あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第6回トーナメント 第1回戦 第3試合
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aioricharabattle
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第6回トーナメント 第1回戦 第3試合
《李 流雲 VS 【ムラノヤシロノマクラサマ】ー500 Internal Server Errorー》
観衆の座席からは熱狂的な歓声がほとばしり、まるで神話の一節のように壮麗な幕開けとなる。
李 流雲は穏やかに拳を握り、風すらも止まったかのような静寂の中で佇む。
八極拳の達人としての風格とともに、明鏡止水の境地がその身に宿る。
「…対戦よろしくお願いします。」
対するムラノヤシロノマクラサマは紅の着物の裾を無邪気に揺らし、まるで幼子のような笑顔を浮かべて立っていた。
彼女の周囲には黒い0と1の記号が漂い、不気味な詩的風景を織り成す。
「おねぇちゃん面白そう!何してあそぼっか?」
二人の間に奇妙な空気が張り詰め、リング全体が緊張感に包まれた。
そして、ついに戦いが始まる。
「第三試合――開始ッ!!」
戦闘が開始したにもかかわらず、ムラノヤシロノマクラサマは動かずにただじっと流雲を見つめる。
一体何を考えているのかさっぱりだが、その瞳には普通の者とは違う何かが見えているのだろう。
「おいでよ。おねぇちゃん。」
流雲はその姿に疑念を抱きながらも、一気に間合いを詰めて【発勁】を放つ。掌底が空気を裂き、唸りを上げながらムラノヤシロノマクラサマに迫る。
バキッ!
顎に向けた掌底が直撃し、ムラノヤシロノマクラサマの首が不自然に折れ曲がる――その瞬間、空間が歪み、時間が巻き戻る。
気が付けば、流雲は再び同じ場所に立っていた。先ほどの記憶も消えている。
気が付けば、流雲は再び同じ場所に立っていた。先ほどの記憶も消えている。
「ふふ、びっくりした?」
ムラノヤシロノマクラサマの笑顔は変わらず、まるで遊びの続きを提案するかのようだった。流雲は疑念を抱きつつ、再度【発勁】を放つ。
ムラノヤシロノマクラサマの笑顔は変わらず、まるで遊びの続きを提案するかのようだった。流雲は疑念を抱きつつ、再度【発勁】を放つ。
だが、ムラノヤシロノマクラサマは死ぬたびに時間を巻き戻し、流雲の攻撃を何度でも無効化する。無数に繰り返される巻き戻しが、まるで運命の渦のように展開されていく。
「もっと遊ぼうよ!」
……数千回の巻き戻しの果てに、ムラノヤシロノマクラサマが最後の巻き戻しを発動。そして流雲の脳裏に、すべての記憶が一気に押し寄せる。常人であれば発狂してしまう情報量。精神の限界を超える負荷が一瞬で彼女に襲いかかる。
だが……
「…なるほど。そういうことでしたか。」
全てを理解した流雲は深く息を吐き、意識を沈める。明鏡止水の心を身に着けた彼女は如何なることが起ころうと決して心を揺れ動かさない。それこそが達人の境地なのだ。
「あれ?もしかして効かないの?じゃあ本番だよ!」
無邪気な少女はトキノトメカタとトキヲカコウを召喚し、黒い0と1で構成された異形の武器が空間に現れる。
「ここからが本番!たくさん遊ぼうね!」
鎌が閃き、鎖が唸りを上げる。そのどれもが奇怪な時の力を宿しており、直撃してしまえば何が起こるかまるでわからない。
「…いいでしょう。かかってきなさい。」
そう言い終わるのが先か、ムラノヤシロノマクラサマは目にも留まらない速度で流雲に接近し、トキノトメカタを振り下ろす。
もう片方の手にはトキヲカコウが構えられており、万が一鎌を避けても追撃は免れないだろう。
「甘い!」
しかし、流雲は【流源】を発動してトキノトメカタの斬撃を柔らかく受け流し、続けてやってきた伸縮自在の鎖の束縛をも滑らかにかわす。
その動きはまさに水の如く、ムラノヤシロノマクラサマの攻撃は彼女を捉えることができない。
「力とは誰の味方でもありません。そして、誰の敵でもありません。」
彼女は相手の力を受け止めるわけでも自分の力で押し返すわけでもなく、力の流れになるがままに流されることでその力に迎合しているのだ。
よって、いかなる物理攻撃であっても彼女にダメージを与えることはできない。
よって、いかなる物理攻撃であっても彼女にダメージを与えることはできない。
「うーん…難しいことはわからないや。じゃあ、こういうのはどう?」
ムラノヤシロノマクラサマが新たな能力【トキヨワラエ】を発動。時間の流れが不規則に変動し、早くなったり遅くなったりをランダムに繰り返している。
「これならおねぇちゃんの攻撃も当たらないもんねー。」
事実、先ほどまで的確に放たれていた流雲の攻撃も時間のズレによってスカすことが多くなってきている。
「…なんと面妖な。」
彼女の表情は一切変わっていないが、厄介だという思いは本当のようだ。
「面白いでしょ?まぁ、これだとわたしの攻撃も当たらないんだけどね。」
時の変動は完全にランダム。それはすなわちムラノヤシロノマクラサマ本人であっても把握できないということだ。
「でも、そっちの方長く遊べて楽しいもんね。いっぱいあそぼ?」
めくるめく変化する時間の中、ムラノヤシロノマクラサマだけが笑みを浮かべている。
だが、この状況を受け入れているのは彼女だけではないようで…?
だが、この状況を受け入れているのは彼女だけではないようで…?
