らすぼす ◆fHywygcDNs



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空が鳴動し、大地が激震し、海が荒れ狂う。
この世の終わりか、天変地異もかくやという光景の中心に彼の者は君臨していた。
天に輝く月さえも、上座を取るのは恐れ多いと背後から照らすは豪奢なローブに包まれた白き顔(かんばせ)。
肌が白い、などというどころでではない。
白は白でも人肌とは異なる禍々しくも美しき白――骨の色。
眼窩に灯る悍ましき血の色の光を明滅させながら、骸の王は暴威を振るう。
その威容、その威光。確かにこの魔王なら、世界の一つや2つ、滅ぼすことも容易いだろう。
そう納得させるだけの王気(オーラ)が彼にはあった。
腕の一振るいで大気を薙ぎ、足の一踏みで大地を割る。
ただ、歩いているだけで世界さえも跪かせる。
恐ろしや、あな恐ろしや。
ああ、まさかかくも恐ろしき偉大なる王の暴虐が、絶対支配者の蹂躙が。

ただの、地団駄だとは誰も思うまい。

「クソがああああああああああああああああああああああッ!!!」

威厳あふれるその姿とはあまりにもかけ離れた低俗な罵倒で声を荒げる。
これ程の存在が口にすればただの罵倒でさえも、竜をも殺す呪詛にもなろう。
あまりの恐ろしさに、心弱きものなら頭を垂れるかもしれない。
それでも今の彼の荒れようは、絶対支配者が見せるにはあまりにもみっともない姿だった。
彼を至高のものとして慕ってくれている配下の前ではおいそれと晒すことのできない醜態であろう。
だが構うまい。
何故なら今の彼は、ナザリックの支配者アインズ・ウール・ゴウンは。独りぼっちなのだから。

(そう考えると本当の本当にソロなのは久し振りだな)

激昂がぴたりと止み、冷静に心のなかで呟く。
アンデッドであるアインズは、感情の高ぶりが一定度を超えると、強制的に抑制されるのだ。

(今まではどこに行こうにも心配したアルベドたちがお供をつけようとしてきて。
 それが息苦しくも感じたけど今思えば嬉しくもあったんだよな。
 ソロプレイは寂しい。それを俺はよく知っているから)

アインズ・ウール・ゴウンにはかつて素晴らしい仲間たちがいた。
否、自らと仲間たち、みんなでこそアインズ・ウール・ゴウンだ。
アインズ・ウール・ゴウンとは仲間たちと共に組織したギルドの名前だ。
アインズは誉れ高き名を、仲間たちの元へと届くよう名乗っているに過ぎない。

アインズ・ウール・ゴウン――本名、鈴木悟。キャラクター名、モモンガ。
彼は孤独な小卒サラリマンだった。
マッポーに勝るとも劣らないディストピア、そこで生を受け、幼くして母を失い、負け組として社会の歯車へと組み込まれた。
そんな彼にとって、体感型ゲームDMMO-RPGユグドラシルでの仲間たちとの日々は遅れてきた青春だった。
初めて出来た友人たちと過ごした黄金の日々は今も、アインズの胸に焼き付いて離れない。

けれど、オンラインゲームとはいつかサービスが終了するものであり、それ以前に、プレイヤーたちは引退していくもの。
一人、また一人と仲間たちはゲームを辞め、モモンガの元を去っていった。
分かっている、分かっているのだ。
仲間たちは別に誰も、モモンガのことを嫌いになったわけではない。
ただ、現実が忙しくなったから。ゲームよりも大切にしないといけないことがあるから。
そっちを選んだだけ。裏切りでもなんでもない。
そこまで分かっていて尚、それでも、モモンガには仲間たちに置いて行かれたという想いがあって。
遂に独りになってしまってからも、仲間たちが帰って来てくれるかもしれないとずっとずっと待ち続けていた。
待ち続けて、待ち続けて、待ち続けて。ユグドラシルのサービスが終了した日。
モモンガは再び独りではなくなった。
仲間たちが残してくれたナザリック大墳墓のNPCたち。彼ら彼女らが意思を持ち、モモンガと共に異世界へと転移したのだ。
以降モモンガは、仲間たちが残してくれた子どもたちとも言えるNPCを守ろうと奮起。
アインズ・ウール・ゴウンを名乗り転移後の世界で組織を固めようとしていたのだ。
特に此処数日はNPCの一人であるシャルティア・ブラッドフォールンが何者かに洗脳されてしまった事態を鑑み、
ナザリックの強化計画を実行したいたのだが……。

(なのに俺は奪われた奪われた奪われた奪われた!)

