殺し屋少女ケイトの選択 - ここだけヒーローや魔法少女やスーパーロボットや怪獣や悪の組織とか色々いる世界 ウィキ

あらすじ

part133のエピソード。
成功率８２％。裏社会で出会えば死ぬ女として恐れられた殺し屋、ケイト。彼女の正体はある汚職刑事ドールマスター子飼いの殺し屋であった。

汚職刑事の犯行がバレ、彼は警察や国営ヒーローの情報を手土産にGENESISへ身を寄せようとする。彼はにケイト取っては親の仇。積年の恨みを晴らす絶好のチャンスである。

一方で彼の受け入れ先、GENESIS人事課課長人見かなえは彼を信用できないと判断。情報を受け取ったら即座に始末する一方でケイトを新入社員として迎えようと考える。

そして多くの事件を静観してきた魔法少女組織、破滅時計。ケイトが魔法少女の力を持っていることを知った彼女らはケイトの保護に乗り出す。

親の仇をヒーローに売り渡し彼の全てを壊すのか、親の仇の頭に銃弾を撃ちこむか、自らの境遇を作った社会に復讐するのか。果たして――

登場人物

　ケイト
　警官である父を母親諸共ドールマスターに殺害され、魔法少女としての才能を持つが故に誘拐されて殺し屋として育てられた少女。
　その心の底にドールマスターへの復讐心と奪われた過去を取り戻したいという願いを秘める。
　破裂の魔法を使い、相手に「破裂する銃弾」を撃ちこむという戦法を得意とする。

　ドールマスター
　汚職警官。警察や国営ヒーローの持つ情報を裏社会に流し金を得ている。
　そのことを嗅ぎつけた同僚を始末した際、その娘が魔法少女の力をもっていることに目を着け、彼女を誘拐して殺し屋に仕立て上げることによって自身の邪魔者の始末や殺しの仕事を強いていた。
　警察の捜査によって自身の行いが明るみに出てGENESISに身を寄せようとするが彼に信用は無く、人見課長に彼の殺害命令が下される。
　その結果、人見課長にそそのかされたケイトによって射殺されてしまった。

GENESIS人事課　課長　人見かなえ

コッペリア

ゴキンジョダー（と愉快なメンバー）

古手取　妙子／魔法少女ビースト

破滅時計十二時　トニエラ

柊木 叶多/スチームパンクな魔法少女

相澤　真/アクセルパワー

システム

今回のエピソードはケイトの揺れ動く心を表現し、それにより結末を分岐させるためケイトの行動をダイスで選択することとなっている。
参加者はケイトとの会話や交流によってケイトの選択肢ダイスをヒーロー側に傾けていくシナリオとなります。

ロールの際に1d100を振ってもらい、ケイトのダイスより高ければケイトの関心が引かれ、選択肢ダイスに置いてケイトがヒーロー側の選択肢を取る確率が上がります。

例　ケイト「おやつどうしよう？」1d100=50
　　ビースト「ドーナツとかどう？」1d100=99（成功）

ケイト（おやつは何を買おう？）　dice1d4＝
　　　　１：アイス
　　　　２：ポテチ
　　　　３、４：ドーナツ（ヒーロー側選択肢）

本エピソードでは「GENESIS選択肢」「破滅時計選択肢」「ヒーロー選択肢」の３つの選択肢の中から行動が選択され、３回選択肢が確定した場合エンディングが確定します。

結末

　ケイトには、何もなかった。何もなかったが故に与えられた仕事をこなすしかなかった。
　彼女は人見課長に言われるがままドールマスターを殺害。ヒーロ―達との交戦となるがその姿の中にゴキンジョダーを見つけ動揺する。
　人見課長は部下を展開し迎え撃ち、ケイトは自分は殺し屋であり、殺すのが仕事と自分に言い聞かせながら戦闘を開始する。
　その場に魔法少女の保護を掲げる破滅時計一行が割って入り、３つ巴の状況になる中でヒーローたちは必死にケイトに言葉を伝え、その言葉に心は揺れる。
　結果、ケイトは人見課長に対して自分を利用する、ドールマスターとおなじ存在ではないかという疑念を伝える。その問いかけに対して人見課長が答えたのは、自分もまたケイトと似た生い立ちの存在であるという事であった。
　その言葉を信じ、利用されるのだとしても人見課長と共にGENESISの中で上り詰めることを決意。
　ヒーローたちに銃を向ける。この光景に介入の余地を喪った破滅時計一行は撤退し、ヒーローとGENESISの一騎打ちとなる。
　アクセルパワーが人見課長を抑えるなか、ゴキンジョダーはケイトにまだ生きる道はあると解く。
　戦いの趨勢が傾き、人見課長が倒れ、部下のカカリチョウがビーストとスチームパンクの連携に敗れ、ケイトは弾切れに陥る。
　深刻な混乱に陥ったケイトをゴキンジョダーは優しく抱きしめた時、彼に父親の面影を思い出してケイトは洗脳によって奪われた過去をわずかに取り戻す。自分の名前は高遠一華。それを伝えて彼女は気を失い、保護されることとなった。

　後日、彼女は深刻な抑鬱状態から入院と経過観察となる。
　リハビリの一環として夜間中学に通うことになり、友人もできたようだ。
　ヒーローエンド２「守られるべきもの」

IF　条件：破滅時計選択肢３回

　人見たちGENESISはドールマスターと同じように自分を利用しようとしている。
　ヒーローたちは自分たちを逮捕するつもりだ。逮捕されれば殺し屋として散々利用されてきた自分に未来は無い。

「逃げないと……とにかく、どっか行かないと……」

　ケイトは混乱の末、逃げることを選んだ。
　ここから逃げるために一番手っ取り早い手段。それは魔法少女たちの組織、破滅時計が撤退するために開いたワープホール。そこにケイトは飛び込み姿をくらました。

