ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0864 あまあまおいてさっさとでてってね!!
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ankoss
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・俺設定あり。
・『かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上下』と少し繋がっています。
・展開が相変わらずおかしいのは仕様ですので勘弁して下さい。
天然あき
「ここはちぇんとぱちゅりーのおうちだよ!!
じじいはさっさとあまあまおいてでていってね、わかるよねー!!」
男が家に帰ってくるなり声がしたので金属バット片手に今は使っていない部屋へと入った男に宣言するゆっくりちぇん。
それだけならまだいい。
つがいらしきぱちゅりーとその子供らしき子ちぇん三匹と子ぱちゅりー四匹がいた。
この部屋は使っていなかったのでゆっくり対策の強化ガラスにしていなかったのが侵入を許した理由だろう。
「きこえないの?ばかなんだねわかるよー!!」
おそらく父親であろう親ちぇんが男に向けて叫ぶ。
「ここはちぇんたちのおうちなんだよー!!
だからさっさとでていってね!!わかるよねー!?」
男はその言葉に考え込む。
今現在このゆっくり達がいるのは今は使っていない空室。
何もない空間に割れた窓一つにカーペットの床しかないので、別に明け渡してもいい。
だが冬も近付き肌寒くなってきた昨今、こんな部屋では寒いのではないかと心配に男はなってくる。
だがちぇんは男にさっさと出て行けと言っている。
侵入する際に割れた窓から寒風が吹きすさぶ。
せめてあの窓位は何とかしようと男は前に進もうとするが、
「ちぇんにさからうんだねわかるよー!!」
ちぇんは敵意を見せて体当たりをしてきた。
男は咄嗟に金属バットを前に出す。
それに顔面からぶつかっていくちぇん。
「ぶぎゅう゛う゛う゛!!?」
「むきゅううううちぇんどおしだのお゛お゛お゛ッ!!?」
つがいのぱちぇりーがちぇんが顔面から金属バットに突っ込みのたうちまわるのを信じられないと言った感じでいた。
「いじゃいよおおおおおお!!?わがらないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
「おちょうしゃんちっきゃりちちぇええええッ!!?」
「むきゅううううう!!?」
「あ、ゴメンわざとじゃないんだ!」
「よきゅもおちょうしゃんをおおおおおお!!!」
「せいっしゃいにゃんだにぇわきゃるよー!!」
「ゆぐ、いまのはぐうぜん…なんだよ…わかってねー!!」
男は謝罪するもゆっくり達は聞く耳持たず体当たりを仕掛けてくる。
「ご、ゴメンね!すぐでてくから!」
男は怪我させた罪悪感からかちぇん達に謝り続けながら退室して行った。
パタンと閉められたドアを見てちぇん達は跳ね出す。
「にどちょきゅるにゃー!!」
「やっちゃよー!にんげんがちぇんのちゅよしゃのまえににげかえっちゃんだにぇわきゃるよー!!」
「むきゅ、とうぜんのけっかね!」
「さいしょはちょっとびっくりしたけどたいしたことなかったねわかるよー!!」
やかましい叫び声が響いている。
未だに隣家に人が住んでいないのがせめてもの救いだ。
「出て行けって言われたから出たけど…大丈夫なのかな?」
閉じたドアの向こう側で男は呟く。
普通ならば家の心配をするのだが男が心配していたのはあのゆっくり達の事だ。
あの部屋はかつて男の父親が書庫として使っていた部屋で、中のものを撤去して以後成人男性の胸元の高さにある窓が一つという殺風景な部屋だ。
成体のちぇんでも無理な上に、窓の近くにはガラスの破片が飛び散っており、近づくのも危険だ。
侵入する際はジャンプして飛び越えられても出る際はガラスの破片の上に行かなければならない。
それで跳ねれる筈がない。
そして窓以外の出入口はこのドアしかない。
しかしドア自体が結構重く、ドアノブも掴んで回すタイプだ。
おそらくは開ける事すら出来ないだろう。
「何とかした方がいいかな…?」
流石にリビングやキッチンに侵入されたら撃退するが、使ってない部屋くらいなら貸し出しても構わなかった。
本来は何処であろうと家に侵入されたら駆除するのが普通なのだが男の考え方は相変わらず常人とは違っていた。
「あまあまって甘いものだろうけど…出さずに出ちゃったし…どうしようか…」
男は訳の分からない心配をしていたが結局子ちぇんが二度と来るなと言っていたので部屋には近付かない事にしたのだった。
男を追い出すという事は自力で何とかできるのだろうと男は判断したのだ。
だが泥棒とかの侵入は困るのでバリケードのように使わなくなった戸棚とかをドアの前に置いてて開かないようにしておいた。
食事も何も無いのだからしばらくしたら勝手に出ていくだろうと判断した男は出てってから窓の修理をしようと決め、ちぇん達のいる部屋から出て行った…。
この時点でちぇん一家の運命は決まったようなものだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ゆうぅ、ざむいよお゛お゛…わがらないよー…」
男が去ってから数時間、夜になって冷たい風が窓から流れ込んでくる。
風を遮るものなどある訳がなく、ちぇん一家は身を寄せ合って寒さを凌いでいる。
「むきゅう…おかしいわ。にんげんのおうちをのっとればゆっくりできるはずなのに…」
「あみゃあみゃみょにゃいよー」
「どうしてはっぱさんもどこにもないの…わからないよー」
がちがちと歯を鳴らして身を寄せ合う九匹。
おかしい…その考えがそこにいた全員にあった。
人間のお家を乗っ取れば美味しいご飯を沢山食べれて、暖かいお布団です~やす~やしている筈なのに…。
だが実際は何も無い部屋で寒さに震えていた。
これなら前まで住んでいた森にあるお家にいた方がまだマシだった。
まだ一日も経過していないのに後悔の念でいっぱいだった。
もっとも、もしあの男を追い出さずに命令していればその望みは全部叶っていたのだろうが後の祭りだ。
男は子ちぇんの「にどちょきゅりゅにゃー!!」の言葉を律義に守り、近寄ろうとしなかったのだから。
まぁ目的が達せられていても「かわいくってごめんねー」等と言ったらすぐに終了する儚いものだが…。
「わからないよー…どれいのじじいはどうしてごはんももってこないのかわからないよー…こんどきたらせいっさいしてやるんだねー…」
何度もちぇん達は男を呼んだが一度も来なかった。
もはやちぇん達の中で奴隷となった男は呼び出したらすぐに来て言う事をきかなければならないのに全然来る気配がない。
それは当たり前なのだがちぇん達にとってそれは許しがたい愚行であり、男を自分の立場を弁えない愚者として憤りを感じていた。
今やそれが心の支えともなっていた。
痺れを切らしてせいっさいに行こうとしてもドアは開かなかった。
「むきゅうう…」
親ぱちゅりーが寒さ震える。
ゆっくりには寒風は堪えるのだろう。
「しゃみゅいよぉ…」
「がまんするんだよおちびちゃんたち…あさになればきっとゆっくりできるよ…わかってねー…」
「むきゅぅ…ちゃみゅい…」
「………………」
寒さに震える親ちぇんと子ちぇん、咳き込む親ぱちゅりー、返事がまばらな子ぱちゅりー。
こうしてちぇん一家は眠れぬ一夜を過ごしたのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふあぁ…よく寝た…」
翌朝、毛布から起き上がる男。
どうやら熟睡したようだ。
同じ家屋にいながら大きな差である。
「さて、と…仕事行かなくちゃな…」
そう呟きながら洗面所へ向かう。
両親が海外へ移住する事になって既に就職が決まっていた男一人がこの家に一人残ってから独り言が多くなってきた。
「動物でも飼おうかな…。前飼ったゆっくりもすぐに逃げちゃったし…。
でもゆっくり以外となると金結構かかるから無理か…」
流石に一人暮らしも寂しくなってきた男は呟きながら洗面所へと向かった。
今この家にゆっくりという生物がいる事を寝ぼけた頭では思い出せていないようだ。
一方朝を迎え、眠れぬ夜を乗り越えたちぇん一家は、
「…………………」
「むきゅうううう!!?おきでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
「どうじでうごがないの!!?わがらないよ゛ー!!!」
「ゆ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!
おに゛ぇ゛え゛じゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!?」
「………………」
親ぱちゅりーと親ちぇんと子ちぇんが泣き喚いていた。
身を寄せ合っている間は分からなかったが、夜の内に子ぱちゅりー二匹は死んでいたのだ。
返事が無いのは既に死んでいたからであり、朝になってちぇん達はようやくそれに気付いたのだ。
「むきゅ…にゃんぢぇ…」
生き残った子ぱちゅりーも元気はない。
早急にこの状況を打開しなければならない。
悲しんでばかりはいられないことに気付いた親ちぇんは親ぱちゅりーに相談する。
「どうするの…ぱちゅりー?」
「むきゅ、はやくあのじじいにあまあまとあったかいおふとんをもってこさせないといけないわね!!」
親ぱちゅりーは叫ぶ。
「むきゅ、じじいははやくぱちぇたちにあまあまとおふとんをもってくるのよ!!!」
親ぱちゅりーはドアに向かって叫ぶ。
昨日の夜から散々やり続けている行動だが、未だに何の意味もない事に気付いていない。
だが親ぱちゅりーの声に返ってくるのは沈黙のみ。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?どうじでざっざどごないのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
「わからないよおおお!!?どうしてこんなにばかなのかわからないよおおおおおおおお!!!」
一向に来る気配のない男に喚き散らす親ちぇんと親ぱちゅりー。
端から見れば滑稽な事この上ないのだが当ゆっくり達は大真面目だった。
「ばかなじじいはちぇんがせいっさいすんだよー!!!
どあさんははやくどいてね!!いうこときかないといたいめみるんだよ!!わかってねー!!!」
そう叫びながら何度も行った無駄な体当たりを繰り返す親ちぇん。
疲れるまで体当たりをし続ける。
「むきゅ、どうちちぇじじいのいうきょちょはききゅのにおきゃあしゃんたちのいうきょちょききゃないの!!?わかりゃにゃいよー!!」
厚い扉が親ちぇんの体当たり程度で壊れる訳も無く、ちぇん達の命令で動く訳もない。
「わからないよ…どうじでどがないの?」
疲れ果てた親ちぇんが呟き、少し体力が回復したらまた無駄な体当たりを繰り返す。
どったんばったんとうるさいのだが男はそれに気付かず朝食の目玉焼きと焼き魚を作っていた。
換気扇を回して外に出ていく目玉焼きと魚のいい匂い。
それは窓が壊れたぱちゅりー達の部屋にも入って来た。
「むきゅう…おいしそうなにおいね…」
「きっちょじじいぎゃちぇんちゃちにぎょはんをちゅきゅっちぇるんだにぇわきゃるょー!!」
「ようやくみのほどがわかってきたんだねー!!わかったよーふつうはゆるさないところだけどちぇんはこころがひろいからいまならはんごろしですませてあげるんだよー!!」
「むきゅ、とってもおとななたいおうよちぇん!!」
男が自分の為に作っている朝食を自分のものであると当然のように考えているちぇん一家は好き放題言っていた。
こいつ等からすれば子供二匹殺されたようなものなのにそれすら忘れて騒いでいる。
だが勿論、
「ご馳走様でした」
それがちぇん一家の所へ持って行かれる事はなかった…。
そんな事を考えもしなかったちぇん一家は、
「おそいだよーくずなんだねわかるよー」
「むきゅ…おきゃあしゃん…おにゃきゃちゅいた…」
「むきゅ、まっててねいまじじいがごはんもってくるからがまんしてね…ぺーろぺーろ…」
「きちゃらせいっしゃいしてやるんだねー!!」
開く事のないドアの前で延々と待ち続けていた…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「どうじでごないのおおおおおおお!!?」
一向に来ない男に痺れを切らした親ちぇんが叫ぶ。
昨日から何も食べてないのに元気なものだ。
「むきゅ、あのじじいはもしかしたらぱちぇたちのごはんをひとりじめするつもりね!!」
もしかしたら、と前置きしておきながら親ぱちゅりーの中では確信どころか事実になっているのがゆっくりクオリティ。
それに元からお前等のではない。
「ゆううううう!!?ゆるせないんだよー!!!」
再びドアに体当たりを開始する親ちぇん。
「ちぇんをこんなところにとじこめてひとりだけゆっくりするなんてゆるせないよー!!!」
勝手に入ったのはお前等だろうが…。
「むきゅ、どあさんにたいあたりしてもむだよ!あっちのまどからいったんでてにんげんをせいっさいしましょう!!」
ぱちゅりーが窓から回り込んで人間をせいっさいするように促す。
流石に何度も体当たりをしているのを見て無駄だと察したのだろう。
あまりにも遅い結論だったが…。
それにここ以外は入れなかったからここにいる事すら忘れているようだ。
「ちぇんがこらしみぇちぇやりゅんだよー!!」
すると、血気盛んな子ちぇんが窓へ向けて跳びはねていく。
割れたガラスが散らばった窓の近くへ…。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
透明なガラスに気付かず深々と子ちぇんのあんよに突き刺さるガラスの破片。
そして、痛みに泣いて転がるちぇん。
そしてその結果別のガラスの破片が深々と子ちぇんに突き刺さった。
「ゆんぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
「おちびちゃんどうしたのわからないよおおお!!?」
チョコを撒き散らしながら転がる子ちぇんを見て訳がわからなくなる親ちぇん。
「むきゅ!?きっとあのじじいのしわざよ!!
