あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第5回トーナメント エキシビションマッチ 第3試合
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aioricharabattle
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第5回トーナメント エキシビションマッチ 第3試合
《玉藻 VS 落宮スズキ》
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング――
夜風が吹く中、リングに降り立ったのは、血に染まった黒い狐、玉藻。
血の匂いと古傷のような乾いた赤。 和装はすでに返り血で濡れ、手には禍々しい刀、禍津日刀(まがつひのかたな)が握られている。
対するは…
「ひっ、なんでこんな殺人鬼と戦わないといけないんだよぉ……」
震える声と共に姿を見せたのは、落宮スズキ。 どこにでもいるような青年、手にしているのは何の変哲もないスコップ。 その手は汗で濡れ、目は周囲を彷徨うように泳いでいた。
「エキシビションマッチ――開始ッ!!」
試合開始と同時に玉藻が飛び出した。
音より速く、獣のような脚力で一気に距離を詰める。
「アハハ!……ほら、死んで?」
その声は甘く、しかし背筋を凍らせるほどの狂気を帯びている。彼女は今まで何人もの人間を殺してきた狂気の犯罪者。
まともな人間であれば、その狂気に取り込まれてしまうところだろう。
「ひいいいいっ!!」
スズキは全力で逃げる。 リングの上を転げ回るように這い、よろけ、つまずき、見るも無様に逃げ続ける。
ザンッ!ザシュッ!
逃げるスズキを追うかのように次々と振り下ろされる玉藻の刃。
だが、そのどれもがかすりもしない。まるで天がスズキが生きることを望んでいるかのように。
「なんで当たんないのよォ……」
玉藻の禍津日刀は確かに空気を裂いている。切っ先がスズキの髪を掠めている。
にもかかわらず、スズキはまるで狙い澄ましたように全てを避けていく。
「ひぃぃぃ!!」
変わらず無我夢中で逃げ続けるスズキ。
「待ちなさぁい♡」
それを恐ろしい笑顔で追いかける玉藻。ここだけ切り取れば、この勝負は一方的なものに見えるだろう。
だが、実際はそうでもないようで……
だが、実際はそうでもないようで……
――ズボォン。
「わぷっ!?」
突然、玉藻の足元が抜けた。 落とし穴だ。
「なぁにこれぇ……この私が、こんな…バカみたいな…」
玉藻は落ちる中で困惑する。 穴に頭から落ち、何がなんだかわからないままがむしゃらに刀を振り回しながらもその表情は狂気に満ちていた。
「でもぉ……このぐらいで止まる私じゃないんだよねぇ…」
玉藻は地面に激突する直前、圧倒的な身体能力を活かして一気にジャンプし、穴を脱出する。
「それじゃ、まだまだ遊ぼうね♡」
そこからも逃亡するスズキとそれを追跡して殺しにかかる玉藻の様子が続いた。
………
「おかしい……なんで僕、まだ生きてるんだ……」
戦闘開始からしばらく立つが、スズキの周囲には彼の意思とは関係なしに次々と落とし穴が生まれていた。
リングの床が勝手に割れ、穴がぽっかりと口を開ける。飽きた
玉藻が突進すればその足元に穴、踏み込もうとした瞬間に空間が抜ける。
時折、リングの縁すら崩れ、スズキ自身も何度も落ちかけては奇跡的に踏み留まる。
そんな攻防が何時と続く中、ついに玉藻も堪忍袋の緒が切れた。
「はっ、もういいわ。飽きた。」
玉藻が狐面を押さえる。 その瞬間、空気が変わった。
どうやら彼女が本気を出したようだ――神すら揺るがす殺意がリング全体に放たれる。
どうやら彼女が本気を出したようだ――神すら揺るがす殺意がリング全体に放たれる。
「ひぃ!死ぬ!死ぬぅ!!」
スズキは玉藻の殺意にあてられてもう完全に戦う気持ちが失せてしまったようで、その場から動くことすらできない。
「…じゃあ……死んで?」
ズバッ。
音と同時に、スズキの片腕が切り落とされた。
鮮血が飛び、悲痛な叫びがリングにこだまする。
「あ……あああ……! だめだ、もうだめだ、死ぬ、死ぬ……!」
……その瞬間、スズキの頭の中で危険信号が最大になった。
ゴゴゴゴゴゴゴッ!!!
突如リングが崩れ、無数の落とし穴が同時に生成された。
それは空間の歪みすら伴い、玉藻の身体が急激にガクンと沈む。
「なに、これ……あれ……? 足が、ない?」
玉藻は穴に落ちてしまった。 それもただの穴ではない。
惑星をも飲み込む史上最大にして無限の大穴、ブラックホールにだ。
グォングォン…
玉藻の身体が重力に引かれ、何もかもを巻き込んで沈んでいく。
リング上の空気が歪み、光すらも吸い込まれるその光景は、異次元のようだった。
リング上の空気が歪み、光すらも吸い込まれるその光景は、異次元のようだった。
「ハハハ!意味わかんない!こんなの絶対死んじゃうじゃん!!」
理解を超えた現象に巻き込まれながらも、玉藻の狂気は変わりない。
自分の死すら厭わないその姿には誰もが恐れおののくことだろう。
「でも、力を奪っちゃえば、このブラックホールも私のものだよね♡」
彼女は禍津日刀をブラックホールに直接突き刺し、その力を奪い取ろうと画策する。
しかし、その瞬間。
「ホワイトホール、お願い!!」
スズキが全力で叫ぶ。いつも逃げてばかりのスズキだが、絶体絶命の状態ではなんとか勇気を振り絞って動くことができた。
ブラックホールの真逆、飲み込まれた全てを吹き出す口。 その光の奔流が玉藻を、力を、刀を、全て吐き出した。
玉藻の身体が跳ね飛ばされ、リング外に転がる。
「……やった!ついに勝ったんだ!!」
圧倒的強者への勝利。スズキにとって、このような体験は初めてであった。
全ての細胞が震えるほどの喜びと達成感。自分の力を信じられる自信。そんなものとは縁遠いスズキであったが、今、この瞬間を以って、初めてその感覚を味わうことができたのだ。
これを機に、彼は自分の力を信じ、胸に宿した確かな勇気を持って、様々な困難に立ち向かえる強い男になったのだった。
………そんな世界線もあったのかもしれない。
「……これでおしまい?」
グサッ
しかし、現実は非情だ。
スズキの胸を貫く一本の刃。それは、間違いなく玉藻のものであった。
「あの痛みはなかなか悪くなかったけど、ここまで追い詰めた苦労に見合うかと言われるとなぁ………」
そんなことを言いながら、彼女は禍津日刀でスズキを突き刺しまくり、彼の力をどんどん奪っていく。
「ま、いいや。飽きたら次の獲物に向かえばいいんだしね♡」
彼女がそう言い終わると同時に、スズキの体が生気無く倒れる。
知恵や勇気や奇跡。そんな格好の良い言葉で超えられるほど、この二人の力の差は小さくなかったのだ。
「勝者――玉藻!!」