~ゆっくりれみりゃの生涯『希少種への進化編』~

 前書き

 私の中ではゆっくりれみりゃ希少種(体付き)はノーマルゆっくりれみりゃから進化するという設定です。
 独自のゆっくりに対する解釈が含まれております。
 このような設定に拒否反応を示す方はこのままUターンする事をオススメします。
 今までゆっくりの名前は「ゆっくり霊夢」のように「ゆっくり+漢字」で表記していましたが、近作からひらがなで
「れいむ」と表記する事にしました。(1番最初のみ「ゆっくり+名前」で表記します。)


 本編

 三日月が輝く夜、魔法の森の上空を1匹の丸い物体が飛んでいる。
「うーうー♪」
 この丸い物体こそ捕食種、ゆっくりれみりゃである。
 れみりゃは夜行性であり、今宵も獲物を探して通常種達が寝静まった森の上空を飛び回っている。
「う~?・・・・・うー!」
 れみりゃは通常種とは違い夜目がきくため、暗闇の中でも的確に行動することが出来る。
 何かを見つけたれみりゃは目標物へ向かって急降下を始め、森の中へ消えていった。

「ゆぅ~、ゆぅ~・・・もうたべられないよ・・・むにゃむにゃ。」
「ゆぅ~、ゆぅ~・・・れいむぅ~ずっといっしょにゆっくり・・・むにゃむにゃ。」
 とある木の洞の中では成体に近いゆっくりれいむとゆっくりまりさが仲良く眠っている。

 ガサガサガサ

 2匹はみょんな音に気づく事なく、ゆぅゆぅと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っている。
「・・・ゆ゛ぁ゛!・・・。」
 れいむが一瞬悲鳴を上げるが、熟睡しているまりさは気づく事はなかった。
「・・・ま・さ・・・だずげ・・・。」
 途切れ途切れに聞こえるれいむの声にまりさはようやく目を覚ました。
「ゆぅ・・・どうしたの~れいむ?ゆっくりできな・・・ゆ゛!」
 まりさの目には中身を失ったせいで皮が弛(たる)み、恐怖に怯えながら痙攣するれいむの姿が映っていた。
 そして、れいむの体には1匹の丸い物体が噛み付き餡子を吸っていた。
「れ、れみりゃ!どおじでごんなどごにいるのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
 何故れみりゃが巣穴の中にいるのか理解できないまりさは恐怖に怯え悲鳴を上げている。
 まりさが怯えている間にれいむは餡子をすべて吸われデスマスクと化していた。
 そしてれみりゃが次の獲物に選んだのは当然・・・。

「がおー!たべちゃうぞ~♪ 」

 恐怖で体が動かないまりさにれみりゃは容赦なく牙を食い込ませる。
「いやあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!いだいよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!ずわないでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」
「う~♪ あまあま~♪ 」
「・・・もっ・ゆ・くり・たか・・・。」
 まりさは必死に抵抗しようとするが捕食種に敵うはずもなく、あっという間にデスマスクと化してしまった。
「うー♪ うー♪ 」
 2匹の餡子を吸い尽くしたれみりゃは新たな獲物を求めて夜の森へ消えていった。


 満月の夜、今宵もれみりゃは獲物を探し飛び回っている。
「うーうー♪ ・・・う~?」
 体に何か違和感を感じたれみりゃは頭の上に?マークを浮かべるがすぐにその違和感は消え、何事もなかったかの様
 に狩りを再開した。
「うー!」
 獲物を見つけたれみりゃは目標物に向かって急降下を始め、森の中へ消えていった。
 れみりゃは小川の近くの木の根元に降り立った。
 木の根元には不自然に小石、木の枝、木の葉が積み重ねられ、いかにもここに何かありますよと言わんばかりである。
 言うまでもなくゆっくりの巣穴であり、当のゆっくり達は完璧な偽装だと思っている。
 三日月の晩にれみりゃの食料となった2匹のゆっくりも、巣穴の偽装が下手であったため食べられてしまったのだ。
「う~♪ あまあまう~♪ 」
 れみりゃは口を器用に使い、偽装(笑)素材を次々にどかしていく。
 あっという間に偽装素材はどかされ巣穴がぽっかり口をあけ、音を立てない様にれみりゃは慎重に巣穴の中へ入って
 いく。

