衣 野性の闘牌 ◆lDZfmmdTWM
「おお、早い!
思ったより早いぞ、こいつ!」
「少し揺れますけど……慣れてくると、面白いですね」
風を切り、軍馬は全力で野を駆ける。
そのスピードは、先頭に座り馬を操る衣の想像ですら超える程だ。
三人の少女を背に乗せている事など、まるで意に介していない……寧ろ、その所為で逆に漲っているのかもしれないが。
流石は奥州筆頭
伊達政宗が愛馬と言うべきか。
そして、衣と藤乃もその状況を少なからず楽しんでいる。
「…………」
しかし、その一方。
黒子だけは―――極力表情やしぐさには出さない様にしているものの―――やはり僅かながらの戸惑いが心に残っている。
いや、それは戸惑いと安易に呼べるものではないだろう。
―――そして……心の支えたる、
衛宮士郎への言葉に出来ない想い。
あらゆる感情が入り混じり、整理がつかない。
言わばこれは、一種の混沌だ。
(……駄目ですわね、私は)
そんな己自身に、黒子は内心自嘲するしかなかった。
今は共に歩む二人の為にも、感情を抑えなければならないというのに。
普段やりなれていない事を無理にしている為だろうか、難しいものだ。
兎に角、このまま黙っていては気分的にまた辛くなってくる。
ここは自分も会話に加わり、少しでも気を紛らわせるのが一番だろう。
「天江さん、ギャンブル船に入ったらやはり麻雀を?」
故に黒子は、何気なく発言をした。
これから向かうギャンブル船にて、天江は間違いなく麻雀を行うだろう。
聞けば彼女は、先程もグラハムやヒイロ、
ファサリナの為に単身戦いを挑み勝利を収めたという。
その時同様に、今持っている1000万のペリカを更に増やす事。
それは強力な武器や役立つ道具の入手へと直結し、別行動をとるグラハムと阿良々木……更には士郎への援護ともなりうる。
もっとも、衣には多少の負担をかける事となってしまうが……
「うむ、まかせておけ!
勝ってまた、必ず皆の役に立ってみせるぞ!!」
当の本人は、寧ろ望むところという心意気であった……振り返り見せたその笑顔が、それを証明している。
黒子の超能力や藤乃の魔眼、士郎の魔術といった異能の力もなくば、グラハムが持つ様な戦場での心得もない。
そんな彼女がこの場において唯一皆の役に立てることは、麻雀に他ならない。
他者から見れば負担であれど、衣にとっては、共に肩を並べ戦える事が嬉しかったのだ。
「……分かりました、期待してますわよ」
こうあっては、黒子も危険だからやめろとは言えない。
軽いため息をついた後、衣に激励の言葉をかける。
ここは彼女の言葉と力を信じ、見守る事こそが最良に違いない。
それに……もしも自分が同じ立場なら、同じ行動をとっていただろうから。
◇◆◇
「これがギャンブル船……思っていたよりも、ずっと大きいですね」
「なんでも、エスポワールという名前の船らしいぞ」
やがて、しばらくした後。
三人は特にこれといった危機に遭遇する事も無く、無事にエスポワールへと到着する事が出来た。
今はギャンブルルームを目指し、真っ直ぐに船内を歩いている最中だ。
ちなみに言うまでもないが、伊達軍の馬は船の入り口に手綱を繋ぎ止めてある。
流石に、この狭い船内に馬を持ちこむなんて真似は出来るわけがない。
仮にしたとしても、小回りも利かずスピードも十分に出せない通路内では、乗馬は無謀そのもの。
馬に利用価値があるとすれば、精々その巨体を利用して盾にするぐらいだろうか。
「さて……いよいよですね」
そして、いよいよ三人は船の中心部。
目的地のギャンブルルームへと繋がる、大きな扉の前に立った。
ここまで来ると、流石に三人の表情も険しくなる。
藤乃と黒子は、これより始まる衣の闘いに向けての期待と不安が入り混じった思いから。
そして衣自身は、背負わなければならぬ重荷がある故に。
各々が一度、息をのんだ後……衣はゆっくりと、その扉を開く。
「ようこそ、ギャンブルルームへ」
扉を開き、出迎えたのは一人の黒服。
その姿を確認するや否や、衣はすぐに用件を伝えた。
「すまない、これから麻雀をやりたいのだが構わないか?