結果はご覧の有様だ。
アインズは支配者で在るにも関わらず、配下のNPCたちを守れず、のうのうと連れ去られてしまった。
憤怒しながらも、クールダウン時に確認した名簿には、ようやく洗脳を解いたはずのシャルティアだけでなく、アルベドやデミウルゴスの名もあった。
それだけではない。
地図にはナザリック大墳墓まで記載されているではないか。
それはつまり、アインズたちだけが個別にさらわれたというわけではなく、ナザリックが丸ごと占拠されてしまったということではないか?
名簿に記載されていない他の階層守護者や領域守護者、セバスや戦闘メイドに一般メイド他のNPC、ついでにハムスケはどうなっている?
洗脳されてしまったのなら“まだいい”。
しかしNPCたちの忠誠心の高さを知っているが故に、アインズは最悪の想像をしてしまう。
NPCたちはもしも洗脳されそうになれば、いいや、そうでなくとも捕虜となりアインズの足かせになるようならば。
まず間違いなく死を選び、自害するだろう。
その光景があまりにも容易く目に浮かび、アインズの憎悪が再燃する。

「殺してやる! 殺してやるぞおおおおおおおおおお、光覇明宗! ダーハラアアア!」

怒髪、天を衝くとはこのことか。
骸骨であるアインズに髪などないが、それでも憎悪のままに蹴り上げた一撃は大地を割って尚飽きたらない。
海を切り裂き、停泊していたやたら大きな船を大きく揺さぶる。
そこでようやっと感情抑制だけでない自制の念が働き、アインズは振り上げていた足を下ろした。

(落ち着け、まずは落ち着くんだ、俺! この先どうするか、まずはそれだけを考えろ!)

殺してやると粋がっったところで、今のままだとそれは難しいだろうとアインズは感情とは裏腹に理解していた。
ナザリックに仇名し、仲間たちが残してくれたNPCをも害する殺し合いの運営たちにはなんとしても罰を与えてやらねばならない。
だが今のアインズはその強みである大量のアイテムを全て奪われた状態だ。
NPCたちはアインズこそ最強であると信じて疑わないが、そうでないことはアインズ自身がよく知っている。
アインズの強さはあくまでもプレイヤースキルとアイテムに支えられたものであり、いわゆるガチ構成ではないのだ。
加えて、今回は相手の強さも検討がつかない。
はっきり言ってしまえ分からないことだらけなのだ。

アインズはシャルティアの件以前から、自らに匹敵する存在によるナザリックへの襲撃を警戒していた。
しかしながら、どうにも今回の事件はそういうものとは違うように思えてならない。
見せしめとして殺されようとしていた少女やダーハラの服装一つをとってもそうだ。
彼らの服はアインズが鈴木悟だった頃の現実世界のものに準拠していた。
アインズの目の前に在る巨大な船だってファンタジー世界のものではなく、現実世界寄りだ。
ならばここは現実世界か? 
ゲームの世界から異世界へと転移したように、今度は転移後世界からモモンガの姿のまま現実へと引き戻されたのか?
そうとも言い切れないのだ。
空を見上げる。真夜中の空には煌めく星々と大きな月が輝いていた。
アインズの知る環境破壊が進み、スモッグに覆われた現実世界の空とは程遠い景色だ。
大体あの世界で殺し合いをしようものなら、生身の人間を放り出せば即有毒な大気にやられておじゃんではないか。
少なくともここは、アインズの知る現実世界ではない。となると……。

(まさか更なる別世界か?)

ない、とは言い切れない。
だがそうなるといよいよ厄介だ。
強さの基準が分からない。
光覇明宗の僧侶や黒炎とやら位ならまだいい。
アンデッドであるアインズは僧侶との相性的な問題に加え、先述した少女の服装に考え込んでしまったこともあり見せしめの場面では動かなかったが。
あのくらいなら戦えないわけではない。
ただ、少女を守ろうとした男の強さ、そして意思の強さはアインズをして眼を見張るものがあった。
もしも殺し合いの運営や、名簿に記載された人間たちが皆あの基準に達しているとしたら。
最悪、例えばあのダーハラがレベル100のアインズを軽く上回るレベル200であり、そんな強者たちがうじゃうじゃといたとしたら?
……頭の痛くなる思いである。

(分からないものを考えていても仕方がない、か。
 とにかくはまずアルベドたちと合流することと、この世界の人間についての情報収集だよな。
 前者はナザリックへと向かいさえすれば問題ないか。
 彼女たちもまずそこへ向かっていそうだし)

NPCたちの合流を抜きにしても地図上のナザリック大墳墓には気になる点がある。
こうして自分や守護者たちがさらわれている時点で説得力はないが、ナザリック大墳墓とは難攻不落のダンジョンなのだ。
全十階層からなり様々なギミックや宝物庫まであるダンジョンを、果たして殺し合いの地に設置するだろうか。
最悪、ナザリックに引きこもれば、それだけで死なないまで在る。
というかうっかりナザリックに入ろうものなら迷ったり罠にハマったりでやはり殺し合いどころではなくなる。
殺し合いを台無しにしたり遅滞させること間違い無しなのだ。
なのでもしかしたらこのナザリック大墳墓は名を騙っているだけのレプリカみたいなものなのではないか。
そうであるなら他のNPCたちが無事な確率は大きく跳ね上がる。
……些か楽観的な考えであるのは自分でも理解しているのだが。
本物なら本物でナザリックの機能さえ生きていればNPCの状態を確認したりなどできることは多い。
確かめに行って損はないだろう。
後は後者についてだが……。