 巣穴の中では成体の母役のれいむと父役のまりさが1匹ずつ、その子供のプチれいむ、まりさが5匹ずつ、計12匹
 の一般的なゆっくり一家が気持ちよさそうに眠っている。
「ゆぅ~、ゆぅ~・・・おちびちゃんゆっくりしようね・・・むにゃむにゃ。」
「ゆぅ~、ゆぅ~・・・ぱちゅりーはかわいいね・・・れいむとはおおちがいだよ・・・むにゃむにゃ。」
「「「「「ゅぅ~、ゅぅ~・・・まりしゃ~だいしゅき・・・むにゃ~。」」」」」
「「「「「ゅぅ~、ゅぅ~・・・ぐずゅなれいみゅはゆっくりちにぇ・・・むにゃ~。」」」」」
 まりさがゲスであり、子供もその餡子を受け継いでいると寝言を聞けばすぐにわかる。
 外でれみりゃが巣穴の入り口の偽装素材をどかしている音に気づくゆっくりは1匹もいないのであった。

 巣穴への進入に成功したれみりゃは獲物の多さに ♪ マークを浮かべて笑顔で笑っている。
「ゆぅ~、ゆぅ~・・・まりさはれみりゃよりつよ゛!・・・。」
 れみりゃが最初の獲物に選んだのはまりさであった。
 押さえつけられ大声を出せないまりさはどんどん餡子を吸われていく。
「ど・してま・さ・こん・めに・うのおぉ・・・・・。」
「ゆぅ・・・うるさいよ~まりさ~ゆっくりできないよ~。」
 まりさのうめき声にれいむはようやく気づき、寝ぼけながらまりさの方へ目を向けた。 
 れいむの目線の先には・・・。

「う~♪ あまあま~♪ 」

 笑顔のれみりゃと餡子を吸い尽くされデスマスクと化したまりさの姿があった。
「ま、ま、まりざあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!ゆっくりじずぎだよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!」」
 れいむの悲鳴が巣穴に木霊した。
「「「「「ゅぅ~?どうちたのおか~しゃん?」」」」」
「「「「「ゅぅ~?うるしゃいやちゅはゆっくりちね!」」」」」
 れいむの悲鳴でプチ達はようやく目を覚ましたが、事の重大さに気づいているものは1匹もいなかった。
「ぷんぷん、おかあしゃんうるちゃいよ!ゆっくりでぇきにゃいよ!」
 1匹のプチまりさはれみりゃに気付かずに大声を上げたれいむに文句を言っているが・・・。

「がおー♪ たべちゃうぞ~♪ 」
「ゆ゛ぇ゛!」

 プチまりさはれみりゃに背後から噛み付かれ体の半分を失い、短い断末魔を上げてあの世へ旅立った。
 プチまりさの悲鳴を聞き、プチ達はようやく自分たちが非常に危険な状態に置かれている事に気が付いた。
「おちびちゃん!いそいでおかあさんのおくちのなかにはいってね!」
「「「「「ぴぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !こわいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」」」」」
「「「「まりしゃはおいちくないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !れいみゅがおいちいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」」」」
 プチ達は恐怖に怯え、泣き叫びながられいむの口の中へ次々に飛び込んでいく。
 プチゆっくりは皮が柔らかく、餡子も水水しく非常に美味である。
 故に捕食種にとってプチゆっくりは最高のご馳走なのだ。
「う~♪ あまあまあま~♪ 」
 プチまりさが食べられるのをれいむはただ見ている事しかできなかった。
 それでもれいむはプチ達を守るため、体を膨らまし必死にれみりゃを威嚇している。
 しかし、通常種の威嚇など捕食種にとって何の障害にもならない。
 プチまりさを食べ終えたれみりゃはついに体をれいむの方へ向け・・・。

