダム

同ネオジャパン代表機体であり、第13回においては同国の代表機体としてはシャイニングガンダムに次ぐ2号機に当たる。ちなみに形式番号もGF13-017NJII
ガンダムに憧れる少年チャンが勝手にゴッドガンダムに乗り込み、ファイティングスーツを着用しようとしていたも耐えきれず、間一髪ドモンが彼を気絶させたことで事なきを得る。
モビルファイターたるガンダムは肉体が屈強ではない人間が乗ると全身の骨がバラバラになるし乗っているファイターに合わせて各種調整をしているのだが
この描写を見る限り正規のファイター以外が乗ったら起動しなくなるような機構はないようだ。
ちなみに彼がゴッドガンダムを奪おうとした動機はコブラガンダムのパイロットであるシジーマ及びその飼い蛇の巨大コブラに痛めつけられているドモンを見て、
あんな弱い人物はガンダムファイターに相応しくないと考えたため。なお、実際の試合では無事ドモンが勝利した。

ストライクガンダム

機動戦士ガンダムSEED』の前期主人公機体。
同機体群の他4機がザフトによって鹵獲される中、この機体の鹵獲を担当したラスティ・マッケンジーが射殺されたこともあり、唯一地球連合軍の手に残っていた。
しかしストライクのパイロットとなったキラ・ヤマトアスラン・ザラが親友同士だった事から*14
アスランは何度もザフト側に付かないかと説得しており、煮え切らないキラに対しイージスで強引にヴェサリウスまで連行しようとした。
間一髪のところで間に合ったメビウス・ゼロの介入で事無きを得たが、イザークらアスランの味方側からも連行は反対されており、そもそも命令は撃破だったので持ち帰る事ができたかは疑問。

フリーダムガンダム

機動戦士ガンダムSEED』の後期主人公機体。
上記の通りプラントから奪われた機体ではあるが、同時に地球連合軍に捕獲されかけてもいる。
Nジャマーという核分裂を阻害する機能を無効化するNジャマーキャンセラーという技術を導入しているのが看破され、研究対象として捕獲を命ぜられたレイダーガンダムフォビドゥンガンダムの挟撃に遭い、
パイロットのキラがとある事情で冷静さを失っていたこともあって、背部ウイングの片翼と頭部を失う損傷を受けてあわや鹵獲という事態に。
ジャスティスガンダムバスターガンダムの支援で未遂で終わっていたが、もし捕獲されていたらパイロットの精神的負荷が過剰にかかっていた時期のため抵抗すらままならなかっただろう。

ガンダムエクシアガンダムデュナメスガンダムヴァーチェ

機動戦士ガンダム00』の第三世代MSたち。
何十年も先を行く技術と圧倒的性能から、その存在が認知された第二話から鹵獲計画は立案されていた。
組織の実態を含めた機密保持の高さから、放棄された武装や新システムの発見、更にはガンダムに触れた指先の情報だけでも高い価値を有している。
人類革新連盟によるガンダム捕獲作戦ではヴァーチェ及びキュリオスが鹵獲されかけ、アザディスタン内紛ではエクシアがコクピットをこじ開けられそうになった。
更にガンダム鹵獲のために三国家が合同で行った軍事演習では、14時間に及ぶ飽和射撃でAEUがヴァーチェを、ユニオンがデュナメスを、
人類革新連盟がキュリオスを、サーシェスがエクシアを鹵獲寸前にまで追い込んだが、いずれもスローネ部隊の介入で失敗した。
その後は疑似太陽炉が確保できたので鹵獲が必須事項ではなくなり殲滅に移行するが、ガンダムキュリオスの項を見てわかる通り未だ大きな価値を有している。

ダブルオーガンダム

機動戦士ガンダム00』のセカンドシーズン主人公機にして第四世代MSの一角で、初のツインドライヴ実装を成し遂げた機体でもある。
ヴェーダを掌握していたリボンズ・アルマークですら知らない新技術と彼自身の劣等感解消から優先的に鹵獲するよう旗下のイノベイドには命じており、
直接刹那・F・セイエイと対峙した時は何度となく「(00は)僕の機体なんだよ」と主張していた。
それとは関係なしに、ツインドライヴの調整が不完全のまま発動したTRANS-AMの余波でオーバーロードを起こし沈黙した時はアロウズの部隊に鹵獲されそうになった。

