ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0696 ピュアな心でゆっくりするよ!!
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ankoss
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序盤のみ制裁系。
『ピュアな心でゆっくりするよ!!』
「まりしゃたちのおうちににんげんがはいってきたよ!ゆっくちしていってね!」
「おにいしゃんはゆっくちできるひと?ゆっくりできないならゆっくりしないででていってね!」
「ゆ!れいみゅおなかがすいたよ!れいみゅたちのおうたきかちてあげるからあまあまもってきてね!」
「「ゆ~ゆゆーーゆ~ん♪ゆんゆー♪」」
「ゆーん、おちびちゃんたちのおうたはとってもゆっくりしているのぜ!」
少年が家に帰るとそこにはテンプレ通りの光景が。
半分あけていた網戸を破って侵入していたのは、母親らしい成体サイズのまりさが1体。
その子供だろう、みかん並の大きさの仔まりさが2体、仔れいむが2体。
ふすまは破られ、テーブルの上に置いていた菓子類は食い散らかされ、花瓶は倒され割れた破片が散らばっている。
これまたテンプレ通りに荒らされているようだ。
「おうたをきいたんだからかわいいれいみゅにあまあまもってきてね!」
「まりしゃたちにももってくるんだじぇ!」
「ゆっくりしないでもってきてね!」
少年は身体を震わせると部屋を飛び出した。
そしてきっかり10分後。
「うおおおおーーーー!!!今帰ったぞおおおお!!!」
少年はコンビニ袋パンッパンにして帰ってきた。
中には大量のお菓子袋。
「お前ら、腹いっぱい食えーーー!!!」
勢い良く菓子袋を破くと躊躇うことなく次々と部屋にばら撒き始める。
「「ゆっひょおおおお!!?」」
「む~ちゃむ~ちゃ!うめ!これめっちゃうめ!」
狂喜乱舞しながら次々お菓子に群がるゆっくり達。
食いカスが辺りに汚く散らばるが少年はまったく気にしない。
少年はゆっくりが生息していない地域から最近この街に引越ししてきたばかりだったのだ。
絵で見るだけで噂にしか聞いた事がないゆっくりが、今、目の前に!
「うっひょー!めっちゃ可愛いな!うっうー!」
くねくねダンスを踊りながら上機嫌でどんどんお菓子をばら撒く少年。
彼は絵やTVで時々しか見た事がなかったがゆっくりが大好きだったのだ。
家を荒らされお菓子要求されても、腹が立つよりも喜びが大きく勝ってしまったのだろう。
大急ぎでコンビニに駆け込むと自分の大好きなお菓子を買いまくって戻ってきた。
ポッキー、。ポポロン。きのこの山。チョコボール。コアラのマーチ。パイの実。パックンチョ。
おっとっと。チュッパチャップス。ヴェルタース オリジナル。大樹の小枝にチョコフレーク。
カール。キャラメルコール。そして最近背伸びしてちょっとはまっている暴君ハバネロ。
「ゆびゅっ!?」
「おびゅっ!?」
どうやら2匹同時に当たりを引いてしまった様だ。
「「ゆびっ!ゆびっ!」」
餡子を吐き出しながら青褪めた顔で震えだす。
「ゆんやー!?おちびちゃんたちしっかりするんだぜ!!ぺ~ろぺ~ろ!!」
「れいみゅのいもうとたちが!しっかりちてー!」
「まりしゃもぺ~りょぺ~りょするー!!」
餡子を吐き出したゆっくりの異変に気付いた少年。
「えっ、なんで!?確か、こういう時はオレンジジュースで治るんだっけ!?待ってろよ!!」
再びコンビニに飛んでいくとジュースを山の様に買い込んで戻ってきた。
「うおおおーーー!!治ってくれーー!!」
ドボドボドボ!
「ゆっくりできないあめさんがふってきたよ!?」
「ゆゆっ!?あまっ!これもめっちゃうめ!ぺ~ろぺ~ろ!!」
「ゆー!もっともっと!!」
「よっしゃ任せとけ!!」
ドボドボドボドボドボ!
「「「ご~くご~く!ぺ~ろぺ~ろぺ~ろ!!」」」
「二刀流だ!!ツインレーザー発射!!」
ドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボ!!