「ちょっと長めにワープゲートを開いていた甲斐はあったね。大物ゲストの御登場だ」
　逃げ込んできた先はマンションのエントランスホール。ケイトを迎え入れたのは丸眼鏡に三つ編み、学生服姿の少女。

「あなたは……」
「私はミーコ。行き場のない不幸な魔法少女だらけの塔にようこそ。あっちのソファでアホそうな顔した白い子が我らがリーダートニエラ、ロボットが副リーダーのハナコエクゼ、シスター服の子がカーニバルだ」
「私はケイト……逃げてきたの」
「そうか。まずは座るといい。お茶を用意してこよう」

　ミーコに促されるがままケイトはソファに座る。
　その真向いでトニエラと呼ばれた白いワンピースを身に着けた白い肌と白い髪の魔法少女が自分の事をじっと見つめている。

「トニエラだよ。まずはゆっくりしていくといい。ボクたちが守ってあげよう」
「………………」

　守ってあげる。その言葉にケイトは引っかかる物があった。

「私は、自分の場所をもう奪われたく、ない。父さんと母さんをアイツに殺されたのはあの時私に力が無かったから。私は力を手に入れて、アイツを殺した。ここが私の居場所になるのなら、私はこの場所を奪われたくないから戦いたい」

　ケイトの発した言葉に、トニエラの頬が緩む。

「そうかい。では君もまたボクたちと同志というわけだ。そうだな……では、ケイト。君を我々破滅時計１２人のトップの１人に迎えよう。破格だとは思うだろうが何分ろくな活動もできない立ち上がり途中の組織でね。まずは戦える人を揃えたいと思っていたんだ」

　ワープ先の廃マンション。自分の居場所を自分で決める。自分で守ると決意したケイトはトニエラの仲間となる。ここに新たな破滅時計幹部が誕生した……
　破滅時計エンド「破滅時計１１時ケイト」

IF　 条件：ヒーロー選択肢３回

自分を優先する。取り戻す。柊木とゴキンジョダーの言葉にケイトは過去を振り返る。
ケイトは幼い日に父を奪われ、ドールマスターに誘拐されてからというもの学校に行くことができてない。
出来るものならまた学校に行きたい。
復讐を終えたケイトは銃を捨て、自分の失った物を取り戻せるだけ取り戻すことを選んだ。
ドールマスターの捜査によりケイトが幼少期から自由意思を奪われ、殺し屋以外の選択肢を奪われ続けていたことは明らかになっている。
情状酌量と保護の必要性は十二分にある。ケイトはまだ、人生を取り戻す余地がある……
ヒーローエンド１「銃はもう必要ない」

IF　条件：GENESIS選択肢３回　人見課長と共に撤退ダイスに成功

　人見かなえの本領は追い詰められたときにある。奇策によりヒーローたちを出し抜いて、タイプテクニックとタイプストロングが合体したバイクに二人乗りで逃げ出した人見かなえとケイトは基地へと向かう。

「ねえ、貴女はどうしてここまで私の事に構うの？　私は、殺すことしかできないのに……」
「ケイト。あなたは私と同じです。幼いころよりその力を他人のために使われてきた……私もあなたと同じように魔法少女の力を組織に利用され続け、私は組織がつぶれる度に別の組織に身を寄せてきました」
「同じ？」
「はい。ですが私は組織に属するたび、その組織の力を学び、自らの力に変えてきました。リ・クメールルージュのゲリラ戦術、鉤十字団の軍事技術、くらやみ魔道忍軍の忍術、魔蟲衆の虫……は気色悪いので却下で。ああ、そういえば無桜真理教なんてとこにもいましたね。あそこは最悪でした。思い出したくありません。それから、ノワール社で開眼した社畜魔法拳。そして、ノワール社を吸収したGENESIS」
「いっぱい渡ってきてるね。まるで私のお姉ちゃんみたい」
「姉ですか。そういえばあなたはケイトと呼ばれるだけで苗字がありませんね。GENEIS人事課所属、人見ケイト。どうでしょう？」

　命令されて殺される。それだけの人生だったケイトに温かい物が生まれた。同じ境遇の人がいる。自分より強く生きていて、姉になってくれるというのだ

「人見……ケイト。ありがとう」

　基地の扉が開く。それは奈落への扉か……栄光への入り口か。
　GENESISエンド１「人事課の新人、人見ケイト」

IF　条件：GENESIS選択肢３回　人見課長撤退、ケイト戦闘不能

　人見かなえの本領は追い詰められたときにある。奇策によりヒーローたちを出し抜いて、タイプテクニックとタイプストロングが合体したバイクに乗り込んだ人見課長は走りながら手を伸ばし、ケイトを引っ張ってバイクに乗せようとする。
　しかし、誰かが放った攻撃がバイクを横転させ、コントロールを失ったバイクが近くの水路に転落し。爆音と共に水柱を上げてスクラップをまき散らす。

「あ……あ……」

　復讐を果たして目的を失い、自分を庇護に置いてくれる人が目の前で失われた。
　自分は何が出来る？　殺すことができる。
　それ以外は……………無い。
　殺し以外を教えられて無かったが故に、なにもない。

「ああああああああああああ！」

　路地裏に全てを失った少女の叫びが響く。肺から声が絞り尽くされたあと、彼女は意識を失い搬送された。
　その後の彼女の顛末は、語るだけで心が痛ましくなる。
　自分の事を小学生と思い込み、病院を学校と信じ、中庭の猫や談話室の雑誌をクラスメイトと思い、医師を担任の生徒として慕う。
　彼女は今、大きなやり直しの最中にある。
　GENESISエンド２「さよならを教えて」