ぱちぇたちとまともにたたかったらかてないからっておちびちゃんをねらうなんてひきょうだわ!!」
いいえ、あなた達の自業自爆です。
「ゆううううう!!ゆるせないんだよー!!!」
親ちぇんが窓に向かって飛び掛かろうとする。
「だめよちぇん!!あのじじいがまだなにかしてるかもしれないわ!!?」
怒りに身を任せて窓に飛び掛かろうとする親ちぇんを親ぱちゅりーは諌める。
ガラスを壊したのはお前等で、男は何の関与もしていないし、そもそも何で窓に飛び掛かるのか?
そして何故チョコを撒き散らす子ちぇんを何とかしようとしないのかツッコミ所満載にも程がある。
「いぢゃいよ゛お゛お゛お゛お゛!!?」
「む…きゅ…おにゃきゃ…ちゅいちゃわ…」
まだ一日も経過していないのに半数が死に掛ける急展開。
無事なのは親二匹と子ちぇん二匹しかいない。
「ここはしんちょうにじめんさんにじじいのひきょうなわながないかかくにんすべきよ!!」
「ゆゆ!さすがぱちゅりーてんさいなんだねわかるよー!!!」
「むっきゅん!」
おだてる親ちぇんと誇らしげな親ぱちゅりー。
いやだからそんな事してないで自分の子供が痛みにのたうち回ってるんだから助けろよ…。
「わきゃ…りゃにゃい…よ…」
そうこうしている内にガラス踏んだ子ちぇんがチョコ達磨になって死んじまった…。
男自体は何もしていないのにもう既に三分の一がこれで死んだ事になる。
ポンポン死んでいくがそこに儚さなんてものはなく滑稽なだけだった。
「むきゅうううう!!?
がわいいぱちぇのおちびちゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
やっと親ぱちゅりーが子ちぇんの死に気付く。
遅いにも程がある。
ゆっくりに母性なんて本当は無いんじゃないだろうか?
「ゆう゛う゛う゛う゛!!!
よぐもじじいはおちびちゃんをごろじだなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!
ゆるぜないんだよおおおおおおお!!!」
そう叫び窓に飛び掛かろうとする親ちぇん。
「むきゅ、まつのよちぇん!!」
それを止める親ぱちゅりー。
あれ?何かループしてるような気がするんだけど?
“どうやら話の内容がさっきの焼き直しみたいなので申し訳ありませんが省略させていただきます。”
「ゆぎぎぎ…ゆるせないよぉ…」
親ちぇんがぎりぎりと悔しそうに呻く。
お前等が勝手に侵入して、勝手に追い出して、勝手に出られなくなって、勝手に死んでいるであり、ふざけているとしか思えないのだが当のゆっくり達は大真面目のようだ。
結局ちぇん一家は何も食べれず、ただ朝食のニオイのみの生殺しとなったのだが家族の死でそれどころではない。
「これでとげさんはぜんぶみつけたんだねー」
子ちぇんが死んで一時間後。
親ちぇんは親ぱちゅりーの指示に従い、ガラスの破片を集め終わった。
あくまで大きな破片のみだがこれでガラスを踏んで怪我する可能性がグンと減っただろう。
だが何故割れた窓の下にガラスの破片を集めたのか疑問は残るが…。
「これでもうだいじょうぶなんだねわかるよー!!」
親ちぇんは卑怯な人間の罠に勝利して誇らしげだ。
だがずっとそうもしていられない。
「むきゅ、さぁはやくあのじじいをせいっさいしにいきましょう!!」
親ぱちゅりーが高らかに宣言する。
「でもまどさんのいちはたかいよー。
ちぇんのじゃんぷじゃとどかないよーわかってねー」
確かに窓の位置は高く、身軽なちぇんでもその高さは跳べても人間のように手を持たないのでしがみつく事も出来ない。
「むきゅ、もんだいないわ!ぱちぇにまかせない!!みょうあんがあるのよ!!!」
相変わらず無駄に自信満々な親ぱちゅりー。
今まで何一つ上手くいっていないのにどうしてそこまで自信があるのだろうか…。
一方その頃…、
「規則正しい生活ってのもいいけど…休みの日に早起きするってのはちょっと勿体ないな…」
予定のない休日に暇を持て余していた。
同じ家にいながら死にかけているあいつ等とは雲泥の差だ。
するとテーブルの上に置いてあった携帯が揺れ始める。
どうやら普段からマナーモードにしているタイプのようだ。
「何の用だ?」
どうやら知り合いからのようだ。
「あ、何で俺がお前の買い物に…あ~はいはいわかりましたよ。全くガキの頃の約束を何時までやらすつもりだよ…」
男は不満げに呟きながら通話を切った。
それと同時に準備に入る。
「ったく折角の休日に人を呼ぶなよな…あの女は…」
男は不平不満を言いながら外出の準備をし始めたのだった…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「いくよおおおお!!!」
「わきゃっちゃよおおおお!!!」
親ちぇんの上に子ちぇんが乗ってジャンプする。
そして、親ちぇんの上から子ちぇんがジャンプする。
これが親ぱちゅりーの“みょうあん”である。
親ちぇんがジャンプして更にその上にいる子ちぇんが更にジャンプする。
そうすれば子ちぇんが窓に到達できるのだ。
「でもおちびちゃんだけでだいじょうぶなのかな?ちょっぴりわからないよー」
「むきゅ、だいじょうぶよ!あんなじじいなんかにぱちゅりーとちぇんのさぶれっどなおちびちゃんがまけるわけないわ!!」
その自信は一体何処から来てるのだろうか?
実際は子ちぇん一匹では勝てる訳もなく、そこにいる全員でも返り討ちにされる程の戦力差なのだが…。
それに気付かぬのは本ゆっくりばかり…。
そうして、ぱちゅりーの“みょうあん”を行う事が決定した。
「わきゃっちゃよおおおお!!!」
見事に窓の縁に着地する子ちぇん。
そして、
「わぎゃらないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
そのまま窓の下に集めておいたガラスの破片の山に突っ込む親ちぇん。
「おとうしゃあああああああん!!?」
「むきゅ、ちぇんのことはいいからはやくおちびちゃんはあのじじいをせいっさいするのよ!!!」
親の身を案じる子ちぇんに親ぱちゅりーは叫ぶ。
親ちぇんは家族みんなのために傷付いた。
なればこそ子ちぇんは立ち止まる事は出来ないのだ。
「わきゃっちゃよー!きっちょたしゅけるきゃらにぇー!!」
ちぇんは尻尾で涙を拭い、庭へと飛び降りた。
親ぱちゅりーはそれを見届け、自分の現状と向き合う。
「むきゅう、こんなわなをしかけるなんてゆるせないわあああああ!!!」
「あにょじじいをじぇっちゃいちぇいっちゃいちちぇねおねえしゃん!!」
いつの間にか親ちぇんの怪我まで男の仕掛けた罠だと勘違いする一同。
だから突っ立ってないでさっさと助けてやれって…。
「わぎゃらにゃいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
痛みに転がる親ちぇん。
子供と同じ反応だがサイズが違う。
子ゆっくりにはたまったものではない。
「むぎゆ!!?」
親ちぇんの転がりで衰弱していた二匹の子ぱちゅりーの内の一匹が潰される。
「いみょうぢょぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛わがらないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
子ちぇんが泣き叫ぶ。
「むっきゅうううううなにじでるのおおおおおお!!?」
ちぇんの状態も鑑みずに親ぱちゅりーは叫ぶ。
「わがだないよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
親ちぇんは我が子を自分の身体で圧死させた事に気付いていないようだ。
「ちぇええええん!!!やめなざいい゛い゛い゛!!ゆっぐりでぎないわよお゛お゛お゛お゛お!!!」
親ぱちゅりーは親ちぇんに対して何もせずにただ喚くだけだった。
「いだいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?わがだな゛い゛い゛いよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
中身のチョコを撒き散らしながら転がる親ちぇん。
中身が詰まってる分、子ちぇんよりも余裕があるようだ。
「むきゅ、このままじゃゆっくりできないわ!おちびちゃんたちはぱちぇのおくちにはいってね!!」
「む…きゅ…」
「わきゃっちゃよー!」
外へと出て行ったちぇんを除いて残り二匹となった子供達は親ぱちゅりーの口の中に逃げ込む。
「むきゅ、これでもうあん…「いだい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
むぎゅい゛い゛!!?」
これで安心、と呑気に突っ立っていた親ぱちゅりーに親ちぇんの体当たりがぶち当たる。
「むぎゅぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ッ!!?」
身体が頑丈ではないぱちゅりーは吹き飛ばされ、ガブリと口の中のものを噛んだ。
「むぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
それと同時に口の中から我が子の断末魔が響く。
そして口の中に広がる自分が吐く中身と同じ甘み。
それだけで何が起きたか十二分に理解出来た。
死んだのだ。自分にそっくりだった知的なぱちゅりーが…。
「わぎゃりゃにゃいよおおおおおおお!!?おぎゃーしゃんがいみょうちょをたべちゃったよおおおおおおお!!?」
妹が死んだ事で子ちぇんはパニックに陥る。
自分のいる場所が安全ではなくむしろ危険地帯であると子ちぇんは判断したのだ。
父親が家族を殺すのを見たのだ。
そう判断してもおかしくはない。
「だしちぇえええええ!!?」
子ちぇんは一刻も早く逃げようとする。
「むきゅ!?やめなさい!!」
親ぱちゅりー…というかこの時点で生き残っているぱちゅりーはこいつしかいないからぱちゅりーと言った方がいいのかもしれない。
が、口から出すまいと必死で口を閉ざす。
「やじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?きょんなときょでちにちゃきゅにゃいよおおおおお!!!わぎゃっちぇにぇえええええ!!!」
じたばたと暴れる子ちぇん。
まるで鬼の腹の中で暴れる一寸法師だ。
「むぐぐぐ…」
親であるぱちゅりーはそれに必死で耐える。
中から脱出しようと噛み付いたり体当たりしたりする子ちぇん。
あまり身体が頑丈じゃないぱちゅりーには相当な負担だ。
だが必死にぱちゅりーは耐えた。
大切な我が子の為…ぱちゅりーにそっくりで知的な…。
「むきゅ…」
そこでぱちゅりーは気付いた。
もう自分にそっくりで知的だったぱちゅりーはもういない事に…。
「だじぇ!!ぢぇんはあんなむらざぎもやじのい゛ぼうどみだいにだべられだぶないんだよ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!
おねがいだがらわがっでねえ゛え゛え゛え゛!!!……わがれっでい゛っでんだよぐじゅおやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
ぱちゅりーの口の中から醜い子ちぇんの叫びが響く。
ぱちゅりーはふと考えた。なんでぱちぇはこんなゆっくりしてないていのうをたすけなくちゃならないの?
どうしてぱちぇそっくりなちてきなおちびちゃんがしんでこんなていのうがいきてるの?
そうよ、おちびちゃんをころしたちぇんとおなじちぇんなんてぱちぇのこどもじゃないわ。
そう考えついた次の瞬間、ぱちゅりーは文字通り子ちぇんを吐き出した。
「ぶぎゅう゛ッ!!?」
勢いよく放出され、子ちぇんは顔面から床に着地する。
「わぎゃらにゃいよぉ…」
突然の痛みに涙ぐむ子ちぇん。
そしてそんな子ちぇんに、
「じねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
ぱちゅりーは容赦なくのしかかった。
「ぶぎゅう゛う゛!!?」
口からチョコを吐き出す子ちぇん。
それに構わず何度も我が子を踏み付けるぱちゅりー。
「おばえだぢのぜいでぱちぇのおちびじゃんがじんだんだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?おばえなんがぱぢぇのこどもじゃない!!!ゆっぐりじないどざっざどじねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
「ぶぎゅう゛!?」
子ちぇんにとって訳の分からない理屈で殺されようとされる子ちぇん。
「わぎゃぼ!!?」
踏まれたショックで勢いよく目玉が飛んで行く。
これでは野生で生きていけるのは不可能だ。
「じになざい!!!」
そして最後の一撃とばかりに勢いよくぱちゅりーは跳びはねた。
「にゃ…んで…」
子ちぇんは訳が分からなかった。
いきなり自分の両親が姉妹を殺し、自分まで殺そうとしているからだ。
自分の放った暴言など記憶の隅にも残っていない。
どうしてこんな事になったのだろうか…?
人間のお家を乗っ取った筈なのにどうしてこんな目に…。
「やじゃ…ちにちゃくにゃ…ぶるべあ゛ぁ!!?」
もはや何も見えない子ちぇんは訳の分からぬまま、実の親に踏み潰されたのだった…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一方その頃…。
「ちゃみゅいよぉ…」
姉妹が自分以外全滅しているとも露知らず、自分達に逆らう(と子ちぇん達は思い込んでいる)男を制裁しようと男の自宅の周りを跳ね続ける。
入れる場所なんて何処にも無い。
ただ宛てもなく玄関辺りにいたのだが何の進展もない。
子ちぇんが出来る事等何もない。
親の所へ戻れず、ただ死にゆくだけだ。
「ドアしゃんどいちぇね!!
