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  • 王女の宅急便(前編)

王女の宅急便(前編)

最終更新:2023年04月25日 09:49

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だれでも歓迎! 編集

王女の宅急便(前編)◆1sC7CjNPu2



くすくすくすくす。
私、リュシータ・トエル・ウル・ラピュタは殺し合いに乗ることに決めました。
この会場の最後の一人になって、螺旋王のおじさまに私の願いを叶えてもらうためです。
なぜなら、私はパズーにもう一度会いたいから。
ドーラさんにも会いたいし、エドとももう一度お話したい、私が殺してしまった女の子にも謝りたいからです。
でもこわい人には会いたくありません。殺します、ずっと死んでて下さい。
さて、そのために私は強い人にかくまってもらおうと思っているのですが――強い人はどこにいるのでしょうか?
それにもし強い人を見つけても、それが殺し合いに乗ったこわい人だったら?
……困りました、私はどうやって強い人を見つけたらいいんでしょうか。
ああそういえば、こわい人のマオさんがこう言っていました。

『街は確かに人が多い、けど同時に殺人者もまた多く潜んでる可能性が高いんだよ!』

……強い人を探す手がかりにはなりませんけど、こわい人を避けることはできそうです。
ひょっとしたら人が多い街にこそ強い人がいるのかもしれないけど、こわい人に会ってしまったら大変です。
だから私はこの会場の中心を避けて、ぐるぐる回ることに決めました。
運よく強い人がいることを、神様に祈っておこうと思います。


■


「でぇ、どんなルートで図書館まで行くつもりなのだルルーシュよ」
「……」
「ブルァァァァァァァァァッ!
 ルルーシュよ、この華麗なるビクトリーム様がせっかく貴様の意見を聞いてやろうというのにその態度はなんだブルアァァァァ!
 さてはこの見るからにもやしっ子め、ここまで歩いてくるまでに既に喋れないほど疲れたというのか!
 いくらなんでもヘナチョコ過ぎやしないかぁヲォイ!」
「……大丈夫だ、何の問題もない」
「本当に大丈夫ですか、ルルーシュさん」
「ああ、本当に大丈夫だよ。歩いていればそのうち治るさ」

本当のところはビクトリームに名前を呼ばれるだけで幼少の頃のトラウマを抉られているルルーシュであったが、どうにか笑顔で誤魔化す。
心配そうにニアが見つめてくるが、理由が理由だけにルルーシュは真相を話す気にはなれなかった。
――言ったところで、このV字が聞き入れるとは思えないしな。
それどころか、絶対に騒ぎ立てるだろうというのはルルーシュでなくとも想像できることだろう。

「てめぇらこのビクトリーム様を置いてきぼりにしていい雰囲気作ってるんじゃねぇぇぇ!ぶっちゃけ寂しいだろうがぁぁぁぁぁぁ!」
「分かったから叫ぶな、目立つだろうに」
「何を言うか!このビクトリーム様の華麗なVは目だって当然!てか違ぁぁぁぁぁぁぁう!
 つい先ほど言ったばかりだがルルーシュよ、貴様本当にどんなルートで図書館まで向かう気なのだ!
 我輩、てっきり右回りに各施設を巡って人間共を集めて図書館に行くものかと思っていたが、このまま行けば消防署を普通に通り過ぎるぞ
 ヲォイ!」

ビクトリームの絶叫の内容に、ルルーシュは軽く驚いた。
――ああ、こいつ少しは考えられるんだ。と

「ブルワァァァ!貴様その顔思いっきり我輩を馬鹿にしておるな小僧ォォォォォォォォ!」

現在、ルルーシュたちはC-7エリアの中心からちょうど東の位置にいる。
ビクトリームの言った通り、仲間を集めるつもりなら施設を巡った方が他の参加者たちと出会う確率は高いだろう。
――これ以上騒がれる前に、説明しておいた方がいいか。

「すまないな、どうもタイミングが掴めなくて話すのが遅れた。歩きながら聞いてくれ」
「む、むぅその謙虚な態度に免じて大人しく聞いてやろうではないか」
「あ、はい」

嫌味にならないようにマタタビの件の事で気をつかったことをアピールしつつ、ルルーシュは説明を始めた。

「まずビクトリームが言っていた仲間集めだが、俺はジンたちに全面的に任せようと思っている」
「何ぃぃぃ!ルルーシュ、貴様正気か!」
「落ち着け。もし施設にいるのが殺し合いに乗った人間だった場合、どうする?」

