1 2 3次へ

お題 音楽
開催期間 07/03/08~07/03/20
参加作品数 20
審査員 11人
本スレ 18の471-540
議論スレ 15の60-134


【チャンプ】

【準チャンプ】

作品一覧


No. タイトル 作者 点数
472 団結 - -
474 エーン - -
475 equality - 5
476 無益の歌 - 2
477-478 死んだ音楽 soft 5
479 エゴが鳴る - 7
480 (心) おれ 5
481 歌う男 - 3
482-486 ある音楽のための十六のレビュー 長介ジュニア 13
487 ひびき - -
488 シャボー - 2
489 ゲラゲラ - -
490 響き ゼッケン 6
491 solo みたらしひかる -
492 消える練習 - 2
493 初ライブ観賞にて - -
494 百円シンガー あぶく 4
496 天国の言葉 地獄の言葉 - 2
499 ポジティブ・変拍子 - 3
500-502 lady maid - 6

【審査員】
  • 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk
  • シオン ◆poetsyov/2
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.
  • みたらしひかる ◆aglqL.ViKQ
  • ゼッケン ◆ZkkenDgUE6
  • 長介ジュニア ◆kuJg2yitX6
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w
  • ナナシー ◆zMYfgmhp9w
  • あばらや ◆61ynRipd12
  • ◆OPBYKkBBNQ

【採点レス】

505 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 01:52:56 ID:faWm73RC
>>475  equality
○2点

>>476 無益の歌
○ 1点

508 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 02:53:42 ID:faWm73RC
>>477-478 死んだ音楽
○1点

>>479 エゴが鳴る
○ 3点

>>480 (心)
○2点

510 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 03:44:01 ID:faWm73RC
>>481 歌う男
○ 2点

>482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」
○ 1点

513 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 04:52:03 ID:faWm73RC
>>490 響き
○2点

515 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 05:36:17 ID:faWm73RC
>>494 百円シンガー
○2点

517 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 06:35:52 ID:faWm73RC
>>496 「天国の言葉 地獄の言葉」
○1点

>>499「ポジティブ・変拍子」
○1点

>>500-502 「lady maid」
○ 1点

520 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 07:40:41 ID:R7ZIsZC2
>>475 3点
>>476 1点
>>479 2点
>>480 1点
>>481 1点
>>482 1点
>>492 2点
>>496 1点

523 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22:33:14 ID:fpudlBHr
各1点
>479    「エゴが鳴る」(真摯な姿勢に)
>490    「響き」   (心地よいリズムに)
>499    「ポジティブ・変拍子」(個人的な郷愁に)

524 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2007/03/17(土) 22:57:01 ID:Q6xbcHfr
3点
>>482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」

525 名前:みたらしひかる ◆aglqL.ViKQ [sage] 投稿日:2007/03/18(日) 20:56:02 ID:v84uC78j BE:532721669-2BP(350)
>482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」  3点

>477-478 「死んだ音楽」 2点

527 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 12:09:10 ID:kQVK9M1c
>480    「(心)」 1点

>482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」1点

>488    「シャボー」 1点

>500-502 「lady maid」 1点

529 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 17:51:10 ID:dgLmBPUT
加点は
>>494 「百円シンガー」 >>477-478 「死んだ音楽」 に2点
>>479 「エゴが鳴る」 >>500-502 「lady maid」 に1点でござる。

530 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21:24:29 ID:COEV4aQ+
>>482 ある音楽のための16のレビュー
1点

531 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21:25:14 ID:COEV4aQ+
>>488 「シャボー」
1点

532 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21:26:18 ID:COEV4aQ+
>>500 lady maid
2点

533 名前:ナナシー ◆zMYfgmhp9w [age] 投稿日:2007/03/20(火) 22:24:55 ID:0lsM2rAh
>>480 「(心)」 
1点

>>482-486 「ある音楽のための十六のレビュー」 
1点

535 名前:あばらや ◆61ynRipd12 [sag] 投稿日:2007/03/20(火) 22:36:15 ID:368lNnCt
>>482ー486 1点
>>490 1点

536 名前: ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 23:55:44 ID:fhcGy0zF
※二点
>>490響き