ガンダム・エアリアル

機動戦士ガンダム 水星の魔女』の主人公機体。
第一話から早速自身の意志を無視してグエル・ジェタークとの決闘を取り付けたスレッタ・マーキュリーに不満を抱いたミオリネ・レンブランが無断で借用。
結果としてグエルとの決闘も彼女が挑む羽目になるが、最中にスレッタが強引に乗り込み奪還している。二度の挑戦者変更を律儀に認めるグエルもグエルである
事の発端はスレッタが起動に必要な生徒手帳をミオリネに預けっぱなしにしていたという正規パイロット側に不手際のあった珍しい例。

とはいえ禁じられていたGUNDフォーマットを利用した機体とあって、エラン・ケレス(4号)から決闘の勝利報酬として要求されたり、ペイル社から強奪を指示されていた5号に強奪寸前まで持っていかれたりと度々災難に見舞われている。
17話にてグエルとの決闘に敗れエアリアルはスレッタの手元から離れるが、これは強奪ではなく決闘の結果による譲渡なので広義的には異なる。また、譲渡後も開発元のシン・セー開発公社CEOであるプロスペラが管理に一枚噛んでいるため、敵組織へ渡ったとも言い難い。


余談

現実の鹵獲兵器について

小銃のような携行兵器ならまだしもこの手の大型鹵獲兵器をいきなり前線に投入する事は現実的にはあまり無い。
「鹵獲した敵の最新兵器」は多くの場合は分解や解析にかけ、データを徹底的に収集する方が重要だからである。*15
コピーしたり技術を盗むまでには至らずとも、弱点を暴き出して自軍に周知すればその脅威を大きく削ぐことができ、兵器1台分どころではない効果を生み出せるのだ。

鹵獲兵器をいきなり前線に投入した場合、細かい操縦方法がわからない事も多い上、当然ながら予備パーツが無く大抵の場合部品の規格も異なるため補給や整備もままならず、運用性が最悪になってしまうことが容易に想像できる。
兵站の貧弱な組織の場合は敵から奪った兵器を応急修理しながら使えるだけ使う、といったような状況も起こりうるが、
「分析される前に奪還もしくは破壊」を目指す敵軍から集中して狙われる可能性が高い*16*17ことを考慮するとその場で破壊するのが一番簡単で手っ取り早く、そうでなければ一旦後送して分析に回し、それが終わってから物質(ものじち)にするなり実戦運用に移るなりするのが筋と言える。
どんな罠が仕込まれているかわからないし意図的でなくても不具合に気づかずに死ぬ可能性があるため、拾った敵の兵器を解析班に回さずにその場で使うのは「そうしなければ次の瞬間死ぬ」といった切羽詰まった場合に限られる。
解析された後でさえ、後述の「ニーモーター」のように解析が不十分で事故を起こしたりもする。

なお携行兵器のように手軽に入手できる場合では「隣の芝は青い」という諺のごとく、敵軍の武器に魅力を感じた兵士が好んで使うこともある。
WW2の東部戦線で、ドイツ兵には堅牢で装弾数の多いソ連製のPPsh-41サブマシンガンが、ソ連兵には軽量で品質の良いドイツ製のMP40サブマシンガンが好まれたという有名な話もある。
…ただ、「鹵獲した八九式重擲弾筒を使おうとして骨折した」とか、運用法がわからないせいで事故が起こることはやはりある。