ルルーシュの問いにビクトリームはむぅ、と声を漏らす。
ビクトリームの脳裏には、トンネルで見かけた変態トリオの脅威が蘇っていた。
あまりのインパクトのため、ビクトリームの脳内では殺し合いに乗った人間とはデフォルトで彼らのような人物と認定されている。
畳み掛けるように、ルルーシュは続ける。

「今の俺たちに、そういった脅威に対する決定的な力はない。ジンたちだってそれは分かっているさ。
 彼らが俺たちに期待しているのは、安全に図書館まで到着して欲しいってことだけだ」

期待しているのくだりは推測だが、そう間違ってはいないだろうとルルーシュは思っている。
逆に間違っていた場合、ルルーシュはジンやスパイクに対する評価を下げざるをえないだろう。

「ぬぅ……しかし」
「分かっている、俺だって何の手土産もなしに図書館に行くつもりはないさ。
 だから、途中でショッピングモールに寄っていこうと思っている」

そこまでルルーシュが喋った所で、ニアが小さく手を上げた。

「あの、ショッピングモールって何ですか?」
「……そうだな、ニアはデパートなら知ってるね。そことだいたい同じさ、構造が少し違うだけだよ」
「そうなんですか。え~と、それじゃあ何でショッピングモールに寄るんですか」
「それは……ショッピングモールに、何があるかを確認するためだよ」

ニアはルルーシュの返答の意味が分からず、う~っと首を斜めに傾ける。
ビクトリームは即座に考えることを放棄し、率直にルルーシュに答えを求めた。

「ブルワァァァァ!回りくどいぞルルーシュ!我輩にも分かるように、こうズバッと説明しろ!」
「……少しは考えろ、まあ時間が惜しいから説明するが。
まずは食料、いつまでも味気のない物を食べていたくなんてないだろう。ニアの手料理も、残念なことに食べ損ねたしな。
次に医薬品などの確保。出来ればジンたちには無傷で図書館に到着して欲しいが、備えておいて損はないだろうしな。
後は……何か役に立ちそうなものを適当にといった所か」

ルルーシュの説明に、ニアとビクトリームはおおーと感心したような声を上げる。
そのまま拍手でも送ってきそうな雰囲気に、思わずルルーシュは頬を引きつらせた。
まったく疑いもせずルルーシュの言うことを信じる二人に、少し不安を覚えたからだ。

実際のところ、ルルーシュが二人に説明したことはほとんど後付けで考えた理由だった。

ルルーシュの真の目的は、脱出派の筆頭となるためのカードを作ることにあった。
いくらジンやニアたちから信頼を得たといっても、『結果』を出さなければ信頼以上のものになることはない。
そして、出遅れたルルーシュが脱出派を指導する立場になるためには強力なカードが必要なのだ。

期待を込め、ルルーシュはノートパソコンの入っているデイパックを軽く押さえる。
支給品ということで何か仕掛けがあるかもしれないが、もしも何の滞りもなく使えたとしたら――

「小僧!ブルァァァァァァァァァァァ!」

ルルーシュの思考は、ビクトリームに押し倒されたことで強引に中断されることになった。
文句は、ない。
ビクトリームに倒されるまでルルーシュが立っていた位置を、何かが恐ろしい速さで通り過ぎたからだ。
即座に、ルルーシュは叫んだ。

「敵襲だ!森へ逃げ込め!」


 ■


……失敗です、失敗しました。とっても沢山のことを失敗しました。
私がぐるぐると周辺を探っていたら、すぐに一緒に行動している三人組を見つけることが出来ました。
幸先のいいスタートに、私の心は浮かれました。
でも、その私の心はすぐに落胆に変わりました。
だって、その三人はどう見ても強そうには見えなかったんです。

一人目、黒い服の男の人です。
とっても線が細く、華奢な印象を受けました。
二人目、白い服の女の子です。
とっても綺麗。同じ女の子の私から見ても綺麗なので、男の人から見たらきっともっと綺麗に見えるかもしれません。
いいな。あれだけ綺麗なら、きっと簡単に男の人を篭絡できるでしょう。
最後に、V字のロボットです。
ひょっとしたら、ラピュタのロボット兵みたいなものかもしれません。
でも……とても変ですけど、強そうに見えません。