※一点
>>482-486ある音楽のための十六のレビュー
>>499ポジティブ・変拍子
>>500-502lady maid


作品





団結



小さな小さなヒトカケラ
その小さなかけらを集めて並べ
音楽が生まれた
一つ一つには意味を持たない
しかし、それが複数集まれば
音楽ができ、歌が作られる
世の中には手と口だけで
すばらしい曲を奏でる部族がいるとか
彼らも最初はただの打撃音
それがつなげられ、分けられて
芸術に変わった
だが、彼らも一人だけでは何をしているのかわからない
十数人集まり、統制をとって、
リズムを取りながら始めれば
音楽に変わる
音符一つでは曲は作れない
音符が集まり曲になる
音符のように人々も
うまく集め並べれば
美しいハーモニーを奏でられるのだが・・・


472 名前:団結[] 投稿日:2007/03/08(木) 22:50:04 ID:tRxVePNJ


【コメント】

504 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 01:29:27 ID:R7ZIsZC2
>>472
内容はとても素直で無垢なメッセージ。したがってどこかの宗教団体のパンフレットのようにも読めて
しまいます。学校で作文として提出すると確実に誉められる、と言い換えてもよい。私の文学観では
このような内容は文学足りえないと思っております。いわゆる常識的見解をひっくり返すようなもので
ないと、わざわざ文芸にする必要はないのではないか、ということです。音楽のハーモニーを人と人との
調和に置き換えるという発想も当たり前すぎますが、何よりもその音楽理論が、もはや古びたクラシック
音楽の理論を基にしているため、実は現代では破綻しているということも明記しておきたい。リズムと
メロディとハーモニーを音楽の三要素と定義づける似非科学的な誤謬は、例えばソロでアカペラ歌うのは
音楽ではないのか、ドラムソロは駄目なのか、あるいはリズムとテンポというものを混同してないか、などの
疑問をいくつか提出するだけで正せてしまうほどに、今では何の説得力も持ちえません。アフリカの太鼓
をプリミティブと設定してそこから音楽の進化論を語ろうとする西洋人の差別主義すら見て取れてしまいます。
芸術という単語が軽々しく出てきますが、打撃音ひとつにリズムだけでない豊饒なメロディやハーモニーを
聞き取れないセンスなき人間が、音楽を芸術などというものに「貶めた」という認識すら私などは持っております。

505 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 01:52:56 ID:faWm73RC
>>472 団結
小さな単位から一つになる過程をつながりとして人と音楽の関係を歌っているかのようです
団結というオーケストラも一人一人のより良き統制と 集合により奏でる音楽 どれ一つ
単体では意味を持たないものであるという 人の関係と旋律形成が似ていることを芯にして
書かれているので最終行 中々人間というものはうまく団結し音楽を奏でる状態になれないのだけれど
という含みを残していて バラけた粒の無軌道が団結するときを暗示するようで
音楽的な箇所に感じ取れました

521 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22:30:42 ID:fpudlBHr
>472    「団結」
言いたいことは分かるんだけど、少し荒いかも。
 >一つ一つには意味を持たない
 >彼らも一人だけでは何をしているのかわからない
この辺りから、群れを外れた人は、無価値で不要な人間なのかなと。
思えてしまったので、詩の主張自体はいいなぁと思うのだけれど、
素直に耳を傾けられなかった。

527 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 12:09:10 ID:kQVK9M1c
>472    「団結」 0点
つまり、人は一個の音符のように好き勝手に並べられるものじゃないということなので。

530 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21:24:29 ID:COEV4aQ+
>>472 団結
説明に終始。

60 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 09:33:28 ID:6dalwscP
 >団結
和音とあるべき人間関係との相似に気づき現実の不協和音への
憂鬱を優等生的な立場で語る詩の印象はそのタイトルのそれが
示すようにかちかちです。文法的にどうかと思われるところが二つ
ありました。





エーン



まーくんどこにいるお?( ^ω^)
。・°(^ω^)°・。 エーン


474 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/03/09(金) 23:06:38 ID:RE6jXe3U


【コメント】

504 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 01:29:27 ID:R7ZIsZC2
>>474
エーンと泣いております。その割には笑ってるように見えます。抑揚のない泣き声が不気味な音として聞こえました。

