ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0357 都会の雨さんもゆっくりしてるね
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『町れいむ一家の四季』シリーズ秋編2。
随分前にコメントで「自然界の雨なんかに逃げちゃってダメな子ねぇ。町の雨編も作りなさい、ボ・ウ・ヤ」
とセクシーにせまられたので、町中の雨編です。
何気に作者自身がこれまでの流れを忘れています。ヤバイ。
随分前にコメントで「自然界の雨なんかに逃げちゃってダメな子ねぇ。町の雨編も作りなさい、ボ・ウ・ヤ」
とセクシーにせまられたので、町中の雨編です。
何気に作者自身がこれまでの流れを忘れています。ヤバイ。
『都会の雨さんもゆっくりしてるね』
10月。秋雨の季節。
3日ほど前から、町はしとしと雨さんが降ったりやんだりで、太陽さんが顔を出さない日々が続いている。
町の人間さん達もこのような日々は、気分悪そうな表情を浮かべているわけだが、
ゆっくり達としては命にかかわる問題だけに、より一層表情は暗い。
町の人間さん達もこのような日々は、気分悪そうな表情を浮かべているわけだが、
ゆっくり達としては命にかかわる問題だけに、より一層表情は暗い。
ゆっくりが雨に弱いのはもはや周知の事実であろう。
この時期には森のゆっくり達も、冬ごもりほどではないにしろ、
食料と干し草の布団をおうちの中に貯め込んで、数日、場合によっては一週間近くもの間、
おうちの中にこもりきりとなる。そうせざるを得ないというべきか。
濡れた地面や草原を行動すると、雨でなくともあんよがふやけて身動きが取れなくなることもあるのだ。
まして雨の日では、外で行動すること自体、命知らずと言えよう。
この時期には森のゆっくり達も、冬ごもりほどではないにしろ、
食料と干し草の布団をおうちの中に貯め込んで、数日、場合によっては一週間近くもの間、
おうちの中にこもりきりとなる。そうせざるを得ないというべきか。
濡れた地面や草原を行動すると、雨でなくともあんよがふやけて身動きが取れなくなることもあるのだ。
まして雨の日では、外で行動すること自体、命知らずと言えよう。
だが、雨が降ったからおうちでゆっくりしていようね、というわけにはいかないのが町ゆの宿命でもある。
今日も夜明け前かられいむ一家は活動を始めていた。
今日も夜明け前かられいむ一家は活動を始めていた。
「もうゆっくちあるけにゃいよぉ。」
不満を漏らす彼女は末っ子れいむ。
「ゆっくちがんばっちぇにぇ。わがまましゃんはときゃいはじゃにゃいわ。」
それをいさめるのは長女ありす。
れいむ自慢のゆっくりしたおちびちゃんたちだ。
れいむ自慢のゆっくりしたおちびちゃんたちだ。
ゆっくりにとって、雨中の行動はひたすら危険なだけであると思われがちだが、
水たまりさえ避ければ、町中ではあんよもそれほどひどくはぬれずに済むので、
どしゃ降りでもなければ案外なんとかなるものだったりする。
水たまりさえ避ければ、町中ではあんよもそれほどひどくはぬれずに済むので、
どしゃ降りでもなければ案外なんとかなるものだったりする。
そんなわけで、経験を積んだ町ゆの場合は、むしろこれを食糧独占のチャンスと考えることもある。
なにせゴミ捨て場まで、雨から逃れつつたどりつける経路を知っていれば、
他の野良ゆが動けない間に食糧確保できるのだから。
なにせゴミ捨て場まで、雨から逃れつつたどりつける経路を知っていれば、
他の野良ゆが動けない間に食糧確保できるのだから。
「ゆ!あめさんはこわいけど、ゆっくりしたごはんさんのためにがんばるよ。」
「ゆーん。ゆっ、ゆぴぃっ!おきゃーしゃん、あんよがぬれちゃっちゃよぉ。」
「ゆゆっ!あぶないから、あんよがかわくまでおくちのなかにはいってね。」
「ゆゆーん。ゆっくちー。」