「!?」

思考の時間はそこまでだった。
自らの起こしたものではない轟音と共に、アインズの頭上に影が落ちる。
月が何か巨大なものに覆い隠されたのだ。

「《ヘイスト/加速》!」

そのことに気づいたアインズはすぐさま加速の魔法を自らにかけ、大きく後ろに飛び退くと共に、目を凝らす。
先程までアインズが居た位置に遅れて降ってきたのはアインズ――否、鈴木悟もよく知る巨大な機械と見知らぬ少女だった。



               ・



恵飛須沢胡桃は精神的に追い詰められていた。
混乱のあまりおかしくなっていたとさえ言ってもいいだろう。
確かに彼女にとってあのシャベルは唯一無二の相棒とも半身とも言える存在だ。
それでも普段の彼女なら、シャベルを学園生活部の仲間たちより優先して探すということはしなかっただろう。
だが、その学園生活部の仲間の不在こそが問題だった。
かつてずっと好きだった先輩を自らの手で殺してしまった時、心が壊れかけた彼女を救ってくれたのは学園生活部の仲間だった。
泣くこともできず、先輩だったものを無心に壊し続ける胡桃を、丈槍由紀が止めてくれた。
由紀が自分の代わりに泣いてくれたからこそ、胡桃も泣くことを思い出し、心を取り戻せた。
以来胡桃はずっとずっと学園生活部を守り続けた。時に我が身を省みない程に。
もしかしたらそれは自罰的な行いだったのかもしれない。
好きだった人を自らの手で殺してしまったことへの償いとして学園生活部を守ろうとしていたのかもしれない。
或いは自分の幸せを自分から手放してしまったからこそ、せめて大好きな学園生活部のみんなには幸せになってほしいと思っていたのかもしれない。
学園生活部を守るという使命感で壊れそうな心を繋ぎ止めていたのかもしれない。
そんな彼女にとって、あのシャベルは、罪の象徴であり、背負うべきものであるとともに力の象徴でもあった。
一番殺したくない人を一番最初に殺してしまったシャベル。
あれさえあれば胡桃はどんな相手でも殺すことができた。
もう自分は先輩を殺してしまったのだからと言い聞かせて。
“かれら”は人間じゃないと何度も何度も迷いを振り払って。
人間だった“かれら”を、人間だった頃の心が残っているかもしれない“かれら”を何人も殺し――何体も倒し続けた。
でも、そこまでして尚、胡桃は、学園生活部を守れなかった。奪われてしまった。

(ゆき! りーさん! みーくんはいないようだけど、一人あの学校に残されていて生きながらえるなんてできんのかよ!?
 それに何でめぐねえが名簿に載っている!?)

思い出すのは最悪に次ぐ最悪の日。
先輩を殺した日以上に最悪な日が来るなんて思っても居なかった日。
めぐねえを守れなかった日。めぐねえに逆に守られてしまった日。

(嫌だ! あんなのはもう嫌だ! これ以上大好きな人たちを失いたくない!
 だけどあのシャベルがなくちゃあいつらを守れない!)

このままゆきやりーさんを保護した所で、今の自分では仲間のことを守れない。
だからこそ胡桃は何よりもまずシャベルを探した。
彼女にとっての力の象徴を。それがあれば一線を超えて“かれら”を――人間をも殺せるようになる罪の象徴を。
探して探して学園艦を駆けまわった。
邪魔な障害物をアスタコNEOの馬力とショベルで強引に壊して回りながらも探し続け、時には探索に便利な道具も回収し、それらも駆使して。
だけど見つけることができなかった。
そんな時だった。
学園艦が何かがぶつかったかのような衝撃とともに大きく揺れたのは。

「なんだなんだ!? “あいつら”か!?」

学園生活部時代の癖で、身を隠すためにアスタコを降りて這いながらも学園艦の縁から回収していた双眼鏡で覗き見る。
そこにいたのは“あいつら”ではなかった。
“あいつら”などという生ぬるいものではなかった。
ゲームや漫画の中の悪の魔法使いを思わせる豪奢なローブで身を包んだ髑髏の怪物。
憎悪を振りまくその姿は、胡桃にとっては生者を憎む死者の王に他ならなかった。

(嘘、だろ……。な、なんだあれ……。
 やつら、なんてものじゃない。次元が違う……)

“かれら”を相手に前線で戦っていた胡桃だからこそ一目見ただけでも分かる。
あれは“かれら”と比べるのもおこがましい程の絶対者だ。
そう、まさに“かれら”の頭目に相応しき魔王――。

(まさか、まさかあいつが、“やつら”の親玉か!?
 先輩をあんな風にして、めぐねえをあたしたちから奪った“やつら”の親玉か!?)