「ゆべっ!?ゆげええええ!!か、がらだが!!?」
「ぎゃぼ!やべちぇばっ!」
「ぼびゅばっ!?」
水圧と水量が許容を一気に超えたせいで、仔ゆっくり達は全てオレンジジュースに溶けて流された。
「あれっ・・・?」
「ゆぎゃあああ!!?おぢびちゃんだちがああああぁぁ!!?よぐもおお!!じねじね!げすはじねぇ!!」
憤怒の形相で飛び掛る親まりさだが、自身も既にジュースに浸って結構ふやけていたせいで、少年の足に当たった瞬間べろっと皮がめくれてしまった。
「ぎいいいっ!?いで!いでっ!」
「あ、ごめんよ!大丈夫かい!?」
心配した少年が触れると、その部分の皮もベロリ。
「ゆひいぃぃ!?ずいまぜんでじたああぁぁ!!もうばりざ、おうぢにがえるううう!!」
「えっ、残念だな!また来てゆっくりしていってね!」
「ひいっ!ゆっくりでぎないいいいっ!!」
ずりずりと、まりさは死ぬ思いでその場を後にした。
ひっそりと人気の無い、薄暗い廃屋。野良まりさの本当のおうち。
「むきゅ!?まりさ、ぼろぼろじゃない!いったいどうしたの!?」
「あれ?おちびちゃんたちはどうしたの?」
廃屋に住む仲間が、死に物狂いで戻ってきたまりさに駆け寄ってきた。
街の野良ゆっくり達は野生のそれとは違って大規模な群れは作らないが、数家族単位のグループは作っている事が多い。
流石に1家族だけで競争に生き抜いていくのは厳しい。
だが野生ほどの規模となると元々荒んだ性格の者が多いので統制が取れないし、目立ち過ぎるとすぐ人間に見つかって駆除の対象になってしまう。
したがって、基本的に3,4家族の小規模なグループで生活するのが基本的だった。
そんな中、まりさは片親で子供達を育ててきた。
子供達がようやく狩りを教えられる程度まで成長したので、家族揃って初の狩りに一緒に出掛けたのが今朝のこと。
「ゆっ・・・ゆ゛ううううううううう!!!」
まりさは泣き崩れると、グループの皆に説明し始めた・・・。
その様子を見守る影が1つ。
「うわあ。心配だったからこっそりつけてきたらこんなに可愛いゆっくりがいっぱい!
でも、ここだと悪い人に見つかるかもしれないから心配だよ!
・・・あ!いい事考えた!!」
少年は近くの神社に駆け込むと、裏の林に向かって小声で叫ぶ。
「タロ!ジロ!おいで!」
「わん!」
「わんわん!」
2匹のかわいい犬が尻尾をふりふり飛び出してきた。
少年は、犬も好きだったので2日前にたまたま見つけた捨て犬2匹をこっそりと神社に隠して飼っていたのだ。
「今から、タロとジロに、ある家の番犬になって欲しいんだ!タロとジロは賢いから出来るよね!」
「わおん!」
「わんわん!!」
少年はタロとジロを廃屋に案内すると、
「じゃあ、明日は餌を持ってくるから頼んだよ!」
手を振ってその場を後にする。
タロとジロはその姿を見送った後、すぐ神社に戻って一吼え。
「わわん!」
「「「きゅーん?」」」
なんと、奥から8匹程の可愛い仔犬が飛び出してきた。
2日前に知り合った少年は知らなかったが、実は2匹は子持ちだったのだ。
さて、ねぐらを廃屋に移し、少年の言いつけ通り守ろうとしたら、奥から饅頭お化けがぞろぞろ出てきたではないか!
「ゆあ!?どぼちていぬさんのたいぐんがいるのおおおおおお!!!!?」
「むきゅう!!?あくまのぐんだんがきたわー!」
「おちびちゃん、おかあさんのくちににげてね!」
「ゆっくちゆっくち!」
「きょわいよおおおお!」
「こわいいぬさんはゆっくりしないでどこかにいってね!ぷくぅー!!」
仔犬の1匹がボールみたいに膨れたれいむにじゃれかかる。
「ゆんやああああああ!!?」
「あくまのいぬはどっかにいけ!」
飛び掛ったまりさによって、仔犬はびっくりして、きゅん!と鳴く。
我が子を攻撃された親犬達は怒りをあらわに、ゆっくり達に襲い掛かり始め、仔犬達も全員それに続いた。
「むぎゃあああ!!!だずげでえええ!!!」
「いぢゃっ!いぢゃい!れいみゅのきゃわいいおべべさんかじらにゃいでぇぇ・・・」
「ぴゃぴゃ!みゃみゃ!たしゅけ・・・ちゅびゅっ!?」
「ひゃめでね!でいびゅをかじりゃないでね!おくぢのなかにぎゃわいいおちゅびちゃんだぢぎゃ!」
「ゆゆっ!おくちさんひらいたからもうあんしん・・・ゆぴいいいいいっ!?」
「おねーしゃん、まりちゃきょわい!」
「れいみゅもきょわいいぃ!!」
「ひいい!!ありすのとかいはなぺにぺにをくいちぎらないでえええ!!」
「ゆびゃあああ!!ありちゅのぺにぺにぎゃ!かえちてええ!!」
「あ゛あ゛あ゛ああああぁぁ!!ごれじゃもうずっぎりでぎないいいぃ!かわいいごどもをつぐりだがったのにいぃ!!」
「いやじゃあ!いやじゃあ!まだぢにだぐないよー!!」
「もっどゆっぐり・・・じだがッ・・・」
「やべろー!げすいぬだぢ、ばりざだぢの・・・ぐべぎbあjふぃ!!」
「おがざりざんがー!かみさんがー!」
廃屋の中はさながら地獄絵図。
数では勝るとはいえ、ゆっくりが犬に勝てるはず無いのだ。
一方的な虐殺劇の中、傷ついたぱちゅりーは我が子達をkonozamaとロゴがついている平たい段ボール箱の中に隠す。
「むきゅ・・・えろえろっ・・・おちびちゃんたちだけはたすかって・・・もうぱちゅは・・・」
「「やー!おきゃあしゃん!!」」
「・・・いい?ぜったいおこえをだしちゃだめよ・・・」
最後に、優しい笑みを浮かべると蓋を閉め、それを守るかのように覆いかぶさり絶命した。
ようやく惨劇が終わったのは30分後。
既に動く者の姿はワンちゃん達以外にいなかった。
「うわああ!?なんじゃこりゃああ!?」
頭にたんこぶをつけた少年が来たのは次の日の夕方。
辺りはぐちゃぐちゃに散らかったゆっくり達の残骸。
もしかして、誰か悪人が来たのだろうか?