「ゆーん。ゆっ、ゆぴぃっ!おきゃーしゃん、あんよがぬれちゃっちゃよぉ。」
「ゆゆっ!あぶないから、あんよがかわくまでおくちのなかにはいってね。」
「ゆゆーん。ゆっくちー。」
「じゅるいわ!わざとみずたまりしゃんにはいっちゃわにぇ!」
「ゆーん、おくちのなきゃは、ゆっくちできりゅよー。」
「ゆぁーん!ありしゅもおくちでゆっくちしちゃいわー。」
「ゆぅ。しょうがないよ。いそがないといけないから、ちょっとだけだよ。」
「ゆーん、おくちのなきゃは、ゆっくちできりゅよー。」
「ゆぁーん!ありしゅもおくちでゆっくちしちゃいわー。」
「ゆぅ。しょうがないよ。いそがないといけないから、ちょっとだけだよ。」
無論、赤ゆ達をより安全なおくちの中に入れてゴミ捨て場まで運びたいのは、親れいむとて同じ気持である。
というより、出来ることならばおうちでゆっくりお留守番しておいてもらいたいのだ。
というより、出来ることならばおうちでゆっくりお留守番しておいてもらいたいのだ。
それがどちらも出来ない理由は、
第一に、おうちの中ですら安全の保障などどこにもないことであり、
第二に、親れいむだっておくちに赤ゆを入れていては、雨の中では命の保証などないことであった。
赤ゆを2匹も口の中に入れて、とっさの危機に機敏(笑)な行動ができなくては、一家全滅である。
子供想いの親れいむですら冷徹な計算の元に行動せざるを得ないのは、町ゆの悲しい宿命であった。
第一に、おうちの中ですら安全の保障などどこにもないことであり、
第二に、親れいむだっておくちに赤ゆを入れていては、雨の中では命の保証などないことであった。
赤ゆを2匹も口の中に入れて、とっさの危機に機敏(笑)な行動ができなくては、一家全滅である。
子供想いの親れいむですら冷徹な計算の元に行動せざるを得ないのは、町ゆの悲しい宿命であった。
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「きょうはちょっととおくまでかりにいくよ。」
「ゆーん、ぼうけんだにぇ!ゆっくちりきゃいしちゃよ。」
「ゆーん、ぼうけんだにぇ!ゆっくちりきゃいしちゃよ。」
今朝のれいむ一家の目的地は、隣町の飲食店街ゴミ置き場。
なんといっても、レストランなどの新鮮な生ゴミは、野良ゆから見れば、宝の山だ。
それにこの地域は、路地裏や庇の下など、多少は雨から守られた場所にゴミがおいてあることが多い。
距離があるので危険は大きくなるが、それでも遠出するのは、やむを得ない事情がある。
なんといっても、レストランなどの新鮮な生ゴミは、野良ゆから見れば、宝の山だ。
それにこの地域は、路地裏や庇の下など、多少は雨から守られた場所にゴミがおいてあることが多い。
距離があるので危険は大きくなるが、それでも遠出するのは、やむを得ない事情がある。
れいむのおうちの近場では、しっかりした扉付きのごみ集積所が多く、
扉に鍵がかけられてしまえば、ゆっくりでは手が出せない(ずさんな所もそれなりにはあるが)。
一応、路上ゴミ集積所だってまったく無いわけではなく、晴れている日ならばそれなりに良好な狩場にはなる。
だが、その路上ゴミ集積所もまた厄介なのだ。
扉に鍵がかけられてしまえば、ゆっくりでは手が出せない(ずさんな所もそれなりにはあるが)。
一応、路上ゴミ集積所だってまったく無いわけではなく、晴れている日ならばそれなりに良好な狩場にはなる。
だが、その路上ゴミ集積所もまた厄介なのだ。
ところ変わって公園近く。
しとしとと雨の振り続ける路上に、高く積み上げられたゴミを、
路地裏に延びた木の枝の下からじっと眺めているゆっくりたちがいた。
成体のちぇんとらん、そして赤ちぇんが30数匹。
どうすればこのような家族構成になるかは不明だが、
確かなことは、このちぇんとらんも成体になりたての若いゆっくりで、
