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《道牙タケル VS 追竜『ジエス』》
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aioricharabattle
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《道牙タケル VS 追竜『ジエス』》
夜のビル街に、緊張感が満ちていた。
無数のネオンが闇を切り裂き、煌々と輝く窓ガラスが冷たい光を放つ。ビルの屋上には、改造ライフルを肩に担ぎ、伏せの姿勢で狙いを定める男がいる。
道牙タケル——狙撃の名手。しかし、それだけでは終わらない。彼はただの効率を追うスナイパーではない。「ロマン」という名の無駄と情熱をこよなく愛する男だった。
「……ここだな」
ビルの屋上に身を潜めたタケルは、改造ライフルのスコープ越しに影を捉える。狙う相手は、宙を舞う漆黒の影。追竜——ジエス。
体長5メートル弱、黒曜色の鱗を纏い、翡翠色の瞳が夜の光を鋭く反射している。大きく羽ばたくたびにビル風が巻き上がり、周囲の塵が渦を描く。
(こいつを仕留めたら、伝説のスナイパーって呼ばれるな……!)
タケルは理解していた。最善手は竜が降りるまで待ち、確実に動きが止まった瞬間を狙うこと。それが効率的で、確実だ。しかし——
「狙うなら……飛んでる今しかないだろうが!」
彼はロマンを選んだ。
引き金を引く。雷鳴のような銃声がビル街に響いた。
次の瞬間、ジエスは一瞬のうねりとともに身体を捻る。弾丸はわずかにその鱗をかすめたが、致命傷には至らない。
「チッ、やるじゃねぇか」
タケルは舌打ちするが、その口元は笑みを浮かべていた。
ジエスは空中で大きく旋回する。翡翠色の瞳がタケルにロックオンされた。興味を引かれた証拠だ。
「……来いよ、竜野郎。飛ぶ獲物を撃ち落とすのが、スナイパーの華だぜ!」
空から黒い影が急降下する。ジエスの爪がビルの壁を引き裂きながらタケルへと迫る。
だが、タケルは慌てない。接近戦のために、彼にはもうひとつの武器がある。
「ガン=カタ、開幕だ!」
懐から2丁のストライクガンを抜き、流れるように相手を撃ちまくる。ジエスの身体をかすめる銃弾が次々と放たれた。
ジエスも負けてはいない。口を開き、轟雷の魔法を紡ぎ始める。
「……魔法だと?」
稲妻が弾け、ビルの屋上に雷が直撃する。タケルはギリギリで横に転がり回避するも、焦げたコートの裾がビル風に舞う。
「……いいぜ、ますます燃えてきた!」
タケルはまるで子供のように無邪気な笑顔を浮かべる。
その笑みをジエスも理解したかのように、さらに距離を詰めてくる。爪が振り下ろされ、タケルは銃弾を撃ち続ける。
だが、ジエスは身体強化の魔法を発動しており、弾丸を受けてもなお迫りくる。 激しい攻防が続く中、タケルは心の奥でひとつの賭けに出る。
「これで終わらせるぜ!」
タケルは一瞬、銃をホルスターに戻し、改造ライフルを再び構えた。
(あの竜が攻撃する瞬間、ほんの一瞬だけ動きが止まる……そこを狙う!)
ジエスが口を大きく開き、今度は焔槍の魔法を発動する。炎の槍が宙を舞い、タケルに向かって一直線に飛んでいく。
「……今だ!」
タケルは炎が迫るギリギリのタイミングで引き金を引いた。
銃弾が、ジエスの左目を貫いた。それと同時に、炎の槍もタケルを貫く。
悲鳴とも取れる竜の咆哮と男のうめき声が響く。ジエスはバランスを崩し、ビルの屋上に墜落した。
煙と炎が舞う中、重症ながらもなんとか立ち上がったタケルはジエスに歩み寄る。
「やっぱり、飛んでる獲物を落とすのは最高だぜ……」
ジエスは地面に伏しながらも、まだ翡翠の目に光を宿していた。しかし、戦う意思はすでに失われている。
タケルはジエスを見下ろしながらライフルを下ろした。
「お前も強かった。……いい戦いだったぜ、竜野郎」
その言葉にジエスはかすかに翼を震わせる。それはまるで、戦士同士の無言の応答だった。
ビル街の夜風が吹き抜ける中、タケルは煙草を取り出し、火をつける。そして、ゆっくりと一口吸うと、夜空を見上げた。
「伝説のスナイパー、道牙タケル……どうだ? 俺のロマンは、まだまだ終わらねぇぞ」
薄く笑う彼の横で、ジエスは静かに目を閉じた。
勝者——道牙タケル。