胡桃が勘違いしてしまうのも無理は無いだろう。
ゾンビ蠢く世界の住民である彼女の前に、此処ぞとばかりにゾンビと同じアンデッドでかつ、いかにもラスボスといった骸骨が現れたのだ。
これで誤解しないほうが難しい。

「…………」

胡桃は動いた。
シャベルがなければ守れないなどという理屈を吹き飛ばす怒りによって、冷静にタガの外れたまま“やつら”の親玉を殺しにかかる。
這ったままアスタコの元まで戻り、ギアをフルスロットル。
学園艦の上層部をカタパルトにし、加速し、そのまま最高速に乗った時に、アスタコごと艦の縁から飛び出した。
狙うは、圧殺。
自由落下の重力が胡桃を襲うが、怒りに囚われた彼女は、それに苦しみを感じない。
眼下の骸骨がこちらに気づいたのだろう、大きく飛び退くのが見える。

(バレた! 仕留め損なった!)

ならば構うまい。
できれば不意打ちで仕留めたかったからこそ、無言で奇襲を仕掛けたが、それがもう意味をなさないというのなら。
溜まりに溜まった行き場のなかった怒りを、奴にぶつけるまで。
着地の衝撃によるアスタコへのダメージは鑑みない。
今はそれよりもただ、目の前の骸骨を轢き殺す!

「てめえ、“あいつら”の親玉だな! せんぱ……っ、めぐねええの仇いいいい!」

先輩の仇、とは言えなかった。
彼を殺した罪は自分が背負うべきものなのだから。



               ・



アインズ・ウール・ゴウンは強者である。
強大な魔法の力と、異形種故の人間を圧倒する身体能力でこれまで多くの敵を葬ってきた。
その中には機械系の敵や巨大なモンスターもいた。
そんな彼だが、実はアームで殴りかかり突撃してくるショベルカーを前にして割りかしビビっていた。

(しょ、ショベルカーだと!? いやちょっと待て、人身事故は洒落にならないぞ!?
 そんなものを人に向けるんじゃねえ!)

今でこそアンデッドだが、元人間の鈴木悟としては、迫り来る車というのは本能的に怖いものなのだ。
特に鈴木悟の生きた世界では過労による建設機械の事故なんて珍しいものではなかった。
生半可な機械系モンスターよりも、人間時代の残滓を刺激するリアルな機械のほうがアインズ的にはビビってしまうのである。

(ええい、落ち着け、落ち着くんだ、俺! あれをショベルカーだと思うからダメなんだ!
 モンスターだと思え! 双頭或いは双腕のモンスターだと!)

アンデッドの強制クールダウンに加え、なんとか自己暗示で冷静さを取り戻すアインズ。
とりあえず飛行魔法で陸戦用のショベルの射程外に逃れるも、敵の少女は窓から乗り出し銃火器を手にしてアインズを撃ってくる。
普段なら銃火器の弾丸程度無効化できるアインズだが……。

(魔法やスキルに制限がかかっている上、あの銃火器が果たして俺の知る銃火器とは限らないな。
 外見は俺の知るものと大差なくとも、異世界の銃器かもしれない。
 そして異世界の武器に俺の知る銃器の常識を持ち込むのは危険だ。
 下手に防いでも貫通されかねないし、避けれるものは避けねばならん)

アインズは自身に施された制限を理解していた。
かつて鈴木悟がアンデッドの身体を得て、自らの能力を調べようとした時のように。
自身の身体に意識を向けることで、自らの魔法やスキルにかかった大まかな制限を感じ取っていたのだ。
伝達の魔法や転移魔法の無駄撃ちをせずに済み、魔力を温存できたのは不幸中の幸いである。

(飛行魔法の消費魔力も増えている。回復アイテムや魔力消費軽減装備がない今、このまま浮き続けるのは得策ではない。
 そもそも夜間かつ高度を調整しているとはいえ、飛行魔法は目立ち、狙撃される危機もある。
 まああれだけ騒ぎを起こしておいて今更だが……。馬鹿か俺は!)

怒りのあまり、冷静さを失っていたことをアインズは自省する。
殺してやると叫びながら大地を刳り船を揺さぶる。これではどう見ても危険人物ではないか。
その上周囲への警戒も怠っていた。
アイテムを剥ぎ取られているとはいえ探知系の魔法などでいくらでもやりようはあったはずだ。
自らの弱体化に気づいていたのだ。
尚更、割くべきところには魔力を割いてでも、敵襲や他者との接触には備えておくべきだった。
極めつけは自身の容姿だ。
機能を封じられた宝玉を始め、外見だけ模された豪奢なローブに、本体の髑髏。
異形種は非常に不本意ながら一般的に人類種から目の敵にされている。
アインズに至っては意識して悪の親玉ロールプレイをしているせいで誤解されるのも仕方ないのだが。
ともあれ幻影魔法……ではばれた時大変だから、道具作成で仮面でも作って被っておくべきだったのだ。

「待て、こちらに戦意はない! 驚かしてしまったことは謝罪する!
 船にいる者達にもだ! 私は確かにアンデッドだが、お前たち生者を憎みもしなければ食らいもしない!」

アスタコ側を飛び越え、学園艦側に降り立ち、謝罪の言葉を口にする。
船の中に他にも人がいるかもしれない以上、学園艦の中にも届くよう声を張り上げてだ。
他のエリアから更に人を呼び寄せてしまう危険性もあったが、背に腹は代えられない。
それに他人の目を気にするなら、より一層誠意を見せることは重要である。
本当は頭も下げるべきとこだが、万一そのタイミングでアルベドたちがやってきたらややこしいので今はこれが限界だ。