タロやジロは無事だろうか!?
ワンちゃんを完全に信用している少年は、昨日の惨劇の可能性などまったく頭に浮かばない。
少年の叫びを聞いて犬達が喜びながら飛び出してきた。
仔犬たちも両親の後についてうれしそうにわらわらと集まってくる。
「タロ!ジロ!無事だったのか!よかったよお!っていうか可愛い仔犬がこんなに!お前ら子持ちだったのかー」
可愛い仔犬に囲まれてすっかりご満悦の少年。
ふと視界に、かすかに動く物が見えた。
「ん!?生きてる!?」
駆け寄って手に取ると、一匹のまりさ。
まだ微かに息があるようだ。
「ゆ゛っ・・・ゆゆっ・・・」
実は昨晩少年の家にいたまりさなのだが、奇跡的に生き残っていたのである。
「大丈夫!?僕が今から助けてあげるね!」
瀕死のまりさを抱えると、大慌てて駆け出す。
その際、慌てていたせいで平たいダンボールを踏み潰してしまい転倒して膝を擦り剥いてしまった。
が、そんな怪我も我慢して、少年はその場を後にした。
さて、治療といっても家に連れて帰る訳にはいかない。
昨日のゆっくりの件で親に大目玉を食らったからだ。
お陰で頭を叩かれたんこぶまでできてしまった。
少年は少し悩んだ後、思い出す。
そうだ、オレンジジュースだ!
急いで自販機に駆け寄ってボタンを押す時に、更に思い出す。
そういえば、昨日オレンジジュースを掛けたゆっくりは死んでしまった。
もしかして、思ってたほどオレンジジュースは効きがよくないのかもしれない。
「んー・・・それじゃ逆に、にがいの飲ませてみようかな」
最近背伸びしてちょっとはまっているRootsのブラック。
ドボドボドボドボ!
「ぐべげっ!?」
まりさの身体が跳ね上がる。
「おっ!?元気になった!」
少年大喜びで、まりさの口に缶の飲み口を押し当てると一気に注ぎ込んだ。
「・・・かっ!・・・はっ!」
まりさは目を見開き、少年の顔を見る。
そこでようやく、自分を抱きかかえている人間が昨日、自分の子供達を皆殺しにした少年と気付く。
「・・・じねぇ・・・じ・・・ねぇ・・・!」
「え?何?聞こえないよ!」
か細い声で呟くと、それで最後の力を振り絞ったのだろう。
ガクリと身体から力が抜けた。
「まりさあああーーーーっ!!」
少年は、天に向かって叫び続けた・・・。
「ゆっ?そんなに叫んでどうかしたの?」
その声に振り向くと、そこのは巨大なゆっくり・・・ドスまりさの姿。
このドスは近くの山に住む1つの群れの長で、たまたま麓の人間さんとのお話し合いで下山しており、その帰り道だったのだ。
少年は初めて見るドスに少し心を躍らせながらも、すぐにまりさの事を思い出し、両手に抱えているそれを差し出して見せた。
ドスだったら・・・強大な力を持つと言われるドスならば、なんとかしてくれるかもしれない!
