あにまん民のオリキャラ同士をAIの力を借りて戦わせるスレ @ ウィキ
第7回トーナメント エキシビションマッチ 第4試合
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aioricharabattle
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第7回トーナメント エキシビションマッチ 第4試合
あにまんオリキャラ最強トーナメント特設リング。リングを囲む観客席は早くも興奮と期待で震え、名も知らぬふたりの“スズキ”の登場にざわめきが広がる。
その熱狂の波はまるで嵐のように会場全体を揺さぶり、観客たちの目は固唾を飲んでリングを見つめていた。
ひとりは、怯えた目でリングに立つ臆病者——落宮スズキ。彼の肩は小刻みに震え、汗は絶え間なく滴り落ちていた。それでも、その瞳の奥には揺るがぬ光が宿っていた。
もうひとりは、何度死んでも立ち上がる不屈の男——鈴木英雄。身体は鍛えられ、瞳には確固たる信念の光が宿る。
「試合開始ッ!!」
「ひっ……!で、でも……やるしかないよね……っ!」
膝を震わせながらも、落宮スズキは小刻みに足を動かしリングの端へと移動する。
顔は青ざめ、息は浅い。しかし、その目だけは確固たる決意の炎で燃えていた。
「逃げるんじゃない。……勝つために、動いてるんだよな。」
鈴木英雄は構えも取らず、まっすぐに落宮を見据える。その視線には、同情でも侮りでもない。ただ目の前の戦士として見据える真っ直ぐな意志があった。
「なら、俺も本気で行くよ。」
バッ!
英雄が走り出すと同時、リングの中央にズズンッと鈍い地響きが走る。空気が震え、観客のざわめきが止む。
「……っ、そこ!」
落宮が右手を軽く掲げる。その瞬間、英雄の足元に黒く穴が口を開ける。
——が、英雄は寸前で止まる。汗を一筋流しながら口角を上げた。
——が、英雄は寸前で止まる。汗を一筋流しながら口角を上げた。
「おいおい、一発目から落とし穴かよ。でも、俺の足はそう簡単には止まらないぜ。」
落宮が生み出した落とし穴は早速不発に終わってしまい、彼の恐怖心が一段階上昇する。
「だ、だって、止めなきゃ……こわいんだよ……!」
落宮が怯えながらつぶやいた次の瞬間、落宮の足元にも穴が開く。恐怖によって自動で生成されたそれに、彼はするりと落ちる。
「わぁぁぁぁ!!」
彼自身も予想外の落とし穴の出現に絶叫しつつも、そのまま落ちていく。
「逃げたか!?……いや、違うな。」
英雄の周囲、リングの床に無数の穴が静かに、しかし確実に開き始める。それらはリングの形状すら変えかねないほどの規模で、徐々にその数と密度を増していった。
落宮の恐怖が作り出した大規模な落とし穴は、直感すら狂わせる迷宮のごとき構造を形作っていく。
落宮の恐怖が作り出した大規模な落とし穴は、直感すら狂わせる迷宮のごとき構造を形作っていく。
「よし、面白くなってきた……!」
英雄の目が鋭く光る。彼はその場に立ち尽くすのではなく、不死身の能力を信じて自ら足元の罠を踏み抜いた。
ズボッと音を立てて地面が崩れ、その身体が重力に引かれるように一気に落下する。
ズボッと音を立てて地面が崩れ、その身体が重力に引かれるように一気に落下する。
ゴウンッ!ザシャァッ!カラン……!
英雄の身体は次元の歪みのような落とし穴の内部へと飲まれていった。
………落ちた先は、どこか別の落とし穴の空間。まるで異世界のような穴中の迷路。視界を遮る砂煙の中、反響する砂の音が英雄の耳を打つ。
「こいつ……穴と穴をつなげていやがる!」
その瞬間、英雄の表情が僅かに変わった。驚愕と、ほんの少しの感嘆が混ざったような色だ。今の一手は、明らかにただの臆病者が放つものではなかった。
落宮スズキの能力はただ自動的に発動するだけでなく、恐怖という感情を媒介にして、まるで意思を持った迷宮のように変化していた。
落宮スズキの能力はただ自動的に発動するだけでなく、恐怖という感情を媒介にして、まるで意思を持った迷宮のように変化していた。
「うう…怖いけど……でも、だからこそ全力で…っ!」
どこからか聞こえた落宮の声には震えが残っていたが、その中に燃えるような決意が宿っていた。
落宮の声が響いた次の瞬間、英雄の背後に突如として穴から飛び出す落宮。
落宮の声が響いた次の瞬間、英雄の背後に突如として穴から飛び出す落宮。
「えいっ!!」
どこからか小石が放物線を描いて飛び、見事に英雄の額を直撃する。
「いてっ!?石ぃ!?それが戦士の戦い方か!?痛っ、意外と重てぇぞそれ!」
次々と投げ込まれる小石に痛がりながらも英雄が叫ぶ。
「ご、ごめん!本当は殴ったりなんてしたくないんだけど、でも、勝たなきゃ!」
その必死な叫びと共に、落宮はさらに一歩踏み込む。その足元から不穏な気配とともに地面が脈打ち始め、無数のヒビが広がる。
ズドッ!!ブシュッ!!ガシュウゥッ!!