しかも野良になってまだ経験の浅いつがいだということだ。
しとしとと雨の振り続ける路上に、高く積み上げられたゴミを、
路地裏に延びた木の枝の下からじっと眺めているゆっくりたちがいた。
成体のちぇんとらん、そして赤ちぇんが30数匹。
どうすればこのような家族構成になるかは不明だが、
確かなことは、このちぇんとらんも成体になりたての若いゆっくりで、
しかも野良になってまだ経験の浅いつがいだということだ。
「わかるよー。あめさんのおかげでほかのゆっくりがいないんだねー。」
「ちぇぇん。これでおちびちゃんたちがいっぱいむーしゃむーしゃできるよ。」
「わきゃるよー!はやくむーちゃむーちゃしゅるよー!」×35
「ちぇぇん。これでおちびちゃんたちがいっぱいむーしゃむーしゃできるよ。」
「わきゃるよー!はやくむーちゃむーちゃしゅるよー!」×35
生ゴミの満載された、手付かずのゴミ袋まではほとんど離れていない。
赤ちぇん達は生まれてこのかた、多すぎる家族のせいで、満腹になるまでむーしゃむーしゃできたことなど一度も無い。
目の前の宝の山に赤ちぇん達は、雨中にもかかわらず一斉に駆け出した。
赤ちぇん達は生まれてこのかた、多すぎる家族のせいで、満腹になるまでむーしゃむーしゃできたことなど一度も無い。
目の前の宝の山に赤ちぇん達は、雨中にもかかわらず一斉に駆け出した。
「わきゃるよー!」×35
「おちびちゃんたち、あわてないでねっ!」
「おちびちゃんたち、あわてないでねっ!」
ぽよんっぽよんっぽよんっ・・・
- ぼちゃんっ!×35
路上には、浅いものから深いものまで無数の水たまりができている。
ゴミ集積所の周囲だからと言って、特段配慮がなされているわけも無く、
そもそも集積所自体が水没していることもある。
ごはんの山に目がいっていた赤ちぇんたちは、ほとんど一斉に水たまりに踏み込んだ。
ゴミ集積所の周囲だからと言って、特段配慮がなされているわけも無く、
そもそも集積所自体が水没していることもある。
ごはんの山に目がいっていた赤ちぇんたちは、ほとんど一斉に水たまりに踏み込んだ。
「ゆぴゃぁぁ!わきゃらにゃいよぉぉ!」
「おみじゅしゃんはゆっくちできにゃいぃぃ!」
「おちびちゃん!ゆっくりしないで、おみずさんからでてきてね!」
「おみじゅしゃんはゆっくちできにゃいぃぃ!」
「おちびちゃん!ゆっくりしないで、おみずさんからでてきてね!」
「ゆ・・・ゆゆ?・・・みゃみゃ、ぴゃぴゃぁ!あんよしゃんうごかにゃいよぉぉぉ!」×35
ここに来るまでに濡れた路上でしっかり水分を吸っていたあんよは、水たまりに突っ込んだことで、
一気に歩行できなくなるほどにふやけてしまう。
こうして身動きが封じられた後に、ゆっくりと雨の中で溶け死んでいくのは、
町に限らずゆっくりの、ごくごく一般的な死亡パターンだ。
一気に歩行できなくなるほどにふやけてしまう。
こうして身動きが封じられた後に、ゆっくりと雨の中で溶け死んでいくのは、
町に限らずゆっくりの、ごくごく一般的な死亡パターンだ。
「わからないよー!おちびちゃんたちいまたすけるよー!」
「おちびちゃんたち、らんのしっぽにつかまってね!」
「ゆぇぇぇん。ぴゃぴゃぁぁぁ・・・ゆびぇっ!あんよしゃんやぶけちゃぁぁあ!」
「おぢびぢゃぁぁあああん!」
「おにぇえぢゃぁん!わぎゃらないよぉぉぉ!」
「おちびちゃんたち、らんのしっぽにつかまってね!」
「ゆぇぇぇん。ぴゃぴゃぁぁぁ・・・ゆびぇっ!あんよしゃんやぶけちゃぁぁあ!」
「おぢびぢゃぁぁあああん!」
「おにぇえぢゃぁん!わぎゃらないよぉぉぉ!」
「もっぢょ、ゆっぐ・・・わぎゃら・・・」
「ゆぴぃぃぃ!ぴゃぴゃぁぁ!はやぐおみじゅじゃんがらだじでぇぇぇ!」
「ゆぐっゆぐぅぅ、おちびちゃん!しっかりしっぽにかみついてね!こーん!」
「ゆぐっゆぐぅぅ、おちびちゃん!しっかりしっぽにかみついてね!こーん!」
ひょいっ!