505 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 01:52:56 ID:faWm73RC
>>474 作品であるのか 誤爆であるのか よく分からないところが息抜きになります
  といっても 二作品目でありますね 
“エーン”という泣き声らしきもの 音楽といわれれば音楽だと思います 

521 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22:30:42 ID:fpudlBHr
>474    「エーン」
これは投稿作品ではなさそうだけど。とりあえず、なんで笑っているの?





equality



幸せなら手を叩こう
僕は不幸だから叩かないけど

  君の人生はハノンのようだ
誰の人生が単調じゃ
  そう短調みたいな響きだよ
誰の人生が悲しいねん

誰の人生が

才能の世界である
招待された
君のその才能を誇示する場に
僕は喝采を送らない
才能の世界である

  君の人生は
僕の人生は
結局
  結局
そうさ僕らはこの世界を愛している

幸せなら手を叩こう
才能を一度忘れよう
今はただ
僕らに喝采を送ろう


475 名前:equality[sage] 投稿日:2007/03/10(土) 00:57:00 ID:ek1y52Yl


【コメント】

505 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 01:52:56 ID:faWm73RC
>>475  equality
“幸せなら手を叩こう”のメロディーを久しぶりに思い出しました 
音楽という“才能”の世界にいる“君”なのだろうかと それとも喝采を送らないという“僕”の
知らない世界の中の“才能”を告げているのか 君と僕の世界 才能の世界の対比を感じると
イメージに奥行きが出てきて 余韻が残る “僕ら”という幸せにある喝采は才能という世界から
脱したとき響き渡るメロディーと感じました 素敵です
○2点

506 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 01:55:10 ID:R7ZIsZC2
>>475
坂本九のヒット曲からハノンに持っていく流れが素晴らしい。しかも単調は短調という駄洒落は実は私の音楽観とも
合致するのでとてもよくわかります。ハノンやツェルニーは確かにつまらない。バイエルやブルグミューラーの方が
練習曲なのに名曲の宝庫であります。つまり技術的難易度とは別の単調な(短調な)音響を作者は聴き取る耳を
持っている、と勝手に誉めてしまう私です。さて、内容はこれまた奥行きがあって、ただの「イクォーリティ」を主張して
いるわけではないところがミソです。才能の世界、という言葉。これを弱肉強食のようなせちがらい世の中一般の
メタファーとして読むのももちろんアリでしょうが、ここはお題の音楽に絞ってみても、あるいは世で芸道と呼ばれる
この板の文芸などに範囲を狭めても面白い。限定すればするほど弱肉強食という非道に見える単語は、その意味を
反転させて輝くからです。つまらない作品が優れた作品に淘汰されていくのを見るのは誰だって痛快でありましょう。
支持が少なければ連載打ち切り、人気がなければヘッドアクトも前座に食われていく。そういう切磋琢磨が健全に
機能している場において、そのジャンルは輝きを放ち、ファンを熱狂させる。だからこそ当事者としてはライバルに
「喝采は送らない」わけですが、それでもその「世界を愛している」。健全かつ残酷な競争を一時だけ忘れれば、
その「世界」に棲む「僕ら」には「喝采」も送れるだろう。その一点において平等なんだ、それでいいじゃないか、という
ある種の達観は胸を打ちます。手も叩けるというものです。態度でも示せるということです。3点。

521 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22:30:42 ID:fpudlBHr
>475    「equality」
音楽には疎いのだけれど、他人に自分が得たかった喝采を送るのは、難しいよなと。
で、そんな事に拘らずに、自分の好きなものに素直に喝采を送れるのは、
うん、幸せだよなぁと。納得した。

528 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 17:49:24 ID:dgLmBPUT
>>475 「equality」
最初の二行が好きでござる。この詩の全体のリズムが好きでござる。
ただ、主題はあまり好きではござらぬ。「才能」という言葉が
検証されずに使われているからでござる。いったい、才能とは何でござろうか?

