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  • 刻無―キズナ― 零

刻無―キズナ― 零

最終更新:2023年04月25日 08:44

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だれでも歓迎! 編集

刻無―キズナ― 零 ◆wYjszMXgAo



◇ ◇ ◇


夜。
暗闇の中。
静まり返った病院、その中庭で、一組の男女が手と手を取り合い、寄り添っていた。
男は握り合っていない方の手で女の肩を抱き、女の顔を見つめて告げる。

「……さて、行くぞシャマル。まだ先は長い、ニンゲンはだいぶ残っている。
 ……案ずるな、お前が手を出す必要はない。手を汚すのは俺だけだ」

握った手と手に力を入れ、笑うヴィラル。
彼に言いようのない感情を覚えながらも、シャマルは照れ隠しに呆れ笑いをしてみせる。

「もう……まずはその前に、治療をしてしまいましょう。
 ここは病院ですから、設備が幾つも――――」

そう言った瞬間、シャマルは浮遊感を感じた。
何故だろうか。
疑問はすぐに氷解する。ヴィラルが自分を抱えて一気に後ろに跳躍したのだ。
だが、そんな事をした理由が分からない。
それを確かめようとした瞬間、聞き慣れない男の声が中庭に響き渡った。

「毒ガスをこちらは持っている! ……その場から動かず、話を聞いて欲しい」

第三者の介入。
シャマルはようやくそれに思い当たった。
見れば、さっきまで自分の足下だった場所に何かが転がっている。
……それは、薬品のビンに見えた。
もしそれが手榴弾などだったら、自分達は木端微塵だったろう。
ヴィラルのとっさの判断でその場を退いたという訳だ。
杞憂だったにせよ、慎重を期すに越した事はない。

「ちぃ……ニンゲンか、ふざけてくれる……!」

ヴィラルは即座に声のほうに向かって走り出そうとする。
声の主の姿は見えない。エントランスの内側、壁のぎりぎりに身を隠しているようだ。
場所が分かるなら話は早い、とばかりに武器を構えるヴィラルに、しかしシャマルは彼を制止する。

「待って、ヴィラルさん!! 毒ガス相手じゃあなたでも……!」

この中庭は四方を壁に囲まれている為、毒ガス散布には好条件である。
たとえ相手を倒せても、ここから男の場所に行くまでにまずガスを発生させられるだろう。
そうなれば逃げ場はない。
どう出るかも分からない現状、自分達はどう考えても不利すぎる。
今は、とにかく相手の言うことを聞くべきだ。

「くッ……ハッタリではないのか……!?」

彼の今の最優先事項は、シャマルだ。
誰彼構わず無差別に被害を及ぼす毒ガスならば、確かに相手を倒してもシャマルが生き延びられる可能性は低い。
現在の彼のスタンスにとって最悪の相性である。

……そもそも、そんな事をすれば男だってただでは済むまい。
故に、ヴィラルは男の言葉がハッタリだと推測した。
……だが。

「いいえ……多分、本当よヴィラルさん。さっきのそのビン、間違いなく毒ガスを精製できる薬品の入った代物だわ。
 ……そうなんですよね、そこにいらっしゃる誰かさん。
 あなたが、この病院のお薬を全部回収したのかしら?」

シャマルの視線の先のそのビンは、シアン化ナトリウムの入ったビンだった。
強酸を注げばそれだけで青酸ガスが発生する。
……毒ガスを保有している証拠としては、これ以上のものはないだろう。
なにせ、軽くこちらに転がして寄越せるのだ。
彼の手元には、大量の毒ガスの元、それも青酸ガス並みに危険な代物があるとみて間違いない。
シャマルが先刻この病院を調べた時、あまりにも薬品が少なすぎたことへの解。
誰かが先立って薬品を回収していたに相違ないだろう。
そして、シャマルの懸念は肯定された。

「……ああ、その通りだ。こちらとしても、正直死にたくはないんだ。
 ただ、100%あんた達に見つからず抜け出す方法も思いつかなかったし、正面きって戦って勝てるとも思えなかったんだよ。
 ……だから、」
「……全滅覚悟で私達をこの場に釘づけて、自分が逃げおおせるまで牽制する、ということですね」