びりっ!ぼちゃぼちゃぼちゃ・・・。
水たまりの外から尻尾を伸ばしたらん。
その、らんの尻尾に噛み付いた赤ちぇん達は、無事に水面から離れ、
その大半は次の瞬間、チョコの重みであんよが破け、中身を水面にぶちまけた。
ついさっきまでまん丸のかわいいおちびちゃんだったものが、
洗濯を終えたあとのTシャツのように、ぴらぴらと尻尾にぶら下がっている。
その、らんの尻尾に噛み付いた赤ちぇん達は、無事に水面から離れ、
その大半は次の瞬間、チョコの重みであんよが破け、中身を水面にぶちまけた。
ついさっきまでまん丸のかわいいおちびちゃんだったものが、
洗濯を終えたあとのTシャツのように、ぴらぴらと尻尾にぶら下がっている。
「「ゆっ・・・、ゆっ!?ゆぎゃぁぁぁぁ!!おぢびぢゃぁぁぁぁああん!!!」」
ぽとぽとっ・・・
少し時間を置いて、らんの尻尾に食い込んでいた歯が外れたのであろう、
中身を失ったおちびちゃん達の皮が、水面にぽとぽとと着水していったのであった。
中身を失ったおちびちゃん達の皮が、水面にぽとぽとと着水していったのであった。
小雨の中で憔悴しきったちぇんとらんの元に残されたのは、
あんよがふやけきった7匹の赤ちぇんのみ。
だが、多大な犠牲を払って、せっかく水たまりの隙間を潜り抜けてきた以上、
なんとしてでもごはんを手に入れるべきであった。
あんよがふやけきった7匹の赤ちぇんのみ。
だが、多大な犠牲を払って、せっかく水たまりの隙間を潜り抜けてきた以上、
なんとしてでもごはんを手に入れるべきであった。
しかし、小雨は今もらん一家の上に降り続けている。
急がなければならない。
急がなければならない。
「ちぇん。ゆっくりふくろさんをあけるよ。」
「わかるよー。らんしゃまはそっちをかんでてねー。」
「わかるよー。らんしゃまはそっちをかんでてねー。」
ビリビリと引き裂かれるびしょ濡れのゴミ袋。
その内側からは人間さんの食べ物の匂いがふわりと漂って来る。
野良の数少ないゆっくり、むーしゃむーしゃ。
姉妹の減った赤ちぇんたちは、それでも悲しみに釣り合って有り余るだけのゆっくりを手に入れようとしていた。
その内側からは人間さんの食べ物の匂いがふわりと漂って来る。
野良の数少ないゆっくり、むーしゃむーしゃ。
姉妹の減った赤ちぇんたちは、それでも悲しみに釣り合って有り余るだけのゆっくりを手に入れようとしていた。
「わきゃるよー!」×7
大きく縦に引き裂かれたゴミ袋から、山盛りの生ゴミがぶちまけられた。
ゴミ袋から短冊状に引き裂かれたピニル片が、風に吹かれて、ぴらぴらと揺れる。
ちぇんもらんも、もはやくわえておく必要の無くなったビニル片をぺっと吐き捨て、
口いっぱいにたまったよだれを、おちびちゃん同様だらしなくたらしていた。
ゴミ袋から短冊状に引き裂かれたピニル片が、風に吹かれて、ぴらぴらと揺れる。
ちぇんもらんも、もはやくわえておく必要の無くなったビニル片をぺっと吐き捨て、
口いっぱいにたまったよだれを、おちびちゃん同様だらしなくたらしていた。
「ゆっくりいただきます!!!」×9
その時、ちぇんが口から離したビニル片が、雨水をたっぷりと巻き込んだまま、
風で浮き上がって、ふわりと赤ちぇんたちに覆いかぶさった。
風で浮き上がって、ふわりと赤ちぇんたちに覆いかぶさった。
「ゆぴゃぁっ、おみじゅしゃん、こわいよぉぉぉぉ」
「おちびちゃぁぁああん!いまどけてあげるよー!」
「おちびちゃぁぁああん!いまどけてあげるよー!」
ちぇんは、おちびちゃん達に張り付いてゆっくりと命を奪おうとしているビニル片の端を噛み、
おちびちゃんからはがすために、思いっきり引っ張った。