530 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21:24:29 ID:COEV4aQ+
>>475 equality
散漫。

60 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 09:33:28 ID:6dalwscP
 >equality
「幸せなら手を叩」くという状況において「叩かな」ければ自ずと
明らかになる「不幸だから」という語を削ればスピーディな第一連
になったのではないでしょうか。それよりも第二連以降全く「不幸」
な感じがしていないと思います。

124 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/03/22(木) 00:37:29 ID:cSlWKDJV
equality
書かせていただきました
芸術は誰にも等しいという信念を
自分が好きな芸術、音楽にかけて書きました
音楽が好きで一般からは外れた用語を使いましたので
万人に理解されない事を前提に、狭い感じで書きましたが、
まんこ将軍様に全てを理解して頂き嬉しく思います。
しかも3点貰ってしまって感無量です
ていうか本当に全てを解釈してもらったので特に作品について言うこともないです
丸裸にされちゃってます
ありがとうございます

審査員の方々ありがとうございました

131 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/22(木) 23:49:43 ID:FNOpywko
>>124
うおー、嬉しい。こっちこそ感無量。素直に読んで感じたことに自分の考え混ぜて書いたんだけど、
どんぴしゃり、というのは珍しいんじゃないかしら。感性が似てんだな、たぶん。
いや、ほんと、こちらこそありがとう。マジ嬉しいわあ、こういうレスポンス。


【得点】 5点
  • 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:2点
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:3点





無益の歌



路上に
ネズミの体があった
鼻先を轢きつぶされたのか
尾をひゅんひゅん振っていて
車が不自然な軌道でその上を通過していた
はねられたネコの体があった
歩道に前脚と頭をのせ
路側帯にながながと
ねじれた背中を横たえていた

アッ オオ オー
イタイイタイイタイイタイイタイ
アアア ヒイー

わたしは何もしない
助けない 殺さない 埋めない
働きのないまま
何度も思い出すだけ



476 名前:無益の歌[] 投稿日:2007/03/10(土) 22:00:00 ID:omJeYHc2


【コメント】

505 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 01:52:56 ID:faWm73RC
>>476 無益の歌
無益の歌 まずタイトルに考えさせられた 歌というものは無形の財産みたいなものでもあるし
耳に残るものでもある それらを考えれば 通りすがりに見た屍にも声を反射的に聞いてしまい
働きかけが自身で出来ないからこそ 残るものでもあるとこの作品を読んで気がつきました
無益であるのは受動しなかった心にあるものではなくて 光景に何かの音を重ねて記憶したからなのか
考えさせられました 
○ 1点

507 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 02:21:18 ID:R7ZIsZC2
>>476
何度か経験したことのある風景です。そしてこれは心象風景でもあります。運転していると猫や犬が無残に轢かれている
のに出くわします。あっ、と思ってハンドルを切るか、対向車があって切れない場合はそのまま踏みつけて通り過ぎてしまいます。
そして戻ってせめて道路の脇まで移動させてやろうか、などと考えますが、結局出来ない。出来なかった自分をその道を
通るたびに思い出し、自分が轢いたわけでもないのに自責の念に悩まされる。私は一応今でも心の中で弔いの言葉をつぶやく
ことでなんとか精神の均衡を図っています。それは欺瞞だ、という更なる内なる声に怯えながら。作者は小動物の痛みの声まで
聴き取ってしまっているわけで、その心中や、さぞ辛いものでありましょう。しかしここで陳腐な動物愛護の精神などをあえて
吐露しなかったところが、実は効果的です。ただただ「何度も思い出すだけ」。この締め方には憂鬱な話にも関わらず、自分の
感受性に酔わない潔さと、強い思考の形跡が読み取れるからであります。1点。

521 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22:30:42 ID:fpudlBHr
>476    「無益の歌」
確かに無益だ。私も何もしないほうだから、そう思う。
2連目が、なんか変に技とらしくて不自然な悲鳴に思えて、違和感が残った。

530 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21:24:29 ID:COEV4aQ+
>>476 無益の歌
音楽というより(猫や鼠の悲鳴ではなくて、作者の)悲鳴が聞こえてきそうでした。

60 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 09:33:28 ID:6dalwscP
 >無益の歌
「わたしは何もしない」がごとく淡々とした事実的な記述である第一、三連
との関係において表示形式的に同列的なつまり挿入句的ではない第二連が
「死体」への同化効果と転調効果とを高めていますがそこに感じられる微かな
ユーモアにほっと一息つくことができるのではないでしょうか。またその第二連
に種類的に対応する連がないので緊張感があり不安定あるいは不吉な感じの
する全体的な構成になっていると思います。サスペンデッドな読後感でした。


