カオスクラウンの戦い

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&bold(){概要} ---- カオスクラウンの戦いとは、[[ラドリザン]]6894年、[[クルーディア]]帝国内でおきた内乱であり、物語としての[[CHAOS CROWN]]における最後の戦いとなる。 &bold(){戦闘に至るまでの背景} ---- [[サムルトン]]、[[パレス]]は既に滅亡、[[リアムス]]も外交圧力により、[[クルーディア]]帝国に屈するのは時間の問題であった。 こうして、[[六柱将]]の国における戦乱の時代は終わりを遂げたかに見えたが、いまだに帝都では、皇帝[[ファルス]]に関する不穏な噂が後を絶たず、物資不足や根拠のない噂に惑わされた民衆の暴動が続いた。 何者かが意図的に帝国を混乱させているのは目に見えていたが、その噂の元が突き止められずにいた。 そして、突如として一つの事件が帝都で起きた。 [[フェリサス]]が、皇帝[[ファルス]]を暗殺、病死として発表し、自らが後継者に任命されたと、帝位の継承(簒奪)を発表、[[カスター]]、[[ゼクト]]、[[フレイズ]]といった、彼の息のかかった将が、それらに賛同したのである。 この暗殺の伏線は、11年前にまで話が遡る。 [[ラドリザン]]6885年、[[ファルス]]は、本来なら帝位を継ぐ者ではなかったが、兄達を次々と毒殺して皇帝の地位を手に入れた。 その事実を知った神官は、皇帝の証である[[カオスクラウン]]を[[ファルス]]に継承することを拒否、これに対して、[[ファルス]]は権力でを強引に神官の娘[[アルディナ]]を皇后に迎える。 盛大な皇帝の婚儀が行われ、何も知らない民衆の多くが近いうちに[[カオスクラウン]]が[[ファルス]]に戴冠される為、より絆を強める為のめでたい婚儀だと思ったが、事実を知る者からすれば、これは完全な人質であった。 しかし、皇后[[アルディナ]]は、[[ファルス]]の内に眠る残虐性に気付き、この男に帝位は危険すぎると、単身[[カオスクラウン]]を持って帝都から逃げ出した。 国境で[[アルディナ]]が捕らえられた時、[[カオスクラウン]]は既に従者によって別の場所に移っていた、[[カオスクラウン]]の場所を吐かせようとした[[ファルス]]だが、[[アルディナ]]は一切口を割らず、怒った[[ファルス]]によって殺害された。 [[アルディナ]]が必死に守った[[カオスクラウン]]は、従者が山賊に襲われたことから、完全に行方不明となる。 [[ファルス]]は、結局[[カオスクラウン]]の戴冠式を行うことができず、更に皇后の突然の死(病死として発表された)が重なり、これを不審に思った民衆も少なからずいたが、年月が経つ間にそれらのことも風化させていった。 この[[アルディナ]]こそが、[[フェリサス]]の姉であり、このときから彼は[[ファルス]]への復讐だけを糧に成長してきた。 面従腹背を貫き、自身が皇帝と戦えるまでの力を持つまで耐え抜き、そして水面下では、3年かけて帝都にて[[ファルス]]の悪い噂を流し、民衆を扇動した。 帝都を混乱させていたのは、それを取り締まる筈の治安維持部隊を掌握する[[フェリサス]]派閥(具体的には[[カスター]]の領分である)の自作自演であった為、犯人が捕まる筈がなかった。 全ての準備が整ったと判断した[[フェリサス]]は、[[ファルス]]を殺害、かつて、[[グラスシード]]が正体を知らずに渡していた[[カオスクラウン]]を戴冠し、自らの帝位継承の正当性を訴えた。 呼応して、[[カスター]]、[[ゼクト]]、[[フレイズ]]達も自分の領土で決起、[[神聖クルーディア帝国]]を名乗った。 [[ファルス]]をはじめとする皇族は、[[フェリサス]]の手の者に次々と討たれていったが、皇室近衛隊長だった[[ラディナ]]は、[[ケルカ]]皇太子を連れてかろうじて城から脱出、更に戴冠式直前の[[カオスクラウン]]をなんとか奪取して、[[グラスシード]]の元へと向かった。 しかし、[[グラスシード]]の元へ行くには、[[カスター]]の領土を通らないとならない。[[グラスシード]]は、[[ラグ]]に出陣の要請を送り、旧[[サムルトン]]の王都に集結する様に命じた後、自らも[[ラディナ]]と合流するべく出陣を開始した。 &bold(){両軍の戦力} ---- |>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''攻撃側''|BGCOLOR(#cccccc):|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''守備側''| |>|>|>|>|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/monsyou/kuru-delia.PNG)&br()[[クルーディア]]帝国|CENTER:''軍勢''|>|>|>|>|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/monsyou/kuru-delia.PNG)&br()[[神聖クルーディア帝国]]| |>|>|>|>|CENTER:総兵力42000|CENTER:''兵力''|>|>|>|>|CENTER:総兵力45000| |>|>|>|>|CENTER:[[グラスシード]]|CENTER:''総指揮''|>|>|>|>|CENTER:[[フェリサス]]| |>|>|>|>|CENTER:[[アレス]]|CENTER:''軍師''|>|>|>|>|CENTER:| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''主要参戦者''| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/gurasusi-do01.PNG,width=55,height=55)&br()[[グラスシード]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/rideli01.PNG,width=55,height=55)&br()[[リディ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/sirufi01.PNG,width=55,height=55)&br()[[シルフィ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/aresu01.PNG,width=55,height=55)&br()[[アレス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/ragu01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ラグ]]||CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/ferisasu01.PNG,width=55,height=55)&br()[[フェリサス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/kasuta-01.PNG,width=55,height=55)&br()[[カスター]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/zekuto01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ゼクト]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/fureizu01.PNG,width=55,height=55)&br()[[フレイズ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/rava01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ラヴァ]]| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/radelia01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ラディナ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/kuridelisu01.PNG,width=55,height=55)&br()[[クリディス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/fo-ze01.PNG,width=55,height=55)&br()[[フォーゼ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/voruga01