55話「美女と野獣の予期せぬ結託」
俺――神田修次は胸の傷の痛みに耐えながら、雑木林を抜け、
ようやっと文明圏である市街地に辿り着いた。
畜生、どうやら薬草のおかげで治りが良くなってるみたいだけど、あの野郎…。
デバイスで位置を確認すると、この辺りはエリアF-2になるらしい。
周りは民家や小さな店が建ち並び、どこか閑散としている。
「もっとマシな武器が欲しい所なんだが」
今俺が持っている武器は頼り無い火掻き棒。
蜘蛛糸という相手の動きを絡め取る便利アイテムも持ってはいるけど、やっぱり高い威力の武器は欲しい。
市街地なら何か代わりになる物があるかな?
「その辺の民家漁って探してみるか」
俺はすぐ近くの民家に入ろうとした、が、玄関は固く施錠されていた。窓も裏口も同じだ。
ガラスを割って鍵を開けようとも思ったが、別にそこまでして入りたくも無いし第一大きな音を出すのはまずい。
他に数軒回ってみたがやはり同じ。
「くそっ、参ったな…」
何軒目かの民家を回り、門柱から道路に出たその時だった。
「動かないで下さい」
「なっ!?」
大きなボウガンをこちらに向けた、恐らく俺と同年代の少女と鉢合わせになった。
俺とは別の学校の制服を着ている。それに…結構美人。俺好み。
いや、それどころじゃない!
「何か言い残す事はありませんか?」
この女は間違い無く俺を殺そうとしている。俺は火掻き棒に対し向こうはボウガン。勝ち目が無い。
まずい、ここは何とかして切り抜けないと…そうだ。
「ま、待ってくれ! アンタ、
殺し合いに乗ってるのか!?」
「言わなくても分かるでしょう?」
「そ、そうか。実は、俺もなんだ。一人、殺した」
「そうですか…私もですが、それが何か」
「つまりだ、お互い、優勝を狙ってるって訳だ。そうだろ?」
「……?」
「ああ、そうだな、何が言いたいかって言うと、俺と組まないか? もっと砕いて言えば、協力しようって事!」
「はい??」
俺が出した提案に女は不思議そうな表情を浮かべる。そりゃそうだろうな。
苦し紛れの策だが、よくよく考えたら、この殺し合い一人だと不都合な時も多いからな。
だが後はこの女が承諾してくれるかどうか、してくれなかったら、終わりだ。
「……」
女はしばし俺にボウガンを向けたまま考えていたが、やがてボウガンを下ろし、答えを出した。
「分かりました。しばらくの間、共に戦いましょう」
「お、おお!」
良かった、承諾してくれたみたいだ。
「俺、神田修次だ。よろしくな、えーと…」
「吉良邑子です。吉良で良いですよ」
「そ、そうか。よろしく、吉良」
「こちらこそ、神田君」
握手を交わし、これでコンビ成立…になったのだろうか。
全く予期しない形で誰かと組む事になったけど、これはこれで良いかも。
都合が悪くなったら武器奪って見捨てたりも出来るだろうし、いや、それは多分吉良も同じ事を考えているだろうな。
それに…胸そんなに無さそうだけど、可愛いしね。
そうだ…隙あらば…………いいなあ!
◆◆◆
まさか誰かと組む事になるとは思わなかったなあ。
上手くこの神田っていう狼族に乗せられた気もするけど、一人より二人の方が何かと便利かもだし。
私達二人のみが生き残るまでは協力しておこう。
「なあ、吉良。何か武器持ってねぇ? 俺、この火掻き棒しか武器無いんだよ」
「あるにはありますよ」
一緒に戦うんだからまともな武器が無いのは困る。
私は自分んのデイパックの中から太田君が持っていた刀を取り出し、神田君に手渡した。
神田君は喜んで、私に礼を言った。
「とりあえず、放送の時刻が近くなってますから、どこかで休みましょう」
「でも、どこも鍵掛かって入れないぜ」
「多分探していれば鍵が掛かっていない所もありますよ」
そろそろ歩き疲れてきたし、お腹も空いてきたから、どこかで休もう。
と言うより、太田君を殺してから結構長い間休めそうな所探していたんだけど、
どこも厳重に鍵が掛けられていて入れなかった。この辺りってそんなに物騒だったのかな。
私と神田君は身を潜められそうな場所を探すため歩き始めた。
【一日目/早朝/F-2市街地】
【
神田修次@オリキャラ】
[状態]:肉体的疲労(中)、胸元に真一文字の切り傷(治癒中)、薬草の効果により治癒能力増大中
[装備]:九五式軍刀
[所持品]:基本支給品一式、火掻き棒@SIREN、薬草@
オリジナル(40)、
蜘蛛糸玉@オリジナル(3)
[思考・行動]:
0:優勝を目指す。他参加者を殺す。
1:吉良邑子と協力して優勝を目指す。最後の二人になったら吉良邑子は殺す。
2:マシな武器が手に入った…。
3:もし本当に隙あらば吉良を……フフフ。
【吉良邑子@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:肉体的疲労(中)
[装備]:ドーラのボウガン@FEDA(1/1)
[所持品]:基本支給品一式、ボウガン予備矢(22)、
フォナ特製際淫剤注射セット@オリジナル(残り5本)、太田太郎丸忠信の水と食糧
[思考・行動]:
0:ご主人様(玉堤英人)のため、優勝し帰還する。
1:神田修次と協力して優勝を目指す。最後の二人になったら神田修次は殺す。
2:参加者を見つけ次第殺す。例えクラスメイトであっても容赦しない。
3:どこか鍵の掛かっていない民家で休憩する。
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※F-2市街地には厳重に施錠された建物がかなり多いようです。
最終更新:2010年02月21日 02:26