【得点】 2点
  • 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:1点
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点





死んだ音楽



眉毛の長いお爺さんが内閣総理大臣をやっていたころ
まだ僕は子供で
まだ音楽も生きていて
僕はピアノを弾いていた

冬でも浅黒いあの子が好きだったんだけど
あの子はどんどん大きくなっていったから
おっぱいもどんどん大きくなっていったから

「どうしてそんなに大きくなるの?」
って聞いたら
「私、大人になるの」
って言ったんだ

あの子は香水の匂いを漂わせながら
「どうしてピアノを弾くの?」
って聞くから
「そこにピアノがあるからさ」
とかよくわからないけどそう答えてやったんだ

「誰のためにピアノを弾いてるの?」





それからあの子は髪を切って
僕は指を全部切っちゃった
あの時音楽は死んだんだ
僕がちょっとシャイすぎたから


あの子はお腹を大きくして幸せそうにしているんだ
「どうしてそんなに大きくなるの?」
なんて野暮な事はもう聞ける年ではなかったけれどね

あの子は森に行って赤ちゃんを捨ててきたんだって
僕は赤ちゃんを探しに行ったんだ
でも見つからなくって ほら、僕指ないだろ?
あの子は赤ちゃんを大きくしてやれなかった
「どうして?」
って聞いたら
「大人になりたくなかった」
って言うんだな

それから僕はまたピアノを弾こうと思ったんだけど
残念ながら指がない
死んだ赤ちゃんに聞かせてあげたかった
僕の音楽
だけど音楽はもうとっくに死んでいるもの
こればっかりは仕方ない


477 名前:死んだ音楽[sage] 投稿日:2007/03/11(日) 04:20:00 ID:XLx1tJVv
478 名前:死んだ音楽[sage] 投稿日:2007/03/11(日) 04:20:58 ID:XLx1tJVv


【コメント】

507 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 02:21:18 ID:R7ZIsZC2
>>477-478
村山富市。私としては、死ね、のひと言で片付けたい政治家ですが、そんなことはともかく。ピアノを弾くインドア系の少年と、
たぶんいつも日焼けしたスポーツ少女との淡い恋心。6連の「ちょっとシャイすぎた」の意味の取り方で後半の物語の解釈が
変わってきます。果たして産み捨てられた赤ちゃんとは誰の子なのか。シャイをそのまま取ると自分の子ではない。しかし
その赤ちゃんに異様に拘るところを見ると自分が孕ませたのか。ここのところで引っかかるのですが、どっちにしても切った指も
死んだ音楽も捨てた赤ちゃんもメタファーですので、その辺りの考察は控えましょう。しかしだとしたらこの寓話から何を読み取れば
よいのか。まっすぐに読めば幼年期の終焉。青春までもいかない思春期直前のどうしようもない終末感。しかし読み手とすれば
仕方がない、であきらめられても少し困る。イノセントに執着したままのエピローグはピーターパン症候群の独白に過ぎない。
作者が若くて、まだ十代ならばこれでもいいかもしれないし、それこそ「仕方がない」とも思うのですが。

508 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 02:53:42 ID:faWm73RC
>>477-478 死んだ音楽
ショッキングなのは 指を切ってしまったという表現を挟んだ構成 うまく言い表せないけれど
ずしりときました 久しぶりに 
指が無いからピアノが弾けない当然さよりも “僕の音楽”が死んでしまったという経緯
さり気無い文章で 男女のすれ違いを 違和感無くすっきり描いていて「ピアノ」自体に
暗喩が含まれているとしなくても 音楽というものは生きていて自らの手で殺せるものなのか
 >「誰のためにピアノを弾いてるの?」からじわじわと侵食されるようすれ違う鼓動が聞こえてくる
わたくしにも身に覚えがありますが 誰のために○○をしているの? と問いかけられる瞬間とは
身体は身近に見えても心の別離が成されている瞬間なのではないだろうかなどと感じ入りました
○1点


