それは20年後の世界、全てが終わりバグズが世界征服を終えた世界。
「早乙女涼雅、英雄も所詮この程度だ、全ての準備が整った訳だが…」
時間跳躍装置の設定を操作しながら呟く男は、その手で英雄を打ち倒した際の感覚を思い出す。
時間操作能力を持っていてもライフストリームを扱えるか否かが勝敗を分けた、その胸を貫いた剣の感覚は未だ残っている。
時間操作能力を持っていてもライフストリームを扱えるか否かが勝敗を分けた、その胸を貫いた剣の感覚は未だ残っている。
「稲荷崎が上手くやっていればコアは解放軍の持つものを除き14個…それも回収すれば理論上は上手くいくはずだ」
マーキュリー、ヴィーナス、アース、マーズ、ジュピター、サターン、ウラヌス、ネプチューン
太陽系惑星と呼ばれるこれら八つの星から抽出された核と呼ばれる物体。
膨大なライフストリームを秘めたその物体は、30年前に美代聖樹と早乙女涼雅の激突の際に放たれた一撃が宇宙を穿ち、地球を除く七つの惑星を掠めて砕けた星の欠片が地球に落ちたことで発見された、抽出された原因は不明だがその存在はある計画を実行に移すぐらいの価値はあった。
太陽系惑星と呼ばれるこれら八つの星から抽出された核と呼ばれる物体。
膨大なライフストリームを秘めたその物体は、30年前に美代聖樹と早乙女涼雅の激突の際に放たれた一撃が宇宙を穿ち、地球を除く七つの惑星を掠めて砕けた星の欠片が地球に落ちたことで発見された、抽出された原因は不明だがその存在はある計画を実行に移すぐらいの価値はあった。
「さぁ、行こうか…来いよ人類、誰が本当の英雄か──」
脳裏に浮かぶは過去の記憶、ただ"そう"だっただけで虐げられた忌まわしき過去。
「教えてやるよ、英雄は早乙女涼雅だけじゃねぇってな…授業の時間だ」
時間跳躍装置を起動させ、黒い龍とドライバーを手に姿を消した男。
誰もいなくなったその部屋、机の上に置かれた書類、その一枚目、そこにはこう書かれていた。
"根上 総司 時間干渉能力 適正無し"
誰もいなくなったその部屋、机の上に置かれた書類、その一枚目、そこにはこう書かれていた。
"根上 総司 時間干渉能力 適正無し"
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稲荷崎「さて、ここまでは順調や、この後は国外に落ちる六つの隕石から核を回収し、その三日後に日本に落ちる最後の隕石から核を回収したらウチらの仕事は終わり…」
稲荷崎「さて、ここまでは順調や、この後は国外に落ちる六つの隕石から核を回収し、その三日後に日本に落ちる最後の隕石から核を回収したらウチらの仕事は終わり…」
バグズのメンバーを集め、最後の作戦の打ち合わせを行う稲荷崎、神城にも被害を与え、核の回収に支障はない状況を作り上げた──が。
稲荷崎「せやけど、キミらには神城はんにわざと負けて核を奪われて欲しいんよ」
狐顔の男はバグズの思想には賛同しているが、だからこそこの作戦の無意味を理解する、こんなことをしなくても未来ではバグズが勝っていた、建前として過去の段階でバグズが世界を侵略するみたいな話であったが、蓋を開ければ目的は石の回収だ。
これが争いの無い世界を作るという目的に噛み合うとは思えない、"先生"が何かを企んでいると考えるには充分すぎる理由、故にそれを阻止しなくてはいけない。
稲荷崎恭弥は"正義"の味方なのだから──
これが争いの無い世界を作るという目的に噛み合うとは思えない、"先生"が何かを企んでいると考えるには充分すぎる理由、故にそれを阻止しなくてはいけない。
稲荷崎恭弥は"正義"の味方なのだから──