じゃにゃいちょしぇいしゃいしゅりゅよ!!!」
学習能力ゼロの子ちぇんは無意味にドアに体当たりを仕掛ける。
しかしドアは身じろぎもしない。
というか野球ボールサイズの体当たりで破壊されたら扉としては落第だ。
「ゆぎゅううううう!!!どうちちぇあきゃにゃいのおおおおおおおお!!?」
しかし子ちぇんは無駄だと気付きもせずに体当たりをし、自らを疲弊させた。
「ゆひぃ…わきゃらにゃい…よぉ…」
子ちぇんは疲れ果ててしまい、少し休憩する。
体力を回復させ、もう一度玄関の扉に挑むつもりのようだ。
だが、
「やべやっべ!早く行かないと遅刻になっちまう!!」
子ちぇんと扉を挟んだ向こう側では本来のこの家の持ち主が急いで靴を履いていた。
男は扉の向こう側で子ちぇんが休憩をとっている事に気付いていない。
「あいつに何かぐちぐち言われるのも癪だしな…」
男は靴を履き終え、急いで扉を開いた。
「ぷぎょ!!?」
「ん?」
勢いよく玄関の扉を開いたら変な声がした。
しかし男が辺りを見回しても人間どころかゆっくりの姿もない。
「おっかしいな…て、こんな所で遊んでる場合じゃねえ!!!」
男は急いでいる事を思い出し、玄関の鍵を閉めて急いで出て行った。
一方、
「………!?……!!?」
草むらにいる子ちぇんは突然の痛みに訳が分からなかった。
開いた扉に思い切りぶつかり吹っ飛んだ。
歯がほぼ全て折れ、片目も潰れてしまった。
満足に喋る事も出来なくなってしまい声も出せず痛みに喘ぐしかない。
「…ぁ…わ…ゃ…」
男は子ちぇんに気付く事もなくそのまま出て行った。
いぢゃい…たじゅげで…。
子ちぇんは男に気付くでもなく恨むでもなくただ単純に痛みに喘いでいる。
吹っ飛んで庭の放置されて生い茂った草むらで誰にも気付かれずにいた。
いや、正確には気付いた者はいた。
ただし、それは子ちぇんにとって幸運なものでは決してなかったが…。
「…ゅ…?」
子ちぇんがそれに気付いた。
そこにいたのは一羽の鳩だった。
つぶらな瞳が真っ直ぐに子ちぇんを見据える。
「……………!!?」
そして、迷わず子ちぇんを啄み始めた。
「…ゆひゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
新たな痛みにドアにぶつかった痛みを一時的に忘れて悲鳴を上げる子ちぇん。
だが痛みに弱い、その上子ゆっくりだ。
無駄に人間と生態が似ている為それなりの期間親元で過ごさなくてはならない子
ゆっくりに成体でも危機的なこの状況を脱せられる訳が無かった。
鳩は子ちぇんの叫びが喧しかったのだろうか、子ちぇんの口を啄み二度と使えなくした。
「…………!!?…………!!!」
こうして、ほぼ全滅したちぇん一家の最後の希望は鳩の食事としての大役を果たしたのだった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「むきゅう…むきゅう…」
我が子を殺したぱちゅりーは息を荒げながらやり遂げた顔をしていた。
「わがら…な…い゛…」
一方今にも死にそうな親ちぇん…いやこっちも子供はもういないからただのちぇんだ…は苦しそうに壁にもたれ掛かっている。
そこら中に飛び散ったチョコの軌跡。
それだけでどれだけ転がり回ったのか想像に難くない。
壁にぶつかってそのまま動けなくなったのだ。
中のチョコを大分撒き散らしてしまった…。
このままでは長くはないだろう…。
「むぎゅ…ざまぁみろ…」
そんなちぇんを見てぱちゅりーは笑う。自分のつがいとは思えない態度だった。
「たずげでぇ…ぱぢゅでぃ…」
自分が家族を殺した事も知らないちぇんはぱちゅりーに助けを求める。
だが、
「むきゅ、なにいってるの…おばえのぜいで…ごうなっだのよ……だから…ゆっぐりじになざい…」
ぱちゅりーもガラスの破片が突き刺さったちぇんに攻撃する程愚かではない。
もうすぐ死ぬちぇんに対してありったけの罵倒をぶつけるだけだ。
「おばえだぢちぇんがむのうだがら…ぱちぇだぢがごんなべにあっでじばっだのよ…せいぜいぐるじんで…じんでね…」
ぱちゅりーは疲れて途切れ途切れでありながらも明らかにざまあみろという顔をしているのをちぇんはわかった。
だがどうしてぱちゅりーがそんな顔をしているのかちぇんには理解できなかった。
自分そっくりの可愛いおちびちゃんを外へ送り出した時と態度が全然違った。
その理由がちぇんにはどうしてもわからない。
今にも停止寸前のチョコレート脳では自分が子供を殺したことにさえ気付けそうにない。
だがそんなチョコレート脳でもある事に気付けた。
それは、自分そっくりな可愛いおちびちゃんである子ちぇんが潰れて死んでいる事だった…。
そして更につがいのぱちゅりーにチョコが付着している事にも気付いた。
それはちぇんそっくりの可愛いおちびちゃんを殺した証明でもあった。
実際それはちぇん自身のチョコが体当たりの際に付着したものだが子ちぇんをぱちゅりーが殺したのは事実なのでそう的外れでも無かった。
「わがっだよー……」
ちぇんは最後の力を振り絞って動き出す。
ちぇんにはどうしても許せなかったのだ…。
自分によく似た可愛い可愛いおちびちゃんを殺したぱちゅりーを…。
まだ自分と似てない子ぱちゅりーなら許した。
だが仮にもちぇんの子供を生む名誉を与えてもらっておきながらちぇんそっくりのおちびちゃんを殺すなんてちぇんにとって万死に値する行為だった。
どうやらお互いに自分本意な考えを持っていたようだ…。
こうして、つがいであった二匹は自分そっくりなおちびちゃんを殺された事によってただの怨敵に成り下がったのだった…。
「じね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
ちぇんが雄叫びを上げて傷だらけの身体でぱちゅりーに跳ねて行く。
だが死にかけの状態での体当たり等たかがしれている。
「むっきゅ!!」
変な奇声を上げてぱちゅりーはちぇんの体当たりを難無く回避する。
「よ゛げるな゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!わがれ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
ちぇんはぱちゅりーに向けて突進する。
「むきゅ!!」
それもぱちゅりーは難無く回避する。
「うに゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
チョコを撒き散らすちぇん。
どう控えめに見ても致死量だ。
だがそんな事ちぇんは気付きもしない。
「わがれ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
狂ったような叫びを上げちぇんは何度もぱちゅりー目指して突進する。
だが死にかけとちぇんに体当たりされた以外のぱちゅりーでは差がありすぎた。
結局一度もぱちゅりーに体当たり出来ず床に倒れ伏す。
「わがら…ない…」
どうして運動能力の低いぱちゅりーを殺せないのかちぇんには理解できない。
「むきょーきょっきょっきょ!!いいきみね!!」
どうやらそれなりに体力が回復したらしいぱちゅりーはちぇんを嘲笑う。
「わぎゃ…」
ちぇんは悔しかった。
おちびちゃんを殺したゲスを殺す事が出来なかった事を…。
そこにはぱちゅりーに対しての愛情なんてカケラも残ってなかった…。
「…ら…ない…よ……」
こうして、ちぇんは短い生の時間を尚更短くして死んだのだった…。
「むっきゅっきゅ!!
これでおちびちゃんのむねんははらせたわ!!」
最後の一匹となったぱちゅりーは自分のつがいを殺した事を誇らしげに言う。
だがそれを讃える者はいない。
何故なら今ここで生きているのはぱちゅりーだけなのだから…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「折角の休日が…」
完全に夜になった頃…男が自宅へと帰宅する。
どうやら用事がこの時間まで長引いてしまったようだ。
男はポストに郵便物があるか確認する。
ふと庭の方に眼を向けると何かチョコっぽいものを食い散らかしたかのような跡が見えた。
「全く…ポイ捨てかよ…」
基本お人よしの男は公共マナーは守るのでこういうのにはあまりいい顔はしない。
チョコが付いた緑色の切れ端を拾い、自宅へと入っていった。
結局、それが自宅に潜入したちぇん一家の一匹であるとは毛程も気付かなかった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「むぎゅう゛…ざむいわあ゛…おなかへっだわ……」
ぱちゅりーは一匹部屋の隅でカタカタ震える。
僅か一日にしてぱちゅりー残して家族全員が死んだ為、これからぱちゅりーは一
匹で過ごさなくてはならなくなった…。
「あのくず…どうしてさっさとじじいをつれてこないのかしら…?」
もはや子ちぇんには毛程の愛情もないが、利用できるものは利用しておこうという考えがぱちゅりーにはあった。
あの子ちぇんがじじいを奴隷にして連れて来たらそのまま子ちぇんを殺して自分がじじいを奴隷にするというあまりにけんじゃ(笑)な作戦にうっとりしていた。
人間さえ奴隷にすればあんなちぇんなんかよりもずっとゆっくりしたもりのけんじゃ(笑)に相応しいゆっくりなんて簡単に手が無いけど手に入る。
そう考え、子ちぇんがじじいを連れて来るのを待っていた。
ぱちゅりーは非の打ち所のない素晴らしいけんじゃ(笑)な作戦だと思っているようだが、そもそも何で自分より下等な存在と思い込んでいるのにそれを奴隷にしたら何でも出来るみたいな結論になるのか不思議でしょうがない。
まぁ実際子ちぇんは鳩の食事という身にあまる光栄な最期を遂げ、男を倒す事も奴隷にする事も何も出来ず明日のゴミの日に出すゴミ達と一緒にゴミ袋に残骸が入れられていたのだが…そんな事ぱちゅりーは知る由も無かった…。
「むきゅう…おそいわ。ぐずにもほどがあるわ…」
ぱちゅりーは一向に来ない子ちぇんに不満がタラタラだ。
来る訳無いのだがぱちゅりーはその可能性を微塵も考えない。
「むきゅう…しかたないわ…。こいつらをたべましょう…」
ぱちゅりーはどうやら空腹に耐え切れなくなったようで、ゆっくりを食う事にしたようだ。
だが自分そっくりで理知的でけんじゃなぱちゅりーを食うつもりにはなれず、まずは汚らわしいちぇんを食う事にした。
本来なら汚らわしいちぇんを食うつもりにもなれないのだが背に腹は変えられない。
それに見るのも嫌だという点もあった。
本来ゆっくりにとって最期の手段である無能の証明のような行動なのだが肝心のぱちゅりーはなんてれいせいなはんだんができるのかしら!!さすがけんじゃね!!と自画自賛していた。
という事でぱちゅりーは一番手頃にあった子ちぇんを食べる事にした。
パクリ、と子ちぇんを一口で入れて味わおうとする。
が、
「むぎょおおおおおおおおお!!?」
耳障りな悲鳴を上げて子ちぇんの残骸を吐き出した。
ぱちゅりーが吐き出した子ちぇんはガラスまみれとなって死んだ子ちぇんだった。
それを口の中に入れたから切ってしまったのだ。
夜になって視界が悪くなって気づけなかったのか…もしくは底無しの馬鹿だった
のだろう…。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛!!!よぐぼぱぢゅでぃいいのぎれいなおぐびを゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
舌がガラスによって二つに分かれているにも関わらずあまり違和感なく喋るぱちゅりーは吐き出した子ちぇんの残骸をかつてと同じように踏み潰そうとする。
そんな事をすれば…、
「む゛んぎょあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
ガラスが刺さるのも仕方がない話だ。
どうやら底無しの馬鹿が正解のようだ。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛!!?
ぱぢぇのぎれいなおみあ゛じがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
ガラスは深く突き刺さり、ぱちゅりーのあんよから生クリームが滲み出る。
「むぎょお゛お゛!?
ぱぢぇのはいいろのおつむがもれぢゃうわあ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
灰色のおつむって食ったら腹壊しそうな中身だな…。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛!!?
きずをふさぐものはどこをおおおおお!!?」
その傷自体は深いが処置すれば大丈夫程度の中途半端なものだが気が動転したぱちゅりーはそれが大怪我だと思い込んだ。
だが傷を塞ぐものはない。
底部の傷は舌でぺーろぺーろ出来ない。
どうするか?
ぱちゅりーが考えついた方法は一つだった。
「むきゅううううう!!?
かべしゃんちゅめたいわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?どうじであ゛だだぐないのぼお゛お゛お゛お゛!!?」
壁に押し付ける事だった。
圧迫して出を少なくしようとしたのだ。
そして、冷気によってひんやりした壁はぱちゅりーには相当堪えるものだったようだ。
「むぎゅぎゅぎゅ…ちべちゃいわあ゛……」
ガチガチと歯を震わせて寒さに耐えるぱちゅりー。
子ゆっくりなら死んでしまえる寒さも成体のぱちゅりーでは何とか耐えられてしまえるのでまだまだ死ぬ事はない。
「むぎゅ…はやぐぎなざい…じじい…」
今の状況でまだ人間に勝てるつもりでいるのがある意味凄い…。
「むきゅうう…」
結局ぱちゅりーは中身が漏れる恐怖のせいで壁から離れられず、空腹を埋める事も出来ず、漏れるかもという危惧で眠れぬ夜を過ごすしかなかった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「何で仕事ある日の方で寝坊するかなあああッ!!?」
翌日の早朝、男は休日の日は普通に起きれたのに仕事のある日は寝坊してしまったようだ。
急いで男は着替えを済ませて出て行く。
その際ぱちゅりー達がいる部屋の近くも通ったが、ぱちゅりー達の事等記憶の片隅にも残ってなかった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
どたばたと騒がしい音に気付いたぱちゅりー。
眠れる夜を過ごし、何故か眼にクマが出来ていた。
「むきゅ…」
寒さと不眠は思いの外堪えたようだ。
まぁ二日間寝てなければ人間でも辛いが。
「ようやく…きたのね…おぞずぎるわ…」
ぱちゅりーはその物音が男が自分の奴隷である事を理解したのだと思い込んだ。
「でてぎたら…みのほどを…おじえであげるわ…むぎゅ…」
万全でも同じゆっくりにすら負けるぱちゅりーが今の状況で勝てる訳等微塵もないのにここまでの思い上がりはむしろ凄いと思う。
だがしかし、男の方はぱちゅりー達の事等忘れており、今はそれ所でもないのだ。
「この電車乗り遅れたら完璧遅刻だ!!!」
男はダッシュして家から出て行く。
だがこんな状況でもちゃんと鍵を閉めて行くというこまめなところは忘れないの
がこの男のある意味特徴であった。
「むきゅううううううう!!?どうしてじじいがこないのおおおおおおお!!!」
男が家から出て行き、静かになった家で叫び声を上げるぱちゅりー。
ホント、隣が空き家なのがせめてもの救いだ。
「ぱちぇがごまっでるのよお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!
たずげるのがどれいのやぐべでじょう゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ
゛あ゛!!!」
男を心底見下していたぱちゅりーは来なかった事に驚きと焦りが生まれていた。
内心見下していながらも今の状況を打破出来るのも男しかいないのも理解してい
たのだ。
二つに裂け、まさに二枚舌となった舌。
ズタズタになった口内。
ガラスが突き刺さり、中身を撒き散らすあんよ。
まさに満身創痍。
一日家に閉じ込めておくだけでまさかここまでになるとは一日で白髪になったマリー・アントワネットもビックリだ。
そして、そんな状況を流石に底無しの馬鹿でも生命の危機である事位は感じ取っていた。
「むきょああああああああ!!!やだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?ぱぢぇまだじびだぶない゛い゛い゛い゛い゛!!!まだやりだびごどいっばいあぶのよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
狂乱したように叫ぶぱちゅりー。
だがその声は誰にも届かない。
ホント、お隣りが空き家でよかったよかった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
結局一時間もしない内にぱちゅりーは疲れ果てていた。
存外大声というのは体力を浪費するのだ。
オペラ歌手とかに恰幅のいい人が多いのはそのせいだと何の根拠もなく言ってみる。
その上全く休養も食事もとって無いのだ。
限界間近と言っても過言ではない。
「むぎゅ…じがだないわ…」
背に腹は変えられない。
ぱちゅりーは自分の中身(ぱちゅりーからすると知識)を捨て、家族の残骸を食す事に決めたのだ。
ずーりずーりと這いながらガラス塗れではない潰れた子ちぇんの残骸へ近付いて行く。
「むきゅ…いちゃじゃきましゅ…」
パクンと子ちぇんの残骸を口に入れる。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?」
それと同時に口内に出現する激痛。
ぱちゅりーは忘れていたが口内はガラス片でズタズタ。
舌は二つに分かれている。
そんな状態で食事がまともに出来るわけがない。
「むぎょ…ゆげ…」
痛い…痛い痛い痛い痛い痛い痛いいいいいいいい!!?
痛みに耐性のないゆっくりには耐え難い激痛だ。
思わず口に入れた食糧を吐き出したくなる。
それを何とか耐えて飲み込む。
「む…げぇ…むごぉ…」
子ちぇんの残骸を食べ切る。
だがむしろ食う労力の方が大きかったような気がする…。
「む…ぎゅ…ながみが…もべぢゃうわ゛…」
ぱちゅりーはそう言いながら壁の方へと這っていく…。
冷たい壁にあんよを押し付け、気を抜けば中身が漏れ、食事は激痛のオマケ付き。
寒さで夜は眠れない。
悪い方向に至れり尽くせりだ。
「むぎゅ…」
夢も希望もない状態でまだぱちゅりーは生き続ける。
身体が限界を迎えるのが先か…生を諦めるのが先か…。
「むきゅ…ごめ…なざい…あやばりま…がら…たずげ……」
ぱちゅりーの心が折れ、見下していた人間に謝罪をする。
人間を奴隷にしようとしたからこうなったんだ…。
こんな事なら前のお家から引っ越そうなんて…人間のお家を奪おうなんてしなければよかった……。
ここに来てようやく身の程を理解したぱちゅりー…。
だが謝罪の言葉に何の意味もない…。
最初に男を追い出した時点で手遅れだったのだ。
罪の意識が芽生えてもぱちゅりーが助かることはない。
ただ、もうしばらく…あと数日はぱちゅりーのゆん生は終わりそうにはなかった…。
だがそれはぱちゅりーにとって決して幸運等ではなかった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
男が寝坊して会社に遅刻しそうになってから一週間が経過していた…。
「そういえばあいつ等どうしたんだろ?」
積もった雪を踏んで足跡付けまくるのが大好きだった男は年甲斐もなく長靴履いて初雪によって雪が積もった庭を歩き回っていたら窓が割れているのに気付いたのだった…。
本当に隣が空き家でよかった…。
男が数日振りにぱちゅりー達がいた部屋へ入室する。
そこには割れたガラスの破片と…ガチガチに固まった紫饅頭があった…。
おそらく他のゆっくりは全てぱちゅりーが苦痛に悶えながら食いきったようだ…。
「あれ…他のは出て行っちゃったのか…」
男をそう呟きながら紫饅頭を持つ。
すると、
「あれ、こいつ死んじゃってる…」
寒さのせいで凍り付いたぱちゅりーが死んでいる事に男は気付いた。
その顔は苦痛に歪んでおり、ゆっくりしている状態とは掛け離れたものだった…
。
中身が残っているという事は男が見つけたあんよの怪我は致命傷ではないようだ
。
と、いう事はそう簡単に衰弱死する事はゆっくりは中途半端に丈夫であるから考
えにくい。
つまりぱちゅりーは凍死した…と、男は判断した。
「置いてくなんて…酷い事するな…」
ぱちゅりーが病弱で貧弱なな種だとは男は知っていた。
きっと出られずに死んでしまったのだろうと男は勝手に結論づけた。
お前が言うなとゆっくりが生き残っていたら言っただろうが今ここでそれを言うものは残念ながらいなかった。
「しょうがない、埋めてやらないとな」
男はそう言いながらぱちゅりーの成れの果てを持って部屋から出て行った。
この時男は気付かなかった…。
実はまだ…ぱちゅりーは完全に死んでない事に…。
『む…ぎゅ…ぎゅ…ざむ…』
ぱちゅりーは凍り付いていながら何故かまだ意識を失っていなかった…。
男に抱き抱えられ、部屋からようやく脱する。
『むぎゅ…や゛っ…だ……』
それを殆ど機能の失った眼で何とか気付き、心の中で笑う。
そこに、男に謝罪した気持ちなど無くなっていた。
そこにあるのはやはり人間はぱちゅりーの奴隷で、自分は生き残るべき特別な存在だという思い込みだけだった…。
『むきょ…きょ…』
身体が凍ってなければ高笑いしただろう。
もっとも、一度溶けたアイスをまた凍らせても完全に元の状態に戻る事はないよ
うに、もし万が一ぱちゅりーが元に戻っても、生クリームには大きな障害が残る
のだが、それをぱちゅりーは知る由もない。
それにその可能性は万に一つもない。
何故なら男はぱちゅりーが既に死んでいると思い込んでいるからだ。
「あ」
そしてここで思わぬ事態が起きた。
ポロ、と男の手からぱちゅりーが落っこちたのだ。
「む…ぎゅ…?」
ぱちゅりーには何が起きたかわからなかった…。
気が付いたら床に寝転んでいた。
だが、まだギリギリで機能していた眼が今の状況を理解させた。
男と会って起こる偶然は決してゲスゆっくり達にとって幸運なものでは決してない…。
『む…むぎょおおおおおおおおお!!?』
ぱちゅりーは心の中で絶叫する。
何故なら、唯一機能していた右目が見据えたのは真っ二つになった自分の左半身だからだ。
『むぎょ…ど…うじで…ぇ…』
ぱちゅりーには訳が分からない。
突然半身が破壊されて目の前に転がっている。
凍った身体では痛みすら麻痺しており、それが現実を感じさせず、そしてぱちゅりーを死なせなかった…。
通常な状態なら真っ二つになった時点で死ねただろう。
しかし凍った身体はぱちゅりーを延命させていた…。
「あちゃー」
男はやっちまったといった顔でぱちゅりーの身体を集めた。
ちり取りと箒で。
『むぎょ…やめ…ぱちぇ…ゴミじゃ…』
あまりにもぞんざいな扱いにぱちゅりーは文句を言おうとするが真っ二つになった口は役目をとうの昔に放棄していた。
「これでよし」
男はそう言ってぱちゅりーの残骸を載せたちり取り片手に玄関に向かう。
『むぎゅ…ぞっちは…ぞど…』
ぱちゅりーは疑問に思う。
おそらく自分がこんな状態になったのはこの男が原因なのだと。
だから元に戻ったら絶対に殺してやると決めた。
謝ったって許してやるつもりもない。
だからまずは元に戻るまで我慢しようと考えた。
しかし、男はぱちゅりーを抱えたまま外に出てきてしまった。
治すなら外に連れていく必要はないから何故ここに来たのかぱちゅりーは理解できない。
雪が見える。
凍ってるせいか思ったよりも寒さは来ない。
『むぎゅ…はやぐ…なおじな…』
ぱちゅりーは男に早く自身を治すように告げる。
ぱちゅりーからすれば喋っているつもりなのだろうが凍り付いた身体は微動だにしていない。
男は一旦ぱちゅりーを置いて花壇の土を掘り始めた。
『む…きゅ…ど…じて…ほる…の…?』
男の行動に段々と嫌な予感を感じはじめるぱちゅりー。
だが気付こうが気付きまいが結局動けないから意味はない。
そして、
「じゃあな」
『むぎゅう゛う゛う゛!!?』
ぱちゅりーは穴の中に落とされた。
『むきゅううう!!?なにじでるのをお!!ぱちぇをはやくここからだしなさい!!!』
最後の力を振り絞って叫ぶが声にはならない。
男はぱちゅりーの生存に気付かない。
気付かないまま土をかける。
『やべ!?ぱぢぇがゆっぐひできな…!!』
ぱちぇは土との触れ合いを楽しみながらゆっくりと土中に埋まっていった…。
『むぎゅ…もうやば…』
土に囲まれた状態でぱちゅりーはあり続ける。
何とか機能を保っている眼も暗闇で意味を為さない。
『むぎゅ…だれが…たず…げ…』
ぱちゅりーは何一つ出来ず、意識だけが残ったまま土の中にあり続ける。もし、ぱちゅりーが死ねるとしたらそれは凍っていた中身が溶けて痛みを認識するかドロドロの全く別の存在になるか…少なくとも凍ったままでは死ぬ事も出来ない…。
しかし、雪はまだまだ降り続く。
天気予報はしばらく雪は止まないと告げていた。
どうやら世界はまだぱちゅりーに生きていてほしいようだっ…。
ぱちゅりーは暗闇の中永遠にも錯覚しそうな孤独の時間を過ごす事になったのだった……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「うーさぶさぶ」
男は家の中に戻って来た。
ゴキゴキと身体から音を鳴らしている。
「うーん、運動不足かな…。久し振りに山登りとかしてみよっかなー」
男はそう言いながら暖かいコタツヘと向かって行った…。
それはとてもゆっくりしているように見えた…。
END
あとがき
あれ…ひょっとして俺ってぱちゅりー嫌い?
執筆途中で自分の作品でのぱちゅりーに対する扱い方の酷さに気付く天然あき。
最近色々と天然お兄さんがハッスルしていたので今回は控えめにしてみました。
いい加減「元銀バッジまりさの末路」を終わらせたいのに何故こっちの方が先に完成するのだろう?
それはさておきタグにある虐待の凄惨ってどれだけのレベルなら該当するんですかね?
まぁ天然あきレベルならどう考えても普通からは脱せられないから縁はなさそうですけどね。
いつか凄惨レベルと言われても遜色の無いの虐待SSを書きたいものです。
それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。
過去に作ったSS
ふたば系ゆっくりいじめ 293 おかざりがないとゆっくりできないよ!
ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 397 大好きだよ
ふたば系ゆっくりいじめ 447 おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね!
ふたば系ゆっくりいじめ 521 元銀バッジまりさの末路 上
ふたば系ゆっくりいじめ 543 元銀バッジまりさの末路 中
ふたば系ゆっくりいじめ 630 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上
ふたば系ゆっくりいじめ 631 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 下
ふたば系ゆっくりいじめ 669 おうちのなかでかわれなくてごめんね!!
ふたば系ゆっくりいじめ 677 元銀バッジまりさの末路 下
・『かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上下』と少し繋がっています。
・展開が相変わらずおかしいのは仕様ですので勘弁して下さい。
天然あき
「ここはちぇんとぱちゅりーのおうちだよ!!