521 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22:30:42 ID:fpudlBHr
>477-478 「死んだ音楽」
生きていた時の音楽がどんなだったか分からなかったので、
僕も大人になれなかったから、音楽も生まれる前に死んだのかな?と思ったけれど、
でもそれだと一連目で生きていたのは、なんだったのかなと。思わなくもないけれど。
雰囲気がいいなぁ。重くも軽くもなりすぎないで。

525 名前:みたらしひかる ◆aglqL.ViKQ [sage] 投稿日:2007/03/18(日) 20:56:02 ID:v84uC78j BE:532721669-2BP(350)
>477-478 「死んだ音楽」 2点
すごくもの悲しく、それでいてなんとなく純粋な感じがしました。
さわやかなのに重くて胸を打つ、そんな感じです。

528 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 17:49:24 ID:dgLmBPUT
>>477-478 「死んだ音楽」
幼時の初恋の思い出かあ、と思って読んでゆくと
変調する物語に知らぬ間に巻き込まれて背筋にうっすら汗がにじむ。お見事でござる。
中盤、「指を全部切る」前後の展開が、やや苦しそうでござる。そこだけが残念でござった。

530 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21:24:29 ID:COEV4aQ+
>>477死んだ音楽
「無垢な時代の音楽は死んじゃった」、口調はさっぱりしているのだけれど
未練が漂っていたりします。
恋と大人になることと、2重の喪失と、彼女への非難
アノ子が森へ行って赤ちゃんを捨ててきてしまったので(裏切り)、
その罪の代償に、その前に捧げた音楽が帰ってきてもいいはず(という公平性を求める)
だけど音楽はもうなくて、結局のところ なんにもない。

126 名前:soft ◆soft/e/9Do [sage] 投稿日:2007/03/22(木) 11:44:51 ID:3GY+xpe2
死んだ音楽、書きました

久しぶりに書いたんでボロボロでもいいやと思ってたけど
それなりに評価してもらえて良かったです
点数くれた方、寸評書いてくれた方、ありがとうございました

128 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/03/22(木) 12:06:03 ID:n2lOW8fz
>>126
softさん、おひさしぶりです。
でも、スプートニクのときのような文章の切れが欲しいですね。あれは。
せつなさが虚無に逃げちゃってます。

131 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/22(木) 23:49:43 ID:FNOpywko
>>126
あー、それ解説して欲しかったなあ。でも名乗り出てくれてこちらも嬉しいどす。


【得点】 5点
  • 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:1点
  • みたらしひかる ◆aglqL.ViKQ:2点
  • 長介ジュニア ◆kuJg2yitX6:2点





エゴが鳴る



色に喩えて愛で 音を鳴らす 赤の焦燥と青の空虚 重なった透明な響き
緑に沈めて 白を散らす そんな音が好きだと彼女は言った
濃い色は嫌い 馬鹿みたいな原色も そう言って彼女は笑った

フロアに響く 音の洪水 彼女が好きな色彩が重ねられている はずだった
「彼のじゃなきゃ嫌なの」 退屈そうに言い捨て 時間が過ぎるのを待ってた

稚拙な技巧で奏でる音でも 色彩がぼやけていても 彼が紡ぐのなら
構わない 楽しめるんだ 楽しめるんだって  

色に喩えて愛で 音を鳴らした 彼女が好きな色を選んで 重ねていた
何色でも同じだったのに 本当に自分の好きな色は避けてまで 馬鹿らしい 
濃い色が好きだ 原色だって それでも 彼女に聴いて欲しかった けど 

踊りもしない彼女の姿を目の端に 僕は混沌を増してゆく それは何色?
重ねて 重ねて 重ねて 重ねて 黒に近づいて 光を反射出来ない もう
途端に 彼女が消えた 重ねた色彩だけが残った 

それは黒だと 人は言うかもしれない 詰まらないと 或いは 下らないと
多様化したなんて 言って ファッションだからと避けて 
そんな風に思い当たる事も ああ 同じなんだ
彼女のように フィルターを通してしまっていたの だろう 

これが僕の好きな音なのだ 心の底から楽しむ為に 
取っ払うべき物もあるのだ どこまで 純粋や根源に近づけるだろう
初めての音が鳴らされたその瞬間へ 初めての曲が鳴らされたその瞬間へ 


