あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第7回トーナメント 第1回戦 第3試合
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aioricharabattle
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第7回トーナメント 第1回戦 第3試合
《獅童 烈 VS アイリーン エマ》
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リングには、張り詰めた空気が流れていた。その緊張感は、まるで全ての観客が息を呑む一瞬の静寂を引き伸ばしたような感覚を生み出していた。
リングの端に立つのは、まさしく巨岩の如き男——獅童烈。その黒髪は短く整えられ、鋼のように研ぎ澄まされた肉体が見る者すべてに圧倒的な存在感を植え付ける。
対するは、凛とした気品と静謐な威厳を纏う騎士、アイリーン・エマ。手には光輝く聖剣『リヒト』を握り、その瞳はまっすぐに烈の魂を射抜くように見据えていた。
「——試合開始ッ!!」
号令と同時に、エマが一瞬で間合いを詰める。その動きは軽やかで、まるで夜空を舞う彗星の如く、見る者を魅了する軌跡を描く。
「あなたの力、真正面から受け止めてみせます!」
放たれた聖剣の一撃が烈の左腕に迫る。その刹那——彼の左腕が血黒に染まった。
ガァン!
彼は変容した左腕:斥壁(グアルディア・アブソルータ)が鋭い斬撃を受け止めた。それも腕全体を使ってではなく、人差し指の一本のみでだ。
「…悪くない太刀筋だ。」
低く、短い声と共に、今度は純白に染まった右腕:砕角(クエルノ・キエブラ)の人差し指でエマの腹を小突く。
ドォンッ!!
とても軽く指で押しただけとは思えないほどの轟音が響き渡り、エマの体が真っすぐ吹っ飛ばされる。
彼女の脳内では死の音が大音量で流れており、獅童の攻撃の恐ろしさを嫌というほどに体感させられる。
彼女の脳内では死の音が大音量で流れており、獅童の攻撃の恐ろしさを嫌というほどに体感させられる。
「…っ!なんて攻撃力…!」
だが、勇者の血を引く彼女は、この程度では終わらない。
リングの壁に叩きつけられる瞬間、一瞬のうちに体を反転させ、壁を地面代わりに踏みしめて逆に相手に向かって飛びこむ。
「…なるほど。ただの女ではないようだな。」
獅童はエマのタフさに感心しながらも、向かってくる彼女の攻撃を真正面から受け止める構えに入る。
「攻撃力や防御力が高くても…スピードなら私が上です!」
彼女は持ち前のスピードを活かして一瞬のうちに獅童の腕の下へと潜り込み、反撃とばかりに怒涛の斬撃を放つ。
ガキンッ!ガキンッ!
しかし、左腕から伸びてきた骨の盾がそれを完璧に受け止める。
超防御力特化を名乗るだけあって、彼の左腕のガードは簡単には突破できそうにない。
(思ってたよりもずっと硬い…!なら……アレを試すしかない!)
「昇華!獅童 烈!!」
相手の技を自分なりに再現、若しくは新しい技や自身の技に加えて繰り出す技巧。
今回は獅童 烈を対象に発動され、彼が今まで発動してきた技をさらに強化して放つことが可能となった。
「はぁぁ!!」
エマは先ほどの獅童の動きを完全に真似し、右手の人差し指を骨の盾に向かって突き刺す。
獅童が彼女の行動に気が付くのよりも、彼女の人差し指は速かった。
ボキッ!!
……彼女の目論見通り、昇華して放たれた獅童の技によって骨が破壊された。
もっともそれは、エマの人差し指の骨の方だが。
「……!!!」
エマは声にもならない声をを出しながら、痛みにのたうち回っている。
先ほどの技は超攻撃特化型の砕角だからこそ可能な技であり、それ以外の者が使った場合はただの指刺突でしかない。もちろん、その程度の攻撃では獅童の左腕のガードを突破することはできない。
先ほどの技は超攻撃特化型の砕角だからこそ可能な技であり、それ以外の者が使った場合はただの指刺突でしかない。もちろん、その程度の攻撃では獅童の左腕のガードを突破することはできない。
「お前…もしかしてバカなのか…?」
突如として謎の行動に走ったエマに対し、獅童は動揺と憐れみを込めた視線を向ける。
今まで様々な能力者に特訓を施してきた彼であったが、このような予想外の行動を起こす者は初めてであった。
今まで様々な能力者に特訓を施してきた彼であったが、このような予想外の行動を起こす者は初めてであった。
「…憐れんだ目でそんなこと言わないでくださいよ!!」
対するエマは、痛みに涙しながらも気合いで再び立ち上がり、聖剣リヒトを構えて何度目かの攻撃を仕掛ける。
「覚悟っ!」
ガキンッ!