一瞬後、英雄の胸を鋭く貫いたのは、空中に作られた落とし穴から飛び出した岩槍。
その先端部は先ほどの落とし穴作成時に偶然地面から突き出したものであり、鈍い衝撃と共に英雄の体を持ち上げるように貫いた。鈍い音と共に血飛沫が散り、空気が一瞬凍りつく。
その先端部は先ほどの落とし穴作成時に偶然地面から突き出したものであり、鈍い衝撃と共に英雄の体を持ち上げるように貫いた。鈍い音と共に血飛沫が散り、空気が一瞬凍りつく。
「……やった?」
だが、数秒後。
「いや〜、刺さるの痛いなあ。でも、これぐらいじゃ心は折れないぜ。」
英雄は笑いながら穴から這い上がってくる。全身にべったりと張り付くような血と土、その姿はまるで地獄から帰還した戦士のようだった。それでもなお、彼の目の奥には強靭な意志の光が消えることなく宿り続けていた。
「な、なんで……死んだのに……っ!」
「死んでも立ち上がるのが俺の力さ。けど……このままだと永遠に終わらないな……そろそろ、本気で攻略させてもらう。」
その言葉と同時、英雄の影が膨らむ。闇落ち寸前の彼の記憶、思考力だけを残した“影”が姿を現す。その姿は本体よりも鋭く、冷徹な光を瞳に宿していた。空気が一気に張り詰め、場の緊張は最高潮へと跳ね上がる。
「っ!影まで……!?」
「安心しろ、殺しはしない。でも……全力で勝たせてもらう。」
影が地を滑るように動いたかと思えば、一瞬にして落宮の背後に回り込む。
「うわぁぁ!!」
その手刀が振り下ろされる直前、落宮は条件反射のようにその場から転げ落ちた。
ズバァッ!ズボッ!
それと同時に影の足元が崩れ落ちる。再び姿を現した落とし穴に影が呑まれていくのだ。
だが、その最中、影の手が残像のように放たれ、地を滑るように飛び出したもう一つの影を形作る。
第二の影は、まるで水面をすり抜けるかのように落とし穴の縁を滑り、落宮の目前へと迫る——
第二の影は、まるで水面をすり抜けるかのように落とし穴の縁を滑り、落宮の目前へと迫る——
「させないっ!!」
叫びと共に落宮が手をかざす。その足元、空間が揺らぎ、穴が穿たれる。第二の影はそれに気づくも避けきれず落下してしまう。
落宮の顔に光が戻る。そしてリングの端、土塊を踏みしめながら英雄が姿を現す。
「……よくやったな。影を退けるなんて、正直驚いたよ。」
その瞬間、落宮の背後に第三の影が出現し、手刀を振り上げる——
が、その足元。
ズボッ!!ズバァッ!!
「なっ!?」
影が落ちた。落宮が無意識に恐怖で逃げようとした場所、それこそが一番の落とし穴だったのだ。
だが、その直後、英雄は最後の気力を振り絞るかのように、穴から這い上がってきた。
土埃にまみれた顔に、なおも意志の光が宿っている。その手は震え、足はふらついていたが、確かに彼は立っていた。
「…まだまだ、本当に死ぬつもりはないぜ。」
その言葉とは裏腹に、英雄の身体は限界を迎えていた。何度目かの蘇生を経て、彼の動きには既に精彩がなく、影さえも再び呼び出す力は残されていなかった。
一方の落宮は、もはや声すら出せぬほどに疲弊していた。だがその表情には、戦意を失わぬ気迫が残っている。
しばしの沈黙。やがて、英雄は静かに息を吐き、力を抜いた。
「……でもやっぱりやーめた。正直なところこれを続けても面倒なだけで勝てるかもわからん。」
苦笑いとともに彼は膝をつき、ようやく敗北を認めた。
「た、助かった……?」
「……ああ、まいった。今回は俺の負けだな。」
影が沈み消える。
鈴木英雄は、うっすら笑ってこう言った。
「……怖さを抱えながらも勝利ために逃げ続けて、最後まで諦めなかったお前の勝ちだよ。」
「勝者——落宮スズキ!!」