一方で大型鹵獲兵器をバンバン実戦投入した稀有な例がWW2のフィンランド軍。
物資が窮乏していた当時のフィンランド軍はドイツやイタリアなどから輸入する兵器では全く数が足りず*18
ソ連の侵攻を防ぎ切れないためソ連軍の兵器を徹底的に鹵獲・強奪しては戦場に投入していた。
その上で、部品も他国の部品を使ったり自作したりして元のソ連の純正よりも品質を良くして使うといった離れ業を演じている。
近年にわかに有名になったフィンランド軍の自走砲BT-42もソ連軍戦車BT-7の鹵獲品を自国パーツで改装し、イギリスの砲(自国改造済み)を乗せるというだいぶ魔改造な代物だったり。
「スペアパーツがなければ作ればいい」
それを現実にやってのけた彼らの奮闘の前に、ついにソ連もフィンランドを完全占領することはできなかった。

もちろんこれらはあくまで現実世界での話であって、味方の高性能機が奪われそのまま敵に回ったり、
逆に敵の最新鋭機を強奪し鼻を明かしてやるのはまさしくロマンの塊で物語的には盛り上がる為、今後も強奪しそのまま使用する展開は続くであろう。

現実の兵器強奪作戦

上記のWWII時のフィンランド軍の様に敵軍の使用兵器をその場で盗んだ例も時々あるが、
場当たり的でない「準備を経て実行された他陣営の兵器を奪う作戦」も現実にはある。
例えばイスラエルはフランスの戦闘機ミラージュの設計図をスパイ活動により盗み出し、コピーモデルである「クフィール」を勝手に開発したりしている*19

またイラン軍は米軍の無人偵察機RQ-170センチネルをハッキングにより自軍基地と誤認させる事でイランに着陸させるという方法で鹵獲、
解析の上でこれをコピーしたと見られる無人機シームルグ及びサーエゲを開発、実戦に投入している。
ガンダムとは「戦時下ではない」、「超画期的性能を持つフラグシップ機ではない」といった事情の違いはあるが、
やはり「現実的にはこんなところ」といった鹵獲兵器の行く末と言えよう。

日本でも戊辰戦争にて劣勢であった旧幕府軍が、新政府軍の最新鋭兵器である甲鉄艦を強奪すべく、
新政府軍の軍艦が停泊していた宮古湾に軍艦で侵入する作戦を立案。
アメリカ国旗を掲げた欺瞞工作でなんとか甲鉄艦に接弦し、斬り込み隊が突入した所までは良かったが、
最新鋭の銃火器により撃退され、作戦は失敗に終わっている*20

「鹵獲兵器をいきなり戦線に投入する」事へのフォロー

作中でも鹵獲兵器を強奪したその場から運用し始めるのは一般的ではないらしく、
作品によってはある程度の説明・理由付けや、その苦労に関する描写が成されている。

  • ザク
ガンダムではないが、史上初のMSということで鹵獲に関するエピソードは非常に多い。
特に一年戦争初期の連邦軍はMSに煮え湯を飲まされ続けた為、彼らとしては喉から手が出る程欲しいものだった。
そのMSに対する熱意は半端ではなく、小説版ガンダム戦記に登場したマット・ヒーリィなどはジオンのザクを強奪しただけで中尉に昇格したほど。*21
件のザクは後に開発に回されたと設定されており、さらに追加で鹵獲できたので実戦投入に踏み切ったらしい。
その主な例としては、IGLOOに登場した鹵獲したザクⅡ6機と61式戦車2台からなる捕獲機部隊「セモベンテ隊」が著名。MSに対抗できる手段が乏しかったのも事実だが、MSパイロットの育成や戦術の確立といった目的も含めての実戦投入である。
もちろんいくら機体を鹵獲しても弾薬には限りがあるが、だからこそセモベンテ隊は味方の振りをしてジオンの基地を襲撃するという形振り構わない手段で弾薬を奪っていた。*22
だまし討ちとはいえ「侵略者ジオンに勝利した」という事実は彼らの力となり、結果セモベンテ隊は優秀なチームとなっていった。*23