「うううっ・・・まりさが・・・まりさが動かなくなっちゃったんだよう!」
「ゆゆ!?うーん・・・これは・・・言いにくいけど、このまりさは、もう・・・」
「そ、そんなあ!お願い!助けて!助けてよ!!お願いだからまりさを殺さないで!!」
大泣きしながら少年は一心不乱に助けを求めた。
見た所、少年が抱えているまりさは野良のようだが、ここまでゆっくりに対して優しく真剣な子を無下にする訳にもいかない。
そこでドスはなんとか誤魔化す事にした。
「・・・わかったよ。ドスがこのまりさを群れに連れて帰って出来る限りの治療をするよ。
でも、もしかしたら完全に治らないかもしれないし、そんな姿を見られたらこのまりさも傷つくからね。
だから、もうこのまりさと会う事は出来ないよ。それでもいいなら・・・」
「・・・うん、わかった!だから、お願いだよ!まりさをよろしく頼むよ!」
「うん、分かったよ!優しい少年の気持ちに応えない訳はいかないからね!」
少年はまりさをドスに手渡すと、深々と頭を下げて、その場をゆっくりと離れた。
いまさら痛み出した膝の痛みを感じながら・・・。
「・・・あんな優しい少年を騙すような真似したくなかったけど・・・これで良かったんだよね・・・」
ドスは少年の背中を見届けながら呟いた。
さて、その様子をたまたま遠巻きに見ていた人間がいた。
「あれ?なんか騒いでないか?」
「ん?でも、あのドスって確か近所でも善良って評判のドスだろ?」
「子供がドスにちょっかいだしてるって感じでもないしな・・・」
「おい!?なんか、助けてとか、殺さないでって言ってないか!?」
「はあ!?」
そうこうしている内に、少年はドスに何かを奪い取られて、こちら右足を引きずりながら近づいてくる。
「なんかおかしいな。様子を聞いてみるか・・・」
「ちょっと、キミ?」
ビクッとして顔を上げると、そこには2人の警官が立っていた。
「怪我してるみたいだけど、大丈夫かい?」
「ちょっと話聞かせてもらっていいかな?さっきドスと話してたよね?」
「何か渡してたみたいだけど、一体どうしたの?」
少年は言葉に詰まった。
もし、まりさの事を話してしまえば、またゆっくり達に関わった事で両親に叱られてしまうかもしれない。
いや、それよりも何よりも。
もし、一連の事情を話してしまえば、廃屋に残しているタロ、ジロの一家が見つかってしまう!
見つかれば野良犬であるタロやジロ達は保健所に捕まってしまい、殺されてしまうだろう!
少年はそんな想像をしてしまい、涙をながすと頭を振るだけで何も話そうとしない。
「ねえ。黙ってちゃわからないよ」
「悪いけど、このまま放っておくわけには・・・」
「・・・で・・・」
「え?」
「・・・さ・・・ないで・・・」
「え?なんだって?」
「・・・お願い・・・殺さないで・・・!!」
気持ちが高ぶってしまったのだろう、そこで少年はフッと意識を失い、崩れ落ちてしまった。
「お、おい!きみ!!」
「た、大変だ!これはもしや・・・!!」
警官が見ると、既にドスの姿は消えていた。
「これは・・・事件だぞ・・・!!」
この事件はすぐさま麓の住人に伝えられた。
ドスは善良で有能な事で知られ、群れの数が1000を超えているのにも関わらず、まずまずの統治をしており、麓の住人ともそれなりの関係を築いていたのだ。
・・・そう、今日までは。
「まさか、あの善良なドスがそんな事をなあ・・・」
「子供を脅して何か奪い取ったって本当か!?」
「脅しただけじゃなく、怪我まで負わせたらしいぞ」
「くそ!今まで俺らを騙していたのかよ!!」
「俺は元々ゆっくりなんて信用してなかったけどな!」
「他の畑を襲う雑魚ゆっくりならともかく・・・」
「あの大きな群れの長、自らがそんな悪事を働いた以上、ワシ等も辛いが放っておく訳にはいかんな」
「でも、あの辺の山って私有地だから立ち入り禁止になってて無闇に入れないんじゃ・・・」
「事が事だ。地主に許可をとって・・・え?今、許可が出た!?」
「ああ、群れのある位置は分かってる。その辺なら入ってもいいってさ」
「・・・よし、みんな!正直、今までうまくやってたあいつらに手を出すのは辛いが仕方ない!
せめてもの慈悲だ。苦しまないように、一瞬でやるぞ!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」」
こうして、本気を出した人間達により、ドスが必死にまとめていた群れは弁解する暇もなく一夜で滅ぼされた。
ちなみに少年にはショックを与えたらいけないという事で、意識を取り戻した後、何を聞かれる事も知らされる事もなかった。
「おっ!ここコンビニになったのか。覚えてるだろ、ここにあった廃屋」
「・・・ああ、お前がタロとジロを匿っていたとこな」
小学生の時の話だ。
こいつが匿っていた犬の家族が周りの大人達にばれてしまい、保健所に送りかけられた。
当時、こいつとクラスで隣の席だった俺ともう1人の3人で一緒になって助けようとしたのだ。