「…自然の摂理に人は勝てません。流れる時に身を任せましょう。」
そう言うと、流雲は【流源】の原理で流れる時になるがままに流されていく。流れとは大いなるもの。下手に逆らえば余計に負荷がかかるだけ。研磨された彼女の精神はそれを理解していたのだ。
「え~、そんなんじゃ面白くないよぉ~。もっと本気でやって!」
彼女は子供らしい癇癪でトキノトメカタを振り下ろし、流雲の命を刈り取りにかかる。幼稚さとは時に恐ろしさにすら感じられるほどで、最も厄介なものの一つかもしれない。
バシッ!
しかし、時の流れに迎合した流雲は、力なく流されることにより、その鎌の一撃を受け流す。
カウンター放たれた至近距離の掌底がムラノヤシロノマクラサマの胸を撃ち抜き、彼女の着物に大穴を空けた。
「…っ!やっぱりおねぇちゃん面白いね!」
だが、ダメージを受けた時に自動発動するようにセットされた【クルイドキ】が発動され、時間が巻き戻る。
「…自然の摂理に人は勝てません。流れる時に身を任せましょう。」
流雲は先ほどと同じように時間に迎合する構えを取っており、その戦術に変わりはなさそうだ。
「ふふ、こんどは負けないよ!」
それは、ムラノヤシロノマクラサマの気が済むまで何百回何千回繰り返そうと終わることはないループの合図。真の戦いはここからだ。
「私が生まれたのはおねぇちゃんと遊ぶためだったのかもね。それなら、まだまだいっぱい遊ぼう。」
………
あれから何度時間が進み、戻り、止まり、繰り返されただろう。
ムラノヤシロノマクラサマの体感では数万年にすら感じられるほど戦いは続いているはずなのに、実際には戦闘開始から10分も経っていない。
「おねぇちゃんしぶとい!いい加減倒されてよ!」
いつまでも倒れない遊び相手を求めていたはずのムラノヤシロノマクラサマであったが、何度時間を繰り返そうと倒すことができない流雲の存在を、今や目障りにすら感じていた。
ムラノヤシロノマクラサマの攻撃は流雲に全て流されてしまい、流雲の攻撃はエラーであるムラノヤシロノマクラサマにダメージを与えることができない。いわゆる千日手というやつだ。
「…自然の摂理に人は勝てません。流れる時に身を任せましょう。」
流雲は変わらない調子でそう言い放つ。その言葉を受けたのももう何度目だろうか。
ムラノヤシロノマクラサマの能力によって進んだ・巻き戻された記憶が残るのは発動者の彼女本人のみであり、流雲にとってはまだ10分程度しか経過していない。
普段のムラノヤシロノマクラサマなら「遊べる時間が伸びて楽しい!」ぐらいにしか思わないだろうが、今回ばかりはそうともいかない。
「もうやだ!早く倒れてよ!」
何度も何度も変わらない戦闘風景にムラノヤシロノマクラサマの精神は我慢の限界に達し、トキノトメカタでブンブンと振り回して流雲に襲い掛かる。
パシッ!パシッ!
まるで全てを悟ったかのように淡々と攻撃を捌く流雲の様子は、”何をしても敵わない格上の相手”ムラノヤシロノマクラサマのトラウマでもあるそんな者たちの顔が浮かんでくるほどだ。
「うわーー!!!」
もう何も策は無い。ただ思いのままに鎌をふるい続けることしかできない。
――その時、偶然か必然か、トキヨアソベが発動して流雲の時間が数秒程度巻き戻された。
――その時、偶然か必然か、トキヨアソベが発動して流雲の時間が数秒程度巻き戻された。
バシュッ!
流雲の判断が一瞬だけ遅れ、やけっぱちに放たれた鎌の攻撃のうちの一つが彼女の体に確かに傷を与えた。
「……へ?」
攻撃を命中させたムラノヤシロノマクラサマ自身にとっても予想外のことであり、驚きを隠せない様子だ。
「…これはやってしまいましたね。」
流雲はいつもと変わらない調子でありながら、今後自分に何が起こるかを考えて悩んでいた。
そして、彼女の精神が現在の時間に囚われてしまい、その状態のまま固定されてしまった。先ほどまでは機敏に動いていた流雲の体は、もう動くことは無い。
「……なんだ、おねぇちゃんもちゃんと同じ次元の人だったんだね。」
ムラノヤシロノマクラサマの心には勝利の喜びよりも「もうこの相手と戦わずに済む」という安堵が勝っていた。
「…じゃあね。」
彼女は今までの時間で蓄積した思いを込めて大鎌を振り下ろした。決着だ。
バンッ!
……響いたこの音は、意外にもムラノヤシロノマクラサマが吹き飛ばされる音であった。
そう、精神が囚われようと、鍛えた体はそのまま残っている。
何千何万と反復した鍛錬が無意識のうちに彼女の体を動かし、ムラノヤシロノマクラサマの攻撃に合わせて鉄山靠を放ったのだ。
「…技術とは心身に宿るもの。どちらかだけでは半端になりますが、使えないというわけではありません。」
能力が解除され意識を取り戻した流雲は驚くこともなく状況を飲み込み、自らの勝利を確信した。
先ほどの攻撃はムラノヤシロノマクラサマにダメージを与えることは叶わなかったが、流雲を超越存在だと思いつつあった彼女の精神を崩壊させるには十分すぎるほどの技であった。
「全ての者に生まれた意味などはありません。最後に残るのは、どう生き、何を成したかのみです。」
去り行く流雲は動かないムラノヤシロノマクラサマに向けてそう言い放ち、リングを後にした。
「勝者――李 流雲!!」