「どの口が、あたしたちから奪うだけ奪っておいてどの口が!」

しかしその行為はどうにも少女にとっては火に油を注いだだけのようだった。
吐き捨てるとともに引き金が引かれ飛んでくる弾丸の雨。
アインズはそれをかわしつつも、手が出せないでいた。
敵が強いから、ではない。
確かにアスタコの速度とパワーはバカにできない。
骨故の弱点である打撃属性なことも相まって、上位物理無効化Ⅲが使えない今のアインズを傷つけることができるかもしれない。
とはいえそれはアインズが専守防衛に回っているからだ。
機械の弱点でありがちな雷魔法の一つ二つ撃ちこめば容易に破壊することはできるだろう。
無論、あのショベルカーが異世界産の魔法防御もバッチリな可能性もあり、とくに魔法反射装甲でないかは注意しなければだが。
ただ、アインズが攻撃を躊躇っているのは自らに非があることと、ショベルカーの装甲を警戒してだけではない。
アインズの魔法による破壊に、少女が巻き込まれるのを気にしているのだ。
大規模な魔法では間違いなくコクピットの少女をも殺してしまう。
かといって小規模な魔法でも相手は重機だ。
ガソリンにでも引火して大爆発、なんてことになるかもしれない。
腐食魔法などで腐らせればなんとかなるかもだが……。
ともあれ、アインズとしては、少女を傷つけることは避けたかった。死なせるなんて以ての外だ。
この戦いは、アインズの自業自得な誤解から生じたかもしれないこと。
アインズがその主張通り危険人物ではないというこの戦いを見ているかもしれない者達へのアピール。
アインズに無闇矢鱈に人の命を奪う趣味はないということ。
分からないことだらけのアインズは、鈴木悟の生きた世界を思わせる服装の少女から話を聞きたいこと。
そして何よりも――

(“あいつら”の親玉と言ったな? まさかあいつら――アルベドやデミウルゴス、シャルティアが何かしたのか!?)

この少女はアインズが何よりも気にかけているNPCたちと接触しているかもしれないのだ。

(奪われたって、うわー。あいつらならやるよなー……)

アインズが支配するナザリック大墳墓は言ってしまえば異形種の巣窟だ。
一人を除いてアンデッドや悪魔であるNPCたちは、ギルドが人間種による排斥から生まれた過去もあり、人間種・亜人種への蔑視感情が濃いのだ。
その上NPCたちはアインズ・ウール・ゴウンこそが最強だと信じており、相手を見下しすぎる面もある。
油断が過ぎて強さも分からない出会ったばかりの人間相手に襲いかかることも十分有り得る。
というかめっちゃ目に浮かぶ。

(シャルティアは、論外……。い、いや、前回の事で反省してくれているか?
 アルベドは……頭いいのに俺が関わるとダメになること多いからなー。
 お前だけが頼りだ、デミウルゴス! ナザリック一の頭脳を誇るお前ならきっと軽はずみなことはしてないよな!? 
 してないと言ってくれええ!)

伸びくるショベルアームをかわしつつも、思わず頭を抱えたくなるアインズ。
最終的には何よりもNPCたちが大事なアインズだがそれはそれとして余計な軋轢は産みたくないのだ。
何よりもここに集められた者達の力がわからない以上、下手な襲撃は返り討ちに合う可能性もある。
そこが心配でたまらないのだ。
だからこそ、アインズはなんとしても少女の言う“あいつら”の話を聞かねばならない。
そのために説得の言葉を重ねてるのだが……。

いや。

本当なら何も説得する必要はないのだ。
バレた時や他人の目を考えれば印象が悪くなるが、いざとなればドミネイト・パースンの魔法なりで精神操作をする手もあるのだ。
効くかどうかは相手の耐性などにも左右されるが、効いてしまえば少女を傷つけず、重機も止めさせ、情報も聞き出せる。
これ以上にない解決案だ。
それでもそれをしないのは――

「返せ、返せよ! めぐねえを、学園生活部のみんなを! 先輩とのあの綺麗な日々を! 返して、くれよ!」

失ってしまった日々を、失ってしまった人々を。
求め、泣きじゃくるかのように涙も流せず訴えてくる少女に、思うところがあったからかもしれない。

「そうか。お前も……最高の時間がずっと続くと信じていだのな……」

――こんな綺麗な日々が、ずっと続くと思ってた

続かなかったから、少女は泣いている。
続かなかったからこそ、アインズはここにいる。

「時よ止まれ、お前は美しい――。ああ、私も、そう思っていたよ」

第十位階魔法《タイム・ストップ/時間停止》。
はっきり言ってこれは、最善手とはいえない。
運営による制限により、時間停止の消費魔力は格段と増やされていることに加え、ここでの使用は他の者たちの目に止まり対策される危険性も生まれる。
だが、それがどうした。
どうせ時間停止なんてLV70位上のプレイヤーには対策されてて効かないものなのだ。
ならば感傷的に使ってもよいではないか。
あの黄金の日々を永遠に望んだことの、何が悪いというのだ。

