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《長嶋小雪 VS 一敗の戦士「スルト」》
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aioricharabattle
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《長嶋小雪 VS 一敗の戦士「スルト」》
無限に広がる平原は、ただ風が草を揺らすだけの静寂に満ちている。
地平線まで続く緑の海に、人工物は一つもない。雲一つない青空の下、戦いの舞台が整う。風が二人の戦士の間を吹き抜け、緊迫した空気を運ぶ。
長嶋小雪は軽やかな足取りで平原に立つ。明るい笑顔を浮かべ、異世界の冒険で磨かれた鋭い眼光が相手を捉える。
スルトは無言で立つ。ボロボロの甲冑が風に軋み、同样に傷だらけの剣を握る。
かつて邪神に敗れた戦士の瞳は、燃えるような執念と静かな怒りに満ちている。
言葉はない。ただ剣を構え、戦いの意志を示す。
そうして戦いの火蓋が切られた。
戦闘開始と同時に小雪は【鑑定】を発動し、スルトの情報を一瞬で脳内にインプット。
対象のスキル、戦闘スタイル、弱点を瞬時に把握する。
それにより、スルトからは「能力が存在しないこと」と「頑強な肉体と無名の剣技が強み」が主な情報として浮かび上がる。
「能力なし!? そんなのありえるんですか!?」
今までになかった出来事に驚きを隠せない小雪だが、とりあえずは彼の持つ「無名の剣技」に対して【習得】を発動する。
「…俺はもう負けられない。」
スルトがそんな言葉を発する中、小雪はお構いなしでどこからともなく剣を召喚し、軽やかなステップでスルトに迫る。
ガキンッ!
二人の刃がぶつかり、火花が散る。
小雪の攻撃に対してスルトは無名の剣技で応戦する。
スルトの剣技はシンプルだが隙がなく、まるで化け物を屠るための機械のようだ。
ボロボロの剣が空を切り、小雪の攻撃を完璧に弾く。
「…なるほど、一見ボロボロですがその剣も普通じゃない感じですね。」
そんな小雪の発言に対し、スルトは無言で剣を振り下ろす。
その素早くも力強い一撃はダイヤモンドすら切り裂く威力を持ち、地面に深い亀裂を刻む。
「あっ…ぶない!」
小雪は間一髪で回避し、続けて【習得】を発動。【鑑定】で得たスルトの剣の情報を基に彼のボロボロの剣をそっくりそのままコピーする。
「これで対等です!」
こうして彼女の手には歴戦の英雄の魂が宿っている朽ちた剣が握られた。
スルトは相変わらず何かに追われるかのような顔をしているが、その顔には僅かばかり動揺が浮かんでいた。
「いきますよ!」
小雪が無名の剣技を用いてスルトに斬りかかると、先ほどまでは容易く弾かれていたはずの斬撃がスルトの甲冑に直撃した。
「…!?」
まさかの出来事に今度こそスルトが感情を露わにする。
”小娘の使う付け焼刃の剣術”それがさっきまでの小雪の剣技の評価だった。
”小娘の使う付け焼刃の剣術”それがさっきまでの小雪の剣技の評価だった。
だが、今彼の目の前にいるのは、まさしく自分と同じ剣技を扱う剣士そのものであった。
小雪が習得したボロボロの剣。これそのものに特別な力などはない。
しかし、そんなこともお構いなしに次々と小雪の斬撃がスルトの防御を突破している。
……一体何故なのか。その理由はスルトの無名の剣術にあった。
彼の剣術は数多もの魔物や邪神との戦いで自然に生み出されたものであり、その戦いの際には必ずこの剣の存在があった。
つまり、無名の剣術とはこの剣があってこそ完成するものなのだ。
ガキンッ!ガキンッ!