鹵獲ザクついでに、胴体部分を鹵獲ザク*24から流用し、頭部や手足を連邦のMSの試作品で補った「RRf-06ザニー」という機種もある。
『ガンダムエース』の特集記事や『Code Fairy』などでは「連邦がグラナダからザクのパーツを極秘に取り寄せ開発した」ともあるが、これは出典元の『GジェネZERO』において第三勢力(プレイヤー)がザクをすべて破壊・鹵獲する→連邦軍がザクを入手できずMS開発につながらない→にもかかわらず連邦軍のユニットにジムが登場する…というタイムパラドックスを防ぐゲームシステム上の都合に由来する。
基本的には製作元のルナツー系の部隊*25でひっそり運用されていたらしく、実戦以外では技術研究・試験・機種転換訓練に使った模様。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではホワイトベースの戦力不足を補うため、鹵獲したザクに応急処置としてガンキャノンの頭を乗せた「キャノンザク」が登場したがあっさりやられてしまった。

ちなみにジオンとしてはこの時鹵獲された機体を連邦軍に最大限利用された事はトラウマになってるらしく、後に地球からの撤退時にいらなくなったズゴックEを「連邦に奪われるくらいなら」ということで現地の外人部隊に常渡している。
この外人部隊はジオン上層部からかなり嫌われているのだが、それでも「使い所がない」「混乱で所有権がメチャクチャ」という理由もあった為「使い潰してくれた方がいい」という事で与えられることとなった。

  • ガンダムMk-Ⅱ
上述の通り3機鹵獲した内、1号機は仔細解析・パーツ複製の原型用に月面のAE工場に回し、2号機は現場で解体して当座の整備部品を確保。
これにより「3機鹵獲してようやく1機投入できた」という設定になっている。

また、操縦面の問題も『鹵獲時にこちらに協力してくれたカミーユやエマが操縦方法を知っていた』ために、彼らに任せるという形で解決した。*26

  • ガンダム試作2号機
デラーズ紛争中の本機の役割的にデリケートな扱いを要求されており、劇中の戦闘で優勢だったにもかかわらず、「スペアパーツが無いので万一故障したら直せない」という理由で逃げ出す羽目になっている。
特に核発射用のアトミック・バズーカの砲身の収納部でもあるラジエーターシールドは核発射後の諸々の被害から身を守れる唯一の盾であるシールドの破損は文字通り致命傷に繋がるため、この撤退理由もやむ無しといったところか。
漫画版ではジオンのパーツで魔改造している様子もある。

鹵獲したが運用できなかったケース。
パイロットのエルピー・プルがアーガマに投降したためこの機体も持ち込まれるが、大気圏突入前後の戦闘で既に結構なダメージを負っており、
当然アーガマにはキュベレイのパーツなど無いため修理や整備は不可能と判断され、解体されることになる。
ジュドーの危機を救うため解体中の物を無理やり動かしたのがプル最期の出撃である。
動かなくなってたはずの腕が直ってたり、ほぼ撃ち尽くしていたはずのファンネルが補充されてたりとちょっとおかしいレベルまで整備されてるのは秘密

海賊軍が無益な殺生を好まない方針を取っており、捕虜にした敵パイロットは機体を残して木星帝国に帰らせる様にしていたため、鹵獲した機体も多かった様子。
しかし戦力として運用するのは地球からの大規模な補給を受けて以降の事となった。
尤も、この時は逆に海賊軍の当時の主力機であったゾンド・ゲーが「旧式の機体過ぎてもう補給パーツなんて手に入らない」と言われており、
むしろ全く陣営が違うのに地球からの補給で十分賄えるバタラ系統の規格の方が凄い気がしなくもない。

  • 初期GAT-Xシリーズ
アークエンジェルを追撃するクルーゼ隊が強奪したガンダムをいきなり投入してきた事にマリューらが驚いており*27
指揮官クルーゼも当初は強奪したガンダムはクルーゼ隊の戦力の頭数には入れていなかった*28
それでも投入したのはコンピュータからのデータ吸い上げが完了していた事と、クルーゼがガンダム同士の戦いを一種の余興と見做したため。
後の戦闘でデュエルが破損してからしばらくしたら元通りに修理されていた場面もあるが、この点は後に「予備パーツも同時に持ち出していた」と説明されている。
この場合、実機をバラしての解析はこの予備パーツで行えたとも解釈できる。