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ヴォルガ]]|||||||| |>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''攻撃側''|BGCOLOR(#cccccc):|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''守備側''| |>|>|>|>|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/monsyou/riamusu.PNG)&br()[[リアムス]]自治国家|CENTER:''軍勢''|>|>|>|>|CENTER:| |>|>|>|>|CENTER:総兵力1000|CENTER:''兵力''|>|>|>|>|CENTER:総兵力| |>|>|>|>|CENTER:[[ルーザ]]|CENTER:''総指揮''|>|>|>|>|CENTER:| |>|>|>|>|CENTER:|CENTER:''軍師''|>|>|>|>|CENTER:| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''主要参戦者''| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/ru-za01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ルーザ]]||||||||||| &bold(){カオスクラウン防衛戦} ---- [[カオスクラウン]]と[[ケルカ]]皇太子という二つの切り札を持った[[ラディナ]]だが、[[カスター]]の追撃隊に追いつかれてしまう。 しかし、間一髪で[[グラスシード]]が追いつき、両軍は対陣。 その戦場に、狂信者となった[[パレス]]の残党が乱入するが、[[ホワン]]から「自分が亡き後、信者が暴走したら、これを止 めてほしい。ただし、仕事料はグラスシードから受け取る様に」と密かに依頼を受けていた傭兵[[ヴォルガ]]が現れ、[[グラスシード]]陣営に加わる。 [[カスター]]の追撃隊をかろうじて撃退した[[グラスシード]]陣営は、[[カオスクラウン]]と[[ケルカ]]皇太子を得た上に、六国発祥の地である旧[[サムルトン]]王都から軍を起こすという演出も加え、自らが正統[[クルーディア]]帝国であることを主張した。 更に、帝都から脱出した[[ケルカ]]皇太子は怪我を負っていた為、一時的に[[グラスシード]]に帝位を預けると語った。 [[ラグ]]、[[ラディナ]]をはじめとする諸将もこれに賛同、「皇太子成人の時に帝位を返上する」という誓約書を書くことで形だけでも[[グラスシード]]に帝位に就いてもらう様に説得、彼もこれを承諾する。 ただし、幼少の皇太子にその様な言葉が本当に発することができたのか、[[グラスシード]]の簒奪だったのではないか、という説も未だ根強い。 こうして[[クルーディア]]帝国内に、二人の皇帝が生まれる。 [[グラスシード]]は、[[アレス]]を[[リアムス]]自治国家に派遣、自らの正当性と利害を解き、仲間につける様に命令。 [[ラグ]]を先発させ、自らも出陣を開始する。 その姿を見て、[[シルフィ]]は、「たったいま、あなたは私の届かないところへ行ってしまった」と呟いたという。 &bold(){ラゴッサの戦い} ---- [[グラスシード]]と[[フェリサス]]、歴史上に突如あらわれた「二人の皇帝」による戦い。 帝都へ向けて進軍する[[グラスシード]]の前に、[[フレイズ]]、[[ゼクト]]が立ちふさがり、更に[[クライシス]]残存軍を率いた[[ファルザ]]までも乱入する。 [[ファルザ]]には、もはや戦う理由などないのに、それでも牙を剥く勇者の姿は、かつての[[コルカフォーン]]を連想させた。 しかし、そこに[[アレス]]の説得によって[[グラスシード]]側についた、[[ルーザ]]率いる[[リアムス]]軍が到着。 かつての敵が味方となり、昨日までの友が敵となる非情の戦場で両軍は激突する。 [[ファルザ]]は、宿敵と定めた[[グラスシード]]の前に戦死、[[神聖クルーディア帝国]]軍も撃退され、[[グラスシード]]は一気に帝都にまで進軍する。 [[フェリサス]]軍は、帝都を掌握している利点をいかして、他の帝国将軍たちを抱きこみ、長期的な包囲作戦で[[グラスシード]]軍を疲弊させるつもりだったが、[[リアムス]]軍が[[グラスシード]]側に傾いたこと、[[グラスシード]]が[[ケルカ]]皇太子を擁して正当性を主張した為、追随すると思っていた他の将軍たちがサボタージュをはじめた事により、基本構想が瓦解した。 