「う~♪ あまあまもっと~♪ 」

 れいむは恐怖から一歩も動くことができなかった。
 れみりゃはれいむの頬に齧(かぶ)り付き、餡子を吸わずに皮を食い破り中心に向かって掘り進むように食べていっ
 た。
 れいむはプチ達を怖がらせないように必死に痛みに耐え、悲鳴一つもらすことはなかった。
「いちゃいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
「はやくまりしゃをたちゅけりょお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
 突如口に隠したはずのプチ達の悲鳴が巣穴に木霊した。
「おひびしゃん!?(おちびちゃん!?)」
 れいむはなぜ口に隠したはずのプチ達の悲鳴が巣に木霊するのかまだ理解できていなかった。
「う~♪ う~♪ 」 
「おねえちゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ん!」
「れいみゅをたべちぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
 次々と聞こえてくるプチ達の悲鳴を聞き、れいむはようやく理解した。
 なぜ口の中にいるプチ達の悲鳴が聞こえるのか、理由は簡単である。
 れみりゃは食い破ったれいむの頬から中のプチ達を食べていたのだ。
「あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!・・・れいむの、でいぶのあがぢゃんがあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」 
 その貧弱な餡子脳でようやく理解したれいむは恐怖と絶望のどん底に突き落とされた。
「おかあしゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ん!」
「もっどゆっくりちたいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
「おねがい、たちゅけてぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
「まりしゃのからだがあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !」
「れぇいみゅのからだがあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !」
「う~いっぱいあまあま~♪ 」
 ついにプチ達の悲鳴が聞こえなくなった。
「・・・れいむの・・・かわいい・・・あかちゃんが・・・。」
 貧弱な餡子脳でも(悲鳴が聞こえなくなる)=(プチ達の全滅)と理解できるようであった。
 悲しみに打ちひしがれているれいむにれみりゃは容赦はしない。

「もっとあまあま~♪ 」

 れみりゃはれいむの頬に大きく開いた穴からどんどん餡子を吸っていく。
 本来成体の餡子はパサパサで甘みが少なく、あまりおいしいものではない。
 しかし、恐怖と悲しみによりれいむの餡子の甘みは最高潮に達していた。
 そう、れみりゃは通常種が恐怖で餡子の甘みが増す事を本能的に知っているのだ。
 そのため、わざわざ口の中へ避難させたプチ達を先に食べ、れいむに恐怖と絶望を与えたのだ。
 相方とプチ達を全て失い抜け殻のようになったれいむは、抵抗することもなく頬が欠けたデスマスクと化した。

「う~♪ う~♪ う~♪ 」

 れみりゃの満足度は頂点に達していた。
 その時である・・・。

「う~?・・・・・う゛っ!う゛っ!う、う゛、う゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」

 突如れみりゃの体に激痛が走り出し、その痛みは時間がたつにつれてどんどん増していく。
 れみりゃは激痛に耐えられず、先ほど一網打尽にした一家の巣穴の中でのたうちまわっている。
 そして激痛がさらに増すにつれ、れみりゃの意識はゆっくりと闇の中へ消えていった。


 3日後、れみりゃは目を覚ました。
「う~、のどがかわいたどぉ~。う~!?」
 れみりゃは今までにない感覚を体に感じながらも、すさまじい喉の渇きを潤すため這うようにして巣穴から出る。
 巣穴は小川の近くに作られていたため、れみりゃはすぐ水にありつく事ができた。
 小川に落ちないように注意しながら口を水面に付け、物凄い勢いで水を飲んでいく。
「う~♪ おいしかったどぉ~♪ 」
 れみりゃが歓喜の声を上げた時、月にかかっていた雲が流れ森に月明かりが差し込んだ。
 そして、小川にれみりゃの姿を映し出した。
 そこには頭からは体が、その体からは手と足がきちんと生えているゆっくりの姿が映っていた。
「う~?だれだどぉ~?」
 水面に映った姿が自分だと理解できれいないれみりゃは頭に?マークを浮かべている。
 しかし、手足を動かすと水面に映ったゆっくりも同じ様に動くのを見て頭の上の?マークは消え・・・。

