情報を制す者は人生を制す

空の色は未だ漆黒に覆われていたが、すでに殺し合い開始から二時間もの時が経過していた。松雪集は、一人空を見上げている。
既に赤いコートの男は殺した。引き返す道など無いのだ。
それに、今の集には絶対に負けない武器がある。
騎士王のサーヴァント、セイバー
魔術云々の話は正直世界が違いすぎて意味はあまり理解できなかったが、荒耶の作った術により、魔術の志を持たない者でも契約が可能にされているらしい。
セイバーにはあらかじめ、集は自分が優勝したならお前には令呪を使って自害してもらうと包み隠さず伝えたが、嫌がるそぶりはなかった。
焦らなければ、あの日々は帰ってくるんだ。
集は自らに言い聞かせる。しかし物思いにふける時間はなかった。

「アツム、敵を発見しましたが…殺害しますか?」

「言うまでもねえよ」


「面倒なことになったお…荒耶って奴はマジキチだろ常考」

ダルこと橋田至は、岡部と比べてあまり焦ってはいなかった。
自他ともに認める天才ハッカーのため、かなり危険なことにも関わってきた。現にまゆりを殺害したSERNにもハックしていた。
当然、岡部より科学の知識に乏しい橋田には、まゆりが名簿に載っている意味は不明。

荒耶の誤植ではないかとさえ思えてくるほどだ。

「……まあ最寄りのネットカフェにでも行きましょうかね。デイバックに確かUSBメモリが…お!ベレッタktkr」

『スーパーハカー』橋田至は、確か近くにあったと思われるネットカフェを探すべく歩き始めた。お気に入りのアニソンなんかを口ずさみながら。


「(やば…見つかった…?)」

中川かのんは、スミスアンドウエスンを片手に持ちながら、集たちの動向を伺っていた。会話の内容から、簡単に殺し合いに乗っていると判断できた。
しかし、あと一歩のところで騎士王セイバーに気配を察知されてしまったのだ。
追ってくるのはセイバーのみ。片手には風のようなものーーー剣を隠す『風王結界』を持ち、人では無理な早さで走行してくる。
セイバーの頭をねらって発砲したが、この近距離からでも弾は両断された。
集だけでも倒せれば。しかし、セイバーを倒さなければ弾は当てられない。
完全な詰みだった。

「弱いもの虐めはよくないだろー」

間延びした声がした。そこにいたのは、正直とても相手にならなそうなメガネデブだ。
しかしながら知っているだろうか。
戦時下において一番恐ろしいのは情報の誤認識。

たった一つの誤情報を流しただけで、時には数百人単位の兵力が失われることもある。
だからこそ『スーパーハカー』はそれに頼る。相手によってはギャンブルよりずっとリスクは上がってしまうが、そこは腕の見せ所だ。

橋田はUSBメモリを見せる。

「この中には首輪の爆破コードが入ってる。もしこのメモリのコードが飛んだりすれば、そのエリアすべての首輪が爆発されるお」

明らかに集は眉を潜めた。ミスリードを誘っているのだろうか、とも考えられたが、しかし橋田の話し方はどうも嘘には思えなかった。
何分魔術なんてものを使う主催のことだから、得体のしれない最新機器を所持していたって別に不思議はない。
利口なのは退くことだろう。
どちらにせよ、次に会うときには不意を突いて殺し、USBを破壊させなければいいだけの話なのだから。

「退くぞ、セイバー。さすがに分が悪すぎる」

「し、しかしマスター、」

「いいんだよ、こいつら二人逃したってまた二人殺せば同じなんだから」

【深夜/c-6】
【松雪集@あの花】
[思考・行動]
基本:優勝してあの日常を取り戻す。
1:一旦退く。次は不意を突く
※セイバーと契約しました

【セイバー@Fate/stay night】
[思考・状況]
基本:集を守り、優勝させる


「はあ~緊張したお。某アニメの生放送みてもう何も怖くないとか言ってた自分にティロフィナーレしたいお」

「あ、あの!助けてくれて、ありがとうございました!」

かのんはぺこり、と頭を下げる。
一方橋田は

「駄目だお、俺の三次の嫁はフェイリスたん…いや、でも…」

【橋田至@Steins;Gate】
[思考・状況]
基本:ゲームには乗らない。

【中川かのん@神のみぞ知るセカイ】
[思考・状況]
基本:殺し合いには乗らない



観測者の戦い 投下順 理想の果てに
愛する貴方へ花束を 松雪集 血の舞う夜に
愛する貴方へ花束を セイバー 血の舞う夜に
GAME START 橋田至 日陰の戦い
路地裏と舞台の反逆同盟 中川かのん 日陰の戦い

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最終更新:2011年07月06日 20:44
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