じじいはさっさとあまあまおいてでていってね、わかるよねー!!」
男が家に帰ってくるなり声がしたので金属バット片手に今は使っていない部屋へと入った男に宣言するゆっくりちぇん。
それだけならまだいい。
つがいらしきぱちゅりーとその子供らしき子ちぇん三匹と子ぱちゅりー四匹がいた。
この部屋は使っていなかったのでゆっくり対策の強化ガラスにしていなかったのが侵入を許した理由だろう。
「きこえないの?ばかなんだねわかるよー!!」
おそらく父親であろう親ちぇんが男に向けて叫ぶ。
「ここはちぇんたちのおうちなんだよー!!
だからさっさとでていってね!!わかるよねー!?」
男はその言葉に考え込む。
今現在このゆっくり達がいるのは今は使っていない空室。
何もない空間に割れた窓一つにカーペットの床しかないので、別に明け渡してもいい。
だが冬も近付き肌寒くなってきた昨今、こんな部屋では寒いのではないかと心配に男はなってくる。
だがちぇんは男にさっさと出て行けと言っている。
侵入する際に割れた窓から寒風が吹きすさぶ。
せめてあの窓位は何とかしようと男は前に進もうとするが、
「ちぇんにさからうんだねわかるよー!!」
ちぇんは敵意を見せて体当たりをしてきた。
男は咄嗟に金属バットを前に出す。
それに顔面からぶつかっていくちぇん。
「ぶぎゅう゛う゛う゛!!?」
「むきゅううううちぇんどおしだのお゛お゛お゛ッ!!?」
つがいのぱちぇりーがちぇんが顔面から金属バットに突っ込みのたうちまわるのを信じられないと言った感じでいた。
「いじゃいよおおおおおお!!?わがらないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
「おちょうしゃんちっきゃりちちぇええええッ!!?」
「むきゅううううう!!?」
「あ、ゴメンわざとじゃないんだ!」
「よきゅもおちょうしゃんをおおおおおお!!!」
「せいっしゃいにゃんだにぇわきゃるよー!!」
「ゆぐ、いまのはぐうぜん…なんだよ…わかってねー!!」
男は謝罪するもゆっくり達は聞く耳持たず体当たりを仕掛けてくる。
「ご、ゴメンね!すぐでてくから!」
男は怪我させた罪悪感からかちぇん達に謝り続けながら退室して行った。
パタンと閉められたドアを見てちぇん達は跳ね出す。
「にどちょきゅるにゃー!!」
「やっちゃよー!にんげんがちぇんのちゅよしゃのまえににげかえっちゃんだにぇわきゃるよー!!」
「むきゅ、とうぜんのけっかね!」
「さいしょはちょっとびっくりしたけどたいしたことなかったねわかるよー!!」
やかましい叫び声が響いている。
未だに隣家に人が住んでいないのがせめてもの救いだ。
「出て行けって言われたから出たけど…大丈夫なのかな?」
閉じたドアの向こう側で男は呟く。
普通ならば家の心配をするのだが男が心配していたのはあのゆっくり達の事だ。
あの部屋はかつて男の父親が書庫として使っていた部屋で、中のものを撤去して以後成人男性の胸元の高さにある窓が一つという殺風景な部屋だ。
成体のちぇんでも無理な上に、窓の近くにはガラスの破片が飛び散っており、近づくのも危険だ。
侵入する際はジャンプして飛び越えられても出る際はガラスの破片の上に行かなければならない。
それで跳ねれる筈がない。
そして窓以外の出入口はこのドアしかない。
しかしドア自体が結構重く、ドアノブも掴んで回すタイプだ。
おそらくは開ける事すら出来ないだろう。
「何とかした方がいいかな…?」
流石にリビングやキッチンに侵入されたら撃退するが、使ってない部屋くらいなら貸し出しても構わなかった。
本来は何処であろうと家に侵入されたら駆除するのが普通なのだが男の考え方は相変わらず常人とは違っていた。
「あまあまって甘いものだろうけど…出さずに出ちゃったし…どうしようか…」
男は訳の分からない心配をしていたが結局子ちぇんが二度と来るなと言っていたので部屋には近付かない事にしたのだった。
男を追い出すという事は自力で何とかできるのだろうと男は判断したのだ。
だが泥棒とかの侵入は困るのでバリケードのように使わなくなった戸棚とかをドアの前に置いてて開かないようにしておいた。
食事も何も無いのだからしばらくしたら勝手に出ていくだろうと判断した男は出てってから窓の修理をしようと決め、ちぇん達のいる部屋から出て行った…。
この時点でちぇん一家の運命は決まったようなものだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ゆうぅ、ざむいよお゛お゛…わがらないよー…」
男が去ってから数時間、夜になって冷たい風が窓から流れ込んでくる。
風を遮るものなどある訳がなく、ちぇん一家は身を寄せ合って寒さを凌いでいる。
「むきゅう…おかしいわ。にんげんのおうちをのっとればゆっくりできるはずなのに…」
「あみゃあみゃみょにゃいよー」
「どうしてはっぱさんもどこにもないの…わからないよー」
がちがちと歯を鳴らして身を寄せ合う九匹。
おかしい…その考えがそこにいた全員にあった。
人間のお家を乗っ取れば美味しいご飯を沢山食べれて、暖かいお布団です~やす~やしている筈なのに…。
だが実際は何も無い部屋で寒さに震えていた。
これなら前まで住んでいた森にあるお家にいた方がまだマシだった。
まだ一日も経過していないのに後悔の念でいっぱいだった。
もっとも、もしあの男を追い出さずに命令していればその望みは全部叶っていたのだろうが後の祭りだ。
男は子ちぇんの「にどちょきゅりゅにゃー!!」の言葉を律義に守り、近寄ろうとしなかったのだから。
まぁ目的が達せられていても「かわいくってごめんねー」等と言ったらすぐに終了する儚いものだが…。
「わからないよー…どれいのじじいはどうしてごはんももってこないのかわからないよー…こんどきたらせいっさいしてやるんだねー…」
何度もちぇん達は男を呼んだが一度も来なかった。
もはやちぇん達の中で奴隷となった男は呼び出したらすぐに来て言う事をきかなければならないのに全然来る気配がない。
それは当たり前なのだがちぇん達にとってそれは許しがたい愚行であり、男を自分の立場を弁えない愚者として憤りを感じていた。
今やそれが心の支えともなっていた。
痺れを切らしてせいっさいに行こうとしてもドアは開かなかった。
「むきゅうう…」
親ぱちゅりーが寒さ震える。
ゆっくりには寒風は堪えるのだろう。
「しゃみゅいよぉ…」
「がまんするんだよおちびちゃんたち…あさになればきっとゆっくりできるよ…わかってねー…」
「むきゅぅ…ちゃみゅい…」
「………………」
寒さに震える親ちぇんと子ちぇん、咳き込む親ぱちゅりー、返事がまばらな子ぱちゅりー。
こうしてちぇん一家は眠れぬ一夜を過ごしたのだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふあぁ…よく寝た…」
翌朝、毛布から起き上がる男。
どうやら熟睡したようだ。
同じ家屋にいながら大きな差である。
「さて、と…仕事行かなくちゃな…」
そう呟きながら洗面所へ向かう。
両親が海外へ移住する事になって既に就職が決まっていた男一人がこの家に一人残ってから独り言が多くなってきた。
「動物でも飼おうかな…。前飼ったゆっくりもすぐに逃げちゃったし…。
でもゆっくり以外となると金結構かかるから無理か…」
流石に一人暮らしも寂しくなってきた男は呟きながら洗面所へと向かった。
今この家にゆっくりという生物がいる事を寝ぼけた頭では思い出せていないようだ。
一方朝を迎え、眠れぬ夜を乗り越えたちぇん一家は、
「…………………」
「むきゅうううう!!?おきでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
「どうじでうごがないの!!?わがらないよ゛ー!!!」
「ゆ゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!
おに゛ぇ゛え゛じゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!?」
「………………」
親ぱちゅりーと親ちぇんと子ちぇんが泣き喚いていた。
身を寄せ合っている間は分からなかったが、夜の内に子ぱちゅりー二匹は死んでいたのだ。
返事が無いのは既に死んでいたからであり、朝になってちぇん達はようやくそれに気付いたのだ。
「むきゅ…にゃんぢぇ…」
生き残った子ぱちゅりーも元気はない。
早急にこの状況を打開しなければならない。
悲しんでばかりはいられないことに気付いた親ちぇんは親ぱちゅりーに相談する。
「どうするの…ぱちゅりー?」
「むきゅ、はやくあのじじいにあまあまとあったかいおふとんをもってこさせないといけないわね!!」
親ぱちゅりーは叫ぶ。
「むきゅ、じじいははやくぱちぇたちにあまあまとおふとんをもってくるのよ!!!」
親ぱちゅりーはドアに向かって叫ぶ。
昨日の夜から散々やり続けている行動だが、未だに何の意味もない事に気付いていない。
だが親ぱちゅりーの声に返ってくるのは沈黙のみ。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?どうじでざっざどごないのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
「わからないよおおお!!?どうしてこんなにばかなのかわからないよおおおおおおおお!!!」
一向に来る気配のない男に喚き散らす親ちぇんと親ぱちゅりー。
端から見れば滑稽な事この上ないのだが当ゆっくり達は大真面目だった。
「ばかなじじいはちぇんがせいっさいすんだよー!!!
どあさんははやくどいてね!!いうこときかないといたいめみるんだよ!!わかってねー!!!」
そう叫びながら何度も行った無駄な体当たりを繰り返す親ちぇん。
疲れるまで体当たりをし続ける。
「むきゅ、どうちちぇじじいのいうきょちょはききゅのにおきゃあしゃんたちのいうきょちょききゃないの!!?わかりゃにゃいよー!!」
厚い扉が親ちぇんの体当たり程度で壊れる訳も無く、ちぇん達の命令で動く訳もない。
「わからないよ…どうじでどがないの?」
疲れ果てた親ちぇんが呟き、少し体力が回復したらまた無駄な体当たりを繰り返す。
どったんばったんとうるさいのだが男はそれに気付かず朝食の目玉焼きと焼き魚を作っていた。
換気扇を回して外に出ていく目玉焼きと魚のいい匂い。
それは窓が壊れたぱちゅりー達の部屋にも入って来た。
「むきゅう…おいしそうなにおいね…」
「きっちょじじいぎゃちぇんちゃちにぎょはんをちゅきゅっちぇるんだにぇわきゃるょー!!」
「ようやくみのほどがわかってきたんだねー!!わかったよーふつうはゆるさないところだけどちぇんはこころがひろいからいまならはんごろしですませてあげるんだよー!!」
「むきゅ、とってもおとななたいおうよちぇん!!」
男が自分の為に作っている朝食を自分のものであると当然のように考えているちぇん一家は好き放題言っていた。
こいつ等からすれば子供二匹殺されたようなものなのにそれすら忘れて騒いでいる。
だが勿論、
「ご馳走様でした」
それがちぇん一家の所へ持って行かれる事はなかった…。
そんな事を考えもしなかったちぇん一家は、
「おそいだよーくずなんだねわかるよー」
「むきゅ…おきゃあしゃん…おにゃきゃちゅいた…」
「むきゅ、まっててねいまじじいがごはんもってくるからがまんしてね…ぺーろぺーろ…」
「きちゃらせいっしゃいしてやるんだねー!!」
開く事のないドアの前で延々と待ち続けていた…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「どうじでごないのおおおおおおお!!?」
一向に来ない男に痺れを切らした親ちぇんが叫ぶ。
昨日から何も食べてないのに元気なものだ。
「むきゅ、あのじじいはもしかしたらぱちぇたちのごはんをひとりじめするつもりね!!」
もしかしたら、と前置きしておきながら親ぱちゅりーの中では確信どころか事実になっているのがゆっくりクオリティ。
それに元からお前等のではない。
「ゆううううう!!?ゆるせないんだよー!!!」
再びドアに体当たりを開始する親ちぇん。
「ちぇんをこんなところにとじこめてひとりだけゆっくりするなんてゆるせないよー!!!」
勝手に入ったのはお前等だろうが…。
「むきゅ、どあさんにたいあたりしてもむだよ!あっちのまどからいったんでてにんげんをせいっさいしましょう!!」
ぱちゅりーが窓から回り込んで人間をせいっさいするように促す。
流石に何度も体当たりをしているのを見て無駄だと察したのだろう。
あまりにも遅い結論だったが…。
それにここ以外は入れなかったからここにいる事すら忘れているようだ。
「ちぇんがこらしみぇちぇやりゅんだよー!!」
すると、血気盛んな子ちぇんが窓へ向けて跳びはねていく。
割れたガラスが散らばった窓の近くへ…。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
透明なガラスに気付かず深々と子ちぇんのあんよに突き刺さるガラスの破片。
そして、痛みに泣いて転がるちぇん。
そしてその結果別のガラスの破片が深々と子ちぇんに突き刺さった。
「ゆんぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
「おちびちゃんどうしたのわからないよおおお!!?」
チョコを撒き散らしながら転がる子ちぇんを見て訳がわからなくなる親ちぇん。
「むきゅ!?きっとあのじじいのしわざよ!!