479 名前:エゴが鳴る[sage] 投稿日:2007/03/11(日) 14:47:57 ID:y+8xIu91


【コメント】

508 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/03/17(土) 02:53:42 ID:faWm73RC
>>479 エゴが鳴る
ああイメージに酔ってしまったのですけれど 具体的な何かがイメージとしてわきたつというよりも
寧ろ 色の煩さでもなく 気持ちというものに形があるのならそんなイメージが雰囲気として伝います
好きな人のために自分を押し殺すのもエゴの色彩を放つことでもあるんですね Music for the ~彼女へ~
報われない恋が色濃く描かれているだけではなく 言葉をじりじり重ねて彩度を強めている自我の開放
他者から見て取るに他愛の無いものであっても ただあふれ出してくる音が愛しく うまく書けないのですが
このような気持ちに 共感いたしました
○ 3点

509 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/03/17(土) 03:07:27 ID:R7ZIsZC2
>>479
「色に喩えて愛で」音楽を鳴らす僕と音楽を聴く彼女。音色はまさに文字通り「色」であります。
私も音楽に限らず耳で聞く言葉のひとつひとつにさえ瞬間的に色を幻視するキチガイであります。
しかし色は判別できてもそこに好みは持ち込まない。一枚の絵画に喩えれば音楽にも全体と部分が
あり、更には額のデザインやら置かれた空間やら様々な要素がありますので、最終的には個別に
好きな色というのはなく、結局はコーディネートの思想にたどり着きます。しかしこの主人公たちは
今述べた中の限定された「空間」のコーディネートをまさに語っているわけで、それはこの作品の舞台が
クラブの客とDJの関係、もしくはライブハウスの客と演奏者の関係、と読み取れるからであります。
「彼のじゃなきゃ嫌なの」という彼女の色に対する拘りが指す「彼」とはたぶん「僕」ではないのでしょう。
「僕」は最初は彼女好みの音を重ねていく。しかし自分の音楽家としての「エゴ」はそれを許さない。
当然「彼女」は踊ってくれない。混沌した「僕」のエゴは音を重ねすぎて黒の音楽を創造してしまう。
しかしここからの主人公の考察が凄い。自分が思わずハプニングで作り上げてしまったある種前衛的な
作品を醒めた目で見る。フィルターを通してしまったのは自分も同じかもしれない、と。ここに至って「エゴ」の
意味が単なる自我ではなくエゴイズムのエゴだったことに気づかされるわけです。主人公も、そして読者も。
最終連では恐ろしいまでの芸道一直線の精神が語られます。色好みする、と言うときの「色」などすべて
捨て去って、あたかも無色透明のような純粋音楽を創造したい、という願望の吐露。この音楽家はとんでも
ないことを考えております。ドンキホーテのような精神で音楽、あるいは芸道を極めようとしております。
もはやコーディネートの精神もなければ、それをわざと否定してみせるような強がりもない。
私としては遊び心を失ってはいけないよ、などとアドバイスのひとつも言いたくはなるのですが、このような
考え方を一度くらい抱かないようでは、芸道を選択した人間として失格とも言えるわけで、ここは黙って
応援したい気分になりました。女にウケなくてもいい、と考えるだけで立派な精神ですし。2点。

521 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/03/17(土) 22:30:42 ID:fpudlBHr
>479    「エゴが鳴る」
なんかいいなぁ。煮詰まって失望して、でもそれで投げ出さないで。
最終連の音楽に真摯に向き直ろうとする姿勢に、好感が持てる。

528 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 17:49:24 ID:dgLmBPUT
>>479 「エゴが鳴る」
生硬にすぎる言葉遣い、典型的にすぎる情景、欠点は目につくのでござるが
この詩の言葉の流れにはエネルギーがござる。気迫が感じられるでござる。

530 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2007/03/20(火) 21:24:29 ID:COEV4aQ+
>>479 エゴが鳴る
読んでいてしんどい。結局のとこエゴを誇っているのだが、
エゴをつぶされてきたという僻みのほうが強く感じられてしまった。


【得点】 7点
  • 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:3点
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:2点
  • シオン ◆poetsyov/2:1点
  • 長介ジュニア ◆kuJg2yitX6:1点



1 2 3次へ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年03月24日 22:15