おちびちゃんからはがすために、思いっきり引っ張った。
かぷっ!「せーの、ゆいしょ!」ぺりぺりぺりっ!
「ゆゆーん!ころがっちぇるよー!」×7
ぽちゃん×7
「・・・・・・わきゃらないよー!」×7
水分をしっかりと吸って、ビニル片に体が張り付いていた赤ちぇん達は、
ちぇんがビニル片を思いっきり引っ張った勢いで、何とか引きはがされることに成功した。
そして、解放された勢いをそのままに、ころころと水たまりまで転がり、再びあんよを水たまりに着水させたのであった。
ちぇんがビニル片を思いっきり引っ張った勢いで、何とか引きはがされることに成功した。
そして、解放された勢いをそのままに、ころころと水たまりまで転がり、再びあんよを水たまりに着水させたのであった。
一方ちぇんは、
「ゆわぁぁぁぁん!ごみさんがおめめにくっついて、なにもみえないよー!らんしゃまー!」
「ちぇんっ、ちぇぇぇぇええん!」
「ちぇんっ、ちぇぇぇぇええん!」
赤ちぇん達の体からはがされた勢いで、ビニル片はちぇんの全身にまとわりつき、
その視界と体の自由を奪っていた。
その視界と体の自由を奪っていた。
「ゆあーん!わがらな『ゴロン、ボチャッ!』・・・ごぼごぼ・・・」
「ちぇぇぇぇぇぇぇぇえええん!!!おぢびぢゃぁぁぁん!!!」
「ちぇぇぇぇぇぇぇぇえええん!!!おぢびぢゃぁぁぁん!!!」
そしてあんよを滑らし、顔面から水たまりに突っ込んだのであった。
水たまりは浅い。だが、おちびちゃんたちは奥まで転がり過ぎていた。尻尾は届かない。
それに、水たまりに飛び込んで家族たちを助けるには、らんのあんよも濡れすぎていた。
飛び込めば自分もすぐに動けなくなる。
しかも、おちびちゃんたちはともかく、
ちぇんは尻尾につかまらせて引き上げるには大きすぎた。
誰かに助けを・・・・・・
それに、水たまりに飛び込んで家族たちを助けるには、らんのあんよも濡れすぎていた。
飛び込めば自分もすぐに動けなくなる。
しかも、おちびちゃんたちはともかく、
ちぇんは尻尾につかまらせて引き上げるには大きすぎた。
誰かに助けを・・・・・・
などと、らんが悠長に手をこまねいている間に、おちびちゃんたちの足元と、
身動きの取れないちぇんの水に接している部分から、
じわじわと溶けたチョコがにじみ始めていた。
それはらんに、時間切れであることを伝えていた。
身動きの取れないちぇんの水に接している部分から、
じわじわと溶けたチョコがにじみ始めていた。
それはらんに、時間切れであることを伝えていた。
「ぴゃぴゃぁぁあ、あんよが、あんよが・・・だじゅげでぇぇぇぇ・・・ゆっぐぢぃ・・・」
「ちぇぇぇぇぇえええん!!!おちびちゃぁぁぁぁあああん!!!」
「ちぇぇぇぇぇえええん!!!おちびちゃぁぁぁぁあああん!!!」
身動きを取れない限り、いかにゆっくりとはいえ簡単に中身が流出していくことは無い。
ちぇんとおちびちゃんたちは、最後までお腹を空かせながら、ゆっくり、ゆっくりと中身を失っていったのであった。
その雨と涙に濡れた瞳の先に、全てをあきらめてごはんをむーしゃむーしゃし始めたらんを眺めながら・・・
ちぇんとおちびちゃんたちは、最後までお腹を空かせながら、ゆっくり、ゆっくりと中身を失っていったのであった。
その雨と涙に濡れた瞳の先に、全てをあきらめてごはんをむーしゃむーしゃし始めたらんを眺めながら・・・
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「ゆーん。ここはあめさんがこない、みちのすみっこをあるこうね。」