ぱちぇたちとまともにたたかったらかてないからっておちびちゃんをねらうなんてひきょうだわ!!」
いいえ、あなた達の自業自爆です。
「ゆううううう!!ゆるせないんだよー!!!」
親ちぇんが窓に向かって飛び掛かろうとする。
「だめよちぇん!!あのじじいがまだなにかしてるかもしれないわ!!?」
怒りに身を任せて窓に飛び掛かろうとする親ちぇんを親ぱちゅりーは諌める。
ガラスを壊したのはお前等で、男は何の関与もしていないし、そもそも何で窓に飛び掛かるのか?
そして何故チョコを撒き散らす子ちぇんを何とかしようとしないのかツッコミ所満載にも程がある。
「いぢゃいよ゛お゛お゛お゛お゛!!?」
「む…きゅ…おにゃきゃ…ちゅいちゃわ…」
まだ一日も経過していないのに半数が死に掛ける急展開。
無事なのは親二匹と子ちぇん二匹しかいない。
「ここはしんちょうにじめんさんにじじいのひきょうなわながないかかくにんすべきよ!!」
「ゆゆ!さすがぱちゅりーてんさいなんだねわかるよー!!!」
「むっきゅん!」
おだてる親ちぇんと誇らしげな親ぱちゅりー。
いやだからそんな事してないで自分の子供が痛みにのたうち回ってるんだから助けろよ…。
「わきゃ…りゃにゃい…よ…」
そうこうしている内にガラス踏んだ子ちぇんがチョコ達磨になって死んじまった…。
男自体は何もしていないのにもう既に三分の一がこれで死んだ事になる。
ポンポン死んでいくがそこに儚さなんてものはなく滑稽なだけだった。
「むきゅうううう!!?
がわいいぱちぇのおちびちゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
やっと親ぱちゅりーが子ちぇんの死に気付く。
遅いにも程がある。
ゆっくりに母性なんて本当は無いんじゃないだろうか?
「ゆう゛う゛う゛う゛!!!
よぐもじじいはおちびちゃんをごろじだなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!
ゆるぜないんだよおおおおおおお!!!」
そう叫び窓に飛び掛かろうとする親ちぇん。
「むきゅ、まつのよちぇん!!」
それを止める親ぱちゅりー。
あれ?何かループしてるような気がするんだけど?
“どうやら話の内容がさっきの焼き直しみたいなので申し訳ありませんが省略させていただきます。”
「ゆぎぎぎ…ゆるせないよぉ…」
親ちぇんがぎりぎりと悔しそうに呻く。
お前等が勝手に侵入して、勝手に追い出して、勝手に出られなくなって、勝手に死んでいるであり、ふざけているとしか思えないのだが当のゆっくり達は大真面目のようだ。
結局ちぇん一家は何も食べれず、ただ朝食のニオイのみの生殺しとなったのだが家族の死でそれどころではない。
「これでとげさんはぜんぶみつけたんだねー」
子ちぇんが死んで一時間後。
親ちぇんは親ぱちゅりーの指示に従い、ガラスの破片を集め終わった。
あくまで大きな破片のみだがこれでガラスを踏んで怪我する可能性がグンと減っただろう。
だが何故割れた窓の下にガラスの破片を集めたのか疑問は残るが…。
「これでもうだいじょうぶなんだねわかるよー!!」
親ちぇんは卑怯な人間の罠に勝利して誇らしげだ。
だがずっとそうもしていられない。
「むきゅ、さぁはやくあのじじいをせいっさいしにいきましょう!!」
親ぱちゅりーが高らかに宣言する。
「でもまどさんのいちはたかいよー。
ちぇんのじゃんぷじゃとどかないよーわかってねー」
確かに窓の位置は高く、身軽なちぇんでもその高さは跳べても人間のように手を持たないのでしがみつく事も出来ない。
「むきゅ、もんだいないわ!ぱちぇにまかせない!!みょうあんがあるのよ!!!」
相変わらず無駄に自信満々な親ぱちゅりー。
今まで何一つ上手くいっていないのにどうしてそこまで自信があるのだろうか…。
一方その頃…、
「規則正しい生活ってのもいいけど…休みの日に早起きするってのはちょっと勿体ないな…」
予定のない休日に暇を持て余していた。
同じ家にいながら死にかけているあいつ等とは雲泥の差だ。
するとテーブルの上に置いてあった携帯が揺れ始める。
どうやら普段からマナーモードにしているタイプのようだ。
「何の用だ?」
どうやら知り合いからのようだ。
「あ、何で俺がお前の買い物に…あ~はいはいわかりましたよ。全くガキの頃の約束を何時までやらすつもりだよ…」
男は不満げに呟きながら通話を切った。
それと同時に準備に入る。
「ったく折角の休日に人を呼ぶなよな…あの女は…」
男は不平不満を言いながら外出の準備をし始めたのだった…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「いくよおおおお!!!」
「わきゃっちゃよおおおお!!!」
親ちぇんの上に子ちぇんが乗ってジャンプする。
そして、親ちぇんの上から子ちぇんがジャンプする。
これが親ぱちゅりーの“みょうあん”である。
親ちぇんがジャンプして更にその上にいる子ちぇんが更にジャンプする。
そうすれば子ちぇんが窓に到達できるのだ。
「でもおちびちゃんだけでだいじょうぶなのかな?ちょっぴりわからないよー」
「むきゅ、だいじょうぶよ!あんなじじいなんかにぱちゅりーとちぇんのさぶれっどなおちびちゃんがまけるわけないわ!!」
その自信は一体何処から来てるのだろうか?
実際は子ちぇん一匹では勝てる訳もなく、そこにいる全員でも返り討ちにされる程の戦力差なのだが…。
それに気付かぬのは本ゆっくりばかり…。
そうして、ぱちゅりーの“みょうあん”を行う事が決定した。
「わきゃっちゃよおおおお!!!」
見事に窓の縁に着地する子ちぇん。
そして、
「わぎゃらないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
そのまま窓の下に集めておいたガラスの破片の山に突っ込む親ちぇん。
「おとうしゃあああああああん!!?」
「むきゅ、ちぇんのことはいいからはやくおちびちゃんはあのじじいをせいっさいするのよ!!!」
親の身を案じる子ちぇんに親ぱちゅりーは叫ぶ。
親ちぇんは家族みんなのために傷付いた。
なればこそ子ちぇんは立ち止まる事は出来ないのだ。
「わきゃっちゃよー!きっちょたしゅけるきゃらにぇー!!」
ちぇんは尻尾で涙を拭い、庭へと飛び降りた。
親ぱちゅりーはそれを見届け、自分の現状と向き合う。
「むきゅう、こんなわなをしかけるなんてゆるせないわあああああ!!!」
「あにょじじいをじぇっちゃいちぇいっちゃいちちぇねおねえしゃん!!」
いつの間にか親ちぇんの怪我まで男の仕掛けた罠だと勘違いする一同。
だから突っ立ってないでさっさと助けてやれって…。
「わぎゃらにゃいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
痛みに転がる親ちぇん。
子供と同じ反応だがサイズが違う。
子ゆっくりにはたまったものではない。
「むぎゆ!!?」
親ちぇんの転がりで衰弱していた二匹の子ぱちゅりーの内の一匹が潰される。
「いみょうぢょぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛わがらないよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
子ちぇんが泣き叫ぶ。
「むっきゅうううううなにじでるのおおおおおお!!?」
ちぇんの状態も鑑みずに親ぱちゅりーは叫ぶ。
「わがだないよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
親ちぇんは我が子を自分の身体で圧死させた事に気付いていないようだ。
「ちぇええええん!!!やめなざいい゛い゛い゛!!ゆっぐりでぎないわよお゛お゛お゛お゛お!!!」
親ぱちゅりーは親ちぇんに対して何もせずにただ喚くだけだった。
「いだいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?わがだな゛い゛い゛いよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
中身のチョコを撒き散らしながら転がる親ちぇん。
中身が詰まってる分、子ちぇんよりも余裕があるようだ。
「むきゅ、このままじゃゆっくりできないわ!おちびちゃんたちはぱちぇのおくちにはいってね!!」
「む…きゅ…」
「わきゃっちゃよー!」
外へと出て行ったちぇんを除いて残り二匹となった子供達は親ぱちゅりーの口の中に逃げ込む。
「むきゅ、これでもうあん…「いだい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
むぎゅい゛い゛!!?」
これで安心、と呑気に突っ立っていた親ぱちゅりーに親ちぇんの体当たりがぶち当たる。
「むぎゅぶう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ッ!!?」
身体が頑丈ではないぱちゅりーは吹き飛ばされ、ガブリと口の中のものを噛んだ。
「むぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
それと同時に口の中から我が子の断末魔が響く。
そして口の中に広がる自分が吐く中身と同じ甘み。
それだけで何が起きたか十二分に理解出来た。
死んだのだ。自分にそっくりだった知的なぱちゅりーが…。
「わぎゃりゃにゃいよおおおおおおお!!?おぎゃーしゃんがいみょうちょをたべちゃったよおおおおおおお!!?」
妹が死んだ事で子ちぇんはパニックに陥る。
自分のいる場所が安全ではなくむしろ危険地帯であると子ちぇんは判断したのだ。
父親が家族を殺すのを見たのだ。
そう判断してもおかしくはない。
「だしちぇえええええ!!?」
子ちぇんは一刻も早く逃げようとする。
「むきゅ!?やめなさい!!」
親ぱちゅりー…というかこの時点で生き残っているぱちゅりーはこいつしかいないからぱちゅりーと言った方がいいのかもしれない。
が、口から出すまいと必死で口を閉ざす。
「やじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?きょんなときょでちにちゃきゅにゃいよおおおおお!!!わぎゃっちぇにぇえええええ!!!」
じたばたと暴れる子ちぇん。
まるで鬼の腹の中で暴れる一寸法師だ。
「むぐぐぐ…」
親であるぱちゅりーはそれに必死で耐える。
中から脱出しようと噛み付いたり体当たりしたりする子ちぇん。
あまり身体が頑丈じゃないぱちゅりーには相当な負担だ。
だが必死にぱちゅりーは耐えた。
大切な我が子の為…ぱちゅりーにそっくりで知的な…。
「むきゅ…」
そこでぱちゅりーは気付いた。
もう自分にそっくりで知的だったぱちゅりーはもういない事に…。
「だじぇ!!ぢぇんはあんなむらざぎもやじのい゛ぼうどみだいにだべられだぶないんだよ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!
おねがいだがらわがっでねえ゛え゛え゛え゛!!!……わがれっでい゛っでんだよぐじゅおやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
ぱちゅりーの口の中から醜い子ちぇんの叫びが響く。
ぱちゅりーはふと考えた。なんでぱちぇはこんなゆっくりしてないていのうをたすけなくちゃならないの?
どうしてぱちぇそっくりなちてきなおちびちゃんがしんでこんなていのうがいきてるの?
そうよ、おちびちゃんをころしたちぇんとおなじちぇんなんてぱちぇのこどもじゃないわ。
そう考えついた次の瞬間、ぱちゅりーは文字通り子ちぇんを吐き出した。
「ぶぎゅう゛ッ!!?」
勢いよく放出され、子ちぇんは顔面から床に着地する。
「わぎゃらにゃいよぉ…」
突然の痛みに涙ぐむ子ちぇん。
そしてそんな子ちぇんに、
「じねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
ぱちゅりーは容赦なくのしかかった。
「ぶぎゅう゛う゛!!?」
口からチョコを吐き出す子ちぇん。
それに構わず何度も我が子を踏み付けるぱちゅりー。
「おばえだぢのぜいでぱちぇのおちびじゃんがじんだんだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?おばえなんがぱぢぇのこどもじゃない!!!ゆっぐりじないどざっざどじねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
「ぶぎゅう゛!?」
子ちぇんにとって訳の分からない理屈で殺されようとされる子ちぇん。
「わぎゃぼ!!?」
踏まれたショックで勢いよく目玉が飛んで行く。
これでは野生で生きていけるのは不可能だ。
「じになざい!!!」
そして最後の一撃とばかりに勢いよくぱちゅりーは跳びはねた。
「にゃ…んで…」
子ちぇんは訳が分からなかった。
いきなり自分の両親が姉妹を殺し、自分まで殺そうとしているからだ。
自分の放った暴言など記憶の隅にも残っていない。
どうしてこんな事になったのだろうか…?
人間のお家を乗っ取った筈なのにどうしてこんな目に…。
「やじゃ…ちにちゃくにゃ…ぶるべあ゛ぁ!!?」
もはや何も見えない子ちぇんは訳の分からぬまま、実の親に踏み潰されたのだった…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一方その頃…。
「ちゃみゅいよぉ…」
姉妹が自分以外全滅しているとも露知らず、自分達に逆らう(と子ちぇん達は思い込んでいる)男を制裁しようと男の自宅の周りを跳ね続ける。
入れる場所なんて何処にも無い。
ただ宛てもなく玄関辺りにいたのだが何の進展もない。
子ちぇんが出来る事等何もない。
親の所へ戻れず、ただ死にゆくだけだ。
「ドアしゃんどいちぇね!!