全てが零れ落ちてしまった今更に止まった時間の中、アインズはショベルカーのコクピットへと降り立つ。
少女や重機が時間停止対策をしている可能性も考え、いくつか別の手も用意しておいたが、どうやら不要らしい。
ちゃんと止まっていることを認識し、少女が銃を撃つために開けていた窓から手を伸ばす。
時間停止中は他の物体に干渉することはできない。
なので時間停止を解除する。

「……え」

勝負は一瞬。
少女の意識が現実に追いつく前に、レバーなどを操作して重機を止める。
流石のアインズもショベルカーを操縦した経験はなかったが、そこは立派な社会人だ。
車なら日頃から運転していたし、無理やり車を走らせたことがある程度の少女でも操縦できる重機を止められないわけがなかった。

「な……な……な……」

少女が暴れだすよりも早く、アインズは少女を担ぎ上げコクピットの外へと引きずり出す。
ようやく現実を認識した少女は暴れだすが、重機及び銃器から離した以上は安全だろう。
アインズが、ではない、少女が、である。
アインズが普通に近づくのでは少女が抵抗するのは目に見えていた。
下手に重機を止めようにも、少女は狂乱し、最悪コクピットから落ち自身の重機に轢かれるなり、銃を振り回し暴発や跳弾で死ぬ可能性もあった。
そういった事故死を防ぐためにアインズは時間停止により、少女に必死の抵抗をさせないようにしたのだ。

「離せ、離せよ!」

抱きかかえられた少女の拳がアインズを打つ。
幸い、少女の拳はアインズを傷つける程ではなく、間抜けにも実はモンクだった少女に撲殺されました―、などという最後は回避できたようでほっとする。
アインズは殴られるがままに殴られ、無言のまま少女を立たせ、されど逃げられないよう強く肩は掴んだまま正面から見据える。

「…………っ!」

少女が口から漏れ出かけた悲鳴を噛み殺したのが分かる。
強い少女だ。
絶望のオーラを出していないとはいえアインズの威容に正面から見つめられ、それでも気合を奮い立たせている。
きっと彼女が言うところのあの綺麗な日々は彼女にそれだけの勇気や怒りを与えてくれるものだったのだろう。
だからアインズも誠意を以って、かけがえのない日々に誓う。

「改めて口にしよう。私はお前の敵ではない。
 アインズ・ウール・ゴウンの名に誓って、私はお前から、奪わない」

ショベルカーも銃火器も破壊することはせず、少女を無力化したのはその証だ。

「あい、あいんず・うーる、ごうん? な、何だよ、それ。
 あんたらの名前かよ……」
「そうだ。私の名前であり、私の最高の仲間たちの名だ」

それはアインズが見せれるだけの最大の誠意だった。
たとえ非がNPCにあったとしても、アインズはどこまでもNPCたちの味方だ。
この先、少女と敵対することもあるかもしれない。
だけど今だけは。一人ぼっちになってしまった少女の拳を黙ってアインズは受け入れていた。

「何だよ、最高の仲間ってなんだよ……」

打つのは、拳だけではなかった。
アインズには今はもう流せない熱く切ない水滴が、骸の身体を濡らしていく。

「人間じゃないのにしゃべるなよ! 人間みたいなことを言うなよ!
 そんなの、そんなのやれなくなっちまう……!」

涙が滴り落ちるとともに、拳からも力が抜け、少女は膝をつく。
万能の支配者とされるアインズも、少女の涙を止めるすべはしらなかった。
ただ、何かに縋るかのように、溜め込んでいたものを溢れ立たせる少女がしがみついてくるがままにさせていた。



               2



少女、恵飛須沢胡桃がぽつりぽつりと語った話は、アインズにとっても有益な情報だった。
まず、彼女が言うところの“あいつら”とは幸いアルベドたちのことではなかった。
胡桃の世界では生者のゾンビ化が横行しており、大事件になっているという。
アインズができるのはあくまでも死者のアンデッド化だ。
あまりいい印象は持たれないのは理解しつつも、容姿から幾らか察しているであろう少女に、その辺りを伏せることはしなかった。
胡桃は案の定割り切れない様子を見せたが、それでもそういうものだとは飲み込んでくれた。

「あたしも一応知ってたんだ。職員室で見つけた資料からあの事件はどうも薬品か何かで起きたものなんだって。
 人間の仕業みたいだって。それが分かってたのにあんたを目にした時いてもたってもいられなくなって。
 殺そうと、したんだ。ごめん、アインズさん……」
「事情が事情だけに誤解も仕方ないだろう。私の方こそ、お前の誤解を助長させてしまうような無思慮な行動をとってしまっていた。
 ……それに私も元人間だからな。お前たちの世界の事件の黒幕がアンデッドになっていないとも限るまい」