ダイヤモンドすら切り裂く剣技はもはやスルト一人のものではない。
小雪もその使い手の一人となったのだ。
小雪もその使い手の一人となったのだ。
「これなら負けませんよ!」
小雪は勢いに乗って連続で攻撃を命中させる。
だが、それでもスルトのボロボロの甲冑にはかすり傷一つ負わせることができず、逆にスルトの反撃が小雪を押し返す。
だが、それでもスルトのボロボロの甲冑にはかすり傷一つ負わせることができず、逆にスルトの反撃が小雪を押し返す。
「…っ!」
いくら攻撃が当てられるようになったとしても、ダメージが与えられないのではどうしようもない。
攻めあぐねているこの状況を変えるために小雪は距離を取り、【鑑定】を再使用。今度はスルトの「執念」と「肉体の耐久力」に焦点を当てる。
「…なるほどなるほど…負けたのが相当トラウマになってるんですね。」
そう、それこそが彼の今の強さの源であり、最大の屈辱でもある。
「…俺は…もう…負けない……」
力無く虚ろに呟く彼の声には正義の心や勇気と言ったものは感じられず、過去の自分への憎悪や後悔だけが残っている。
「まぁ戦いですから手加減はしませんけど、同情はしますよ。」
あまりに薄暗い背景に小雪も気を遣うが、その声はスルトの心に届くことは無い。
「もう…絶対に…」
そんなことを言いながらも反撃とばかりに攻撃を仕掛けてくる。
ガキンッ!!
「重っ…!」
スルトの攻撃を受け止めるが、斬りつける力だけで小雪の体が地面に沈む。
……間違いない。斬撃の威力が先ほどよりも増している。
自分にも届きうる脅威を前にして、敗北を恐れる心が大きくなってきているのだ。
自分にも届きうる脅威を前にして、敗北を恐れる心が大きくなってきているのだ。
「なら、こっちも!」
小雪は負けじと無名の剣技の力をより引き出して斬りかかるが、それすらも余裕をもって避けられてしまう。
「…速っ!」
瞬間移動かと見紛うほどの超高速の動きによって一瞬で小雪の背後に回るスルト。
彼の体は敗北への恐怖によってもはや人間を超えた怪物の域へと達しており、戦闘開始時の彼とは比べ物にならない身体能力を手に入れていた。
彼の体は敗北への恐怖によってもはや人間を超えた怪物の域へと達しており、戦闘開始時の彼とは比べ物にならない身体能力を手に入れていた。
「……どうやらさっきまでのあなたとは同じじゃないみたいですね。」
小雪は鑑定するまでもなく異常を察し、迅速に勝負を終わらせるべく奥の手の使用を決意する。
「なら、これで決めます!」
「【無名・斬断】!!」
小雪が繰り出したのは、スルトが使用する無名の剣技の最終奥義の一つ。あらゆる物質を一刀両断し、概念すらも切り裂く究極の剣技だ。
しかし……
「……【無名・真・斬断】」
そう、元々はこの技もスルトの奥義。彼の肉体が変異している今、彼が使用する技も大幅に進化するのだ。
ザンッ!!
スルトの方が若干遅れて斬撃を放ったにもかかわらず、先に斬られたのは小雪の方だった。
「…はぁ…はぁ…マジですか……」
彼女の体には縦一文字の大きな傷がつけられており、もはや立つことすらできず倒れているしかなかった。先ほどの攻撃によってコピーしたボロボロの剣も完全に砕かれている。
もはや打つ手はない。言い訳しようもないスルトの勝利だ。
………普通の敵が相手だったらそうだっただろう。
しかし、スルトが相手をしているのは長嶋小雪だ。他の有象無象といっしょにしていては足元を掬われてしまう。
しかし、スルトが相手をしているのは長嶋小雪だ。他の有象無象といっしょにしていては足元を掬われてしまう。
「…もう…負けない…」
小雪に向けて振り下ろされるトドメの一撃。それは、小雪とスルトの距離が刃の届く範囲にまで近づいているという証拠だった。
「…引っかかりましたね。【顎撃】!!」
そう、小雪の最大の強みはスキルのストック。過去に戦った強敵たちの力すらも使うことが可能なのだ。
ここで放たれたのは、ソニックワスプの使用する技の一つ【顎撃】だ。
ここで放たれたのは、ソニックワスプの使用する技の一つ【顎撃】だ。
ドゴォォンッ!!!
小雪から放たれた莫大な衝撃波は一瞬のうちにスルトの体を通り抜け、その隅々にまで行きわたった。
……ガンッ!ガンッ!ドンッ!!
一瞬の沈黙の後、ボロボロになっていたスルトの剣と甲冑は完全に崩れ落ち、スルト本人も地面に倒れた。
「これで二敗の戦士ですね。…いや、連敗の戦士の方が語感がいいですかね?」
小雪の煽りは相変わらずだ。
「…とはいえ、この傷は普通にめっちゃ痛いですね…」
強者である小雪ですら痛いものは痛い。今の彼女が望んでいるのは即刻な傷の治癒であった。
「勝者――長嶋小雪。」