これに対して、[[グラスシード]]は早期決戦を覚悟すると、旧[[パレス]]領から全軍を進めた。 かつて[[ホワン]]が幾度となく帝都を震わせたことから判るように、[[パレス]]は、攻めるにも守るにも軍を進めやすい土地であり、さらに帝都までの直線距離も短い。 どちらにつくか決めかねている他部隊を敵に回さない為、[[グラスシード]]軍は早期決戦を覚悟し、一気に進軍を開始した。 &bold(){シングリア川の戦い} ---- [[フェリサス]]は、[[グラスシード]]軍の進軍に対して、帝都付近に接近するまでこれといった手を打ってない。 [[グラスシード]]軍が想像以上の軍勢を味方につけた為、当初の予定と大幅に狂い、軽率に出陣できなくなったこともあるが、[[グラスシード]]軍が帝都に入るために通る大河シングリアに差し掛かった時、[[フェリサス]]軍はついに出陣する。 この決戦に勝利すれば、日和見を決めている周囲の勢力を味方につけることができると、[[フェリサス]]自らが出陣を決意するが、[[カスター]]がこれを止め、代わりに帝国元帥の地位を授かり、[[ゼクト]]、[[フレイズ]]、[[ラヴァ]]を従えて出陣する。 [[カスター]]が総指揮官に任命された人事には疑問が残る。 彼がこれまで長年かけて功名に腰巾着を努めたため、[[フェリサス]]をもってしても彼の才能を勘違いしていたのか([[ランドヴァルク作戦]]における失態も、[[サムルトン]]の裏切りが原因だった為、誰が指揮をとっていても同じであったと考えられていた)、あるいは後世の歴史家の中には、[[フェリサス]]にとって人生とは姉の仇を討つまでであり、その後の人生計画は一切存在せず、部下を失うことも、帝都の民衆を戦火に巻き込む事をまったく意に介していなかったのだろうと、戦略面ではなく、心理面を指摘する者もいる。 シングリアを渡河しようとする[[グラスシード]]軍の前に、[[カスター]]が率いる[[神聖クルーディア帝国]]軍が立ちふさがる。 [[グラスシード]]軍は、別働隊を密かに渡河させて背後を突き、[[ゼクト]]を戦死させ[[カスター]]の軍勢を撤退させる。[[グラスシード]]は、そのまま追撃戦を仕掛け、帝都にまで迫った。 &bold(){帝都クルーディア攻略戦} ---- 追撃戦から、そのまま帝都での決戦になだれ込む両軍、[[フェリサス]]に見限られた[[カスター]]が最前線に送られるが、猛追撃を仕掛ける[[グラスシード]]軍の前に戦死、更に[[フレイズ]]も、[[アレス]]の放った矢によって討たれる。 城内にまで突入すると、かつてカシルスの都で苦楽を共にした[[ラヴァ]]をも討ち取り、[[フェリサス]]を追い詰める。 だが、彼は、姉[[アルディナ]]の面影を宿す[[シルフィ]]に、最期を看取ってほしいと願う、これに応じた[[シルフィ]]だが、「1人では寂しい」と、[[フェリサス]]は自分の道ずれに[[シルフィ]]を刺す。 怒り狂った[[グラスシード]]によって[[フェリサス]]は斬られるが、[[シルフィ]]は落命、ここにカオスクラウンの戦いは終わった。 &bold(){戦いの結末と戦乱の終わり} ---- 戦いは終わり、[[クルーディア]]帝国の運命は[[グラスシード]]が握ることとなる。 [[ケルカ]]皇太子は、脱出の際の怪我が原因で数日後に没する。[[グラスシード]]による暗殺の可能性も指摘されているが、とにかくもこれにより、仮であった筈の[[グラスシード]]の帝位は、正式なものとなる。 だが、その戴冠式の直前、[[シルフィ]]を失い、心を壊した[[リディ]]は、姉を失った全ての元凶は[[グラスシード]]の野心であると、彼の背中を刺した。 [[リディ]]との関係修復は不可能と思い、彼女を避けようとする[[グラスシード]]は、政略結婚を画策し、ルスタル帝国の皇太子の元へと送り出す。 それから10年、[[グラスシード]]は領土拡大のため西へと兵を進めるが、数年にわたる戦いの末に挫折し、失意のうちに病にかかり世を去った。 [[グラスシード]]には子供がいなかったため、その後の[[クルーディア]]帝国は内乱状態となる。 このとき、ルスタル帝国后妃となっていた[[グラスシード]]の唯一の血族となる[[リディ]]は、「血」の繋がりを主張して、自らの息子を[[クルーディア]]の跡継ぎとする。 そして数年後、再び[[六柱将]]の六国は戦いをはじめ、ルスタル帝国が併合、統一国家となる。 