  • フリーダムガンダム
珍しく強奪されたガンダムの奪還作戦と、それに付随して「迂闊に敵の最新鋭機を鹵獲して保有し続ける危険」が間接的に描かれたケース。
キラとラクスに強奪されたフリーダムの奪還またはそれが不可能だった場合の破壊任務と、差し当たってフリーダムの兄弟機ジャスティスを与えられたアスランは、併せて「パイロットとその他機体に関わった人、施設は全て消せ」という命令を受ける事になる。
フリーダム(とジャスティス)は当時のザフトのフラッグシップ機である以上に、最高機密にして最大の切り札である「Nジャマーキャンセラー」を装備しており、このデータが万が一にも敵軍である地球連合の手に渡る事を警戒しての命令であるが、
実際に先述のベレンコ中尉亡命事件ではソ連は日本の手に渡ったミグ25の破壊に向けて特殊部隊を準備しており、またNジャマーキャンセラーがあれば使用不能になっていた核弾頭や核動力兵器が使用可能になるという点を鑑みれば、関係者も関係施設も尽く抹消せよという指令は非現実的な命令とも過激すぎる命令とも言い切れない。

結局アスランは命令通りには行動しなかったが、もしも軍務と命令により忠実なパイロットがこの任務を受けていた場合、フリーダムの居場所であったオーブは地球連合の侵攻を受けた直後にジャスティスの襲撃、酷ければザフトの総攻撃を食らうという弱り目に祟り目も甚だしい最悪なダブルパンチを受けていたと思われる。

上記の通り厳密には強奪・鹵獲に当たらないが、本来とは異なる陣営でいきなり実戦投入された例として便宜上ここに追記。
レッドフレームに関しては乗り手のロウが腕利きのジャンク屋であるため、多少壊そうがパーツの自作やそのついでの改造・改修によって安定稼働を続けている。
またブルーフレーム・アウトフレームについてもそれぞれの所有者がロウと親交がある事から、損傷を受けた際に度々ロウが修理・改造を引き受けている。

カナードがガルシアに裏切られた際には、特務部隊Xの人員とアガメムノン級宇宙戦艦オルテギュアも同時に離反した為に整備は問題無かった…と言いたいが、その直前にハイペリオンは大ダメージを受けており、ほぼコクピットと一部武装しか残っておらず、右側の腕・足・バックパックは失ったままという状態であった。
しかしそんな折、都合よく同型機のハイペリオンガンダム2号機に乗って、凄く都合よく自信だけはいっちょ前の雑魚パイロットがお届け追撃に現れる。
動いて御の字の状態なのにカナードは善戦…どころか必殺の一撃でコクピットを貫き圧勝、ほぼ新品同然の予備パーツを手に入れ、修理するのであった。(なおこのおかげでRFW-99 ビームサブマシンガン「ザスタバ・スティグマト」も2つに増えており更に攻撃力が増している。)
ちなみにカナードは自前のメビウス部隊を持ってる他、後に修理されたハイペリオンで連合やザフトの基地を強襲して物資を頂いているので、仮に2号機が現れなかったとしても補給、修理の目処は立っていたと思われる。

機動戦士ガンダム00』に物語中盤から登場した機体。ツヴァイはドイツ語で2を意味する。
ソレスタルビーイング内で私的に計画を遂行しようとしたアレハンドロ・コーナーと、それに乗っかって自分の野望を持つリボンズ・アルマークの一派によって建造された。
スローネチームの他の2機と共に必要以上に過激な武力介入を行い、世界中に憎まれたところでアレハンドロ一派から不要と見做され、
当初のパイロットを切り捨ててその場で処分、以降はアレハンドロ側に付いたサーシェスが強奪、
あらかじめサーシェスの認証データを入力済*29の機体ごと国連軍に編入した。

