あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第6回トーナメント 第1回戦 第2試合
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aioricharabattle
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第6回トーナメント 第1回戦 第2試合
《落宮スズキ VS 逆夢》
観衆の熱狂が霧を揺らし、第6回トーナメント一回戦第二試合の開幕を告げる。夜のように濃い紫煙がリングを包み、照明が幻想的な光を撒き散らす。
落宮スズキは目を泳がせ、そわそわとリングの端に立つ。臆病な少年の足元には、すでに小さな落とし穴が開きかけている。細い指先が落ち着きなく揺れ、震える声が霧に紛れる。
「う、うわ…こんな怖い人と戦うなんて…今すぐ逃げたい…」
逆夢は泰然自若の微笑みを浮かべ、灰のワンサイドアップを揺らす。白黒グラデーションの瞳がスズキを静かに捉え、冷たい霧の中でも一切の動揺を見せない。
「…逃げても、私からは逃れられないよ。」
試合開始前の空気は、まるで氷の刃のように張り詰めていた。
「第二試合――開始ッ!!」
その合図と共にに、逆夢が一瞬で手を叩き、【邪鬼獄交】を発動。
スズキの落とし穴生成能力が逆夢に移り、スズキは無能力者に貶められる。
逆夢は自分の能力を一つ保持し、マーキングされたスズキの能力を自在に操れるようになったのだ。
「…これが、君の力。」
逆夢が指を鳴らすと、スズキの足元に落とし穴が開く。
スズキは悲鳴を上げ、間一髪で跳び退く。汗が額を流れ、目が泳ぎ続ける。
「うわっ! なんで!? 僕の穴が!」
だが、これによってスズキの危機感が急上昇し、幸運の女神が微笑みかける。
ズンッ!
無意識に生じた小さな落とし穴が逆夢の足元に現れ、彼女の動きを一瞬止めることに成功した。
「…なるほどね。どうやら交換できない能力もあるみたいだわ。」
例外なく全ての能力を交換するかのように思われていた〔邪鬼獄交〕だが、どうやらスズキが生まれつき持っている幸運だけは交換することができなかったようだ。
奇跡的に生まれた隙を使ってスズキは反射的にリングを駆け巡る。
「と、とにかく逃げなきゃ!」
逆夢は微笑みを崩さず、超越的な観察眼でスズキの動きを追う。
そして、スズキの能力を操り、リング全体に複数の落とし穴を生成していく。
リングの床が次々と崩れ、まるでプロの棋士のように着々とスズキを追い詰めていく。
「…逃げ道は、どこにもない。」
スズキはゴキブリ並みの生存能力でなんとか穴を回避しているが、それでも限界はある。
いつかは逃げ切ることができなくなり、穴に落ちてしまうだろう。
そう考えると、彼の危機感はますます上昇していく。
「うわーー!!」
危機感がピークに達し、未知の能力――ブラックホール(BH)とホワイトホール(WH)が無意識に発動。
リングの中央に小さな黒い渦が現れ、逆夢の生成した穴を吸い込んでいく。
その吸引力はさながら宇宙に存在するブラックホールそのものである。
「え、え!? なんで!?能力は全部あの人と交換されたんじゃ…」
現在起きている現象はスズキ本人も理解できないが、間違いなく彼自身の能力だろう。
「…面白い力。」
逆夢は冷静に状況を分析し、先ほど能力を交換したスズキのBHに付けていたマーキングを利用することでBHの消去を試みる。
シュインッ!
だが、スズキの幸運が介入し、消去がわずかに遅れた。
その隙にWHが逆夢の足元からエネルギーを放出し、彼女をリングの壁へと吹き飛ばす。
「…っ!」
逆夢が転倒し、リングの壁にもたれかかるが、すぐに立ち上がって不敵な笑みを浮かべる。
「…なかなかやるじゃない。」
彼女は落とし穴の能力を返上することを覚悟して再び手を叩き、今度はスズキのBHとWHを奪い去る。
それによってリングに巨大なブラックホールが現れ、スズキを容赦なく吸い込もうとする。
「…これで、終わり。」
彼女は冷徹にそう言い放ち、BHの勢力をどんどん広げていく。
ゴゴゴゴゴゴ!!
「いやだーー!!絶対に生き残りたいよーー!!!」
…だが、この最悪の状況に陥ったことでスズキの危機感が極限に達し、幸運の女神が最大限に発揮される。
混乱と恐怖の中、スズキは無意識に逆夢の「思考」にさえ落とし穴を開け、彼女の判断力を一瞬鈍らせる。
「え、えっと…どうすれば……」
今のうちに何か行動を起こさなければならないと思ったスズキが不意に地面を叩くと、逆夢の足元に新たな落とし穴が開く。
思考の穴を何とか埋めた逆夢は観察眼で回避を試みるが、ここでもスズキの幸運が炸裂。
突如として現れたもう一つの穴に足を取られ、バランスを崩してしまう。
「…予想外。」
さらに、スズキは恐怖に駆られながらも、WHを無意識に取り戻して発動する。
ドドドドドドッ!!
逆夢が吸い込んだエネルギーが彼女に向かって逆流し、爆発的な勢いでリングの端まで吹き飛ばす。
「う、うわ…え?…え!?」
まだまだ終わらない。今度はスズキの危機感によってリング全体に落とし穴を生成される。
ズボッ!ズボッ!ズボボッ!
次々と穴が生成されていく中、逆夢の能力にも「穴」が開けられ、【邪鬼獄交】が一時的に無効化されてしまう。
これにより逆夢は一時的に無能力者となり、さきほど自分で発動したのBHが彼女を飲み込もうと渦巻く。
「…私の、負けか。」
逆夢が静かに呟き、ブラックホールにその姿を消していった。
これにて決着だ。
リングにただ一人残ったスズキが呆然と立ち尽くす。汗と震えが止まらぬまま、彼は奇跡の勝利をようやく実感する。
「勝者――落宮スズキ!!」