成程、とシャマルは思う。
あの壁の向こうにいる人間は、戦闘に自信がない上に殺し合うつもりはないらしい。
自分達を殺すつもりなら、さっさと毒ガスを散布して逃げてしまえば済むのだから。

「……ヴィラルさん、彼を見逃す事にしましょう。誇り高いあなたには苦痛でしょうけど……」
「分かっている。お前を死なせては元も子もない。
 ……所詮は姑息な手しか使えん輩だ。こちらを殺す意図がなければ捨て置くまでだ」

……シャマルは、その言葉に安堵した。
ヴィラルはたしかに、自分のことを考えてくれているのだ。
心が温まるのを感じる。彼が、プライドと自分を天秤にかけて自分を選んでくれたのだから。

「……感謝するよ。一応、俺は安全と判断するまでいつでもガスを発生させられる態勢でここを退かせてもらう。
 それと……」
「なんだ、ニンゲン」

少しの間。だが、躊躇うように、駄目元でという声色で男はヴィラルとシャマルに呼びかける。

「……あんた達、螺旋王の意図に従って動いてるんだよな」
「……それがどうした」

そして、未だ姿を見せない男はこう告げた。

「……螺旋王の目的は、多分殺し合いそのものじゃない。それを分かった上で、あんた達は人間を殺そうとしているのか?」


「「……!!」」


男の声は、彼自身の考察を伝えていく。
螺旋王の、真の目的。
趣旨は殺し合いではなく、その状況で発生する力の事。それに関する実験。
螺旋力とは。
首輪の解体の可能性。その条件と、制裁。

「……螺旋力さえあれば首輪の解除もできる。なけりゃ電気ショックだけどな。
 首輪のネームシールの下にあるネジに、螺旋力を込めて回せばいい。
 そして、あんた達は見たところさっき螺旋力が覚醒した可能性が高いんだ」
「……何を、根拠に……!」

吠えるヴィラル。
彼は、動揺していたのだ。
ニンゲンの考察、それがあまりにも的確すぎた為に。
彼自身も、うすうすと考えていた『“一部の人間が持つ特殊な力”の研究』。
それを一歩推し進めた男の考えは、あまりに状況に合致しすぎる。
ニンゲン同士の殺し合いそのものに確かに意味があるとは考えにくいのだ。
ガンメンを駆り、叩き潰せば済む話なのだから。
思い返してみれば、確かに一介の獣人である自分に螺旋王が真の目的を教えるとは考えづらい。

だが。
だがしかし、それならばシャマルの仲間が死ぬ必要はなかったのではないか。
彼女を泣かせる事もなく、ただニンゲンを追い詰めさえすればよかったのではないか。
シャマルは、自分の体を抱きしめて、俯いている。
彼女の心中を推し量れるほどヴィラルは器用ではない。
だから、彼は怒鳴り返す。
シャマルを守る為に決して勇み足は踏まず、しかし自身にできる精一杯の攻撃として。

「さっき、あんた達の体に緑色の――――」
「そこまでにしろニンゲン……ッ!! 戯言はもういい、早々に立ち去れ!!
 俺の自制心が許容量を越えるまでにだ……ッ!!」 

「――――」

男の声が止み、わずかな静寂がしばし空間を満たした。
そして、男の声が再度響きだす。

「……悪かった。もう行くよ。
 ただ、これだけは言わせてくれるか?」

ヴィラルもシャマルも返事はしない。
ただ、声のする方向をじっと眺めていた。

「……俺は、あんた達と殺し合いたくなんてない。
 誰かを大切にできるんなら、きっと分かり合える。争う必要なんてないと思うんだ」

それだけを告げて、男の気配は次第に遠ざかっていく。
中庭からエントランスを見ていると、二つの人影が暗闇の中に浮かびあがった。
片方がもう一方を背負ったその背中は、扉を開けて病院を出て行く。
あまりにも無防備に見えながら、その背中に何故か二人は銃を向けることさえできないでいた。
実際はいつでもガスを発生させられるのだろうが、牽制をするに越したことはないはずなのに。
ただ、そこに立ち尽くしたままで。