――ここで、私は一つ目の失敗をしました。
きっとこの人たちは、簡単に殺せる。
見た目だけで、そう判断してしまったんです。
もう少し様子を見れば、もっと上手に奇襲出来たと思います。
――ええ、そうです。私は奇襲に失敗してしまったんです。

二つ目の失敗は、まさにその奇襲でした。
ストラーダのジェットの音と、光。そして私の白い衣裳が、どうしても目立ってしかたがなかったのです。
私はすぐにどうにかならないかと、ストラーダにお願いしました。
その結果、音と光は無理でしたけど、私の着ていた衣裳は魔女が着るような真っ黒いローブに変えることが出来ました。
頭に大きな赤いリボンもついてきましたが、これぐらいなら大丈夫だろうと思いました。
そして私は気を取り直し、改めて三人組に奇襲をかけることにしたんです。

はい、三つ目の失敗です。
その時は慌てていて思いつかなかったんですけど、同じ奇襲を二度三度とやっても意味ないですよね。
簡単に避けられてしまいました。
一番ヘロヘロになっている男の人を狙ったんですけど、女の子とV字のロボットが頑張ってフォローしていたので殺せませんでした。
そして、三人組はとうとう私を振り切って森の中まで逃げ込んでしまったのです。

困りました、逃げられてしまいました。
顔は、見られていないとは思います。
もし私の特徴を言いふらされても、ストラーダを腕時計にして、衣裳もまた変えてもらえば問題ありません。
もしもどこかで顔を合わせた時、きっと大丈夫だとは思います。

――でも、もし顔が見られていたら?ストラーダのことを知っていたら?
……ああ、四つ目の失敗です。
私は不安です、どうしても、あの三人組を殺さなくてはいけません。

でも大丈夫。今回のことで私は学びました。
少なくとも、今回のやり方は間違っていました。
次は、ちゃんとうまくやってみようと思います。

くすくすくすくすくすくすくす。


 ■


「……どうにか、逃げ切れたな」
「はい……これで、諦めて、くれるでしょうか」

木の幹に背中を預けながら、ルルーシュとニアはゆっくりと息を整えていた。
ビクトリームは地面に身を投げ出して、ゼエハァと必死に呼吸を整えている。
――禁止エリアになるまでに余裕もあるし、小休止してから移動すべきだな。
そう判断し、ルルーシュは世間話代わりにニアの質問に答えることにした。

「襲撃者が取ってきた戦術は、急降下と急上昇の繰り返しによる一撃離脱戦法だ。
あれはまず前提として、上空からターゲットを定めなければならない。森の中にさえ逃げ込んでしまえば、攻撃はできないさ」
「ブルワァァァァァァ!ルルーシュよ、てかそれってもし襲撃者が我輩たちの位置を特定できた場合どうしてくれんだコンチクショウ!」

復活したらしいビクトリームが、ルルーシュに疑問をぶつける。
これは思ったより早く移動できるかもしれないとルルーシュは思いつつ、一つの事実に背筋を凍らせた。
――ああ、マズイ。名前で呼ばれることに段々と慣れてきた。

「ちょっと上を見上げてみろ、ビクトリーム」
「ん?」
「この樹海の中を直進してきたら、枝に引っかかってとても痛いと思わないか?」

想像してしまったのか、ビクトリームはガクガクと恐怖に震え始めた。
いったい何を想像したのかは気になったが、止めた。股間を押さえやがったからだ。

「……どうやら、みんな動けるようになったみたいだな」
「オォイもやしっ子、逃げるときに我輩と小娘に引きずられてて一番楽してやがった奴のセリフじゃねぇだろと我輩は思うのだが」
「大丈夫そうだな」

ルルーシュがニアの方を見ると、彼女は元気強くガッツポーズで答えた。

「よし、それじゃあ移動を開始しよ「キャッ!」――」

パキパキという枝が折れる音と共に、ルルーシュたちの目の前に少女が落ちてきた。
見覚えのない顔だったが、見覚えのある槍と服装から、ルルーシュたちは彼女が何者なのかを即座に理解した。

「馬鹿な、なぜ場所が分かった」

思わず漏らしたルルーシュの疑問をよそに、少女は頭に引っかかった葉っぱを払う。
そしてルルーシュたちの存在に気づくと、とても嬉しそうな表情を浮かべた。

「初めまして、私はリュシータ・トエル・ウル・ラピュタ。シータと呼んで下さい」


 ■


シータがルルーシュたちを発見できたのは、本当に偶然だった。
ストラーダに跨って上空から森を見張っていたところ、木々の隙間から白い何かをシータは発見したのだ。
他に手がかりとなりそうなものもなかったため、シータはすぐにその白い何かがあった場所へストラーダを走らせ――