時代の変革を告げるため、新たな国名として、かつて国家統一論を唱えた宗派の名から「統一国家[[パレス]]」と名付けられることとなった。 カオスクラウンの戦いとは、何だったのか。 [[グラスシード]]は、姉でありながら血が繋がっていないと知った[[シルフィ]]に恋慕した。 [[リディ]]は、[[グラスシード]]の実の妹でありながら、自分を包み込んでくれる[[シルフィ]]を信頼し、彼女を奪おうとする[[グラスシード]]に反抗心を持った。 [[シルフィ]]は、弟の気持に気付きながら、姉、弟、妹の関係を壊したくなくてあえてそれを受け流した。 [[フェリサス]]は、[[システィ]]に自分の姉の姿を重ね合わせ、復讐だけを糧として疲れ果てた自分の心の癒しを求めた。 そこにあるのは、帝国の覇権というより、若者達の愛憎劇であったとも言われている。 &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/zairyou/50.GIF,left)
&bold(){概要} ---- カオスクラウンの戦いとは、[[ラドリザン]]6894年、[[クルーディア]]帝国内でおきた内乱であり、物語としての[[CHAOS CROWN]]における最後の戦いとなる。 &bold(){戦闘に至るまでの背景} ---- [[サムルトン]]、[[パレス]]は既に滅亡、[[リアムス]]も外交圧力により、[[クルーディア]]帝国に屈するのは時間の問題であった。 こうして、[[六柱将]]の国における戦乱の時代は終わりを遂げたかに見えたが、いまだに帝都では、皇帝[[ファルス]]に関する不穏な噂が後を絶たず、物資不足や根拠のない噂に惑わされた民衆の暴動が続いた。 何者かが意図的に帝国を混乱させているのは目に見えていたが、その噂の元が突き止められずにいた。 そして、突如として一つの事件が帝都で起きた。 [[フェリサス]]が、皇帝[[ファルス]]を暗殺、病死として発表し、自らが後継者に任命されたと、帝位の継承(簒奪)を発表、[[カスター]]、[[ゼクト]]、[[フレイズ]]といった、彼の息のかかった将が、それらに賛同したのである。 この暗殺の伏線は、11年前にまで話が遡る。 [[ラドリザン]]6885年、[[ファルス]]は、本来なら帝位を継ぐ者ではなかったが、兄達を次々と毒殺して皇帝の地位を手に入れた。 その事実を知った神官は、皇帝の証である[[カオスクラウン]]を[[ファルス]]に継承することを拒否、これに対して、[[ファルス]]は権力でを強引に神官の娘[[アルディナ]]を皇后に迎える。 盛大な皇帝の婚儀が行われ、何も知らない民衆の多くが近いうちに[[カオスクラウン]]が[[ファルス]]に戴冠される為、より絆を強める為のめでたい婚儀だと思ったが、事実を知る者からすれば、これは完全な人質であった。 しかし、皇后[[アルディナ]]は、[[ファルス]]の内に眠る残虐性に気付き、この男に帝位は危険すぎると、単身[[カオスクラウン]]を持って帝都から逃げ出した。 国境で[[アルディナ]]が捕らえられた時、[[カオスクラウン]]は既に従者によって別の場所に移っていた、[[カオスクラウン]]の場所を吐かせようとした[[ファルス]]だが、[[アルディナ]]は一切口を割らず、怒った[[ファルス]]によって殺害された。 [[アルディナ]]が必死に守った[[カオスクラウン]]は、従者が山賊に襲われたことから、完全に行方不明となる。 [[ファルス]]は、結局[[カオスクラウン]]の戴冠式を行うことができず、更に皇后の突然の死(病死として発表された)が重なり、これを不審に思った民衆も少なからずいたが、年月が経つ間にそれらのことも風化させていった。 この[[アルディナ]]こそが、[[フェリサス]]の姉であり、このときから彼は[[ファルス]]への復讐だけを糧に成長してきた。 面従腹背を貫き、自身が皇帝と戦えるまでの力を持つまで耐え抜き、そして水面下では、3年かけて帝都にて[[ファルス]]の悪い噂を流し、民衆を扇動した。 帝都を混乱させていたのは、それを取り締まる筈の治安維持部隊を掌握する[[フェリサス]]派閥(具体的には[[カスター]]の領分である)の自作自演であった為、犯人が捕まる筈がなかった。 全ての準備が整ったと判断した[[フェリサス]]は、[[ファルス]]を殺害、かつて、[[グラスシード]]が正体を知らずに渡していた[[カオスクラウン]]を戴冠し、自らの帝位継承の正当性を訴えた。 呼応して、[[カスター]]、[[ゼクト]]、[[フレイズ]]達も自分の領土で決起、[[神聖クルーディア帝国]]を名乗った。 [[ファルス]]をはじめとする皇族は、[[フェリサス]]の手の者に次々と討たれていったが、皇室近衛隊長だった[[ラディナ]]は、[[ケルカ]]皇太子を連れてかろうじて城から脱出、更に戴冠式直前の[[カオスクラウン]]をなんとか奪取して、[[グラスシード]]の元へと向かった。 しかし、[[グラスシード]]の元へ行くには、[[カスター]]の領土を通らないとならない。[[グラスシード]]は、[[ラグ]]に出陣の要請を送り、旧[[サムルトン]]の王都に集結する様に命じた後、自らも[[ラディナ]]と合流するべく出陣を開始した。 &bold(){両軍の戦力} ---- |>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''攻撃側''|BGCOLOR(#cccccc):|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''守備側''| |>|>|>|>|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/monsyou/kuru-delia.PNG)&br()[[クルーディア]]帝国|CENTER:''軍勢''|>|>|>|>|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/monsyou/kuru-delia.PNG)&br()[[神聖クルーディア帝国]]| |>|>|>|>|CENTER:総兵力42000|CENTER:''兵力''|>|>|>|>|CENTER:総兵力45000| |>|>|>|>|CENTER:[[グラスシード]]|CENTER:''総指揮''|>|>|>|>|CENTER:[[フェリサス]]| |>|>|>|>|CENTER:[[アレス]]|CENTER:''軍師''|>|>|>|>|CENTER:| |>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|BGCOLOR(#cccccc):CENTER:''主要参戦者''| |CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/gurasusi-do01.PNG,width=55,height=55)&br()[[グラスシード]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/rideli01.PNG,width=55,height=55)&br()[[リディ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/sirufi01.PNG,width=55,height=55)&br()[[シルフィ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/aresu01.PNG,width=55,height=55)&br()[[アレス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/ragu01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ラグ]]||CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/ferisasu01.PNG,width=55,height=55)&br()[[フェリサス]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/kasuta-01.PNG,width=55,height=55)&br()[[カスター]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/zekuto01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ゼクト]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/fureizu01.PNG,width=55,height=55)&br()[[フレイズ]]|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/rava01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ラヴァ]]| 