勝負方式はオンラインで頼む」
「負けた時の支払には最高で2500万ペリカ必要だが、持っているのか?」
「血液で頼む」
最初と一語一句、まるで違わぬ黒服からの言葉。
衣にとっては、既に聞くまでもない内容であり、そして返答も同様だった。
しかし……それを聞いて、藤乃がとっさに間へと割って入る。
「ちょっと、待ってください……天江さんは1000万円分のペリカードを持っています。
だったら全部血液じゃなくても、1000万を越えた場合の負け分のみ血液で払うという事は出来ないんですか?」
それは純粋に、衣の事を心配しての質問だった。
この方法ならば、最初から血液を賭けるリスクを無理に冒さなくていい。
万が一負けたとしても、失血死に陥る可能性は少ない筈だ。
ならば、完全にとは言わないものの、衣の安全を少なからず保証する事が出来る。
「可能だ。
その場合は、本来東風戦終了後に行われる血液清算にペリカを用いる事になる。
清算の際は開始時からのマイナス分が100点につき10万ペリカ、超過した分は100点につき10ccの血液採取だ。
また、手持ちのペリカードは清算に使用するので、勝負終了までこちらで預からせてもらう」
当然、主催側もこういった提案が出される事は予想していた。
よって折衷案のルールは前もって用意されており、適用する事は可能。
藤乃はそれを聞き、思わず安堵の笑みを浮かべる。
「よかった……これなら、もしも天江さんに何かあったとしても、少しはマシになりますよね」
「浅上……すまない、礼を言うぞ」
己が身を案ずる藤乃に、衣は素直に礼を言った。
仮に完全な血液清算だとしても、生きて乗り切る自信は十分にある。
しかしここは、彼女の為にも敢えてこのルールでいこう。
友の想いに、そして期待に答える為にも。
「では、血液採取とペリカの折衷ルールで構わないな?」
「うむ、すぐに用意してくれ!」
◇◆◇
(……これは……?)
数分後。
拘束具を身につけ、卓に座る衣の前に予想外の光景が現れた。
今回もまた前回と同様、足りない人員は全て主催側の補充人員なのだが……
問題は、その者達の名前にあった。
東一局
東家 ギャンブル船:25000(親)
南家 UNKNOWN1:25000
西家 UNKNOWN2:25000
北家 UNKNOWN3:25000
(衣以外の三人が、UNKNOWN……清澄の嶺上使い!?)
そう、先刻の対局と比較すればまるで異質。
衣を除く全ての相手は、正体不明のUNKNOWNとして表示されているのだ。
卓に座る衣自身は勿論のこと、傍から見ている黒子と藤乃にとっても、この事態は十分に異常と感じ取れる。
龍門渕の面々が相手であった時と比べて、明らかに意図的と言えるだろう。
そして、衣は先における牌譜を見てこのUNKNOWNが清澄の嶺上使い……即ち
宮永咲の木偶であると看破している。
つまりこの勝負……劣化品といえど、衣は三人の宮永咲と対する羽目に陥ったのだ。
(もしかして……天江さんの勝ちを、警戒している?)
黒子はこの異常事態に対し、天江の勝ちを防ぐ為の策だという推測を立てる。
先の一戦においては、天江は大勝を果たし相当数のペリカを入手している。
いや、そもそもそれ以前の段階において、カイジと利根川の馬鹿勝ちがある……
参加者にそう何度も勝たれては、向こう側としても都合が悪いに違いないのだろう。
(だったら、この勝負……天江さんには分が悪いのでは……!?)
この勝負は、四人が競い合うものではない。
事実上、三対一による戦いだ。
麻雀というゲームにおいて、それがいかなるハンデであるかは……
例えルールを知らぬ素人であろうとも、十分に分かる。
(……それでも……衣は、負ける為にはいかないのだ!!)