小学生だけで3日3晩かけて篭城し、結構な騒動になったあの事件。
結局、タロとジロは俺の親父の知り合いの保護施設に預けられ、仔犬達も無事、それぞれ飼い主が見つかり幸せに過ごしたとの事だ。
ちなみにこいつと友達になってしまったきっかけでもある。
「そういえばさ。ちょうどその頃あった別の事件、覚えてるか?」
「ん?何?」
「いやさ。あの辺の山って俺の親父が持ってるだろ。その山の1つにいたドスが子供を襲ったとかなんとかで群れごと滅ぼされたってやつな」
「んーーー?」
俺の言葉に暫く首を傾げて何かを思い出そうとするそぶりを見せると、
「いやあ、小1の頃だし覚えてないなあ」
(終わり)
今まで書いたの
ふたば系ゆっくりいじめ 533 カマキリさんの卵でゆっくりするよ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 540 浮浪者とゆっくり
ふたば系ゆっくりいじめ 541 静かにゆっくりするよ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 581 静かにゆっくりできないよ!!(前編)
ふたば系ゆっくりいじめ 586 静かにゆっくりできないよ!!(後編)
『ピュアな心でゆっくりするよ!!』
「まりしゃたちのおうちににんげんがはいってきたよ!ゆっくちしていってね!」
「おにいしゃんはゆっくちできるひと?ゆっくりできないならゆっくりしないででていってね!」
「ゆ!れいみゅおなかがすいたよ!れいみゅたちのおうたきかちてあげるからあまあまもってきてね!」
「「ゆ~ゆゆーーゆ~ん♪ゆんゆー♪」」
「ゆーん、おちびちゃんたちのおうたはとってもゆっくりしているのぜ!」
少年が家に帰るとそこにはテンプレ通りの光景が。
半分あけていた網戸を破って侵入していたのは、母親らしい成体サイズのまりさが1体。
その子供だろう、みかん並の大きさの仔まりさが2体、仔れいむが2体。
ふすまは破られ、テーブルの上に置いていた菓子類は食い散らかされ、花瓶は倒され割れた破片が散らばっている。
これまたテンプレ通りに荒らされているようだ。
「おうたをきいたんだからかわいいれいみゅにあまあまもってきてね!」
「まりしゃたちにももってくるんだじぇ!」
「ゆっくりしないでもってきてね!」
少年は身体を震わせると部屋を飛び出した。
そしてきっかり10分後。
「うおおおおーーーー!!!今帰ったぞおおおお!!!」
少年はコンビニ袋パンッパンにして帰ってきた。
中には大量のお菓子袋。
「お前ら、腹いっぱい食えーーー!!!」
勢い良く菓子袋を破くと躊躇うことなく次々と部屋にばら撒き始める。
「「ゆっひょおおおお!!?」」
「む~ちゃむ~ちゃ!うめ!これめっちゃうめ!」
狂喜乱舞しながら次々お菓子に群がるゆっくり達。
食いカスが辺りに汚く散らばるが少年はまったく気にしない。
少年はゆっくりが生息していない地域から最近この街に引越ししてきたばかりだったのだ。
絵で見るだけで噂にしか聞いた事がないゆっくりが、今、目の前に!
「うっひょー!めっちゃ可愛いな!うっうー!」
くねくねダンスを踊りながら上機嫌でどんどんお菓子をばら撒く少年。
彼は絵やTVで時々しか見た事がなかったがゆっくりが大好きだったのだ。
家を荒らされお菓子要求されても、腹が立つよりも喜びが大きく勝ってしまったのだろう。
大急ぎでコンビニに駆け込むと自分の大好きなお菓子を買いまくって戻ってきた。
ポッキー、。ポポロン。きのこの山。チョコボール。コアラのマーチ。パイの実。パックンチョ。
おっとっと。チュッパチャップス。ヴェルタース オリジナル。大樹の小枝にチョコフレーク。
カール。キャラメルコール。そして最近背伸びしてちょっとはまっている暴君ハバネロ。
「ゆびゅっ!?」
「おびゅっ!?」
どうやら2匹同時に当たりを引いてしまった様だ。
「「ゆびっ!ゆびっ!」」
餡子を吐き出しながら青褪めた顔で震えだす。
「ゆんやー!?おちびちゃんたちしっかりするんだぜ!!ぺ~ろぺ~ろ!!」
「れいみゅのいもうとたちが!しっかりちてー!」
「まりしゃもぺ~りょぺ~りょするー!!」
餡子を吐き出したゆっくりの異変に気付いた少年。
「えっ、なんで!?確か、こういう時はオレンジジュースで治るんだっけ!?待ってろよ!!」
再びコンビニに飛んでいくとジュースを山の様に買い込んで戻ってきた。
「うおおおーーー!!治ってくれーー!!」
ドボドボドボ!
「ゆっくりできないあめさんがふってきたよ!?」
「ゆゆっ!?あまっ!これもめっちゃうめ!ぺ~ろぺ~ろ!!」
「ゆー!もっともっと!!」
「よっしゃ任せとけ!!」
ドボドボドボドボドボ!
「「「ご~くご~く!ぺ~ろぺ~ろぺ~ろ!!」」」
「二刀流だ!!ツインレーザー発射!!」
ドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボドボ!!