剣は案の定左腕によって弾かれてしまう。やはり、ただの攻撃では骨の盾を破ることはできないようだ。
だが、それでもエマは止まるつもりはなかった。たとえ不格好で知恵足らずに見えたとしても、挑戦することを放棄したくはなかったからだ。
だが、それでもエマは止まるつもりはなかった。たとえ不格好で知恵足らずに見えたとしても、挑戦することを放棄したくはなかったからだ。
(まだ…!諦めない…!)
彼女の気持ちに呼応して、聖剣リヒトが突如として輝きだす。
その輝きはまるで希望そのもののようで、温かく、どこか懐かしさを感じさせた。
……エマの持つ聖剣リヒトには、ある特殊効果がある。それは”相手の強さに比例して強くなる”というもので、常に強者へと挑み続ける彼女にはもってこいのものだ。
しかし、今回ばかりはその力を以ってしても、骨の盾の一層も破壊することができていない。
今現在、スピードにおいてはエマが辛うじて勝っているが、それ以外は獅童の方が圧倒的に上回っている。
さらに人差し指の骨折という不測の事態も発生しており、あらゆる方面から見ても絶体絶命のピンチである。
だが、彼女にはまだ一つだけ奥の手があった。諦めない気持ちから生まれる希望と成長。そしてその先にある未来を掴もうとする心の力だ。
「…これなら……やれます!!」
聖剣の光に包まれるままエマは叫び、【纏・天衣無縫】を展開する。
彼女の全身が光を纏って変身していく。その姿はまるで天使のように神々しく、聖剣リヒトが純白の光に包まれると、希望を具現化した剣『咲き行く希望の剣』が顕現する。
「ここからの私は一味違いますよ!」
その言葉が聞こえた刹那――剣と魔法が交錯する嵐のような連撃が獅童を襲う。
その一発一発が今までのエマを超えた大いなる力を宿しており、さらにその上で力もどんどん増していっている。
ザンッ!ドガッ!ドンッ!!
獅童はその場から一歩も動かぬまま、右腕で攻撃を砕き、左腕で防御を固め続ける。攻撃と防御、天と地、秩序と混沌。極限の二律背反が均衡を保ちながら、リングに灼熱と閃光の戦場を創り上げていく。
「やっぱり強いですね…でも、私も負けませんよ!」
エマの戦いは進化を遂げていた。彼女の剣筋は鋭さを増し、魔力の流れを瞬時に捉え、獅童烈の拳の動きすら読み始める。
模倣と昇華を繰り返し、戦いの中で次第にその姿は騎士を超え、一つの戦場の化身と化していく。
「はぁぁぁ!」
バキンッ!!
極限まで高まった彼女の一撃は、今までダメージを蓄積させたこともあってか、ついに骨の盾を砕くことに成功した。
「これで終わりです——回帰技・魔断!」
続けて放たれた輝く聖剣が時空を裂くように烈へと奔る。彼女の瞳には確固たる勝利への希望が秘められており、その攻撃を止めることは不可能かのように感じさせる。
だが——
「…斥壁(グアルディア・アブソルータ)…第二層(セコンダ)。」
獅童の声が低く響く。その瞬間、一枚だけでもなかなかの防御力を誇っていた左腕の骨層が二重に重なり、まるで動く城壁のように聖剣の軌道を遮る。
グググググッ!…パリンッ!!!
重なった骨は希望の光をも跳ね返し、エマの放った神聖な刃は届かぬまま砕かれた。
「…見事だ。お前の強さに、俺も敬意を表そう。」
獅童は右腕を相手に向け、そのまま本気のデコピンを放つ。
ドゴォン!!
大地を揺るがす衝撃と凄まじい風圧。聖剣ごと受け止めていたエマの身体が吹き飛び、宙を舞ってリングの反対側へと叩きつけられる。
大ダメージによって【纏・天衣無縫】の共鳴が乱れ、彼女は膝をついた。
「く……!まだ、私は……!」
「…いいや、もう十分だ。」
獅童烈は、たった一歩だけ前へ進む。その一歩に、全ての観客が震えを覚えた。
「…今回は俺の勝ちだ。」
ドスッ!
彼は戦士としての情けで右腕の能力を解除して彼女を殴り飛ばし、完全に気絶させた。
静寂が場を包む。そして次の瞬間、大観衆の間から雷鳴のような拍手と歓声が巻き起こる。
「勝者――獅童烈!!」