「そういう理由で、また会うことが出来ました」

にっこりと笑い、シータはルルーシュが思わず呟いた言葉への返答を済ませた。
呆れた夜目だと、ルルーシュは苦々しくシータを見つめる。

「ブルワァァァァァ!小娘Mk-Ⅱ!貴様いきなりこの華麗なるビクトリーム様とその下僕たちに襲い掛かってきて、何をノォン気にしてやがる!
 とりあえず土下座して泣いて謝れば許してやらんこともないかなぁと我輩は思わなくもないぞブルワァァァァァァ!」
「……そうですね、すいません。初めからちゃんとお願いしておくべきでした」
「む、むぅ、貴様妙に物分りがいいな。まあ分かればいい、分かれば」

啖呵を切ったビクトリームだったが、シータがしおらしい態度を取ったため気勢を制されることになった。
どうでもいいことだが、小娘Mk-Ⅱとはやはりシータのことなのだろう。
ルルーシュはこの時点でなんとなく不穏なものを感じ、腰元にあるベレッタM92に手を伸ばしていた。

「ええとすいません、みなさんには一度死んでもらいたいんです」

言い終えた瞬間に、シータが消えた。
……少なくとも、ルルーシュたちにはそう見えた。
ルルーシュたちが風が通ったかのような錯覚の後――ビクトリームの胴体が、二つに分かれた。

「ビ、ビクトリームさん!」
「くそっ!」

自らの対応の遅さを悔やみながら、ルルーシュはベレッタM92を抜いてシータを探す。
シータは、すぐに見つかった。
消えた地点からルルーシュたちを挟んでちょうど反対の位置――つまり、シータがいた地点とルルーシュたちがいる地点を結んだ直線状にいた。
その事実に、ルルーシュは寒気を覚えた。
簡単なことだ。シータはルルーシュたちの横を通り抜け、その行きがけにビクトリームを真っ二つにしていったということだ。
ただ、そのスピードが段違いに速いという一点を除いて。

「どういう心算だ、俺たちを最初に襲った時、それだけのスピードがあれば簡単に殺せたはずだ」

ルルーシュの言葉に、シータは困ったように答える。

「……ごめんなさい、そこまで深く考えてなかったんです」

シータはただ、素人ならではの奇襲を思いついたまま実行したに過ぎない。
ルルーシュたちを初め襲ったときにそれは役に立たないことを知り、今度は以前行った方法を取っただけのことだ。
狂人め、とルルーシュは吐き捨ててベレッタM92の引き金を引く。
銃声をあげ、鉛弾がシータの体を目指す。
しかし、銃弾はその途中で唐突に出現した光の幕により弾かれることになった。

「……枝に引っかからなかったのも、そいつのせいか」
「はい、ストラーダが私のことを守ってくれるんです」

ベレッタM92を構えたまま、ルルーシュは忌々しそうに舌打ちする。
状況は、絶望的だ。
銃が通用しないということは、既にルルーシュの打つ手は――ギアスしかない。

――ギアスを使わざるをえない。
――しかし、ニアに気づかれないように、さらに見えないほどの速さで動く標的と目を合わせなければいけない……

ルルーシュが瞬時に数パターンの作戦を考え、緊張を高めたとき――ニアが、あまりにも無造作にルルーシュの前へと出た。
即座に下がれと言おうとしたルルーシュだが、それをニアは手を上げることで制した。
黙々と、ニアはシータのすぐ近くまで歩き始める。
シータは、困った。無防備に近づくニアが、何かの罠にも見えるし、本当に何も考えていないように見えたからだ。
結局どうしようか悩んでいるうちに、ニアとシータはお互いに手を伸ばせば触れられる位置まで近づいていた。

「私の名前は、ニアといいます。シータさん、私はあなたに聞きたいことがあります」
「……はい、なんでしょう」
「先ほど『一度』死んで欲しいと言っていましたけど、それはどういう意味ですか」

真っ直ぐ、鋭く問うニアにシータは少し気圧された。
――大丈夫、ストラーダが守ってくれる。同じ女の子ならエドを殺した黒服みたいなことはない。

「言ったとおりの意味です。安心して下さい、ちゃんと私が螺旋王のおじさまにみなさんを生き返らせてもらえるようにお願いしますから」

パァンと、小気味いい音が森に響いた。
ニアが、シータを平手打ちにしようとしたのだ。
バリアジャケットの性能のため、ニアの掌はシータの皮一枚挟んだところで止まっている。
だが、ニアはそんなもの関係ないとばかりに叫んだ。