じゃにゃいちょしぇいしゃいしゅりゅよ!!!」
学習能力ゼロの子ちぇんは無意味にドアに体当たりを仕掛ける。
しかしドアは身じろぎもしない。
というか野球ボールサイズの体当たりで破壊されたら扉としては落第だ。
「ゆぎゅううううう!!!どうちちぇあきゃにゃいのおおおおおおおお!!?」
しかし子ちぇんは無駄だと気付きもせずに体当たりをし、自らを疲弊させた。
「ゆひぃ…わきゃらにゃい…よぉ…」
子ちぇんは疲れ果ててしまい、少し休憩する。
体力を回復させ、もう一度玄関の扉に挑むつもりのようだ。
だが、
「やべやっべ!早く行かないと遅刻になっちまう!!」
子ちぇんと扉を挟んだ向こう側では本来のこの家の持ち主が急いで靴を履いていた。
男は扉の向こう側で子ちぇんが休憩をとっている事に気付いていない。
「あいつに何かぐちぐち言われるのも癪だしな…」
男は靴を履き終え、急いで扉を開いた。
「ぷぎょ!!?」
「ん?」
勢いよく玄関の扉を開いたら変な声がした。
しかし男が辺りを見回しても人間どころかゆっくりの姿もない。
「おっかしいな…て、こんな所で遊んでる場合じゃねえ!!!」
男は急いでいる事を思い出し、玄関の鍵を閉めて急いで出て行った。
一方、
「………!?……!!?」
草むらにいる子ちぇんは突然の痛みに訳が分からなかった。
開いた扉に思い切りぶつかり吹っ飛んだ。
歯がほぼ全て折れ、片目も潰れてしまった。
満足に喋る事も出来なくなってしまい声も出せず痛みに喘ぐしかない。
「…ぁ…わ…ゃ…」
男は子ちぇんに気付く事もなくそのまま出て行った。
いぢゃい…たじゅげで…。
子ちぇんは男に気付くでもなく恨むでもなくただ単純に痛みに喘いでいる。
吹っ飛んで庭の放置されて生い茂った草むらで誰にも気付かれずにいた。
いや、正確には気付いた者はいた。
ただし、それは子ちぇんにとって幸運なものでは決してなかったが…。
「…ゅ…?」
子ちぇんがそれに気付いた。
そこにいたのは一羽の鳩だった。
つぶらな瞳が真っ直ぐに子ちぇんを見据える。
「……………!!?」
そして、迷わず子ちぇんを啄み始めた。
「…ゆひゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
新たな痛みにドアにぶつかった痛みを一時的に忘れて悲鳴を上げる子ちぇん。
だが痛みに弱い、その上子ゆっくりだ。
無駄に人間と生態が似ている為それなりの期間親元で過ごさなくてはならない子
ゆっくりに成体でも危機的なこの状況を脱せられる訳が無かった。
鳩は子ちぇんの叫びが喧しかったのだろうか、子ちぇんの口を啄み二度と使えなくした。
「…………!!?…………!!!」
こうして、ほぼ全滅したちぇん一家の最後の希望は鳩の食事としての大役を果たしたのだった…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「むきゅう…むきゅう…」
我が子を殺したぱちゅりーは息を荒げながらやり遂げた顔をしていた。
「わがら…な…い゛…」
一方今にも死にそうな親ちぇん…いやこっちも子供はもういないからただのちぇんだ…は苦しそうに壁にもたれ掛かっている。
そこら中に飛び散ったチョコの軌跡。
それだけでどれだけ転がり回ったのか想像に難くない。
壁にぶつかってそのまま動けなくなったのだ。
中のチョコを大分撒き散らしてしまった…。
このままでは長くはないだろう…。
「むぎゅ…ざまぁみろ…」
そんなちぇんを見てぱちゅりーは笑う。自分のつがいとは思えない態度だった。
「たずげでぇ…ぱぢゅでぃ…」
自分が家族を殺した事も知らないちぇんはぱちゅりーに助けを求める。
だが、
「むきゅ、なにいってるの…おばえのぜいで…ごうなっだのよ……だから…ゆっぐりじになざい…」
ぱちゅりーもガラスの破片が突き刺さったちぇんに攻撃する程愚かではない。
もうすぐ死ぬちぇんに対してありったけの罵倒をぶつけるだけだ。
「おばえだぢちぇんがむのうだがら…ぱちぇだぢがごんなべにあっでじばっだのよ…せいぜいぐるじんで…じんでね…」
ぱちゅりーは疲れて途切れ途切れでありながらも明らかにざまあみろという顔をしているのをちぇんはわかった。
だがどうしてぱちゅりーがそんな顔をしているのかちぇんには理解できなかった。
自分そっくりの可愛いおちびちゃんを外へ送り出した時と態度が全然違った。
その理由がちぇんにはどうしてもわからない。
今にも停止寸前のチョコレート脳では自分が子供を殺したことにさえ気付けそうにない。
だがそんなチョコレート脳でもある事に気付けた。
それは、自分そっくりな可愛いおちびちゃんである子ちぇんが潰れて死んでいる事だった…。
そして更につがいのぱちゅりーにチョコが付着している事にも気付いた。
それはちぇんそっくりの可愛いおちびちゃんを殺した証明でもあった。
実際それはちぇん自身のチョコが体当たりの際に付着したものだが子ちぇんをぱちゅりーが殺したのは事実なのでそう的外れでも無かった。
「わがっだよー……」
ちぇんは最後の力を振り絞って動き出す。
ちぇんにはどうしても許せなかったのだ…。
自分によく似た可愛い可愛いおちびちゃんを殺したぱちゅりーを…。
まだ自分と似てない子ぱちゅりーなら許した。
だが仮にもちぇんの子供を生む名誉を与えてもらっておきながらちぇんそっくりのおちびちゃんを殺すなんてちぇんにとって万死に値する行為だった。
どうやらお互いに自分本意な考えを持っていたようだ…。
こうして、つがいであった二匹は自分そっくりなおちびちゃんを殺された事によってただの怨敵に成り下がったのだった…。
「じね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
ちぇんが雄叫びを上げて傷だらけの身体でぱちゅりーに跳ねて行く。
だが死にかけの状態での体当たり等たかがしれている。
「むっきゅ!!」
変な奇声を上げてぱちゅりーはちぇんの体当たりを難無く回避する。
「よ゛げるな゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!わがれ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
ちぇんはぱちゅりーに向けて突進する。
「むきゅ!!」
それもぱちゅりーは難無く回避する。
「うに゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
チョコを撒き散らすちぇん。
どう控えめに見ても致死量だ。
だがそんな事ちぇんは気付きもしない。
「わがれ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
狂ったような叫びを上げちぇんは何度もぱちゅりー目指して突進する。
だが死にかけとちぇんに体当たりされた以外のぱちゅりーでは差がありすぎた。
結局一度もぱちゅりーに体当たり出来ず床に倒れ伏す。
「わがら…ない…」
どうして運動能力の低いぱちゅりーを殺せないのかちぇんには理解できない。
「むきょーきょっきょっきょ!!いいきみね!!」
どうやらそれなりに体力が回復したらしいぱちゅりーはちぇんを嘲笑う。
「わぎゃ…」
ちぇんは悔しかった。
おちびちゃんを殺したゲスを殺す事が出来なかった事を…。
そこにはぱちゅりーに対しての愛情なんてカケラも残ってなかった…。
「…ら…ない…よ……」
こうして、ちぇんは短い生の時間を尚更短くして死んだのだった…。
「むっきゅっきゅ!!
これでおちびちゃんのむねんははらせたわ!!」
最後の一匹となったぱちゅりーは自分のつがいを殺した事を誇らしげに言う。
だがそれを讃える者はいない。
何故なら今ここで生きているのはぱちゅりーだけなのだから…。
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「折角の休日が…」
完全に夜になった頃…男が自宅へと帰宅する。
どうやら用事がこの時間まで長引いてしまったようだ。
男はポストに郵便物があるか確認する。
ふと庭の方に眼を向けると何かチョコっぽいものを食い散らかしたかのような跡が見えた。
「全く…ポイ捨てかよ…」
基本お人よしの男は公共マナーは守るのでこういうのにはあまりいい顔はしない。
チョコが付いた緑色の切れ端を拾い、自宅へと入っていった。
結局、それが自宅に潜入したちぇん一家の一匹であるとは毛程も気付かなかった…。
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「むぎゅう゛…ざむいわあ゛…おなかへっだわ……」
ぱちゅりーは一匹部屋の隅でカタカタ震える。
僅か一日にしてぱちゅりー残して家族全員が死んだ為、これからぱちゅりーは一
匹で過ごさなくてはならなくなった…。
「あのくず…どうしてさっさとじじいをつれてこないのかしら…?」
もはや子ちぇんには毛程の愛情もないが、利用できるものは利用しておこうという考えがぱちゅりーにはあった。
あの子ちぇんがじじいを奴隷にして連れて来たらそのまま子ちぇんを殺して自分がじじいを奴隷にするというあまりにけんじゃ(笑)な作戦にうっとりしていた。
人間さえ奴隷にすればあんなちぇんなんかよりもずっとゆっくりしたもりのけんじゃ(笑)に相応しいゆっくりなんて簡単に手が無いけど手に入る。
そう考え、子ちぇんがじじいを連れて来るのを待っていた。
ぱちゅりーは非の打ち所のない素晴らしいけんじゃ(笑)な作戦だと思っているようだが、そもそも何で自分より下等な存在と思い込んでいるのにそれを奴隷にしたら何でも出来るみたいな結論になるのか不思議でしょうがない。
まぁ実際子ちぇんは鳩の食事という身にあまる光栄な最期を遂げ、男を倒す事も奴隷にする事も何も出来ず明日のゴミの日に出すゴミ達と一緒にゴミ袋に残骸が入れられていたのだが…そんな事ぱちゅりーは知る由も無かった…。
「むきゅう…おそいわ。ぐずにもほどがあるわ…」
ぱちゅりーは一向に来ない子ちぇんに不満がタラタラだ。
来る訳無いのだがぱちゅりーはその可能性を微塵も考えない。
「むきゅう…しかたないわ…。こいつらをたべましょう…」
ぱちゅりーはどうやら空腹に耐え切れなくなったようで、ゆっくりを食う事にしたようだ。
だが自分そっくりで理知的でけんじゃなぱちゅりーを食うつもりにはなれず、まずは汚らわしいちぇんを食う事にした。
本来なら汚らわしいちぇんを食うつもりにもなれないのだが背に腹は変えられない。
それに見るのも嫌だという点もあった。
本来ゆっくりにとって最期の手段である無能の証明のような行動なのだが肝心のぱちゅりーはなんてれいせいなはんだんができるのかしら!!さすがけんじゃね!!と自画自賛していた。
という事でぱちゅりーは一番手頃にあった子ちぇんを食べる事にした。
パクリ、と子ちぇんを一口で入れて味わおうとする。
が、
「むぎょおおおおおおおおお!!?」
耳障りな悲鳴を上げて子ちぇんの残骸を吐き出した。
ぱちゅりーが吐き出した子ちぇんはガラスまみれとなって死んだ子ちぇんだった。
それを口の中に入れたから切ってしまったのだ。
夜になって視界が悪くなって気づけなかったのか…もしくは底無しの馬鹿だった
のだろう…。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛!!!よぐぼぱぢゅでぃいいのぎれいなおぐびを゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
舌がガラスによって二つに分かれているにも関わらずあまり違和感なく喋るぱちゅりーは吐き出した子ちぇんの残骸をかつてと同じように踏み潰そうとする。
そんな事をすれば…、
「む゛んぎょあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
ガラスが刺さるのも仕方がない話だ。
どうやら底無しの馬鹿が正解のようだ。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛!!?
ぱぢぇのぎれいなおみあ゛じがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
ガラスは深く突き刺さり、ぱちゅりーのあんよから生クリームが滲み出る。
「むぎょお゛お゛!?
ぱぢぇのはいいろのおつむがもれぢゃうわあ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
灰色のおつむって食ったら腹壊しそうな中身だな…。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛!!?
きずをふさぐものはどこをおおおおお!!?」
その傷自体は深いが処置すれば大丈夫程度の中途半端なものだが気が動転したぱちゅりーはそれが大怪我だと思い込んだ。
だが傷を塞ぐものはない。
底部の傷は舌でぺーろぺーろ出来ない。
どうするか?
ぱちゅりーが考えついた方法は一つだった。
「むきゅううううう!!?
かべしゃんちゅめたいわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?どうじであ゛だだぐないのぼお゛お゛お゛お゛!!?」
壁に押し付ける事だった。
圧迫して出を少なくしようとしたのだ。
そして、冷気によってひんやりした壁はぱちゅりーには相当堪えるものだったようだ。
「むぎゅぎゅぎゅ…ちべちゃいわあ゛……」
ガチガチと歯を震わせて寒さに耐えるぱちゅりー。
子ゆっくりなら死んでしまえる寒さも成体のぱちゅりーでは何とか耐えられてしまえるのでまだまだ死ぬ事はない。
「むぎゅ…はやぐぎなざい…じじい…」
今の状況でまだ人間に勝てるつもりでいるのがある意味凄い…。
「むきゅうう…」
結局ぱちゅりーは中身が漏れる恐怖のせいで壁から離れられず、空腹を埋める事も出来ず、漏れるかもという危惧で眠れぬ夜を過ごすしかなかった…。
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「何で仕事ある日の方で寝坊するかなあああッ!!?」
翌日の早朝、男は休日の日は普通に起きれたのに仕事のある日は寝坊してしまったようだ。
急いで男は着替えを済ませて出て行く。
その際ぱちゅりー達がいる部屋の近くも通ったが、ぱちゅりー達の事等記憶の片隅にも残ってなかった…。
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どたばたと騒がしい音に気付いたぱちゅりー。
眠れる夜を過ごし、何故か眼にクマが出来ていた。
「むきゅ…」
寒さと不眠は思いの外堪えたようだ。
まぁ二日間寝てなければ人間でも辛いが。
「ようやく…きたのね…おぞずぎるわ…」
ぱちゅりーはその物音が男が自分の奴隷である事を理解したのだと思い込んだ。
「でてぎたら…みのほどを…おじえであげるわ…むぎゅ…」
万全でも同じゆっくりにすら負けるぱちゅりーが今の状況で勝てる訳等微塵もないのにここまでの思い上がりはむしろ凄いと思う。
だがしかし、男の方はぱちゅりー達の事等忘れており、今はそれ所でもないのだ。
「この電車乗り遅れたら完璧遅刻だ!!!」
男はダッシュして家から出て行く。
だがこんな状況でもちゃんと鍵を閉めて行くというこまめなところは忘れないの
がこの男のある意味特徴であった。
「むきゅううううううう!!?どうしてじじいがこないのおおおおおおお!!!」
男が家から出て行き、静かになった家で叫び声を上げるぱちゅりー。
ホント、隣が空き家なのがせめてもの救いだ。
「ぱちぇがごまっでるのよお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!
たずげるのがどれいのやぐべでじょう゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ
゛あ゛!!!」
男を心底見下していたぱちゅりーは来なかった事に驚きと焦りが生まれていた。
内心見下していながらも今の状況を打破出来るのも男しかいないのも理解してい
たのだ。
二つに裂け、まさに二枚舌となった舌。
ズタズタになった口内。
ガラスが突き刺さり、中身を撒き散らすあんよ。
まさに満身創痍。
一日家に閉じ込めておくだけでまさかここまでになるとは一日で白髪になったマリー・アントワネットもビックリだ。
そして、そんな状況を流石に底無しの馬鹿でも生命の危機である事位は感じ取っていた。
「むきょああああああああ!!!やだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?ぱぢぇまだじびだぶない゛い゛い゛い゛い゛!!!まだやりだびごどいっばいあぶのよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
狂乱したように叫ぶぱちゅりー。
だがその声は誰にも届かない。
ホント、お隣りが空き家でよかったよかった…。
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結局一時間もしない内にぱちゅりーは疲れ果てていた。
存外大声というのは体力を浪費するのだ。
オペラ歌手とかに恰幅のいい人が多いのはそのせいだと何の根拠もなく言ってみる。
その上全く休養も食事もとって無いのだ。
限界間近と言っても過言ではない。
「むぎゅ…じがだないわ…」
背に腹は変えられない。
ぱちゅりーは自分の中身(ぱちゅりーからすると知識)を捨て、家族の残骸を食す事に決めたのだ。
ずーりずーりと這いながらガラス塗れではない潰れた子ちぇんの残骸へ近付いて行く。
「むきゅ…いちゃじゃきましゅ…」
パクンと子ちぇんの残骸を口に入れる。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?」
それと同時に口内に出現する激痛。
ぱちゅりーは忘れていたが口内はガラス片でズタズタ。
舌は二つに分かれている。
そんな状態で食事がまともに出来るわけがない。
「むぎょ…ゆげ…」
痛い…痛い痛い痛い痛い痛い痛いいいいいいいい!!?
痛みに耐性のないゆっくりには耐え難い激痛だ。
思わず口に入れた食糧を吐き出したくなる。
それを何とか耐えて飲み込む。
「む…げぇ…むごぉ…」
子ちぇんの残骸を食べ切る。
だがむしろ食う労力の方が大きかったような気がする…。
「む…ぎゅ…ながみが…もべぢゃうわ゛…」
ぱちゅりーはそう言いながら壁の方へと這っていく…。
冷たい壁にあんよを押し付け、気を抜けば中身が漏れ、食事は激痛のオマケ付き。
寒さで夜は眠れない。
悪い方向に至れり尽くせりだ。
「むぎゅ…」
夢も希望もない状態でまだぱちゅりーは生き続ける。
身体が限界を迎えるのが先か…生を諦めるのが先か…。
「むきゅ…ごめ…なざい…あやばりま…がら…たずげ……」
ぱちゅりーの心が折れ、見下していた人間に謝罪をする。
人間を奴隷にしようとしたからこうなったんだ…。
こんな事なら前のお家から引っ越そうなんて…人間のお家を奪おうなんてしなければよかった……。
ここに来てようやく身の程を理解したぱちゅりー…。
だが謝罪の言葉に何の意味もない…。
最初に男を追い出した時点で手遅れだったのだ。
罪の意識が芽生えてもぱちゅりーが助かることはない。
ただ、もうしばらく…あと数日はぱちゅりーのゆん生は終わりそうにはなかった…。
だがそれはぱちゅりーにとって決して幸運等ではなかった…。
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男が寝坊して会社に遅刻しそうになってから一週間が経過していた…。
「そういえばあいつ等どうしたんだろ?」
積もった雪を踏んで足跡付けまくるのが大好きだった男は年甲斐もなく長靴履いて初雪によって雪が積もった庭を歩き回っていたら窓が割れているのに気付いたのだった…。
本当に隣が空き家でよかった…。
男が数日振りにぱちゅりー達がいた部屋へ入室する。
そこには割れたガラスの破片と…ガチガチに固まった紫饅頭があった…。
おそらく他のゆっくりは全てぱちゅりーが苦痛に悶えながら食いきったようだ…。
「あれ…他のは出て行っちゃったのか…」
男をそう呟きながら紫饅頭を持つ。
すると、
「あれ、こいつ死んじゃってる…」
寒さのせいで凍り付いたぱちゅりーが死んでいる事に男は気付いた。
その顔は苦痛に歪んでおり、ゆっくりしている状態とは掛け離れたものだった…
。
中身が残っているという事は男が見つけたあんよの怪我は致命傷ではないようだ
。
と、いう事はそう簡単に衰弱死する事はゆっくりは中途半端に丈夫であるから考
えにくい。
つまりぱちゅりーは凍死した…と、男は判断した。
「置いてくなんて…酷い事するな…」
ぱちゅりーが病弱で貧弱なな種だとは男は知っていた。
きっと出られずに死んでしまったのだろうと男は勝手に結論づけた。
お前が言うなとゆっくりが生き残っていたら言っただろうが今ここでそれを言うものは残念ながらいなかった。
「しょうがない、埋めてやらないとな」
男はそう言いながらぱちゅりーの成れの果てを持って部屋から出て行った。
この時男は気付かなかった…。
実はまだ…ぱちゅりーは完全に死んでない事に…。
『む…ぎゅ…ぎゅ…ざむ…』
ぱちゅりーは凍り付いていながら何故かまだ意識を失っていなかった…。
男に抱き抱えられ、部屋からようやく脱する。
『むぎゅ…や゛っ…だ……』
それを殆ど機能の失った眼で何とか気付き、心の中で笑う。
そこに、男に謝罪した気持ちなど無くなっていた。
そこにあるのはやはり人間はぱちゅりーの奴隷で、自分は生き残るべき特別な存在だという思い込みだけだった…。
『むきょ…きょ…』
身体が凍ってなければ高笑いしただろう。
もっとも、一度溶けたアイスをまた凍らせても完全に元の状態に戻る事はないよ
うに、もし万が一ぱちゅりーが元に戻っても、生クリームには大きな障害が残る
のだが、それをぱちゅりーは知る由もない。
それにその可能性は万に一つもない。
何故なら男はぱちゅりーが既に死んでいると思い込んでいるからだ。
「あ」
そしてここで思わぬ事態が起きた。
ポロ、と男の手からぱちゅりーが落っこちたのだ。
「む…ぎゅ…?」
ぱちゅりーには何が起きたかわからなかった…。
気が付いたら床に寝転んでいた。
だが、まだギリギリで機能していた眼が今の状況を理解させた。
男と会って起こる偶然は決してゲスゆっくり達にとって幸運なものでは決してない…。
『む…むぎょおおおおおおおおお!!?』
ぱちゅりーは心の中で絶叫する。
何故なら、唯一機能していた右目が見据えたのは真っ二つになった自分の左半身だからだ。
『むぎょ…ど…うじで…ぇ…』
ぱちゅりーには訳が分からない。
突然半身が破壊されて目の前に転がっている。
凍った身体では痛みすら麻痺しており、それが現実を感じさせず、そしてぱちゅりーを死なせなかった…。
通常な状態なら真っ二つになった時点で死ねただろう。
しかし凍った身体はぱちゅりーを延命させていた…。
「あちゃー」
男はやっちまったといった顔でぱちゅりーの身体を集めた。
ちり取りと箒で。
『むぎょ…やめ…ぱちぇ…ゴミじゃ…』
あまりにもぞんざいな扱いにぱちゅりーは文句を言おうとするが真っ二つになった口は役目をとうの昔に放棄していた。
「これでよし」
男はそう言ってぱちゅりーの残骸を載せたちり取り片手に玄関に向かう。
『むぎゅ…ぞっちは…ぞど…』
ぱちゅりーは疑問に思う。
おそらく自分がこんな状態になったのはこの男が原因なのだと。
だから元に戻ったら絶対に殺してやると決めた。
謝ったって許してやるつもりもない。
だからまずは元に戻るまで我慢しようと考えた。
しかし、男はぱちゅりーを抱えたまま外に出てきてしまった。
治すなら外に連れていく必要はないから何故ここに来たのかぱちゅりーは理解できない。
雪が見える。
凍ってるせいか思ったよりも寒さは来ない。
『むぎゅ…はやぐ…なおじな…』
ぱちゅりーは男に早く自身を治すように告げる。
ぱちゅりーからすれば喋っているつもりなのだろうが凍り付いた身体は微動だにしていない。
男は一旦ぱちゅりーを置いて花壇の土を掘り始めた。
『む…きゅ…ど…じて…ほる…の…?』
男の行動に段々と嫌な予感を感じはじめるぱちゅりー。
だが気付こうが気付きまいが結局動けないから意味はない。
そして、
「じゃあな」
『むぎゅう゛う゛う゛!!?』
ぱちゅりーは穴の中に落とされた。
『むきゅううう!!?なにじでるのをお!!ぱちぇをはやくここからだしなさい!!!』
最後の力を振り絞って叫ぶが声にはならない。
男はぱちゅりーの生存に気付かない。
気付かないまま土をかける。
『やべ!?ぱぢぇがゆっぐひできな…!!』
ぱちぇは土との触れ合いを楽しみながらゆっくりと土中に埋まっていった…。
『むぎゅ…もうやば…』
土に囲まれた状態でぱちゅりーはあり続ける。
何とか機能を保っている眼も暗闇で意味を為さない。
『むぎゅ…だれが…たず…げ…』
ぱちゅりーは何一つ出来ず、意識だけが残ったまま土の中にあり続ける。もし、ぱちゅりーが死ねるとしたらそれは凍っていた中身が溶けて痛みを認識するかドロドロの全く別の存在になるか…少なくとも凍ったままでは死ぬ事も出来ない…。
しかし、雪はまだまだ降り続く。
天気予報はしばらく雪は止まないと告げていた。
どうやら世界はまだぱちゅりーに生きていてほしいようだっ…。
ぱちゅりーは暗闇の中永遠にも錯覚しそうな孤独の時間を過ごす事になったのだった……。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「うーさぶさぶ」
男は家の中に戻って来た。
ゴキゴキと身体から音を鳴らしている。
「うーん、運動不足かな…。久し振りに山登りとかしてみよっかなー」
男はそう言いながら暖かいコタツヘと向かって行った…。
それはとてもゆっくりしているように見えた…。
END
あとがき
あれ…ひょっとして俺ってぱちゅりー嫌い?
執筆途中で自分の作品でのぱちゅりーに対する扱い方の酷さに気付く天然あき。
最近色々と天然お兄さんがハッスルしていたので今回は控えめにしてみました。
いい加減「元銀バッジまりさの末路」を終わらせたいのに何故こっちの方が先に完成するのだろう?
それはさておきタグにある虐待の凄惨ってどれだけのレベルなら該当するんですかね?
まぁ天然あきレベルならどう考えても普通からは脱せられないから縁はなさそうですけどね。
いつか凄惨レベルと言われても遜色の無いの虐待SSを書きたいものです。
それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。
過去に作ったSS
ふたば系ゆっくりいじめ 293 おかざりがないとゆっくりできないよ!
ふたば系ゆっくりいじめ 311 きゃわいきゅっちぇぎょめんにぇ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 347 れいむはしんぐるまざーでかわいそうなんだよ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 397 大好きだよ
ふたば系ゆっくりいじめ 447 おきゃあしゃんのおうちゃはゆっきゅちできりゅね!
ふたば系ゆっくりいじめ 521 元銀バッジまりさの末路 上
ふたば系ゆっくりいじめ 543 元銀バッジまりさの末路 中
ふたば系ゆっくりいじめ 630 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 上
ふたば系ゆっくりいじめ 631 かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 下
ふたば系ゆっくりいじめ 669 おうちのなかでかわれなくてごめんね!!
ふたば系ゆっくりいじめ 677 元銀バッジまりさの末路 下