「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」×2
「ゆっくちりきゃいしちゃよ。」×2
「ぷりゅぷりゅぷりゅ!しゅっきりー。」
「ぺーろ、ぺーろ。ゆっくりしてね、おちびちゃん。」
「きれいになっちゃよ!しゅっきりー。」
「ぺーろ、ぺーろ。ゆっくりしてね、おちびちゃん。」
「きれいになっちゃよ!しゅっきりー。」
小雨の中ならば、町中には雨を避けることができる場所は、そこかしこにある。
体に付いた雨のしずくを体を振って払い、互いにぺーろぺーろして体を乾かしながら、
体が溶けはじめないように慎重に歩みを進める。と、その時、
体に付いた雨のしずくを体を振って払い、互いにぺーろぺーろして体を乾かしながら、
体が溶けはじめないように慎重に歩みを進める。と、その時、
「ゆゆっ?まりしゃがあんなとこにいりゅわ!」
れいむがありすの示す方を見ると、歩道の側溝、その集水枡の中に、まりさ親子がいた。
グレーチング蓋の下で、れいむ達を疲れ切った表情で見上げている。
親まりさは帽子に乗って、集水枡に流れ込み続ける雨水に浮かんでいるが、あんよはしっとりと水を吸って餡子が透けている有様だ。
親まりさの傍らには、こちらも帽子に乗って水に浮かぶ子まりさが2匹。
疲れきっているのか、れいむ達の方を見上げることもなくうつむいている。
その周りには、赤まりさたちのものであったろう小さな帽子が5つ、ぷかぷかと浮いていた。
グレーチング蓋の下で、れいむ達を疲れ切った表情で見上げている。
親まりさは帽子に乗って、集水枡に流れ込み続ける雨水に浮かんでいるが、あんよはしっとりと水を吸って餡子が透けている有様だ。
親まりさの傍らには、こちらも帽子に乗って水に浮かぶ子まりさが2匹。
疲れきっているのか、れいむ達の方を見上げることもなくうつむいている。
その周りには、赤まりさたちのものであったろう小さな帽子が5つ、ぷかぷかと浮いていた。
「ゆゆっ!まりさたちゆっくりしてないよ!」
「まりしゃおにぇーしゃん、どうちてしょんなところにいるにょ?」
「・・・・・・でられないんだよ・・・・・・。」
「ゆぁぁ・・・とっちぇもゆっくちしちぇにゃいわ。」
「まりしゃおにぇーしゃん、どうちてしょんなところにいるにょ?」
「・・・・・・でられないんだよ・・・・・・。」
「ゆぁぁ・・・とっちぇもゆっくちしちぇにゃいわ。」
この親まりさ、実は最近育ての親とケンカ別れした若ゆっくりであった。
おうちを飛び出した理由となった無計画なにんっしんも、反抗期ゆえの過ちという有様。
優秀なまりさに育てられたために、食料に困ったこともなく、体ばかりは成体サイズだが、生活力は町ゆの水準以下と言わざるをえなかった。
そんな訳で、口うるさい親元を飛び出して意気揚々と、他のゆっくりが使っていなかった側溝の中をおうちにしてしまっていた。
おうちを飛び出した理由となった無計画なにんっしんも、反抗期ゆえの過ちという有様。
優秀なまりさに育てられたために、食料に困ったこともなく、体ばかりは成体サイズだが、生活力は町ゆの水準以下と言わざるをえなかった。
そんな訳で、口うるさい親元を飛び出して意気揚々と、他のゆっくりが使っていなかった側溝の中をおうちにしてしまっていた。
結果は今の通り、雨に降られ、雨水の激しい流れに逆らうこともできずここまで行きついてしまったわけである。
運よく上には民家の木の枝が伸びていたこともあったため、雨を直接受けとめることはなかったが、
それにしても、閉じ込められてから3日、よくもまあ親子ともども生き延びていたといえよう。