どれだけ時間が経ったろうか。
ヴィラルは、未だ抱きかかえたままのシャマルになにがしかを伝えようとする。

「……シャマル。俺は――――」
「ヴィラルさん」

しかし、それはシャマル自身の言葉で遮られた。
まるで、ヴィラルにその言葉を言わせてはならないかのように。
お姫様抱っこの体勢のままで、シャマルはぎゅっとヴィラルの腕を抱き締める。

「先へ、進みましょう。私たちの道の先へ。
 ……あなたの信じた道を、あなたがあなたである道を。
 私なんかのために、踏み外さないでください……ね?」

穏やかに微笑みかけるシャマルに、ヴィラルはゆっくり息を吐き、自身も笑い返した。
迷いを振り払う、そんな意思を込めながら。

「……ああ。お前がそれを望むなら、俺も躊躇いはない。
 行こう、俺達の道を。誰の為でもない俺達のために」


星の落ちてきそうな夜の中庭で。
二人のニンゲンでないものが寄り添いあう。
それぞれの為に、自分達の道を行くと誓い合いながら。



【D-6/病院中庭/1日目/夜中】
【チーム:Joker&New Joker】
 [共通思考]
 1:自分達の道を行く。
 2:二人で優勝する。
 3:お互いを助け、支えあう。

【ヴィラル@天元突破グレンラガン】
[状態]:全身に中ダメージ、脇腹・額に傷跡(ほぼ完治・微かな痛み)、左肩に裂傷
[装備]:大鉈@現実、短剣×2
[道具]:支給品一式、モネヴ・ザ・ゲイルのバルカン砲@トライガン(あと4秒連射可能、ロケット弾は一発)
    S&W M38(弾数1/5)、S&W M38の予備弾数20発、エンフィールドNO.2(弾数0/6)、短剣×9本、水鉄砲、銀玉鉄砲(銀玉×60発)
    アンチ・シズマ管@ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日-、タロットカード@金田一少年の事件簿、USBフラッシュメモリ@現実、鉄の手枷@現実
[思考]
基本:シャマルと共に最後の二人になり、螺旋王を説得して二人で優勝する。
0: シャマルと共に進む。できる限りシャマルの望みを助ける。
1:道がぶつからない限りシャマルを守り抜く。その為にも、クラールヴィントと魔鏡のかけらをどうにかして手に入れたい。
2:蛇女(静留)に味わわされた屈辱を晴らしたい。
3:『クルクル』と『ケンモチ』との決着をつける。
4:機動六課のニンゲンを保護する。
※二アが参加している事に気づきました。
※機動六課メンバーについて正しく認識し直しました。
※なのは世界の魔法について簡単に理解しました。
※螺旋王の目的を『“一部の人間が持つ特殊な力”の研究』ではないかと考え始めました。
※本来は覚醒しないはずの螺旋力が覚醒しました。他参加者の覚醒とは様々な部分で異なる可能性があります。
※清麿に関しては声と後姿しか認識していません。悪感情は抱いてはいないようです。
※清麿の考察を聞きました。螺旋王への感情が変化している可能性があります。
※自身の螺旋力に関しては半信半疑です。

※螺旋力覚醒

【[備考]
螺旋王による改造を受けています。
①睡眠による細胞の蘇生システムは、場所と時間を問わない。
②身体能力はそのままだが、文字が読めるようにしてもらったので、名簿や地図の確認は可能。
 人間と同じように活動できるようになったのに、それが『人間に近づくこと』とは気づいていない。 単純に『実験のために、獣人の欠点を克服させてくれた』としか認識してない。