アインズもまた、幾つか伏せたり省略した経緯はあれども、自分が元人間で、アンデッドとして異世界に跳ばされたことを伝えていた。
アインズが元人間であることは、そこまでして伏せることでもないだろう。
ナザリックの面々にはアインズが自然発生した至高の存在のように捉えている者もいるが。
骸骨のアンデッドである以上、生前があるのは想像できることであり、NPCたちに知られた所で信用をなくすほどではないはずだ。
それよりも、胡桃たちの世界を知るには、転移前の現実世界のことを持ちだしたほうが話を聞き出しやすかったのだ。
おかげでかなり分かったことがあった。
恵飛須沢胡桃は人間時代のアインズこと鈴木悟が生きていた頃よりも一世紀ほど過去の人間であるらしい。
それでいて鈴木悟の生きていた時代の歴史にはゾンビ化事件の記録はなかった。
政府か何かの手で隠蔽されたという可能性もあるが……。
人類が滅ぶかどうかの瀬戸際から、ゾンビを駆除し、ゾンビ化を止め、あのディストピアを一世紀で築くというのは中々に難しいのではないか。
そうなると、やはり異世界、より正確には平行世界、なのかもしれない……。

「そっか。……“あいつら”にも、さ。心が残ってるんじゃないかってりーさんが話てことがあったんだ。
 あたしはそれを考えないようにしていた。考えたらあいつらを倒せなくなっちまうから。
 あの時、あたしを噛まないで突き飛ばした先輩の行為の意味を考えてしまうから……」
「……“あいつら”とやらがどこまで私の知るゾンビと同じかは知らないが。
 一般的に下位アンデッドには意識は残っていないはずだ」
「アインズさんは喋ってるじゃん」
「私は最高位アンデッドだからな」

疑惑が完全に解けたわけではないだろうとしても、胡桃がこうしてアインズの話を聞いてくれているのはその辺の理由もあってだろう。
胡桃の知る“かれら”はゾンビになってからも学校に通っていたらしい。
その様子を見て胡桃の仲間は、“かれら”にも人間の心や記憶が少しだけ残っているのではと思ったそうだ。
がっこうが大好きなんだよとはまた別の仲間の言葉とのこと。
あいにく小卒のアインズには中学校というのがどんなものかは分からないが、存外今のアインズも似たようなものかもしれない。
ギルド“アインズ・ウール・ゴウン”が大好きだからこそ、仲間たちがいなくなろうとも彼はユグドラシルにログインし続け。
アンデッドになってからさえもアインズ・ウール・ゴウンを保ち続けている。

「ずるいなー。みんながみんなアインズさんみたいになってたら、あたしたちもまた違ったのかな。
 アインズさんはさ。アンデッド? になった時、どうだったんだろ。
 ……ごめん、無神経な質問だった」
「構わんよ。私もこういう話をするのは初めてだからな。
 逆に無神経で恐縮だが、存外楽しんでいるのかもしれない。
 ……自分がアンデッドになってると知った時は驚いたよ。わからないことだらけの中必死に自分を取り繕いもしたさ」

日常が日常のまま非日常になりゾンビにあふれた世界の中、出会えた仲間たちと生きてきた胡桃。
日常から非日常へと転移し、自らもアンデッドとなり、仲間たちの残してくれたNPCに囲まれたアインズ。
似ているところも対になるところもある二人は、少しだけ通じることもあってか、誰にも言えない雑談に花を咲かせる。

好きだった先輩の話。いつも助けてくれためぐねえの話。
失恋した時に慰めてくれたゆきの話。いざというときを任せられるりーさんの話。
頼れて可愛い後輩なみーくんの話。意外と頭のいい太郎丸の話。

骸骨ではご飯が食べられなくて、時々羨ましくなること。
骨が引っかかって身体を洗うのも一苦労で色々工夫してみたこと。
感情の強制沈静化により、嬉しいことや楽しいことさえも長く感じれいられないのが煩わしいこと。

アインズはナザリックに害さない範囲で、支配者ではないアンデッドとして苦労している自分の内情を話した。
胡桃が気にしていることであり、或いはアインズとしても誰かに聞いて欲しかった愚痴である。
もちろん、胡桃が気を許してくれる中で、彼女の語る学園生活部のように、アインズもアルベドたちのことは少し話した。
愛情が行き過ぎるアルベド。ハードルを上げてくるデミウルゴス。現在進行形で意気消沈しているシャルティア。
嘘は言ってないが幾つか隠しつつ、胡桃がNPCたちを敵視しないような話から伝えていく。
そうしてしばしの雑談込の情報を終え、アインズはこれからを尋ねた。

「それで恵飛須沢胡桃よ。お前はこれからどうするのだ」
「あたしは……やっぱりシャベルを探したい。あれはあたしにとって大事なものだから」

たかがシャベルを、とはアインズには笑えなかった。
そのシャベルがアインズに支給されてたなら、情報量として胡桃に渡していたはずだ。
胡桃から先輩との経緯を聞いていたことやシャルティアを討った時のことに加えて、アインズもまたアイテムを運営に奪われている。
あれはアインズと仲間たちとの輝かしい日々の思い出であり、その仲間たちから預かっている物も含まれているのだ。
取り戻したくないわけがない。ただ――

