あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第6回トーナメント 準決勝 第1試合
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aioricharabattle
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第6回トーナメント 準決勝 第1試合
《護都シュンジ VS 落宮スズキ》
大気は緊張と興奮に満ち、リングにはそれぞれの闘志が満ちていた。
護都シュンジは警官の制服を正し、無駄のない動きで半透明の盾とトンファー型警棒を生成して構える。
「これは戦いだ。遠慮なくいかせてもらうぞ。」
一方の落宮スズキはリングの隅で身をすくめ、視線を彷徨わせながら震えている。周囲の視線に圧倒され、まるでここにいることすら間違いだとでも言いたげな表情だ。
「う、うわ…刑事さん、怖すぎるよ…逃げなきゃ!」
観衆の期待と緊張が頂点に達し、試合開始のゴングが高らかに鳴り響いた。
「第二回戦第一試合!開始ッ!!」
開始と同時にシュンジが一気に距離を詰め、盾を前に出して身体を守りながらトンファーで突き込む。
その動きには一切の無駄がなく、警察術に基づいた精密な攻撃が、スズキをじわじわと追い詰めていく。
その動きには一切の無駄がなく、警察術に基づいた精密な攻撃が、スズキをじわじわと追い詰めていく。
「逃げ腰じゃ勝てないぞ?」
スズキが間一髪で一発目の攻撃を避けると、続けて二発目のトンファ―が振るわれる。
「うわー!!」
だが、リングの床が歪んで足元に新たな落とし穴が開き、奇跡的なタイミングでスズキをトンファ―の一撃から遠ざける。
さらに、それと同時にシュンジの足元にも大穴が開き、彼を奈落の底へと突き落とさんとする。
「そんなことだろうと思ったぜ。」
だが、シュンジは即座に空中に半透明の足場を生成し、足を取られることなく華麗に回避。
そのまま片膝をついて拳銃を抜き、狙いを定めてトリガーを引く。
バン! バン!
弾丸はスズキの肩口をかすめるが、空中に現れた落とし穴によってほとんどは別空間に飛ばされてしまった。
「痛い!痛いよぉ!!」
観衆が息を呑む中、スズキは突然の痛みによってパニック気味にリング内を駆け巡る。
ボゴンッ!ボゴンッ!ボゴンッ!
逃げるたびに無意識のうちにいくつもの落とし穴が生まれ、それがリングを複雑に変形させていく。
「…かなり規模が大きいな。これは骨が折れそうだ。」
戦いの場を狭めていく落とし穴を前にしてもシュンジは冷静さを保ち、半透明の地面をいくつも生成して足場と移動手段の確保を同時にこなす。
「この感じだと…次はあそこらへんか。」
さらに、スズキの動きを基にして逃走経路を分析し、異能対策課での経験を活かして出現位置を正確に予測する。
「犯人を追いつめるのは刑事の十八番だぜ?」
彼の頭の中にはスズキの逃走ルートの図が完全に出来上がっており、もはやどこに逃げたとしてもシュンジには丸わかりだろう。
「鬼ごっこもそろそろ終わりだ!」
シュンジは予測を基にスズキの動きを先読みし、スズキの足に目掛けて半透明の鎖を投げつける。
バシッ!
鎖は目論見通りにスズキの足へと命中し、彼の動きを大幅に制限することに成功した。こうなってしまえば後はシュンジの独壇場であろう。
だが、それは同時にスズキの危機感を大きく高めるということでもあり…
「え、え!? 何これ!? こんなのやばいよ!」
スズキの危機感の高まりに呼応するようにブラックホール(BH)がリングに現れる。
その渦は森羅万象を吸い込む無慈悲な力を秘めており、どのようなものであってもその吸引から逃げることはできない。
ゴゴゴゴゴゴ!!