「ゆべっ!?ゆげええええ!!か、がらだが!!?」
「ぎゃぼ!やべちぇばっ!」
「ぼびゅばっ!?」
水圧と水量が許容を一気に超えたせいで、仔ゆっくり達は全てオレンジジュースに溶けて流された。
「あれっ・・・?」
「ゆぎゃあああ!!?おぢびちゃんだちがああああぁぁ!!?よぐもおお!!じねじね!げすはじねぇ!!」
憤怒の形相で飛び掛る親まりさだが、自身も既にジュースに浸って結構ふやけていたせいで、少年の足に当たった瞬間べろっと皮がめくれてしまった。
「ぎいいいっ!?いで!いでっ!」
「あ、ごめんよ!大丈夫かい!?」
心配した少年が触れると、その部分の皮もベロリ。
「ゆひいぃぃ!?ずいまぜんでじたああぁぁ!!もうばりざ、おうぢにがえるううう!!」
「えっ、残念だな!また来てゆっくりしていってね!」
「ひいっ!ゆっくりでぎないいいいっ!!」
ずりずりと、まりさは死ぬ思いでその場を後にした。
ひっそりと人気の無い、薄暗い廃屋。野良まりさの本当のおうち。
「むきゅ!?まりさ、ぼろぼろじゃない!いったいどうしたの!?」
「あれ?おちびちゃんたちはどうしたの?」
廃屋に住む仲間が、死に物狂いで戻ってきたまりさに駆け寄ってきた。
街の野良ゆっくり達は野生のそれとは違って大規模な群れは作らないが、数家族単位のグループは作っている事が多い。
流石に1家族だけで競争に生き抜いていくのは厳しい。
だが野生ほどの規模となると元々荒んだ性格の者が多いので統制が取れないし、目立ち過ぎるとすぐ人間に見つかって駆除の対象になってしまう。
したがって、基本的に3,4家族の小規模なグループで生活するのが基本的だった。
そんな中、まりさは片親で子供達を育ててきた。
子供達がようやく狩りを教えられる程度まで成長したので、家族揃って初の狩りに一緒に出掛けたのが今朝のこと。
「ゆっ・・・ゆ゛ううううううううう!!!」
まりさは泣き崩れると、グループの皆に説明し始めた・・・。
その様子を見守る影が1つ。
「うわあ。心配だったからこっそりつけてきたらこんなに可愛いゆっくりがいっぱい!
でも、ここだと悪い人に見つかるかもしれないから心配だよ!
・・・あ!いい事考えた!!」
少年は近くの神社に駆け込むと、裏の林に向かって小声で叫ぶ。
「タロ!ジロ!おいで!」
「わん!」
「わんわん!」
2匹のかわいい犬が尻尾をふりふり飛び出してきた。
少年は、犬も好きだったので2日前にたまたま見つけた捨て犬2匹をこっそりと神社に隠して飼っていたのだ。
「今から、タロとジロに、ある家の番犬になって欲しいんだ!タロとジロは賢いから出来るよね!」
「わおん!」
「わんわん!!」
少年はタロとジロを廃屋に案内すると、
「じゃあ、明日は餌を持ってくるから頼んだよ!」
手を振ってその場を後にする。
タロとジロはその姿を見送った後、すぐ神社に戻って一吼え。
「わわん!」
「「「きゅーん?」」」
なんと、奥から8匹程の可愛い仔犬が飛び出してきた。
2日前に知り合った少年は知らなかったが、実は2匹は子持ちだったのだ。
さて、ねぐらを廃屋に移し、少年の言いつけ通り守ろうとしたら、奥から饅頭お化けがぞろぞろ出てきたではないか!
「ゆあ!?どぼちていぬさんのたいぐんがいるのおおおおおお!!!!?」
「むきゅう!!?あくまのぐんだんがきたわー!」
「おちびちゃん、おかあさんのくちににげてね!」
「ゆっくちゆっくち!」
「きょわいよおおおお!」
「こわいいぬさんはゆっくりしないでどこかにいってね!ぷくぅー!!」
仔犬の1匹がボールみたいに膨れたれいむにじゃれかかる。
「ゆんやああああああ!!?」
「あくまのいぬはどっかにいけ!」
飛び掛ったまりさによって、仔犬はびっくりして、きゅん!と鳴く。
我が子を攻撃された親犬達は怒りをあらわに、ゆっくり達に襲い掛かり始め、仔犬達も全員それに続いた。
「むぎゃあああ!!!だずげでえええ!!!」
「いぢゃっ!いぢゃい!れいみゅのきゃわいいおべべさんかじらにゃいでぇぇ・・・」
「ぴゃぴゃ!みゃみゃ!たしゅけ・・・ちゅびゅっ!?」
「ひゃめでね!でいびゅをかじりゃないでね!おくぢのなかにぎゃわいいおちゅびちゃんだぢぎゃ!」
「ゆゆっ!おくちさんひらいたからもうあんしん・・・ゆぴいいいいいっ!?」
「おねーしゃん、まりちゃきょわい!」
「れいみゅもきょわいいぃ!!」
「ひいい!!ありすのとかいはなぺにぺにをくいちぎらないでえええ!!」
「ゆびゃあああ!!ありちゅのぺにぺにぎゃ!かえちてええ!!」
「あ゛あ゛あ゛ああああぁぁ!!ごれじゃもうずっぎりでぎないいいぃ!かわいいごどもをつぐりだがったのにいぃ!!」
「いやじゃあ!いやじゃあ!まだぢにだぐないよー!!」
「もっどゆっぐり・・・じだがッ・・・」
「やべろー!げすいぬだぢ、ばりざだぢの・・・ぐべぎbあjふぃ!!」
「おがざりざんがー!かみさんがー!」
廃屋の中はさながら地獄絵図。
数では勝るとはいえ、ゆっくりが犬に勝てるはず無いのだ。
一方的な虐殺劇の中、傷ついたぱちゅりーは我が子達をkonozamaとロゴがついている平たい段ボール箱の中に隠す。
「むきゅ・・・えろえろっ・・・おちびちゃんたちだけはたすかって・・・もうぱちゅは・・・」
「「やー!おきゃあしゃん!!」」
「・・・いい?ぜったいおこえをだしちゃだめよ・・・」
最後に、優しい笑みを浮かべると蓋を閉め、それを守るかのように覆いかぶさり絶命した。
ようやく惨劇が終わったのは30分後。
既に動く者の姿はワンちゃん達以外にいなかった。
「うわああ!?なんじゃこりゃああ!?」
頭にたんこぶをつけた少年が来たのは次の日の夕方。
辺りはぐちゃぐちゃに散らかったゆっくり達の残骸。
もしかして、誰か悪人が来たのだろうか?