以上の流れはアレハンドロ一派にとっては当初からの計画通りであり、
スローネパイロットのトリニティ兄妹からすれば「正規パイロットを殺された上に機体をハッキングで奪われた」様にしか見えないのは間違いなく、
おそらく過去作の「2号機の強奪ネタ」も意識したのだろうが、本来の運用者の視点ではパイロットを本人に無断で殺して入れ替えただけで常に自分の管理下のまま動いていた。
つまりアレハンドロ視点ではパイロット本人に無断で「パイロットの載せ替え」と「配置転換」したに過ぎず、
「強奪」後もパイロットの親玉は同一であったため、正規の予備部品の補給や整備を可能としていた。

余談だが、舞台版ではサーシェスは自分の機体を用意しているため鹵獲していない代わりに自分の都合のいい使い捨ての手駒にして始末した

  • リギルド・センチュリーのMS全般
G-セルフの項で記述した通り、R.C.の殆ど工業製品はユニバーサル・スタンダードという国際標準規格に基づいて製造されており、これには単なるパーツやソフトの規格だけでなく機動兵器の操縦方式なども含まれる。
つまり正規の訓練を受けたパイロットであれば、「とりあえず乗って動かす」だけならどんなMSやMAでも可能となっている。
これによって機種転換を非常にスムーズに行うことが出来るのだが、裏を返せば敵軍の機体であっても簡単に乗りこなすことが出来てしまう
そのため、先述したG-セルフとG-ルシファーに限らず、『Gレコ』においてはMSやオプション装備の強奪、あるいは勢力間での受け渡しが頻繁にある。
そもそもユニバーサル・スタンダード自体が「資源の限られた宇宙において少しでも使えるものを増やせるようにする」という思想のもと生み出されたことが示唆されており、恐らく敵に奪われるリスクよりも、どんな製品であっても自軍で使えるように出来るメリットを取った結果と思われる。

鉄華団が本来資金繰りのため売却予定だった撃墜機体の修繕鹵獲機を、火星軌道上で苦戦するガンダム・バルバトス支援のため急遽投入した物。
即時投入しなければ敗戦も必至な状況が多かったのでこの判断は正解といえるだろうが、鹵獲機を取り返そうと復讐心に駆られた士官の暴走のキッカケにもなるなど、新たなる脅威の種を撒いていたのも事実。
同系統の機体は撃墜された機体が多数鹵獲されていたようで、消耗品であるライフルと弾薬などを含め1stシーズン最終盤に至るまでに改装されながら使われていった。



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最終更新:2024年02月22日 14:22

*1 バックパック等予備パーツは少数が残っていた模様。

*2 ただし、途中で撃墜されたのでリック・ディアスがティターンズの手に渡ることはなかった。

*3 先例としては、RX-78ガンダムがある。一号機「プロトタイプガンダム」は黒や灰色がメインで、二号機が白や青だった。

*4 この時乗っていたパイロットが正規パイロットではなかったため、操縦に難儀していたという事情もある。

*5 奪われた時点では明かされていないが、どちらかと言えばパイロットを捕虜にするついでに持っていかれたというのが実情だったらしい

*6 このGコンは元はと言えばジャミルが前述のGX NT-002を放棄する際に持ち出して個人的に保管していたもの。

*7 この際、現場に居合わせたアビスの正式パイロット予定だったマーレ・ストロードがガイアのパイロットの銃撃を受けて重傷を負っており、奇跡的に回復してパイロットにも復帰したが、元々被害妄想が激しく極度のナチュラル嫌いだった性格を更に拗らせてしまった

*8 アスランが「ザフトに侵入された元地球軍施設に単騎で突撃したとあっては、辺り一帯を吹き飛ばすような特殊装備を持っている可能性も考えられる(=迂闊に破壊しては自分達や付近の味方も只では済まないかもしれない)」と警戒したため。しかも交戦した現場付近には地球連合軍(ブルーコスモス)が非人道的な方法でブーステッドマンやエクステンデッドを育成していた研究施設があり、直前に報告を受けたミネルバクルーが踏み込んで調査していたため尚の事警戒していた