「でもそれ以上にりーさんやゆきはほっとけない。めぐねえのことだって気になるんだ。
 今のあたしには力がないけど、それでもそれを言い訳にしたくない。今度こそ死なせたくない、殺したくない。
 願いを叶えてやるとか言われても、“あいつら”を知っている以上、生き返るなんてろくな想像できないしさ」
「奇遇だな。私もアイテムよりも何よりもアルベドやシャルティア、デミウルゴスが気がかりだよ」

いざとなればナザリック大墳墓を放棄してでもNPCたちを逃がそうとしていたように。
アインズはどれだけの課金アイテムやワールドアイテムよりも、自らを慕ってくれている友人の子のようなNPCたちを選ぶ。

「なればこそ恵飛須沢胡桃よ。お前に目的地がなければだが、私とともに来ないか?
 無論いざとなれば、お前はお前の仲間たちを優先して構わない。私とてそうさせてもらう。
 それでもよければその間はお前を守ってやろう」
「あんたが? いや、アインズさんがすごいのはよく分かったけど何でそこまで」
「一度アインズ・ウール・ゴウンの名に誓った手前もあるが。
 何よりこれは私にとっても利益となる話だからだ」

アンデッドが一般的に忌避されているのは嫌なほど知っていたが、そこに胡桃の世界の話だ。
此処から先も胡桃と同じ世界の住民を始めとした、アインズがアンデッドだからと排斥しにかかる者が出てくる可能性は高い。
名簿にクマレンティーヌの名前があったのも見過ごせない。
殺したはずの彼女が蘇生させられたのだとしたら、アインズの悪評を流されるおそれがある。
そんな時に、アインズは話の通じないアンデッドではないと訴えてくれる人間の同行者がいれば。
情に甘い相手や理性的な相手なら耳を傾けてくれるかもしれない。
胡桃を庇う手間などを差し引いても、無駄な戦いを回避できるメリットは十分あるのだ。

「どうだ? 私にはお前の言うところの力があるぞ。それはよく分かったであろう」
「……分かったよ。なんだか複雑な心境だけど。
 お願いします、あたしの友だちとシャベル探しを手伝ってください!」

半ばやけっぱちも込で体育会系で身についた動作で頭を下げる胡桃にアインズも応える。

「パーティー、成立だな。それではよろしく頼むぞ、恵飛須沢胡桃」

ぽん、っと肩を叩こうとして止める。
何も彼女は自分の配下に入ったわけではないのだ。
パーティを組むときにはどうしていたかなとユグドラシル時代やモモンとしての日々を思い起こす。
そうこうするうちに、胡桃のほうが頭を上げ、動いてくれた。
やはり、体育会系だ。

「よろしく、アインズさん」

差し出された生身の手に、骨の手を重ねる。
このパーティがいつまで続くか分からない。
それでも確かに今は、生者と死者の道は交わっていた。



               ・



かつて人間であり今はアンデッドであるアインズ・ウール・ゴウン。
今は人間であるも未来ではアンデッドとなり得た恵飛須沢胡桃。
彼と彼女の願いは、想いは叶わない。
彼らの道が交わる裏側で、既に彼らが守りたかった者たちの道は絶たれた。
時は、止まらない。
その先に待つのが悲劇でも望まぬ未来でも、ただ進み続けるのみ――。


【H-1 学園艦前の海岸/黎明】
【恵飛須沢胡桃@がっこうぐらし!】
[状態]:健康
[装備]:双腕仕様油圧ショベル「アスタコNEO」@現実?
[道具]:支給品一式、MINIMI軽機関銃(200発マガジン。残弾6割ほど)、双眼鏡など学園艦で調達したサバイバル用品
[思考・行動]
基本方針:
1:友達を捜し出して守るためにアインズと同行する。
2:愛用していたシャベルを探す。

【アインズ・ウール・ゴウン@オーバーロード】
[状態]:健康、魔力消費(小)
[装備]:なし(装備は全没収。モモンガ玉も機能停止)
[道具]:支給品一式、不明支給品1~3(確認済み)
[思考・行動]
基本方針:
0:ナザリック及びギルド:アインズ・ウール・ゴウンに害するものを許さない。
1:アルベド、シャルティア、デミウルゴスが気がかりなため一刻も早く合流したい。
2:他のNPCも心配。様々な情報を得る意味でも地図上のナザリック大墳墓に向かう。
3:ナザリックを優先した上で、胡桃は保護。他の参加者とも理由なく争うつもりはなく友好的に接したい
4:分からないことだらけなので慎重に行動し、情報を得たい

※自身への制限は大体理解しています。
※容姿はアニメとかでお馴染みの基本スタイルですが、アイテムとしての防御力は持ちえません。
※アニメ終了後時期からの参戦です。(対リザードマン準備中)


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006Shovel Knight 恵飛須沢胡桃 022:女神のもとにアンデッドは集う
アインズ・ウール・ゴウン 022:女神のもとにアンデッドは集う

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最終更新:2016年09月20日 16:25