【シャマル@魔法少女リリカルなのはStrikerS】
[状態]:健康、強い決意
[装備]:ワルサーWA2000(3/6)@現実 、ケリュケイオン@魔法少女リリカルなのはStrikerS
[道具]:支給品一式×3(地図一枚損失)、ワルサーWA2000用箱型弾倉x3、バルサミコ酢の大瓶(残り1/2)@らき☆すた
    ゼオンのマント@金色のガッシュベル!!、魔鏡のかけら@金色のガッシュベル!!
    暗視スコープ、首輪(クロ)、単眼鏡、マース・ヒューズの肉片サンプル、シアン化ナトリウム
[思考]
基本1:守護騎士でもない、機動六課でもない、ただのシャマルとして生きる道を探す
基本2:1のための道が分かるまで、ヴィラルと共に最後の二人になり、螺旋王を説得して二人で優勝することを目指す。
0:ヴィラルと共に進む。 ヴィラルがヴィラルらしく行動できるよう支える。
1:クラールヴィントと魔鏡のかけらを手に入れたい。
2:優勝した後に螺旋王を殺す?
3:他者を殺害する決意はある。しかし――――
4:病院内でヴィラルを治療する。
※ゲイボルク@Fate/stay nightをハズレ支給品だと認識しています。また、宝具という名称を知りません。
※魔力に何かしらの制限が掛けられている可能性に気付きました。
※魔鏡のかけらを何らかの魔力増幅アイテムと認識しましたが、
 どうやって使用する物なのか、また全部で何枚存在しているのかはまだ理解していません。
※清麿に関しては声と後姿しか認識していません。悪感情は抱いてはいないようです。
※清麿の考察を聞きました。必ずしも他者を殺す必要がない可能性に思うことがあるようですが、優先順位はヴィラルが勝っています。
※自身の螺旋力に関しては半信半疑です。

※螺旋力覚醒


◇ ◇ ◇


「――――務所に向かわせてもらいます。
 緊急事態である為、我々も映画館を放棄して――――」
「――――りました。
 とりあえず、俺達も同行――――」 


……暗闇の中で、彼女が聞いた第一声はそんなやりとりだった。
聞きなれない男達の声だ。
誰だろう、と思うも。目覚めはまだ遠い。
次第に頭の靄が消えていくのが分かるが、やはり覚えのない声だ。
Dボゥイの声ともシンヤの声とも違う。
そこまで思い至った時、彼女――――小早川ゆたかの脳は一気に覚醒した。

「シンヤさん……!!」

跳ね起きる。
だが、体が思う通りに動かない。誰かに背負われているからだ。
果たしてそれが誰の背中なのか。
知っている誰かであることを確認する為に彼女は呼びかけるが、しかし。

「……シンヤ、さん?」
「あ……起きたのか。すいません、明智さん。ちょっと待ってて下さい」

「……え、」

自分が負ぶさっているのは、全く覚えのない少年だった。


そして、彼から手短に話を聞く。
シンヤと自分が病院にいたこと。
彼がシンヤに首輪に関して尋問されたこと。
その後、彼の仲間の乱入で辛くもそこを逃れたこと。
結果――――シンヤは、もう既にこの世にいないことを。
それら全ては、自分が気を失っている間に全て為されたのだと。
唐突に、世界の時間が消し飛んだかのように。

「……すまない。本当に、すまない。
 あの時俺がもっとうまく立ち回っていれば、彼を殺させずに済んだのかもしれない。
 どれだけ謝っても謝り足りないけど、それでも謝らせて欲しい。
 本当に、すまなかった」

顔面に苦悩を満たし、幾度となくすまないの4文字を繰り返す清麿と名乗った少年。
話を聞かされたゆたかは当初こそ言い知れぬ恐怖や憤りを感じたが、しかし次第にそれは別の感情へと変化していった。
……自身への無力感と、後悔に。

目の前でシンヤが削り取られる凄惨な光景の後、自分はずっと気絶して何も出来なかったのだ。
あの時、シンヤの前に立ち塞がった二人の男女や猫。
彼らがどうなったのかも分からず、シンヤはその後病院に向かい、そこで命を落とした。

自分が気絶さえしていなければ。
シンヤと清麿の接触を、円滑に進められたかもしれない。
シンヤは今も生きていたかもしれない。
なまじシンヤの死んだ瞬間を見ていないだけに、今の喪失感はとても大きいのだ。
死んだなんて信じられない。
しかし、あのシンヤがDボゥイに繋がる自分を見放して放っておくほうがもっと信じられない。
……つまり、本当にもうシンヤはいないのだ。
自分が気絶していたせいで。