*9 SDガンダム外伝シリーズに登場する巨大ロボット兵器で、人間サイズのSDガンダムが乗り込んで操縦する。

*10 ざっくり言うと上半身がマスターガンダム、下半身がデビルガンダム最終形態で天鎧王は下半身担当

*11 刀の字が3つ合わさった字「刕(リ)」だが強引に「トウ」と読む

*12 ちなみに第2話サブタイトルの「ガンダム破壊命令」は、「(ジオン軍に機密を渡さないように)サイド7に残ったガンダムのパーツを破壊しろ」とアムロがブライトから受けた命令の事である。

*13 崖際に追い込まれて崖崩れを誘発され滑落して戦闘不能となった。また、崖の崩落が起こらなかった場合はノベライズ版によるとコックピットをヒートホークで真っ二つにされていた旨が地の文で記述されているため、本当に文字通りガッツリ負けている。

*14 おまけにキラもアスランと同じコーディネイターであり、ナチュラルvsコーディネイターの戦争という格好でもある連合・プラント大戦に於いて、キラがプラントと敵対するという事は親友に同胞殺しをさせる事でもある。

*15 第二次世界大戦時に米軍に鹵獲されたゼロ戦「アクタン・ゼロ」や、ソ連がB-29を徹底的に調べ上げた末に(製造ミスの部分まで)丸々コピーしたTu-4が作り上げられた事などが好例

*16 ひどい場合だと周辺地域もろとも徹底的な砲爆撃を加えて「焼却」するような例すらある

*17 1976年の「ベレンコ中尉亡命事件」で当時のソ連の最新鋭機だったミグ25が日本に持ち込まれてしまった際、自衛隊はしばらく厳戒態勢を取っていたが、これもソ連がミグ25の秘密が西側に漏れるくらいならと一帯を焼き払って全て無かった事にする可能性を警戒しての事である

*18 現代でこそフィンランドは先進国の一角だが当時のフィンランドは貧乏国家だった。

*19 ただしイスラエル軍はフランスから輸入する形で元からミラージュを使用しており、ガンダム作品のように「敵国の新兵器を解析し新兵器研究に役立てる」「自軍のフラグシップ機として運用する」というものではなく、「フランスがミラージュを輸出してくれなくなったため、自国開発の為に設計図を盗みに行く事にした」というニュアンスである

*20 侵入しようとした軍艦は三隻だったが嵐の影響で一隻しか作戦に参加できなかったり、接弦した場所が悪くて大人数が突入できなかったりと予想外のトラブルも多かった

*21 士官学校を主席で卒業した等優秀な部分はあったが、決め手はザク強奪というのは本人も自覚している

*22 鹵獲した敵機に乗って敵軍のフリをするというのはガンダム世界では比較的珍しく、むしろ味方に敵と誤認されないように色を塗り替えることもある。ついでに言えば(宇宙世紀でも有効かは不明だが)現実的には兵器の国籍表示の偽装は戦時国際法に違反しかねない行為である。

*23 彼らの作戦が成功した理由としては当時MSといえばジオン軍の独占技術であり、彼らに取っては「ザク=味方」という認識があったからであろう。

*24 ただしこちらはルウム戦役やブリティッシュ作戦で撃破され残骸となったザクの鹵獲なので本記事項目の「強奪鹵獲」とは異なるが

*25 初出の『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』では普通にMS戦力として運用されている

*26 当初はアムロ・レイの再来と喧伝するためにカミーユが操縦を担当し、彼がZガンダムに乗り換えた際にもともとMk-Ⅱのテストパイロットをしていたエマが引き継いだ。

*27 当初イージスが出て来ただけでも驚いていたが、その後残りの3機までも(上記のMk-IIの様に分解に回したりせず)戦場に投入した事には他のブリッジクルーまでもが衝撃を受けていた。

*28 自分も出撃したいと申し出るアスランに対し、「乗るべきMSが無いだろう(要約)」と答えている。その後イージスで無断出撃した際は副官のアデスも呼び戻そうとしている。

*29 それをやられたらどうにもならない、という事情もあるのだが、ガンダムマイスターの認定は可能だが、マイスター権限を本人の同意なく奪うことは作中の誰にもできない。