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|CENTER:&ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/6-war/char/chaoscrown/sam/ru-za01.PNG,width=55,height=55)&br()[[ルーザ]]||||||||||| &bold(){カオスクラウン防衛戦} ---- [[カオスクラウン]]と[[ケルカ]]皇太子という二つの切り札を持った[[ラディナ]]だが、[[カスター]]の追撃隊に追いつかれてしまう。 しかし、間一髪で[[グラスシード]]が追いつき、両軍は対陣。 その戦場に、狂信者となった[[パレス]]の残党が乱入するが、[[ホワン]]から「自分が亡き後、信者が暴走したら、これを止めてほしい。ただし、仕事料はグラスシードから受け取る様に」と密かに依頼を受けていた傭兵[[ヴォルガ]]が現れ、[[グラスシード]]陣営に加わる。 [[カスター]]の追撃隊をかろうじて撃退した[[グラスシード]]陣営は、[[カオスクラウン]]と[[ケルカ]]皇太子を得た上に、六国発祥の地である旧[[サムルトン]]王都から軍を起こすという演出も加え、自らが正統[[クルーディア]]帝国であることを主張した。 更に、帝都から脱出した[[ケルカ]]皇太子は怪我を負っていた為、一時的に[[グラスシード]]に帝位を預けると語った。 [[ラグ]]、[[ラディナ]]をはじめとする諸将もこれに賛同、「皇太子成人の時に帝位を返上する」という誓約書を書くことで形だけでも[[グラスシード]]に帝位に就いてもらう様に説得、彼もこれを承諾する。 ただし、幼少の皇太子にその様な言葉が本当に発することができたのか、[[グラスシード]]の簒奪だったのではないか、という説も未だ根強い。 こうして[[クルーディア]]帝国内に、二人の皇帝が生まれる。 [[グラスシード]]は、[[アレス]]を[[リアムス]]自治国家に派遣、自らの正当性と利害を解き、仲間につける様に命令。 [[ラグ]]を先発させ、自らも出陣を開始する。 その姿を見て、[[シルフィ]]は、「たったいま、あなたは私の届かないところへ行ってしまった」と呟いたという。 &bold(){ラゴッサの戦い} ---- [[グラスシード]]と[[フェリサス]]、歴史上に突如あらわれた「二人の皇帝」による戦い。 帝都へ向けて進軍する[[グラスシード]]の前に、[[フレイズ]]、[[ゼクト]]が立ちふさがり、更に[[クライシス]]残存軍を率いた[[ファルザ]]までも乱入する。 [[ファルザ]]には、もはや戦う理由などないのに、それでも牙を剥く勇者の姿は、かつての[[コルカフォーン]]を連想させた。 しかし、そこに[[アレス]]の説得によって[[グラスシード]]側についた、[[ルーザ]]率いる[[リアムス]]軍が到着。 かつての敵が味方となり、昨日までの友が敵となる非情の戦場で両軍は激突する。 [[ファルザ]]は、宿敵と定めた[[グラスシード]]の前に戦死、[[神聖クルーディア帝国]]軍も撃退され、[[グラスシード]]は一気に帝都にまで進軍する。 [[フェリサス]]軍は、帝都を掌握している利点をいかして、他の帝国将軍たちを抱きこみ、長期的な包囲作戦で[[グラスシード]]軍を疲弊させるつもりだったが、[[リアムス]]軍が[[グラスシード]]側に傾いたこと、[[グラスシード]]が[[ケルカ]]皇太子を擁して正当性を主張した為、追随すると思っていた他の将軍たちがサボタージュをはじめた事により、基本構想が瓦解した。 これに対して、[[グラスシード]]は早期決戦を覚悟すると、旧[[パレス]]領から全軍を進めた。 かつて[[ホワン]]が幾度となく帝都を震わせたことから判るように、[[パレス]]は、攻めるにも守るにも軍を進めやすい土地であり、さらに帝都までの直線距離も短い。 どちらにつくか決めかねている他部隊を敵に回さない為、[[グラスシード]]軍は早期決戦を覚悟し、一気に進軍を開始した。 &bold(){シングリア川の戦い} ---- [[フェリサス]]は、[[グラスシード]]軍の進軍に対して、帝都付近に接近するまでこれといった手を打ってない。 [[グラスシード]]軍が想像以上の軍勢を味方につけた為、当初の予定と大幅に狂い、軽率に出陣できなくなったこともあるが、[[グラスシード]]軍が帝都に入るために通る大河シングリアに差し掛かった時、[[フェリサス]]軍はついに出陣する。 