それでも、衣は引かない。
黒子を助ける為に背負った負債を、必ずや清算する為。
後ろより見守る二人に勝って答える為。
稼いだペリカによってグラハム達を助ける為。
全ては友の為、例え如何なる敵が相手でも衣は戦い抜き勝利しようと意思を固めていた。
そして、いよいよ始まる一戦目。
ドラ表示牌は北……即ち、ドラ牌は東。
衣は手牌を確認し、何を切るのが最善かを考慮する。
●衣手牌
一二三九九123ⅠⅡⅢ白白 ツモ牌は北。
(※以下、漢数字を萬子、英数字を筒子、ローマ数字を索子として扱う)
(よし……チャンタ三色、更に白で上がれば役牌もつく。
それなら満貫手で12000、九萬で上ったとしても11600……良い手を引けた)
幸運と言うべきか、衣の手は既にテンパイ状態にあった。
それも30符4飜の良手……ここに白の暗刻が加われば、5飜の満貫手だ。
そして、ツモ上がりならば跳満で18000。
更にダブリーを仕掛ければ、倍満にだって届く。
誰の目から見ても、幸先の良いスタートと言える手だ。
(しかし……ここでのリーチは、出来るならば避けたい)
だが、衣はダブリーを加算しての倍満を狙いはしなかった。
ダブリーはそれだけで2飜稼げるが、同時に相手の手牌に対してまるで防御が出来ない諸刃の刃。
それを、出だしたる東一局目……それも親番である大事なこの場で使うのには、抵抗があった。
ましてやこの勝負は、借金の返済がかかった大一番……
優れた雀力を持つ衣といえども、今回ばかりは慎重な打ちにならざるをえない。
(この勝負……絶対に、衣は勝たなければならない。
慎重にいかねば……!!)
よって、衣はツモ牌の北をダブリーをかけず普通に切る。
基本はこのチャンタ三色、九萬と白によるシャボ待ち。
無論出る牌次第では、待ちの切り替えも考慮に入れている。
そして、四者共にこれといった動きを見せぬまま三巡目に突入。
この時の衣の捨て牌は、北と五筒……そしてツモ牌は八索。
(八索……)
このツモ牌に、衣は少し考えさせられた。
と言うのも、この牌を切るのには不安要素がある……それは対面。
西家の捨て牌が、七索と九索なのだ。
(七索と九索切り……しかもこの九索は、ツモしてから捨てるまでの時間が少しあった。
悩んだ結果に捨てた牌、ということは……)
衣の脳裏に、嫌な予感が走る。
この八索……西家は対子で持っているかもしれない。
七索と九索切り、しかも九索は悩んで捨てたとあれば、七八九の索子による順子を狙えた手牌である可能性が高い。
そして、東家の捨て牌は北と一萬、南家の捨て牌は中の対子落としときた。
原材料だけでは、どうしても安全と言いきれぬ……厄介な牌だ。
ならばこれはキープし、役を崩して別の牌を切るか……否。
(しかしまだ三巡目、張っているとも思えない……
もし本当に対子で持っているなら、この牌を最後まで持っておくのは寧ろ危険か……!!)
衣は敢えて、切る決断をした。
まだ勝負は三巡目、相手が張っている可能性は低い。
ならば逆に、牌を切るチャンスは手が完成する今しかない。
鳴かれる可能性もあるが、それはそれで構わない。
八索の明刻とくれば、それなりに相手の手が絞り込めるからだ。
そして、ツモ牌の八索が場に切られる。
しかし……衣の予想通り、西家は確かに八索を持っていたのだが。
『カン』
「明槓……!?」
それは、対子ではなく暗刻だったのだ。
三枚の八索が場に倒され、衣の捨てたそれと合わせて明槓となる。
続けて新ドラ表示牌が開かれ、よりによって現れたのは九萬。
ドラこそ一つ乗るものの、衣の待ち牌は一つ潰されてしまった。
西家はそのまま、嶺上牌を引き……ここで、事態は更なる加速を見せる。
『カン』
「なっ……!!」
何と、嶺上牌による二度目のカンが起きたのだ。
カンされた牌は六筒、捲られる新ドラ表示牌は西。
そして……二度ある事は三度あるとでも言わんばかりに、引き抜かれた嶺上牌は。
『カン』
カン宣言され、場に四枚の南が倒される……!!
