歴史

 アーク・イリスは地球と似たような歴史を持つが、主に人類登場以降の歴史は"我々の世界"とは大きく異なる。
ここではイルドール共通紀600年ごろを「現在」として、相対表記でイルドールの歴史論における歴史上の出来事を列挙する。

 イルドール共通紀とはイルドール大陸における大災害が起きた年を元年とする紀元で、イルドール大陸全域で用いられる。省略形としてYE.という表記を用いる。
 ここで解説するのはイルドール大陸の主な教育機関で教えられている"正史"である。大災害以降については外界との接触が困難になったためほとんどイルドール内の出来事しか知られていないが、それ以前の歴史はある程度広域に渡って記録されている。しかし、あまりに昔のことになると(概ね3000年以上前)、参考にできる資料が口伝や遺跡の壁画くらいしかないため、実際に起きたことかどうか確認する術がない。




神代

 2万年以上前の歴史は全く判明していない。神話においては神々の時代である。これ以降も後述の救世までは文献も史料もほとんどなく、歴史というよりは伝説の範疇である。

超古代

2万年前

 現在の人類の祖先が誕生。神話において「神が人類を創った」とされる年代であり、この伝承が現在の文明に繋がる人類史の幕開けであると解釈されている。この頃の地球は全球の半分以上が氷で覆われた氷河期であったと考えられている。

1万2000年前:ストゥラ王国(超古代文明)時代

 氷河期に存在したとされる魔法王国の時代。冷えきった大地を捨て、ストゥラ王国の人々は魔法で上空にいくつか島を浮かせてそこで生活した。言い伝えによれば、王国は千年の栄華ののち人々の"心の闇"が生み出した存在によって滅びたという。
この頃の資料となる文献は残されていないが、古くから言い伝えとして存在すること、実際に"空島"の残骸であると考えられる遺跡が見つかったことなどから、実際に存在した時代であろうことはある程度信じられている。
 現在の人類が用いる魔法や魔術の原型はこの時代に生まれたと考えられている。また、王国は滅びたものの、そこの住民が全滅したわけではなく、わずかな生き残りがもとから地上に住んでいた人々と交わり、その血筋は現在でも微かにに残っているとされている。現在のアスタリア大陸の上空あたりにそれらの島々は浮かんでいたと考えられ、そこから渡ってきたマベインは王国民の生き残りの末裔ではないかと考えられている。

古代

5600年前:古代文明時代

 ストゥラ王国の崩壊後、氷河期が明けるまで大した文明は築かれなかった(少なくとも伝承には無い)とされる。そして氷期が終わって地球が温暖になってきたころ、世界の各地で様々な文明が起こりはじめた。それらの文明はほとんど現存していないが、遺跡が多く見つかるためさかんに研究されている。

4500年前:高度魔法文明

 この頃になるとストゥラ王国時代に生まれた魔法や魔術がある程度再発見され(もしかしたらこの頃には当時の資料も残っていたかもしれない)、様々な発明が起こった。魔法技術のレベルは"現代"に近いか凌駕するほどであり、この時代のものと見られる遺物がいくつも見つかっている。しかし同時に、人類の精神的な成長に伴って"魔神"が現れるようになったとされる。これ以降の歴史は魔神と人類の戦いが繰り返される闇の時代になる。

聖紀時代

3000年前:救世

 救世主ユフィスが世界を覆っていた大いなる闇を打ち倒し、"神聖なる時代"の始まりだと告げたことで、聖紀の時代となった。この頃から情報の保存技術が発達したため、遺跡以外にも文献などから当時の状況をある程度窺い知れるようになってくる。
聖紀の初期は平穏な時代が続いたようだが、時代が下るに従って人間どうしの領土争いや民族争いが頻発するようになり、競争によって技術力はどんどん向上することになる。

1300年前:産業革命

 高品質な鉄の精錬が確立され、頑丈で強力な機械が作られるようになると、次はそれを自動化する技術が考えられるようになった。その答えは蒸気機関ではなく、機械によって魔法を使う魔導機関の発明であった。これにより武器や資材の大量生産が容易になり、文明の進化は加速した。

1000年前:世界大戦

 この頃が"この世界"の文明のピークであったと考えられている。しかし、資源、宗教、あるいは別の何かの複雑な理由で世界的な戦争が勃発し、地球のあちこちで争乱が起こるようになる。人間兵器などはこの頃の発明である。
世界大戦は数十年続き、最終的に世界は荒廃し、大気は汚染され、蓄積された負の感情が大量の魔物を生み出し、資源も枯渇して、ほとんどの高度文明はその機能を維持できなくなった。これ以降しばらくは、聖紀以前の闇の時代に対して空虚の時代と呼ばれる。
人類が使う言語はこの頃からそれほど変わっていないらしい。

新代

900年前:人類の再起

 大気がある程度清浄になると、再び人類は栄え始める。戦争時代の過ちの記録は文献や口伝で語り継がれ、その過ちを再び犯さないように、意図的に技術レベルが制限されるようになる。具体的には、大型の飛行機、大規模な爆発を起こす弾薬、広範囲を監視する人工衛星といったものは放棄された(そもそも造ろうにも材料も足りない)。そして文明レベルは産業革命以前の魔法と魔術の時代と同等になった。
イルドール大陸ではメラディン王国が生まれた時代でもある。これ以降の時代は新代とも呼ばれる。

600年前:大災害・イルドール共通紀(YE.)元年

 イルドール大陸で大規模な地殻変動が起こる。これは後に大災害と呼ばれる。大きな変化を挙げると、まずイデア(南部)地域では砂漠が拡大し、狩猟民族のシュルドとエンフィは激減した。北部も大きな被害を受け、更に周辺海域に凶暴な魔物が頻出するようになったため、海を渡ることが非常に難しくなった。その結果、イルドール大陸は外界と隔絶された。これ以降イルドールが外部と連絡できるのは、北西部ルタリス共和国が保有する3隻の巨大輸送船による1ヶ月ごとの定期便のみになった。

YE.600年頃

 当wikiで特に断りなく"現在"という場合この頃を指す。
最終更新:2020年10月13日 18:04