この決戦に勝利すれば、日和見を決めている周囲の勢力を味方につけることができると、[[フェリサス]]自らが出陣を決意するが、[[カスター]]がこれを止め、代わりに帝国元帥の地位を授かり、[[ゼクト]]、[[フレイズ]]、[[ラヴァ]]を従えて出陣する。 [[カスター]]が総指揮官に任命された人事には疑問が残る。 彼がこれまで長年かけて功名に腰巾着を努めたため、[[フェリサス]]をもってしても彼の才能を勘違いしていたのか([[ランドヴァルク作戦]]における失態も、[[サムルトン]]の裏切りが原因だった為、誰が指揮をとっていても同じであったと考えられていた)、あるいは後世の歴史家の中には、[[フェリサス]]にとって人生とは姉の仇を討つまでであり、その後の人生計画は一切存在せず、部下を失うことも、帝都の民衆を戦火に巻き込む事をまったく意に介していなかったのだろうと、戦略面ではなく、心理面を指摘する者もいる。 シングリアを渡河しようとする[[グラスシード]]軍の前に、[[カスター]]が率いる[[神聖クルーディア帝国]]軍が立ちふさがる。 [[グラスシード]]軍は、別働隊を密かに渡河させて背後を突き、[[ゼクト]]を戦死させ[[カスター]]の軍勢を撤退させる。[[グラスシード]]は、そのまま追撃戦を仕掛け、帝都にまで迫った。 &bold(){帝都クルーディア攻略戦} ---- 追撃戦から、そのまま帝都での決戦になだれ込む両軍、[[フェリサス]]に見限られた[[カスター]]が最前線に送られるが、猛追撃を仕掛ける[[グラスシード]]軍の前に戦死、更に[[フレイズ]]も、[[アレス]]の放った矢によって討たれる。 城内にまで突入すると、かつてカシルスの都で苦楽を共にした[[ラヴァ]]をも討ち取り、[[フェリサス]]を追い詰める。 だが、彼は、姉[[アルディナ]]の面影を宿す[[シルフィ]]に、最期を看取ってほしいと願う、これに応じた[[シルフィ]]だが、「1人では寂しい」と、[[フェリサス]]は自分の道ずれに[[シルフィ]]を刺す。 怒り狂った[[グラスシード]]によって[[フェリサス]]は斬られるが、[[シルフィ]]は落命、ここにカオスクラウンの戦いは終わった。 &bold(){戦いの結末と戦乱の終わり} ---- 戦いは終わり、[[クルーディア]]帝国の運命は[[グラスシード]]が握ることとなる。 [[ケルカ]]皇太子は、脱出の際の怪我が原因で数日後に没する。[[グラスシード]]による暗殺の可能性も指摘されているが、とにかくもこれにより、仮であった筈の[[グラスシード]]の帝位は、正式なものとなる。 だが、その戴冠式の直前、[[シルフィ]]を失い、心を壊した[[リディ]]は、姉を失った全ての元凶は[[グラスシード]]の野心であると、彼の背中を刺した。 [[リディ]]との関係修復は不可能と思い、彼女を避けようとする[[グラスシード]]は、政略結婚を画策し、ルスタル帝国の皇太子の元へと送り出す。 それから10年、[[グラスシード]]は領土拡大のため西へと兵を進めるが、数年にわたる戦いの末に挫折し、失意のうちに病にかかり世を去った。 [[グラスシード]]には子供がいなかったため、その後の[[クルーディア]]帝国は内乱状態となる。 このとき、ルスタル帝国后妃となっていた[[グラスシード]]の唯一の血族となる[[リディ]]は、「血」の繋がりを主張して、自らの息子を[[クルーディア]]の跡継ぎとする。 そして数年後、再び[[六柱将]]の六国は戦いをはじめ、ルスタル帝国が併合、統一国家となる。 時代の変革を告げるため、新たな国名として、かつて国家統一論を唱えた宗派の名から「統一国家[[パレス]]」と名付けられることとなった。 カオスクラウンの戦いとは、何だったのか。 [[グラスシード]]は、姉でありながら血が繋がっていないと知った[[シルフィ]]に恋慕した。 [[リディ]]は、[[グラスシード]]の実の妹でありながら、自分を包み込んでくれる[[シルフィ]]を信頼し、彼女を奪おうとする[[グラスシード]]に反抗心を持った。 [[シルフィ]]は、弟の気持に気付きながら、姉、弟、妹の関係を壊したくなくてあえてそれを受け流した。 [[フェリサス]]は、[[システィ]]に自分の姉の姿を重ね合わせ、復讐だけを糧として疲れ果てた自分の心の癒しを求めた。 そこにあるのは、帝国の覇権というより、若者達の愛憎劇であったとも言われている。 &ref(http://izayoi-moon.sakura.ne.jp/zairyou/50.GIF,left)

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