新ドラ表示牌は再び北、これで西家は三槓子を達成。
衣の傍から見る藤乃と黒子は、信じられないという様子で画面を見つめていた。
そして、対戦の当人たる衣もまた驚愕の表情を浮かべている。
(……しまった……!!)
油断をしていた。
例え本物には遠く及ばぬ木偶と言えど、相手は清澄の嶺上使い。
その得意とする戦法をとってくる事ぐらい、予想出来た事ではないか。
即ち、この後に襲いくる攻撃は……!!
宮永咲の十八番――――嶺上開花……!!
『ツモ。
三槓子、嶺上開花、8000』
●西家UNKNOWN2手牌
六七ⅤⅤ ツモ牌は五、副露牌は8888 ⅥⅥⅥⅥ 南南南南。
裏ドラは乗らず。
「……大明槓による嶺上開花。
衣の責任払いか……」
通常のツモ上がりと違い、大明槓には責任払いが伴う。
衣は己の捨て牌を大明槓された事により、この8000点を一人で責任払いさせられてしまった。
その上に親番を蹴られるという、痛い出鼻であったが……
(……慎重に打っていたつもりで、焦っていたか……)
衣は、己の敗因が何かを分かっていた。
一巡目の時点では、慎重に打たなければと心がけていた。
しかし三巡目では、その逆……やや強引ともいえる攻めに出てしまった。
あの場では無理にテンパイ維持をせず、手を一度崩し再構築するのが安全だったというのに。
勝ちを焦り過ぎてしまったのだ。
この勝負に『勝たなければならない』という気持ちが強く出過ぎてしまったのだろう。
その結果が、木偶にも負けるこの様だ。
(だけど……まだ取り戻せる。
勝負はここからだ!!)
東一局目 終了
東家 ギャンブル船:17000(親)
南家 UNKNOWN1:25000
西家 UNKNOWN2:33000
北家 UNKNOWN3:25000
【F-3 ギャンブル船・ギャンブルルーム/一日目/真夜中】
【
天江衣@咲-saki-】
[状態]:健康、首輪爆発まであと10時間(現在の負債:1億ペリカ)
[服装]:いつもの私服
[装備]: チーズくんのぬいぐるみ@コードギアス反逆のルルーシュR2
[道具]:麻雀牌セット、レイのレシーバー@ガン×ソード、水着セット@現実、エトペン@咲-Saki-
サンドイッチ@現実×10、ミネラルウォーター@現実×20
[思考]
基本:殺し合いには乗らない、麻雀を通して友達を作る。
1:友の為、この闘牌を乗り切る。
2:誰にもバレないように、負債を返済する。
3:グラハムを信じる。
4:《はらむらののか》と《清澄の嶺上使い》を救い出したい!
5:ギャンブルではない麻雀をして友達をつくる。
6:チーズくんを持ち主である『しーしー』(
C.C.)に届けて、原村ののかのように友達になる。
7:皆が望むとあらば麻雀に臨みペリカを入手する。
8:
インデックスと友達になりたい。
9:浅上、白井とは友達になれた……?