運よく上には民家の木の枝が伸びていたこともあったため、雨を直接受けとめることはなかったが、
それにしても、閉じ込められてから3日、よくもまあ親子ともども生き延びていたといえよう。
「ゆー!こんなのとかいはじゃにゃいわ!まりしゃたちをたすけりゅよ!」
「「「えいえいゆー!」」」
「「「えいえいゆー!」」」
親れいむはその体格を生かして、蓋を力任せにはずそうとする。
一方赤ゆたちは、その小ささを生かして入り口がないかと周辺を探す。
一方赤ゆたちは、その小ささを生かして入り口がないかと周辺を探す。
- そして2分後、れいむ一家は出来ることは全てやり終え、ゆっくりとあきらめた。
「おちびちゃんたち、もういこうね・・・。」
「べ・・・、べつにないてりゅわけじゃにゃいわ・・・。なかまをみすてりゅのなんて、はじめてじゃにゃいもの・・・。」
「べ・・・、べつにないてりゅわけじゃにゃいわ・・・。なかまをみすてりゅのなんて、はじめてじゃにゃいもの・・・。」
まりさは、最後の力を振り絞ってオール(として使っている木の棒)を集水枡の壁に打ちつける。
これまで3日、コンクリート製の壁に何とか脱出口を開けようと、何千回と続けてきた行為であった。
その結果、オールの先端はもはや古い歯ブラシの様にボロボロになり、
一方壁の方は、こびりついていた泥がはがれてきれいな灰色の姿を取り戻していた。
これまで3日、コンクリート製の壁に何とか脱出口を開けようと、何千回と続けてきた行為であった。
その結果、オールの先端はもはや古い歯ブラシの様にボロボロになり、
一方壁の方は、こびりついていた泥がはがれてきれいな灰色の姿を取り戻していた。
数回オールを弱々しく壁に打ち付け終えると、まりさはふぅ・・・とため息をつく。
クマのできた目をぐったりとうつむいたままの子まりさ達に向け、オールを2匹の体にあてがうと、誰に聞かせるでもなく呟いた。
クマのできた目をぐったりとうつむいたままの子まりさ達に向け、オールを2匹の体にあてがうと、誰に聞かせるでもなく呟いた。
「おどーじゃん・・・わるいごでごめんにゃしゃい・・・。」
ぽちゃぽちゃん。
- ぼちゃん。
まりさの呟きが聞こえてまもなく、
れいむたちの背後では、饅頭が3つ、水に落ちる音が響いた。
れいむたちの背後では、饅頭が3つ、水に落ちる音が響いた。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「おちびちゃん、もうなきやんでね。」
「おにぇーちゃん、ゆっくちしちぇにぇ。」
「も、もうないちぇなんかいにゃいわ!あめしゃんでぬれちゃったにょよ!」
「おにぇーちゃん、ゆっくちしちぇにぇ。」
「も、もうないちぇなんかいにゃいわ!あめしゃんでぬれちゃったにょよ!」
しかし、集水枡まりさを助けようとれいむ達が奮闘している間に、雨は激しさを増してしまった。
れいむ達もさすがに移動をやめ、植栽の下で雨宿りをしている。
れいむ達もさすがに移動をやめ、植栽の下で雨宿りをしている。
「ゆぅ。あめしゃんゆっくちしちぇにゃいよ。」
「そうだね。ここだと、はっぱさんからおみずさんがおちてくるよ。」
「そうだね。ここだと、はっぱさんからおみずさんがおちてくるよ。」
このまま植栽の下にいると、ゆっくり出来なくなるかもしれない。
濡れるのを我慢して、歩道を横切り商店の軒下に移動しようかとしていた、その時であった。
濡れるのを我慢して、歩道を横切り商店の軒下に移動しようかとしていた、その時であった。
「おちびちゃんたち。おかあさんのおくちのなかに・・・」
ブロロロロォォォォ・・・バシャァアアアン!
