「とある怪物の話」(2019/11/26 (火) 16:34:12) の最新版変更点
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語るべき話はあと二つ、悲劇を起こす張本人の話が聞きたいのだろうけど、物事には順序があるんだ、心配しなくてもちゃんと悲劇の原因も、誰が悲劇を起こすのかも話すさ。
そういえばまだ名乗っていなかったか、と言っても僕に名前など無いのだが、便宜上僕のことは"先生"とでも呼んでくれたまえ、僕の教え子は僕をそう呼んでいるだろう?
さて、今回は質問を用意してある、決して無意味では無いから考えてもらいたい。
今回はとてもシンプルだ。
『「幸せ」と「不幸」はセットである。
誰かが「幸せ」になれば、誰かが「不幸」になる。
この事実を知った上で、幸せになれるか?』
さて、どう答えたかな?
君の答えがどうであれ、これを思考に入れておいてもらいたい。
悲劇を理解するためにも──
それでは、話をしよう、一匹の怪物の話だ。
怪物は人には無い力を持っていた、それは「人の記憶を読み取る力」と、「他人に見たい夢を見せられる力」、そして「夢を現実に変える力」。
この三つの力を持ってしまった怪物が、どうして"そう"なるのかという話だ。
結論から言おう、怪物は世界を救いたかったのだ、最速で、最短で、真っ直ぐに。
怪物の持つ力はそれを可能としていた、それを可能とする環境もあった、だから間違えた。
怪物はかつて根上淳が確立させた手法により、感染から短期間で王に覚醒し器の記憶を持っていた。
怪物に与えられた王の力は前述の「夢を現実に変える力」だった、多くの制限があるがそれでもただ夢を見せるだけの能力に無限の可能性が現れた、これが一つ。
怪物は己に何ができるのか理解していた、それを利用して怪物は器を乗り換えた、これが二つ。
怪物は努力の末に戦争を操る環境を得た、これが三つ。
そして狂った、これで全てが無に帰した。
強大な力を持ち、世界を支配する土台を得て、世界を救うことができる立場になる直前で狂い、全てを台無しにした。
怪物は信じていたのだ、人類は救うことができると、世界は美しく守る価値のあるものだと、"彼"がそれを救おうとするのは当然なのだと。
自分はその手助けができると──
その為の下地を確かに築いたのだと──
そうすれば争いは終わるのだと──
怪物の願いは一つ──
早く争いを終わらせ争いの無い世界を作るのだと、それこそが"愛"を鍵として進化したフォックスLordが存在する意味であると、世界を騙したのだ。
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