オープニング 畜生地獄
夜の闇の中で、幾つもの影が界隈していた。
犬に猫、鼠や蛙。
そこにいたのは全て「動物」だった。
皆、首輪を着けられ、檻の中で眠りこけていた。
しばらくして、パッ。と音がした。
灯りが点いた音だ。
そして体育館らしき場所の壇上には紫の蛙のような生き物がいる。
彼は拡声器、いわゆるメガホンを通して一喝した。
『起きろ!!!』
大音量で流れたその声は体育館らしき場所全体に響いた。
眠っていた六十三匹の動物達は全員目を覚ました。
「な、何なのだ!?」
「ゲロォーッ!耳が!耳がーーーーーっ!!」
『気ヲツケーーーーーッ!!
回れーーッ、耳ィィッ!!』
「!!?」
「ガルル…なぜ貴様がこんな所にッ…!?」
彼はガルル中尉。
ケロン軍・ガルル小隊の隊長であり、宇宙人だ。
彼は少しの沈黙の後こう言った。
「不思議かギロロ。なぜ貴様らがこのような所にいるのかが」
「ガルル中尉! 一体これはどういう事でありますか!?」
同じく宇宙人であり、ケロン軍・ケロロ小隊の隊長であるケロロ軍曹は慌ててガルルに質問をした。
だがガルルはケロロの言葉を意にも介さず、おもむろに紙を取り出したかと思うとそれを読み始めた。
「『……ケロン軍本部より、ケロロ小隊へ。』」
「なに……?」
『ケロロ小隊は本日を以て、解散とする。』
「え……?」
ガルル中尉のその口から放たれた言葉。
それは彼らの解雇を意味していた。
ケロロ小隊は、いやケロロ達はケロン軍から見限られたのだ。
それを知ったケロロ小隊の五人は愕然とした。
「話はそれで終わりだ。私は
ルール説明の方に移らせてもらう」
「おい、待て! どういう事だ! 何故俺達が」
『静粛に!!』
「っ……!」
ケロロ小隊の機動歩兵であり、ガルル中尉の実の弟でもあるギロロ伍長がガルルに何かを言おうとしたがガルルの声にかき消された。
そして、次にガルルが放った言葉こそ、彼らの目的であり、悪夢の始まりを告げるゴングであった。
「な……」
ギロロ伍長は戦慄する。
自分の兄が。目の前の同郷が放ったその言葉に。
「ククッ……やっこさん、やりやがったなァ」
ケロロ小隊の作戦通信参謀、クルル曹長はそう言うといつものように笑う。
しかしその笑いはいつもの余裕に満ち溢れた不敵な笑いではなかった。
「なんとむごい事を……!」
ケロロ小隊の元アサシンであり、今は正義の忍者として活動しているドロロ兵長は、その非人道的な行為に畏怖と怒りを覚え、狼狽している。
「何で我輩達がっ……?」
そして隊長であるケロロは何もかもが理解できずにただ呆然としているだけであった。
『調査の結果、貴様達に適性がある事が判明したからだ』
ガルルはケロロの言葉に反応したのか、すぐさま疑問への回答を始める。
しかしそれは、恐怖しかえぐり出さなかった。
「………」
『生物の本能、殺人願望の高さの適性がな。だから私達はその殺人願望に対する実質的なデータを取るためにこれを開始したという訳だ』
「さっ……殺人願望だと……!?」
しれっと残酷な言葉を放ち、ガルルは言葉を実験の本題へと移す。
『今から詳しいルール説明をするから、よく聞け』
………………
『と、言う訳だ。ちなみにディバッグの中には何が入っているかは分からない。武器にならない物も入っている可能性があるので、注意しろ。(中尉なだけにな)』
「…………」
参加者達はまだ状況が理解できずポカンとしている。
すると薄いピンク色をした蛙。もといケロン人が現れこう言った。
「うふふ、みんな信じてないみたいね」
「プルルちゃん……?」
そこに立っていたのは、に彼らの幼馴染みであり、ガルル小隊の看護兵であるプルル看護長であった。
プルルはリモコンを取り出し、ボタンを押した。
ピッ ピッ ピッ ピッ
どこからか音がする。
音は小刻みにどんどん早くなる。
「ウ……ワウ!?」
音は一匹の犬の首輪から鳴っていた。
そして――
ピ――――――――
ボン
爆音がしたかと思うと、その犬に着けられていた首輪は爆発した。
犬は首から上が無くなり、そこの檻は血で真っ赤に染まった。
「いっ……」
反応は動物なだけに十匹十色だった。
顔面蒼白になる者。(元々青いのもいたが)
泣き出す者。
目を逸らす者。
嘔吐する者まで現われた。
そして、無反応の者も、一部いた。
「…わかった? さっき説明した禁止エリアに入ったり、私達に反抗したりしたら、君達もあのワンちゃんみたいになっちゃうわよっ??」
会場は一気に戦慄の宴と化した。
その一分後、ガチャンと音がしてどこかの檻が開く音がした。
「ピカッ!?」
背中に種を乗せた動物、もといたねポケモンのフシギダネはどうやって鍵を開けたのか、檻から飛び出し逃げようとした。
逃 が さ ん
しかし、それは適わなかった。
フシギダネは何者かに斬りつけられた。
その姿は全く見えず、その声だけが鳴り響いた。
「ダネーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