闇の渦が鎖を吸い込み始めるが、シュンジは全身に半透明の装甲を纏い、重圧に耐え抜く構えを取る。
「こういうのは聞いてないぜ…!!」
装甲の重さによって何とか吸い込まれるのを阻害してはいるものの、彼の体は装甲ごとジリジリと引き寄せられつつある。
「なら…もうやるしかねぇ!!」
シュンジはこのまま耐久を続けてもいずれはブラックホールに飲み込まれてしまうことを理解し、突如として装甲を全て解除する。
「逃げるのは刑事のすることじゃねぇからな!」
彼はブラックホールの吸い込まれる力を利用しつつ身をひるがえしてスズキに接近し、柔道の技でその腕をがっちりと掴んで投げ伏せる。
「観念しろ!」
このままスズキが吸い込まれてしまえば、掴まれているスズキも同時にブラックホールによって宇宙の塵になってしまう。
捨て身の作戦ではあるが、スズキ相手にはかなり有効な手であろう。
シュンジに掴まれたスズキの腕はギチギチと音を上げて軋んでおり、その様子からはシュンジの本気さが伺える。
「うわぁぁ!!終わりだぁぁ!!」
しかし、追いつめれば追いつめるほど能力が覚醒するのがスズキの怖いところ。
スズキの危機感が急激に高まったことにより、またしてもその強大な力の一端が解放される。
グオングオングオングオン!!
スズキの奥の手その2。ホワイトホール(WH)が発動してしまったのだ。
ブラックホールによって吸い込まれたエネルギーが反転し、衝撃波としてシュンジに襲いかかる。
だが、それは彼が拘束しているスズキにもエネルギーの波が襲い掛かるということ。シュンジの覚悟に呼応してか、スズキの幸運も捨て身の策を決行する。
バババババ!!!
襲いかかる爆発的な衝撃波に対し、シュンジは多層構造の半透明シールドを瞬時に展開して正面からその力を受け止める。
「負けるかぁぁ!!」
彼の根性はホワイトホールにも負けないほどのもので、なんとシールドだけでその力に張り合っている。
しかし、ホワイトホールに集中しすぎた結果スズキの拘束が甘くなってしまい、その隙を突いてスズキはシュンジの手から脱出する。
「助けてぇ!!死ぬぅぅ!!」
なんとか抜け出したスズキは脱兎の如く逃げ回りながらシュンジの構築に干渉しようと落とし穴を開くが、シュンジの多重防御構造はそれすらも寄せつけない。
ホワイトホールにすら匹敵するほどの力に、スズキ自身の力が押し勝てるはずがなかったのだ。
「え、なんで!? 僕の穴、効かない!?」
その状況によってさらに危機感が高まったスズキは、最後の手段として複数のBWを生成する。
ゴゴゴゴゴ!!ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
複数のブラックホールの吸引力によってリングの空間が不安定に歪み始める。
それはまるで世界終焉のラグナロクのようで、現在起こっていることがいかに異様であるかをありありと示している。
「それはもう見た!」
しかし、シュンジは巨大な立方体の構造物をそれぞれのブラックホールの上空に生成し、それでブラックホールを覆うことによって空間の歪みを完全にカットする。
「うわぁぁぁ!!助けてぇぇ!!」
スズキの危機感がまたしても極限に達し、スズキは無意識のうちにシュンジの精神に穴を開けるような力を発動。
「ぐっ…なんだ…この感じ…!」
シュンジの冷静さが一瞬揺らぎ、思考にわずかな隙が生じる。
だが、シュンジは訓練された身体に任せて反射的に動き、スズキに向けて拳銃を連射。
その一発がスズキの肩をかすめ、バランスを崩させた。
「っ! 痛いよ!」
その隙を逃さず、シュンジは柔道の投げでスズキを地に叩きつけ、即座に拘束具を生成。
スズキの四肢を固定し、能力の暴走を完全に封じ込めた。
「終わりだ、落宮スズキ。現時刻を以ってお前を公務執行妨害で現行犯逮捕する。」
スズキはなおも幸運にすがろうとするが、もはやリング上には逃げ場は存在しない。
張り巡らされた網と拘束具が、すべての可能性を封じていた。
「…もう、逃げられない…」
法とは絶対なるもの。そこに抜け穴など存在してはならないのだ。
「勝者――護都シュンジ!!」