タロやジロは無事だろうか!?
ワンちゃんを完全に信用している少年は、昨日の惨劇の可能性などまったく頭に浮かばない。
少年の叫びを聞いて犬達が喜びながら飛び出してきた。
仔犬たちも両親の後についてうれしそうにわらわらと集まってくる。
「タロ!ジロ!無事だったのか!よかったよお!っていうか可愛い仔犬がこんなに!お前ら子持ちだったのかー」
可愛い仔犬に囲まれてすっかりご満悦の少年。
ふと視界に、かすかに動く物が見えた。
「ん!?生きてる!?」
駆け寄って手に取ると、一匹のまりさ。
まだ微かに息があるようだ。
「ゆ゛っ・・・ゆゆっ・・・」
実は昨晩少年の家にいたまりさなのだが、奇跡的に生き残っていたのである。
「大丈夫!?僕が今から助けてあげるね!」
瀕死のまりさを抱えると、大慌てて駆け出す。
その際、慌てていたせいで平たいダンボールを踏み潰してしまい転倒して膝を擦り剥いてしまった。
が、そんな怪我も我慢して、少年はその場を後にした。
さて、治療といっても家に連れて帰る訳にはいかない。
昨日のゆっくりの件で親に大目玉を食らったからだ。
お陰で頭を叩かれたんこぶまでできてしまった。
少年は少し悩んだ後、思い出す。
そうだ、オレンジジュースだ!
急いで自販機に駆け寄ってボタンを押す時に、更に思い出す。
そういえば、昨日オレンジジュースを掛けたゆっくりは死んでしまった。
もしかして、思ってたほどオレンジジュースは効きがよくないのかもしれない。
「んー・・・それじゃ逆に、にがいの飲ませてみようかな」
最近背伸びしてちょっとはまっているRootsのブラック。
ドボドボドボドボ!
「ぐべげっ!?」
まりさの身体が跳ね上がる。
「おっ!?元気になった!」
少年大喜びで、まりさの口に缶の飲み口を押し当てると一気に注ぎ込んだ。
「・・・かっ!・・・はっ!」
まりさは目を見開き、少年の顔を見る。
そこでようやく、自分を抱きかかえている人間が昨日、自分の子供達を皆殺しにした少年と気付く。
「・・・じねぇ・・・じ・・・ねぇ・・・!」
「え?何?聞こえないよ!」
か細い声で呟くと、それで最後の力を振り絞ったのだろう。
ガクリと身体から力が抜けた。
「まりさあああーーーーっ!!」
少年は、天に向かって叫び続けた・・・。
「ゆっ?そんなに叫んでどうかしたの?」
その声に振り向くと、そこのは巨大なゆっくり・・・ドスまりさの姿。
このドスは近くの山に住む1つの群れの長で、たまたま麓の人間さんとのお話し合いで下山しており、その帰り道だったのだ。
少年は初めて見るドスに少し心を躍らせながらも、すぐにまりさの事を思い出し、両手に抱えているそれを差し出して見せた。
ドスだったら・・・強大な力を持つと言われるドスならば、なんとかしてくれるかもしれない!
「うううっ・・・まりさが・・・まりさが動かなくなっちゃったんだよう!」
「ゆゆ!?うーん・・・これは・・・言いにくいけど、このまりさは、もう・・・」
「そ、そんなあ!お願い!助けて!助けてよ!!お願いだからまりさを殺さないで!!」
大泣きしながら少年は一心不乱に助けを求めた。
見た所、少年が抱えているまりさは野良のようだが、ここまでゆっくりに対して優しく真剣な子を無下にする訳にもいかない。
そこでドスはなんとか誤魔化す事にした。
「・・・わかったよ。ドスがこのまりさを群れに連れて帰って出来る限りの治療をするよ。
でも、もしかしたら完全に治らないかもしれないし、そんな姿を見られたらこのまりさも傷つくからね。
だから、もうこのまりさと会う事は出来ないよ。それでもいいなら・・・」
「・・・うん、わかった!だから、お願いだよ!まりさをよろしく頼むよ!」
「うん、分かったよ!優しい少年の気持ちに応えない訳はいかないからね!」
少年はまりさをドスに手渡すと、深々と頭を下げて、その場をゆっくりと離れた。
いまさら痛み出した膝の痛みを感じながら・・・。
「・・・あんな優しい少年を騙すような真似したくなかったけど・・・これで良かったんだよね・・・」
ドスは少年の背中を見届けながら呟いた。
さて、その様子をたまたま遠巻きに見ていた人間がいた。
「あれ?なんか騒いでないか?」
「ん?でも、あのドスって確か近所でも善良って評判のドスだろ?」
「子供がドスにちょっかいだしてるって感じでもないしな・・・」
「おい!?なんか、助けてとか、殺さないでって言ってないか!?」
「はあ!?」
そうこうしている内に、少年はドスに何かを奪い取られて、こちら右足を引きずりながら近づいてくる。
「なんかおかしいな。様子を聞いてみるか・・・」
「ちょっと、キミ?」
ビクッとして顔を上げると、そこには2人の警官が立っていた。
「怪我してるみたいだけど、大丈夫かい?」
「ちょっと話聞かせてもらっていいかな?さっきドスと話してたよね?」
「何か渡してたみたいだけど、一体どうしたの?」
少年は言葉に詰まった。
もし、まりさの事を話してしまえば、またゆっくり達に関わった事で両親に叱られてしまうかもしれない。
いや、それよりも何よりも。
もし、一連の事情を話してしまえば、廃屋に残しているタロ、ジロの一家が見つかってしまう!
