ディスクファクスイベントシリーズリンク

機種はすべてファミコンディスクシステムで任天堂発売。

タイトル 発売日 イベント終了日 ジャンル 概要 判定
ゴルフJAPANコース 1987年2月21日 1987年5月10日*1 SPG FC草創期の1984年に発売された『ゴルフ』をベースにマイナーチェンジ。キャラクターをマリオに差し替えコースを一新。 スルメ
ゴルフUSコース 1987年6月14日 1987年8月31日 SPG 上記をベースにコースを一新し、グラフィックを大画面化するなどアレンジを加えた発展形。 スルメ
ファミコングランプリ F1レース 1987年10月30日 1987年12月15日 RCG トップビューのレースゲームで24台の豊富なマシンから自分に向いたものを選び最速を目指す。
アイドルホットライン 中山美穂のトキメキハイスクール 1987年12月1日 1988年2月29日*2 ADV 学園生活のドタバタの中で中山美穂と出会い、彼女との愛を育てるアドベンチャー。別名「恋愛シミュレーションゲーム」
ファミコングランプリII 3Dホットラリー 1988年4月14日 1988年5月31日 RCG 3D対応。フィールドビューによる抜群のスピード感だけでなく飛んだり跳ねたりもする躍動感あふれるレースゲーム。


関連作品

タイトル 発売日 イベント終了日 ジャンル 概要 判定
パンチアウト!! - - SPG 『ゴルフUSコース』イベント参加者10,000名に配布された賞品で、ロムカセットソフトのボクシングゲーム。
その後、実在ボクサーのマイク・タイソン氏とタイアップした『マイクタイソン・パンチアウト!!』として1987年11月21日に一般販売された。
リサの妖精伝説 1988年6月21日 1988年8月20日 ADV ディスクファクスイベントではないがイベント用青カードを採用。テレフォンサービスでゲーム本編とリンクしたメッセージ配信を行った。
帰ってきたマリオブラザーズ 1988年11月30日 1989年5月31日 ACT ディスクファクスイベントでも青カード専用でもないが任天堂公認でキャンペーンイベントが行われたディスクソフト。


メーカーは『リサの妖精伝説』のみコナミで他は全て任天堂。
『パンチアウト!!』のみロムカセット。


シリーズ概要

シャッター付の青ディスクカードで発売されたシリーズで、当該のカードの対象ソフトは同じ青ディスクカードでしか書換ができないものだった。
反対に青ディスクカードで『ゼルダの伝説』など、普通のディスクソフトへの書換は可能だったので青カード自体は上位互換である。
青カードは全国400店舗に設置された「ディスクファクス」を介して任天堂とスコアやセーブデータをやり取りすることが可能で、この機能を利用して1987年2月から1988年5月まで全5回のイベントが行われた(期間は発売から大体2~3ヶ月程度)。
ジャンルとしては主にゴルフとレースゲームで、プレイヤーはスコアなどプレーデータをディスクファクスを通じて任天堂に送り、そのスコアやタイムを任天堂が集計しランキング化し、その順位等に応じて賞品が貰えるというもの。
会場に来場して一発勝負となるハドソンのゲーム大会「全国キャラバン」とは異なり、プレー自体はそれぞれが自分のハードで行う形で、その中でベストを競う形になっており「やり込むほどスコアを伸ばせる」という点でも差別化のされたものだった。
任天堂からは「サービスデータ」を受け取るという形式になっており、その時点での暫定ランキングなど途中経過の発表を中心とし、各プレイヤーのメッセージの開示、次回イベントの予告などがあった。
一大イベントということもあって一部(後述)を除いて看板キャラであるマリオが起用されておりマリオシリーズにも数えられる。

第4弾『中山美穂のトキメキハイスクール』に関してはその中でも異色な存在でマルチエンディングのアドベンチャーとなっており、テレフォンサービスとの併用でゲーム本編とリンクしたメッセージをゲーム中に画面で表示された番号に電話してメッセージを聞くことでストーリーの進行を補填したりヒントになるようなものが聞ける趣向が盛り込まれていた。
そのため上記サービスデータも途中経過の発表等ではなく、進行状況に応じて中山美穂や登場キャラのメッセージなどが主体で、中山美穂本人のレコードリリース等の情報も含まれるなど、他と一線を隔したものになっていた。また、この作品のみマリオが一切登場しない。

第5弾『ファミコングランプリII 3Dホットラリー』を最後に1988年5月31日、このイベントは幕を閉じ直後に発売された『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者 後編』の広告に併載する形で発表された。
この時同時に当該イベントは「ディスクシステムの構想を完成させる実験的な位置付け」で行われていたという意図も公表している*3
その実験という言葉にたがわず21世紀現在は進化したオンライン技術を活かし、これを発展させたような形のゲーム大会などは任天堂に限らず日常的に行われている。
ディスクファクスイベントはまさに、そんな現代のオンラインゲーム大会の昭和版モデルだったと言えるだろう。

イベントが絡んでいることもあって残念ながらこれらの作品は移植などもされていないが、その血は後の作品に脈々と受け継がれている。
『ゴルフJAPANコース』『ゴルフUSコース』は後の『マリオオープンゴルフ』(ファミコンロムカセット:1991年9月20日発売)に繋がり現在も続く『マリオゴルフシリーズ』の原点と呼ばれている。
『ファミコングランプリ』に始まったマリオのカーレースゲームは後の『スーパーマリオカート』(スーパーファミコン:1992年8月27日発売)に繋がり、以後『マリオカートシリーズ』として新ハード毎に新作が発売されている。
イベントを抜きにしてもゲーム自体も任天堂作品らしく非常に良質なものが多く、現在でもレトロゲーム愛好家に好まれているカテゴリの1つでもある。

対象ソフトの説明書には日本全国のディスクファクス設置店舗がズラリと一覧で載せられている*4
あれから長い年月を経た現在では失われた店舗が少なくはなく、今見返してみれば記憶の片隅で忘れかけていた懐かしい店の名前に出会えるかもしれない。

番外的な存在として当該イベントではないが、イベントが終了した1988年6月にコナミから青カード専用ソフトとして発売された『リサの妖精伝説』がある。
『中山美穂のトキメキハイスクール』を踏襲し、ゲーム本編とリンクしたメッセージをテレフォンサービスで配信するという形式が取られている。

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最終更新:2022年10月18日 14:12

*1 当初は1987年4月30日までの予定だったが延長された。

*2 テレフォンサービスは1988年5月31日まで。

*3 直後から任天堂自身も『ファミコンウォーズ』『スーパーマリオブラザーズ3』と主力ソフトの供給をロムカセットに戻しており、まるでディスクシステムが1つの役目を終えたかのような動きを見せている。

*4 当時対象店舗は店頭に「ディスクファクス設置店」と掲げられていた。