呆然とするゆたかの前で、清麿は今も謝り続けている。
だが、ゆたかには彼を憎む事はできなかった。
責められるべきは自分なのだから。

彼に何と言ったかも覚えていない。
多分どうにか悪口は言わずに済んだと思う。
ただ、清麿は自分をここまで連れてきてくれたのは確かだ。
怖い人ではないんだろうな、とぼんやりと思う。

そして今清麿は、明智と名乗った男の人と話しながら携帯電話をいじりつつ前を歩いている。
もう一人、ねねねと名乗った女性も話を聞き、何かをメモしているようだ。
自分はただそれについて行っているだけ。
まるで、映画のゾンビのように。

そんな時間の感覚すら定かでない夢うつつな世界は、唐突に破られることになった。

「ね、あなたの名前はなんていうの?」

不意に、そんな声がかけられたのだ。
はっとしてそちらを向いてみれば、そこにいたのは銀髪赤目の可愛らしい少女だ。
こちらの顔を覗き込むように、目と目を合わせてじっと見つめてくる。
そこまで観察してようやく名前を問われたことに気付き、やや慌てながらもゆたかはしっかりと返答する。

「え、あ……小早川ゆたか……です」
「ユタカね。うん、わたしはイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。
 イリヤでいいよ、ユタカ」

にこりと笑うイリヤ。それにつられて、ゆたかは礼儀正しく返事をした。

「あ、はい、よろしくお願いします、イリヤさん」

そして、それがきっかけで互いにこれまでのことを話し始めた。
……といっても、殆どゆたかが一方的に話しているだけだったが。
好奇心旺盛なのか、イリヤはどんどん次を促してくるのだ。

……そして、話すうちにゆたかは次第に心が落ち着いてくるのを実感していた。
順を追って話すことで、心の整理がついてきたのだ。
もちろん、ショックや感情がなくなったのではない。
ただ、誰かに話すことで悩みを自分なりに消化する――――それと同じ事をしたにすぎないのだろう。
それでも、何も分からないままぼうっとしているよりはずっとマシだ。

そして、彼女は、今の自分がシンヤにせめてしてあげられることを理解する。
イリヤに話すことで、シンヤの死を認識し始めたために。
そして、シンヤの死を受け入れるためにできることを。
曖昧なままのそれも、イリヤに話すことで明確な形にしていく。

「……ひとり、わたしが一緒にいてあげなきゃいけない人がいたんです。
 でも、その人はもういなくて、それでわたし、その人に最後の挨拶だけでもしたくて……」

一つ一つ、言葉にしながらゆたかは自分の中のシンヤに向き合っていく。
そして、彼女の今彼に唯一してあげられることを、明確な行動として確認した。

「わがままだって分かってます。だけどそれでも……お墓とか作ってあげたいんです」

――――そう。シンヤが死んだというなら、もう自分と話すことも助け合うことも出来はしない。
だけど、彼を弔うことはできる。
彼の死を自分は認めて、彼には安らかに眠ってもらいたいのだ。

「……そう、なんだ……うん。分かるよ、その気持ち」

イリヤは頷き、悲しそうな目でゆたかに同意する。
……彼女も何か失ったのか、それは今のゆたかには分かりはしない。
ただ、彼女の手助けになりたいと、ゆたかはなんとなく思った。

「そっか。じゃあ、一旦安全な所に行ったら、アケチに頼んで病院に行かせてもらおう!
 あとであちこちの施設を調査してみるって言ってたし、その時に組み込んでもらえばいいよ。
 ユタカは私が守ってあげる。大丈夫、こう見えても私、正義の味方なんだよ」

不安を拭うかのように、イリヤは表情を一変させてゆたかに笑いかける。
言葉の内容は正義の味方なんて子供らしいものだけど、自分を安心させる為のものであるのは明白だ。
そうして、ゆたかもイリヤに対してようやく笑みを見せて告げる。

「あ、はい! ありがとう、イリヤさん……とにかく、皆さんが落ち着いてからじゃないと話も切り出せませんよね」

……はじめてゆたかの笑う顔を見て、イリヤも自分の笑みをゆたかに返す。
その顔の下に、その言葉の下に、彼女もまた大きな決意を秘めながら。
ゆたかの手を取り、イリヤは明智達の後を追う。
それが自分のなすべき事であると、皆に知らしめるかのように。

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