「う~♪ れみりゃにからだがついたんだどぉ~♪ れみりゃはぱわ~あっぷしたんだどぉ~♪ 」 

 ようやく水面に映った姿が自分であると理解したれみりゃは希少種特有のダンスを踊りくるくる回っている。
 5分ほど経つとれみりゃはダンスをぴたっとやめた。
「う~、おなかがすいたんだどぉ~。」
 背中の羽をパタパタ羽ばたかせ獲物を求め夜の森へ消えていった。

 森の上空をれみりゃはのろのろと飛んでいる。
 手足が生えることで体が重くなるせいかれみりゃは進化すると飛行速度が落ちてしまう。
「うー!おなかぺこぺこだどぉ~!」
 当の本ゆっくりはそんな事など気にもせずに獲物を探している。
 しばらく飛んでいるとれみりゃはその場でホバリングし、ある一点をじーっと見つめている。
「う~♪ たべものみつけたんだどぉ~♪ 」
 目標物に向かってのろのろと降下し、ゆっくりと森の中へ消えていった。
 れみりゃが木々間の少し開けた場所に降り立った。
 その真ん中には少しだけ土が盛り上がり、落ち葉でうまく偽装してある巣があった。
 ただ、うまく偽装できているものの、まだ葉が大量に落ちる時期ではないためいかにも不自然であった。 
「う~♪ あまあまのすをみつけたどぉ~♪ 」
 れみりゃは手を使い簡単に偽装素材をどかし、数秒のうちに巣穴がぽっかり口をあけた。
 ゆっくりはその貧弱さ、その大きさとは裏腹に無駄に広い空間を好む習性を持っている傾向にある。
 この巣穴のゆっくりも例外ではなく、少々きついものの巣の入り口はれみりゃの体がある程度入る広さである。
「う~♪ でなーのじかんだどぉ~♪ 」
 れみりゃは上半身を巣穴に突っ込んだ。

 巣穴の中では成体ではないが、独り立ちしているれいむとまりさが寄り添って気持ちよさそうに眠っていた。
「ゆぅ~・・・おおきくなったらいっぱいこどもを・・・むにゃむにゃ~・・・。」
「ゆぅ~・・・たくさんのこどもとゆっくり・・・むにゃむにゃ~・・・。」
 寝言から2匹はとても仲が良く、将来はつがいになるであろう事がうかがえる。
 そんな幸せな未来絵図の夢を見ている2匹に無慈悲にも魔の手が襲い掛かろうとしていた。

 れみりゃの目前には2匹のゆっくりが笑顔で眠っていた。
 食べやすく味も手ごろな大きさのゆっくりを見てれみりゃはニコニコし、♪ マークを浮かべている。

「がお~♪ たべちゃうんだどぉ~♪ 」
「「ゆべし!」」

 れみりゃは2匹を掴むと自分の体ごと2匹を巣の外へ引きずり出した。
「いただくんだどぉ~☆」
 寝ぼけたまりさの意識がはっきりした瞬間、まりさの目にはれみりゃの大きく開かれた口と鋭い(ゆっくり比)牙が
 映っていた。
 それがまりさの見た最後の光景であった。
「いやあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」
 まりさの断末魔が森に木霊した。
 まりさの悲鳴を聞き、れいむの意識はようやくはっきりとした。
 しかし時出に遅し、れみりゃはデスマスクと化したまりさをぽいっと捨てると、逃げようとしたれいむを掴みあげた。
「もっどゆっぐりじだよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!だずけでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」
「あまあまいただくんだどぉ~☆」
 れいむの必死な命乞いなどれみりゃに届くはずもなく、れいむは餡子を吸われどんどんしぼんでいく。
「・・・・もっと・・・ゆっくり・・・したかった・・・。」
 死ぬ間際にゆっくりらしい言葉を残し、れいむはデスマスクと化した。
「おいしかったんだ・・・。」

 トントントン

 突如れみりゃの肩を何者かが叩いた。
「う~!いったいだれだ・・・。」

「ゆっくりしね!」
 ボスッ!