[備考]
※利根川を帝愛に関わっていた人物だとほぼ信じました。
※Eカード、鉄骨渡りのルールを知りました。
※エスポワール会議に参加しました。
※ユーフェミアの外見的特長を把握しました。
※『黒子の仮説』を聞きました。
※ヒイロ・ファサリナと情報交換し、今まで判明した情報を『エスポワール・ノート』で整理しました。
※エスポワール船底に『ジングウ』が存在していることを知りました。
※ギャンブル船にて機動兵器が売られていることを知りました。
※帝愛グループに1億ペリカの借金をしました。借金は定時放送を迎えるごとに、倍額になります。
7時32分までに借金を返済出来ない場合、首輪が爆破されます。
※
阿良々木暦らと情報交換をしました。
※伊達軍の馬はギャンブル船の入り口に止めてあります
※1000万分のペリカードは、清算の為麻雀終了まで黒服に預けてあります。
※自分でも気づかぬ内に、勝ちを焦っていると感じています。
【
白井黒子@とある魔術の禁書目録】
[状態]:健康
[服装]:常盤台中学校制服、両手に包帯
[装備]:スタンガン付き警棒@とある魔術の禁書目録
[道具]:基本支給品一式、ペーパーナイフ×6@現実、USBメモリ@現実、沢村智紀のノートパソコン@咲-Saki
[思考]
基本:士郎さんと共に生きてこの世界から出る。
0:士郎さん…約束…。
1:衣の事が心配、彼女の闘牌相手の動きに驚愕。
2:士郎さんが解析した首輪の情報を技術者へ伝え、解除の方法を探す
3:お姉さまを生き返らせるチャンスがあるなら……?
4:士郎さんが勝手に行ってしまわないようにする
5:士郎さんが心配、意識している事を自覚
6:士郎さんはすぐに人を甘やかす
7:少しは士郎さんを頼る
8:アリー・アル・サーシェス……
9:イリヤって士郎さんとどういった関係なのでしょう?
10:危険人物を警戒。
浅上藤乃も含む。
[備考]
※本編14話『最強VS最弱』以降の参加です
※空間転移の制限
・距離に反比例して精度にブレが出るようです。
・ちなみに白井黒子の限界値は飛距離が最大81.5M、質量が
130.7kg。
・その他制限については不明。
※Eカード、鉄骨渡りのルールを知りました。
※エスポワール会議に参加しました。
※美琴の死を受け止めはじめています。
※帝愛の裏には、黒幕として魔法の売り手がいるのではないかと考えています。
そして、黒幕には何か殺し合いを開きたい理由があったのではとも思っています。
※衛宮士郎の【解析魔術】により、首輪の詳細情報(魔術的見地)を入手しました。
上記単体の情報では首輪の解除は不可能です。
※
原村和が主催者に協力している可能性を知りました。
※バトルロワイアルの目的について仮説を立てました。
※衛宮士郎の能力について把握しました。
※衣の負債について、気づいていません。
※阿良々木暦らと情報交換をしました。
※帝愛グループは、ギャンブルに勝ちすぎた参加者側を妨害すべく動いていると推測しています。
※伊達軍の馬はギャンブル船の入り口に止めてあります
【浅上藤乃@空の境界】
[状態]:頬に掠り傷(処置済み)、全身に軽い刺し傷(処置済み)、力を使うことへの僅かな恐怖心・及びそれを克服する覚悟
[服装]:浴衣@現実
[装備]:軍用ゴーグル@とある魔術の禁書目録
[道具]:基本支給品一式、
[思考]
基本:今までの罪を償っていく
1:衣の事が心配、彼女の闘牌相手の動きに驚愕。
2:今まで自分が殺してきた人の知り合いを探す。
3:阿良々木さん、天江衣、白井黒子を守る。
4:サーシェスを敵視。
5:人を凶ることで快楽を感じていた事を自覚し、その自分に恐怖する。
6:
織田信長を警戒。
[備考]
※式との戦いの途中から参戦。盲腸炎や怪我は完治しており、痛覚麻痺も今は治っている
※藤乃の無痛症がどうなっているかは後の書き手にお任せします。
※魔眼を使おうとすると過去の殺人の愉悦の感覚 を思い出してしまいます。
ですがそれらを克服する覚悟も決めています。
※阿良々木と情報を交換しました。
※グラハムらと情報交換しました。
※衣の負債について、気づいていません。
※帝愛グループは、ギャンブルに勝ちすぎた参加者側を妨害すべく動いていると推測しています。
