きっと、終わりは始まりの時。

c-6エリア、ネットカフェにて。橋田はキーボードを打つ作業に追われながら、怒りを覚えていた。放送にて、ラボメンの一人である椎名まゆりの死が告げられたのだ。
許せなかった。その肉体を八つ裂きにして、火にくべてやりたくなる。

「(……落ち着け。冷静さを欠いたらハッカーは負けだお)」

そして、橋田は続ける。
だが、彼はまだ知らない。最悪の科学者と最高の親友が奇しく同じタイミングでこの場所に向かっていることを。彼は知らない。数分後ここに広がる光景を。


「………ダル?」

橋田至は、ついに成し遂げた。
常に首輪を起爆されるリスクと戦いながらも荒耶のセキュリティをわずかに、少しずつ切り崩していき、ようやく首輪の解除コードを入手した。
それと同時に、彼の最大の親友の声がした。

「オカリィィィン!!イッツアグゥゥゥッドタイミィィィングだお!」

「何かテンション変だぞこの人……」

ようやく、喜びを分かち合うときがやってきたのだ。
しかしーーーーー。


乾いた銃声が連続した。

「橋田さ…逃げ…」

中川かのんは胴体に無数の穴を開けられながらも、その言葉だけ言い残して息耐えた。戦慄が走る。銃声の先を凝視する。

「こっちだよ、馬鹿が」

「ーーーーー岡部!!」

岡部を突き飛ばして、陽平が前に出た。そして再び銃声が連続する。
春原陽平の肉体を無数の弾丸が抉り、そのまま彼に致命傷を与えた。あの騒がしい、お世辞にも賢いとはいえなしような少年が、真っ赤に染まって倒れていた。

「生き……ろ…」

「陽平ッ!大丈夫か、おいっ!!」

「よそ見してると危ないぞ~ってかァ!?ギャッハハハハハァ!!」

最悪の科学者ーーーーー木原数多は、一人異様なテンションで爆笑する。
追撃を放とうと引き金に力を込めた瞬間、橋田の巨体が木原に体当たりし、木原を突き飛ばした。しかし弾は放たれ、橋田の左腕の肘から先が損失していた。
呆然としているシャルロットの腕を掴み、物陰に連れ込む。

「ダル!お前……」

「皆まで言うなよ常考……っ、いいかよく聞け。これは首輪解除のUSBだ。首輪の端子に突き刺せばいい…。こっちは、ーーーーーーーーーーーー。分かったな、オカリン。」

橋田は岡部に耳打ちすると、そのまま復活して迫る木原に突撃していく。
が、吐き出された弾が橋田の肉体を抉り散らすのは明確といえる。
橋田は最後の力を振り絞り、声を大にして叫んだ。







「跳べよ、オカリン!お前が全て救っちまえぇぇえええええええっ!!」




橋田の肉体から血が噴き出し、やがて動かなくなった。木原はにやりと笑う。
そして、銃口を岡部たちの隠れ場所に向けーーーーー、

「待ってくれ。こちらは首輪の解除コードを持っている。今発砲したなら、弾が俺を撃ち抜く前にこいつを壊してやる。こいつを貴様に渡してやる代わりに、俺だけでも見逃してくれ」

「……は?」

木原は拍子抜けした。あれだけ橋田が守ろうとしていたのはこんな小物だったのか?
だがそんな思考もすぐに笑いに変わった。
解除コードを使って解除しちまってから、岡部を撃ち殺す。いいだろうと木原は言うと、岡部は無言でメモリを投げて渡した。
後は迷うこともなく首輪に突き刺しーーーー

てから気付いた。
橋田至の持っていたのは、赤いUSBメモリではなかったか?
今木原の刺したのは白だ。これが意味することを、木原は一つしか思いつかなかった。

「ってめえ!ふざけやがーーーーーーー」

ボンッ

くぐもった音と同時に木原の喉笛が爆発して、一撃で絶命させた。

「ーーーーー地獄に墜ちろ、ゲス野郎が」

岡部は冷酷に呟いた。

しかし。物語はここでは終わらない。
絡み合った幾多の想いはやがて収束し、一つの線へと飛躍するのだ。

ーーーきっと、終わりは始まりの時。

【中川かのん@神のみぞ知るセカイ】
【春原陽平@CLANNAD】
【橋田至@Steins;Gate】
【木原数多@とある魔術の禁書目録】   死亡
【残り13/45人】

どんな夢も断てる気がするんだ 投下順
定められた運命なんて乗り越えてみせる 岡部倫太郎 結集する心
定められた運命なんて乗り越えてみせる シャルロット・デュノア 結集する心
日陰の戦い 中川かのん GAME OVER
定められた運命なんて乗り越えてみせる 春原陽平 GAME OVER
日陰の戦い 橋田至 GAME OVER
残酷歌劇 木原数多 GAME OVER

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最終更新:2011年07月17日 00:37
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