フシギダネは断末魔を響かせると跡形もなく消え去ってしまった。
「ーーーーーーーッ!!」
『零次元斬だ…!』
しばらくして、どこからか灰色のケロン人が現れた。
そのケロン人は体半分を機械に改造しており、どこか無機物的な雰囲気を醸し出していた。
彼こそガルル小隊のアサシンであるゾルル兵長である。実質的な実力から階級は無効に近いのだが。
ゾルルは片方しか出していない赤い目をぎょろつかせながら、ドロロの側に近寄った。
『久しいな、ゼロロ…
貴様をこの手で殺れないのは癪だが、精々足掻くがいいさ…』
「……貴様、確かガルル小隊にいた……貴様達のそのような横行、許せんでござる。
もし拙者が生き残った場合…覚悟なされよ」
『フ…そうだ、それでいい』
「おい、そこのお前ら!」
「!」
更に右端から声が響いた。
「プププー。君何か隠してるね」
「くっ」
そこには残りのガルル小隊の隊員であるタルル上等兵とトロロ新兵。
そして参加者である動物達がいた。
「私語は禁止っすよ!バトルロワイアルのルールに従って、失格っす!」
水色の蛙は拳銃の弾を私語をしていた犬に向けて発射した。
「ア、ガッ……キュート……モン…………」
撃たれた彼はそう言い残すと息絶えた。
「うああ…」
「消えろっす」
「やめてくれ…!誰か助けて」
二度目の銃声が、響いた。
「カラクサ……ペイズリー……」
もう一匹の黒猫の少年も小さな声でそう言うと死んだ。
「こっちは完了っす」
「待っててタルルー。こっちも終わらすから」
「待って! わたしは何も」
「首輪、外そうとしてたでしょ?」
「!」
その通りであった。
彼女、猫型ロボットのドラミは首輪の構造に気付き、首輪を解除しようとした。
だが、見つかってしまったのだ。
「このボクに隠し事なんて、百億光年速いんだよ」
「お……お兄ちゃ」
そして、三度目の銃声が響き粛清は終わった。
「こっちも終わったよ~。プップ~」
『何匹か反抗した者もいたようだが、そろそろ時間だ。健闘を祈る』
次々と檻の中の動物が消えて行く――ワープしたのだ。
「ガルルッ…貴様の目的は…何なんだっ…!待て…ま」
ギロロの言葉も届かず、全ての参加者が消え、四匹の動物と一体のロボットの死体。そして五匹のケロン人だけが残った。
「…私達の仕事は一旦完了だ」
「お疲れ様。お茶でもどうぞ」
「それにしても本部もエゲツない事思い付くっすよね~」
『フン』
「まぁ、そんなこと言わなくてもいいよネェ? だって楽しそうジャン」
「さて、とりあえず次の準備に取り掛かるか」
そして、実験が始まった。
参加者達はどのような行動を見せるのか。
悪夢はまだ始まったばかりだ――。
【GAME START】
【ムク@ドラえもん 死亡】
【フシギダネ@ポケットモンスター 死亡】
【ドルルモン@デジモンクロスウォーズ 死亡】
【ドット@しましまとらのしまじろう 死亡】
【ドラミ@ドラえもん 死亡】
[残り58匹]
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ドロロ兵長 |
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ハム太郎 |
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ピカチュウ |
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ガルル中尉 |
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プルル看護長 |
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ゾルル兵長 |
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タルル上等兵 |
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トロロ新兵 |
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ムク |
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フシギダネ |
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ドルルモン |
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ドット |
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ドラミ |
GAME OVER |
最終更新:2012年08月29日 16:45