 後ろへ振り向いたれみりゃの顔には拳がめり込んでいた。
 拳が離され、現れたれみりゃの目には大粒の涙が浮かんでいた。
「うぁ~!いたいんだどぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !・・・・・?・・・・・う、う、うあぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !」
 始めは大泣きしていたれみりゃであったが、危害を与えた主の姿を見て急に怯えだした。
 れみりゃと同様に体を持ったゆっくり、ただその威圧感と狂気に満ちた目はれみりゃとは別格であった。
 そう、このゆっくりこそ最強の捕食種ゆっくりふらん希少種である。
 れみりゃ同様に満月の夜に激痛が走った後意識を失い、今宵体付きに進化し目覚めたばかりである。
「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」
 その場でたじろいでいたれみりゃにふらんは容赦なく攻撃を繰り出す。
 れみりゃは恐怖に怯え、ふらんの攻撃を一方的に受けることしかできなかった。
「うあぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !やめるんだどぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
 れみりゃが地面に倒れたところでふらんの攻撃がやんだ。
 安堵したのも束の間、ふらんはれみりゃの体に足を乗せ、動けない状態にした後両手でれみりゃの顔を思いっきり引
 っ張った。
「いだい!いだいどぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !ちぎれぢゃうんだどぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」

「ゆっくりしね!」
 ブチッ!

 れみりゃの頭と体が分離した。
「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
 悲鳴を上げ、大粒の涙を流しているもののれみりゃは死んではいなかった。
 れみりゃ、ふらんの両希少種にとってメインは頭であり、体を失ったところで死ぬことはない。
 しかし、羽は体についているためまったく身動きが取れなくなってしまう。
 ふらんはれみりゃを抱え夜の森の奥へ消えていった。
 れみりゃとふらんのいた場所にはジューシーな肉まんの匂いが漂っていた。

 森の深部、ここは通常種はおろか人間も滅多に足を踏み入れない場所である。
 人間の関与がないという事もあり、深部には巨木が立ち並んでいる。
 ふらんはある巨木の一角に降り立った。
 その巨木には多数の洞が存在し、ふらんは何かを探すように巨木の周りを歩いていく。
 そして目的の場所に着いたふらんは木の幹を軽く叩いた。

 コンコンコン

「「「ぢゃおーん!」」」
 しばらくすると近くにあった洞からプチゆっくりめーりん3匹が顔を出した。
 一瞬プチめーりん達は硬直したものの、すぐに恐れる事無くふらんの足にじゃれつきはじめた。
 プチめーりん達がじゃれついていると洞から成体のめーりんが現れた。
 このめーりんには右目が無く、距離感がつかめないせいかふらふらしている。
「うー、ごはん、とってきた。」
 ふらんは手に持っていた頭だけになったれみりゃをめーりんに差し出した。
「じゃおーん♪ 」
「「「ぢゃお~ん♪ 」」」 
 めーりん達は協力して巣穴にれみりゃを運び、ふらんは笑顔でめーりん達の様子を見守っている。

「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

 しばらくすると洞の中からはれみりゃの悲鳴が聞こえてきた。
 めーりん達がれみりゃを食べ始めたのだ。
 れみりゃは再生力が強く、全て食べてしまわなければ再び元の丸い肉まんに戻る。
 れみりゃは再生力が落ちるまでの間、その生涯をめーりん達の食糧として過ごすのであった。