※伊達軍の馬はギャンブル船の入り口に止めてあります
◇◆◇
「…………」
同時刻。
自室にて原村和は、ディスプレイにリアルタイムで映し出されている衣の試合を眺めていた。
和もまた、衣らしからぬその打ち筋には理由共々気づいている。
黒子の治療の為、背負わされたという一億の借金……それが間違いなく、重圧を与えているに違いない。
更に言えば、咲のAIが三人がかりという異常事態もまた、手伝っているのだろう。
(……最低ですね、私は)
和は、衣に三体のUNKNOWNを差し向けた自身を嫌悪した。
彼女がこの様な奇異たる行動を取ったのには、当然理由がある。
『天江衣が背負っている一億の負債を、そう簡単に返させては面白みがない』と。
衣が易々と勝利を掴めぬよう手を講じろと、上からの圧力があったのだ。
和からすれば、それは非情の宣告だった。
自分の友人をその手で妨害する等、彼女にとっては苦痛以外の何物でもないのだ。
しかし、逆らう訳にはいかない……逆らえば、咲の命がどうなるかが分からないのだから。
よって彼女は、衣の闘牌にUNKNOWN三体を差し向けるという案を出した。
本物には劣ると言えど、咲を元にしたAI……それが三体がかりならば、衣も混乱し苦戦するに違いないだろうからだ。
(けど……)
しかし同時に、この策には実は抜け穴も存在している。
それは先の兵頭戦で見せたAIの行動。
死ぬ寸前だった兵頭を振り込みで救うという、和の予想を越える一打だ。
帝愛グループには、咲の行動を元にしたが故の仕様と伝えてある。
そしてこれは、絶対に起こるとは限らない博打。
何も起こらず終わる可能性の方が寧ろ高いだろう。
それでも、もしあの時と同じ事が起きるならば……まるで咲の意思が、衣を救おうとして動くかの様な事があれば。
(……ほんの僅かでも、私は帝愛に対して抵抗を行えたことになる……)
【???/飛行船・原村和の部屋/一日目/真夜中】
【原村和@咲-Saki-】
[状態]:健康、少々の自己嫌悪
[服装]:私服
[装備]:エトペン@現実
[道具]:デスクトップPC×数台、会場監視モニタ×数台、質問対応マニュアル(電子ファイル)
[思考]
基本:帝愛に従い、咲さんを救う
1:衣の闘牌を見守る。
2:闘牌の展開次第では、僅かでも帝愛の目論見をつぶせる……?
3:役割(麻雀・サポート窓口)をこなす。
4:咲さんが心配。一目だけでも無事な事を確認したい。
5:どうせ打つなら守る為の麻雀を打ちたい。
6:
忍野メメを警戒。従ってはいるものの、帝愛は許せない。
7:【円形闘技場】、【象の像】、【遺跡】が帝愛にとっての最重要施設?
8:私には、帝愛に与えられた役割を果たすことしかできないんでしょうか……?
[備考]
※登場時期は最終回の合宿終了後です。
※基本的に自分の部屋から離れられません。
※監視されていること、異世界から集められていることを知っています。
※【櫓】が鬼門封じの重要施設。【円形闘技場】、【象の像】、【遺跡】のどれか、もしくは全てがこの島の最重要施設だと考察しています。
※UNKNOWNのAIが、衣の味方をするか否かに一か八か賭けています。
※以下の事柄はSOA!と思っています。
・死者が蘇る。
【質問について】
参加者の居場所
サポート窓口を利用可能になった時点で回答可能。
※但し一回の放送ごとに利用できるのは一人までで、居場所が分かるのも二人までです。
特定人物を殺害した人間の名前
※但し一回の放送ごとに利用できるのは一人までで、殺害者名が分かるのも二人までです。
殺し合いに巻き込まれた理由、殺し合いの目的
サポート窓口を利用可能になった時点から四回目の放送以降、回答可能。
原村和について
サポート窓口を利用可能になった時点から三回目の放送以降、回答可能。
特定の人物の同行者
少なくとも、サポート窓口を利用可能になってから一回目の放送を越えた時点では回答不可。
※ルルーシュからの質問が回答可能なものかどうかは、後続の書き手氏にお任せします。
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最終更新:2010年09月20日 23:07