「ゆっへっへ・・・れいむぅ・・・まりさとすっきりするんだぜ」
「ゆゆっ!ゆっくりやめてね!れいむのだーりんはまりさだけだよ!」
「ゆっへっへ・・・だったらまりさとすっきりするんだぜ!」
「れいむのだーりんはまりさだけどまりさじゃないんだよ!」
「ごちゃごちゃいってないでまりさとすっきりするんだぜ!」

洞窟の中、一匹の美れいむに迫るゲスまりさ。
れいむには愛すべき伴侶がいるが、彼女は今狩りで外に出かけていた。
抵抗するれいむを押さえつけたまりさは下あごに出来た突起を・・・押し付ける前にひしゃげて絶命した。
突如、ゲスまりさを押しつぶした圧倒的な力、それは人間の拳。
怯えるれいむが上目遣いでその人間の様子を伺うと、彼は破顔一笑して温和な声で話しかけてきた。

「君がれいむだね?」
「ゆゆっ!?そ、そうだよ!おにーさん、どうしてれいむをしってるの?」
「君のパートナーのまりさに頼まれたんだよ」
「ゆぅ?どういうこと?」

男性はれいむの問いに丁寧に答えてくれた。
まりさは狩りの最中にさっきのゲスまりさに襲われて死んでしまったことを。
今わの際に、傍にいた彼に「まりさよりれいむをたすけてね」とお願いしたことを。
その事実を知らされたれいむは一晩中泣き明かしたけれど、翌日には多少は元気を取り戻した。



「ゆっくりしていってね!」

元気良く挨拶をしても誰も返事をしてくれない。
その事実に少しだけ悲しくなったが、男性とまりさが守ってくれた命を粗末にしないためにも、
いつもより元気良く歌を歌いながら狩りへと出かけた。
そして・・・狩りに出かけた先で素敵なありすに遭遇し、あっという間に恋に落ちた。
2匹はすぐに仲良くなり、一緒に狩りをする。

「れいむ、ねずみさんがにげたわ!」
「ゆっくりつかまえるよ!」

ぽよん!と軽快な音を立てて跳躍したれいむはネズミの上に圧し掛かり、その動きを封じる。
ありすはネズミの動きを封じるために口に石を含んだ状態でれいむの体からはみ出していたネズミの頭部に何度も噛み付く。
それを何度か繰り返していると、ようやくネズミが動かなくなった。
それからもいくつかの植物や虫を集めた2匹は満面の笑みを浮かべて大量の収穫を喜んだ。

「ぎゃおー!たべちゃうど~!」

が、喜びもつかの間。れいむ達を狙って捕食種であるれみりゃが飛び出してきた。

「「れ、れみりゃだーっ!!?」」
「うっう~♪」
「れいむ、ゆっくりにげるわよ!」
「ありすもいっしょにゆっくりにげるよ!」

突如姿を現した恐ろしい巨獣を前にして必死に逃げる2匹。
しかし、相手は足と羽と言う強力な移動手段を持つ恐るべき怪物。
2匹がどんなに必死になって逃げ回っても、れみりゃとの距離は一向に広がらない。
それどころか、徐々に距離を詰められていた。
そして、蛇蝎のような逞しい手がれいむを捉えようとしたとき・・・

「うぎゅべらばふぁああああああ!?!?」

れみりゃのそれとは比較にならないほど力強い、竜の胴のごとく太い腕がれみりゃの頭部を粉砕した。
それは昨日自分を助けてくれた人間の腕。彼はたったの一撃で恐ろしい捕食者を絶命させた。

「安心してね!約束どおりれいむはお兄さんが守ってあげるよ!」

とだけ言い残して、スマイル&サムズアップしたお兄さんは2匹の傍から去っていった。
あまりに突然の出来事に、あまりの突然の登場と退場にれいむ達が一言喋る暇さえなかった。



それから2週間後。

「す~りす~り♪」
「れいむ、とかいはなてくね!」
「ゆゆっ!ありすもじょうずだよ!」

れいむとありすは様々な困難を乗り越えて無事結ばれていた。
お互いの頬ずりを讃えながらも相手から与えられる刺激で徐々に興奮してゆく2匹。
やがて、十分に気分が盛り上がってきて、体から粘液が分泌され始めたところで本格的な交尾に移ろうとする。
が、その瞬間・・・ありすが砕け散った。

「安心してね!約束どおりれいむはお兄さんが守ってあげるよ!」

またしてもそんな言葉を残して、スマイル&サムズアップしたお兄さんは去っていった。

「ありずうううう!へんぢぢでえええええ!?」

しかし、ありすは返事をしない。出来るはずもない。
ただ絶命するだけならまだしも、彼女は人間の一撃によってぐちゃぐちゃのばらばらなのだから。
れいむがいくら頬ずりしようと、傍で泣きじゃくろうと、好物のお花を食べさせてあげようと返事は無い。
もはや原形をとどめていないありすだったものは、ただそこにあり続けるだけだった。



しかし・・・そのとき奇跡が起きた。
突然、頭からむずむずとした感触が伝わってくることに気づいたれいむが何かと思い、頭上を見てみると・・・
そこには赤ちゃんを宿すための蔦が生えていた。
その蔦はあっという間に実のような丸いものをつけ、やがてゆっくりの形を成してゆく。
そう、偶然にも人間の一撃で飛び散った餡子が子を宿す機能を果たしたのだ。

「あ、あかちゃん・・・れいむとありすのあかちゃんだよ!?」

あまりの嬉しさにれいむは思わず飛び上がってしまう。
そして、着地した際に小さな実が揺れたのを見て、すぐに飛び跳ねるのを自重した。
ありすが死んだのは悲しい。しかし、我が子の誕生がそれ以上に嬉しい。
幸いにも数日分の食べ物の貯蔵はあるので赤ちゃんが生まれるまでの間も飢えに苦しむことは無い。

「れいむとありすのあかちゃん・・・ゆっくりうまれてね!」

愛するありすの破片を集めながらも、幸せそうな笑みを浮かべるれいむ。
餡子を吸い上げられる感覚さえも愛おしい、こんな感情を教えてくれたありすに感謝したい。
そんなことを考えながらにっこりと微笑んで蔦を見上げたそのとき、巨大な手が赤ちゃんごと蔦を引っこ抜いた。

「ゆっ・・・・!?」
「安心してね!約束どおりれいむはお兄さんが守ってあげるよ!」

またしてもそんな言葉を残して、スマイル&サムズアップしたお兄さんは去っていった。
れいむとありすだったものといつか赤ちゃんになるはずだったものだけが巣に残されていた。



‐‐‐あとがき‐‐‐
もっと長くなる予定だったけど似たようなことの繰り返しにしかならないので短くなりました。

幼い頃に親のセックスの現場を目撃してトラウマになるって話は良く聞くけど、下手すりゃガチで死ぬゆっくりの交尾もトラウマものだよな・・・
とか思いつつネタを搾り出したら何故かこんなのになった。最初は子どもに飼われているゆっくりが野良ありすと交尾しているのを目撃される話だったはずなのに

byゆっくりボールマン

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最終更新:2022年04月16日 23:00