見つかれば野良犬であるタロやジロ達は保健所に捕まってしまい、殺されてしまうだろう!
少年はそんな想像をしてしまい、涙をながすと頭を振るだけで何も話そうとしない。
「ねえ。黙ってちゃわからないよ」
「悪いけど、このまま放っておくわけには・・・」
「・・・で・・・」
「え?」
「・・・さ・・・ないで・・・」
「え?なんだって?」
「・・・お願い・・・殺さないで・・・!!」
気持ちが高ぶってしまったのだろう、そこで少年はフッと意識を失い、崩れ落ちてしまった。
「お、おい!きみ!!」
「た、大変だ!これはもしや・・・!!」
警官が見ると、既にドスの姿は消えていた。
「これは・・・事件だぞ・・・!!」
この事件はすぐさま麓の住人に伝えられた。
ドスは善良で有能な事で知られ、群れの数が1000を超えているのにも関わらず、まずまずの統治をしており、麓の住人ともそれなりの関係を築いていたのだ。
・・・そう、今日までは。
「まさか、あの善良なドスがそんな事をなあ・・・」
「子供を脅して何か奪い取ったって本当か!?」
「脅しただけじゃなく、怪我まで負わせたらしいぞ」
「くそ!今まで俺らを騙していたのかよ!!」
「俺は元々ゆっくりなんて信用してなかったけどな!」
「他の畑を襲う雑魚ゆっくりならともかく・・・」
「あの大きな群れの長、自らがそんな悪事を働いた以上、ワシ等も辛いが放っておく訳にはいかんな」
「でも、あの辺の山って私有地だから立ち入り禁止になってて無闇に入れないんじゃ・・・」
「事が事だ。地主に許可をとって・・・え?今、許可が出た!?」
「ああ、群れのある位置は分かってる。その辺なら入ってもいいってさ」
「・・・よし、みんな!正直、今までうまくやってたあいつらに手を出すのは辛いが仕方ない!
せめてもの慈悲だ。苦しまないように、一瞬でやるぞ!!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」」
こうして、本気を出した人間達により、ドスが必死にまとめていた群れは弁解する暇もなく一夜で滅ぼされた。
ちなみに少年にはショックを与えたらいけないという事で、意識を取り戻した後、何を聞かれる事も知らされる事もなかった。
「おっ!ここコンビニになったのか。覚えてるだろ、ここにあった廃屋」
「・・・ああ、お前がタロとジロを匿っていたとこな」
小学生の時の話だ。
こいつが匿っていた犬の家族が周りの大人達にばれてしまい、保健所に送りかけられた。
当時、こいつとクラスで隣の席だった俺ともう1人の3人で一緒になって助けようとしたのだ。
小学生だけで3日3晩かけて篭城し、結構な騒動になったあの事件。
結局、タロとジロは俺の親父の知り合いの保護施設に預けられ、仔犬達も無事、それぞれ飼い主が見つかり幸せに過ごしたとの事だ。
ちなみにこいつと友達になってしまったきっかけでもある。
「そういえばさ。ちょうどその頃あった別の事件、覚えてるか?」
「ん?何?」
「いやさ。あの辺の山って俺の親父が持ってるだろ。その山の1つにいたドスが子供を襲ったとかなんとかで群れごと滅ぼされたってやつな」
「んーーー?」
俺の言葉に暫く首を傾げて何かを思い出そうとするそぶりを見せると、
「いやあ、小1の頃だし覚えてないなあ」
(終わり)
今まで書いたの
ふたば系ゆっくりいじめ 533 カマキリさんの卵でゆっくりするよ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 540 浮浪者とゆっくり
ふたば系ゆっくりいじめ 541 静かにゆっくりするよ!!
ふたば系ゆっくりいじめ 581 静かにゆっくりできないよ!!(前編)
ふたば系ゆっくりいじめ 586 静かにゆっくりできないよ!!(後編)