 ※補足

 Q:なぜふらんがめーりんに食糧をとってくるのですか?
 A:それは片目を失っためーりんがふらんの育ての親だからです。

 ちょっとしたお話「ふらんとめーりん」

 ふらん種の子育てはめーりん種が行うことがあり、このふらんもめーりんによって育てられました。
 めーりん種は皮が厚く、力の強いふらん種が殴ったり引っ掻いたりしても傷つくことはありません。
 しかしめーりん種は他の通常種から虐められやすく、滅多に反撃しないという特徴を持っています。
 めーりんにまだ両目があった頃、つがいとなるめーりんがおり2匹の間に子供ができました。
 しかし、蔓が生え身動きがとれないお母さんめーりんを通常種達は容赦なく虐め、その際木の枝が右目に刺さってし
 まいました。
 お父さんめーりんは必死にお母さんめーりんを守ろうとしましたが、大勢の通常種に囲まれそのまま川に落とされて
 しまいました。
 夜も近くなり、通常種達はめーりんを虐めるのをやめ各々巣に戻って行きました。
 蔓に実った子供達の多くは未成熟のまま蔓から切り離され死んでしまいました。
 それでも3匹のプチめーりんは無事この世に生を受けることができました。
 その夜、ふらんがめーりんに会いに来た際、昼間の虐めについてふらんは知りました。
 翌日、再びめーりんを虐めに来た通常種達はふらんにより、この世に生を受けたことを後悔する程ひどい方法で痛め
 つけられ、絶望の表情を浮かべあの世へ旅立ちました。
 めーりんは片目を失っているため、子育てをするのは非常に難しいとふらんにはわかりました。
 そこでふらんはめーりん一家を食糧が少なく、通常種が滅多に近寄らない深部に住まわせ、自分がめーりん一家の食
 糧を探してくるという選択をしました。
 その後すぐに満月を迎え希少種へ進化し、れみりゃを食糧として巣に持ち帰りました。
 プチめーりん達が一瞬硬直したのはふらんに体が付いていてびっくりしたからです。
 めーりん種は頭が良いため、目の前にいるふらんが優しいふらんだとすぐに気付きました。
 ふらん持ち帰った再生肉まんのおかげで3匹のプチめーりんは無事成体になることができました。

 おしまい(SSが普通に書けそうなお話ですね^^;)


 End
                                               作成者:ロウ


 後書き 

 最後まで読んでくださった方々にまずはお礼を申し上げます。
 ゆっくり達の生涯シリーズ第11弾『ゆっくりれみりゃの生涯「希少種への進化編」』はいかがだったでしょうか?
 当初はふらんに八つ裂きにされて終わりの予定だったのですが、食物連鎖的なSSも悪くないと思いふらんに登場し
 てもらいました。
 SSを書いてて思った事・・・。
 ノーマルれみりゃ → 「うーうー」かわいいですよね。
 希少種れみりゃ  → 「れみりゃはぱわ~あっぷしたんだどぉ~♪」自分で書いておきながらここで思わずモニタ
            ーを殴りたくなりました。
 希少種になると無性に腹が立つのはなぜ!?
 ついに念願のペンタブをゲット!ゆっくりと絵の練習もしてます。
 時間が無く余り練習できない上、画力絶望的なのでお見せできるのはまだまだ先になりそうですorz

 wikiへ前作『ゆっくりレティの生涯』の感想をくれた方、ありがとうございます。
 感想をいただけると私の様な者のSSでも読んでいただけていると実感でき、今後の励みになります。

 私は後書きが長く、設定をちょくちょく書きたがります。
 この事に関して不快に感じる方がいるかもしれませんが、初期の頃からのスタイルを変える事は考えておりません。
 新しく使った設定についてはなるべくおまけなどにまわし、読まなくてもいいようにしてあります。
 基本的に自分の書きたいものを書きます。
 どうかご了承下さい。

 次回のSSはゆっくり達の巣穴や冬篭りをテーマにしたものでも書こうかなぁと思っています。
(あくまで予定なので変わる可能性はあるよ^^;)