 「あなたは、ムカつきます!」


もう一度、ニアは平手打ちを行った。先ほどと同様に、パァンという音とともに手が止まる。

「ドーラおばさまからあなたのことを、パズーさんのことも聞きました!
 あなたがパズーさんや、ドーラおばさまが死んでしまって悲しいことは分かります!
 でも、だからと言って人を殺して大切な人を生き返らせるなんて、間違っています!」

また、パァンとの小気味いい音が森に響いた。


「それは、あなたの価値観の問題です」


今度は、シータがニアの頬を叩いたのだ。


「私も、それは間違っていると思っていた時があります。
 けど、言峰神父が言ってくれました。
 全ては、人の価値観次第なのだと。
 ……人を殺して、大切な人を生き返らせることのどこが間違っていることなんですか?
 それに殺してしまった人も生き返らせれば、殺したことなんて『なかったこと』になりませんか?
 私の願いは、どこが間違っているのですか?」

シータは今まで見せた笑みと違う、ぞっとするほど妖艶な笑みを浮かべた。
ルルーシュはひとまず言峰神父という人物を脳内の警戒リストに書き加え、思考する。
――こいつは、ひょっとして言いくるめれば篭絡できるか。

「もし、螺旋王が嘘をついていたらどうする。君は殺人者で、大切な人も戻ってこない。得るものも返ってくるものも何もないぞ!」
「それなら、大丈夫です。私、死んだはずなのに生き返っていた人と出会ったことがありますから。
 螺旋王が人を生き返らせてくれるのは、間違いないはずです」
「……なんだと」
「たぶん、本当です。私はシモンの兄貴さんは死んだと、シモンから聞いていました。
 けど、ビクトリームさんはこの会場でシモンの兄貴さんと出会ったと言っていました」

ニアがシータの言葉を肯定したが、ルルーシュはそれでも信じきることはできなかった。
――いや、信じたくなかったのかもしれない。
――もしもそれが本当だとしたら、俺は、スザクを……
ルルーシュに起きた危険な考えをよそに、頬を押さえ黙っていたニアが再び口を開いた。

「それで、あなたは生き返った人に、なんて言うんですか」
「……え」
「褒めてくれると思っているんですか、頑張ったねって言ってくれると本当に思っているんですか!」

パァンと、また平手打ちの音が炸裂した。
シータがニアを叩いたのだが、当のシータは驚いた顔でニアの顔を見つめていた。
ニアの言葉を聞いて、まったく無意識に手が動いていたからだ。

「い、いいって言ってくれます!だって生き返ったんだから、よくやったって、頑張ったってパズーも言ってくれます!」
「言ってくれるわけありません!」

パァンと、何度目かの平手打ちの音が響く。
今度はニアがシータを叩き、今回も皮一枚のところで手が止まった。
しかし、シータにあった余裕は一気に無くなってきていた。

「あなたがやっているのは、悪いことです!恐ろしいことです!絶対に、褒められないことです!」

シータにとって、それは古い価値観だ。
何の感慨も沸かない、捨て去ったもの。
それでも、シータは間違いなくニアに追い詰められていた。

「あ、あなただって大切な人に生き返って欲しいでしょうに!」

起死回生を図るため、シータは絶対に反論できないはずと考える言葉をぶつける。 
しかし、シータ自身が言ったように――そんなもの、所詮人の価値観の問題なのだ。

「いりません!私の大切な人は!シモンは!ヨーコさんは!ドーラさんは!マタタビさんだって!みんなこの胸に、一つになって生きています!」

目に涙を浮かべ、はっきりとニアはシータの言葉を拒絶した。
ニアは、これまで以上に大きく手を振りかぶる。


 「これは、私の胸にある、シモンの!」


なぜか、シータにはその手がこれまでの平手打ちと違うって怖いものに見えた。
逃げようとしたが、足が竦んで動けなかった。


 「天を、突く、ドリルです!」


雄たけびと共に、ニアの腕が振り下ろされた。
パリンと何かが割れる音がして、瞬時にパァンと音が重なる。
頬に強い痛みを感じながら、シータは足元から崩れ落ちた。





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