 おまけ(という名のゆっくりの考察報告書3)

 ※注意
 考察という名のもとに私の中での設定を書きまくっています。
 wikiにある設定集や独自の解釈が多く含まれます。
 書きたい内容のための設定、及び自分の中でのゆっくりの設定をきちんと統一し確認するという目的も担っています。
 既に本編は終わっており、所詮はおまけです。
 上記の事を受け入れられる方のみ↓へお進み下さい。


                                            ○○年○○月○○日

 2ちゃんねる ゆっくり虐待スレ
 虐待お兄さん 様
                                      2ちゃんねる ゆっくり虐待スレ
                                                   ロウ

                   ゆっくりれみりゃの考察(報告)


 今まで多くの謎だったノーマルれみりゃとれみりゃ希少種の関係についてこの度、一定の研究報告が上がったのでま
 とめ報告書を作製いたしました。

 1.進化について

 満月の夜にのみれみりゃの進化が確認されています。
 体に激痛が走り、あまりの痛みにそのまま意識を失い約3日後、体がきちんと付いた状態で目を覚まします。
(体の生える過程は各自ご想像下さい)
 稀に体が大きくなったせいで巣穴から出られなくなり、そのまま餓死する個体もみられます。
 しかし、満月の夜に全てのれみりゃが進化するというわけではなく、他にも進化に必要な条件があると考えられます。
 他の条件については様々な説が存在します。


(1)体内時計説

 れみりゃの体内には、本ゆっくりにも気付かない時間を司る部位が存在し、ある一定期間生きたれみりゃは満月の夜
 に進化する。

(2)捕食カウント説

 多くのれみりゃは通常種を捕食した後進化を迎えるため、体内に本ゆっくりにも気付かない食べた通常種の数をカウ
 ントする部位が存在し、一定数の通常種を捕食したれみりゃが満月の夜に進化する。

(3)誕生時に既に進化の有無が決まっている説

 生まれた時点で進化するかどうか決まっており、進化するものは見た目は変わらないものの体内の一部に進化に関わ
 る部位が存在し、一定期間後進化する。 


 2.進化後の能力について

 似た進化をするれみりゃとふらんを対比しながら報告します。 

(1)飛行速度

 れみ・・・進化前の3分の2~半分まで落ちてしまう。
 ふら・・・進化前以上のスピードを出す事ができ、中には2倍近くのスピードで飛行するという報告もある。

(2)捕食能力

 れみ・・・全体的に動作が鈍くなっているものの、手足が使えるという事は生物にとってこの上ないアドバンテージ
      であり、力も強くなっている事から捕食能力は少し上昇したと言える。
 ふら・・・手足を器用に使い力もかなり向上し、進化前とは比べ物にならないほど捕食能力は上昇する。     

(3)知能

 れみ・・・お世辞にも賢くなったとは言えない。余分な言動が増え、メリットとなる事はほとんど無い。
 ふら・・・非常に賢く、躾さえすれば人間の言う事をすぐに理解する事も可能である。
      通常種のように人間の言葉もある程度扱えるようになる。


(4)総合

 れみ・・・プラスマイナス0?いや、むしろ退化!?
 ふら・・・全ての面において能力は上昇、まさに最凶の捕食種である。


 3.今後の方針

 多くの職人様によりさまざまなゆっくりの研究(虐め、虐待)が行われる事に期待しております。


 おまけの後書き

 以上のおまけがれみりゃについて私が考えている設定です。
 これらの設定を基に今回のSSを書かせていただきました。
 あくまで私の考えている設定であるため、他の職人様に押し付けようなどという気は毛頭ありません。
 冒頭部分は加工場の人の「ゆっくりいじめ系260 ほほえみの村(永琳の報告書)」の書き方の一部を参考にさせてい
 ただいております。
 最後に、これは私の中の設定です。
 他の職人様の設定を批判するつもりはまったくありません。

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最終更新:2022年05月04日 22:53