「「「・・・・・・。ゆっ、ゆびゃぁぁぁぁあああ!おみずさんはゆっぐりでぎないぃぃぃぃいい!!!」」」
夜も明け、道路に増え始めた人間さんのすぃーは、勢いよく水たまりの水を跳ねあげる。
まるで、ゆっくりのことなど気にも留めていないかのように。
れいむ達も、突然すぃーに浴びせられた泥水は、さすがに避けることができなった。
まるで、ゆっくりのことなど気にも留めていないかのように。
れいむ達も、突然すぃーに浴びせられた泥水は、さすがに避けることができなった。
「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ・・・・・・」
「おぢびぢゃぁぁぁああん!!!おぐぢのながでゆっぐぢじでぇぇぇぇええ!!!」
「おぢびぢゃぁぁぁああん!!!おぐぢのながでゆっぐぢじでぇぇぇぇええ!!!」
親れいむは、一瞬で三途の川を渡り始めたおちびちゃん達をお口に放り込むと、
雨に濡れる歩道をゆっくり急いで横断し、店の軒下に駆け込んだ。
自分が濡れているのも構わず、おちびちゃん達をぺーろぺーろし続ける親れいむ。
その甲斐あって、親れいむ自身は少々ふやけてしまったものの、何とかおちびちゃんたちは意識を取り戻した。
雨に濡れる歩道をゆっくり急いで横断し、店の軒下に駆け込んだ。
自分が濡れているのも構わず、おちびちゃん達をぺーろぺーろし続ける親れいむ。
その甲斐あって、親れいむ自身は少々ふやけてしまったものの、何とかおちびちゃんたちは意識を取り戻した。
「ゆ、・・・ゆぴっ。おきゃーしゃん、ゆっぐぢ。」
「おちびちゃぁぁぁん、よがっだぁ。ゆっぐぢぢで、ゆっぐぢぢでねぇぇぇ。」
「にんげんしゃんのすぃーはとっちぇもいなかものにぇ。」
「ゆぅ。こわいから、あんまりちかづかないよう・・・ゆゆっおちびちゃんっ!」
「?」
「おちびちゃぁぁぁん、よがっだぁ。ゆっぐぢぢで、ゆっぐぢぢでねぇぇぇ。」
「にんげんしゃんのすぃーはとっちぇもいなかものにぇ。」
「ゆぅ。こわいから、あんまりちかづかないよう・・・ゆゆっおちびちゃんっ!」
「?」
「か・・・かちゅーしゃさんがなぐなっでるよぉぉぉ!!!」
「ゆあーん。おにぇーちゃんがゆっくちできにゃいよー。」
「あ、ありしゅのゆっくちした、かちゅーしゃしゃんがー。」
「ゆあーん。おにぇーちゃんがゆっくちできにゃいよー。」
「あ、ありしゅのゆっくちした、かちゅーしゃしゃんがー。」
最近では、飾りのないゆっくりなど、町中では珍しくもなく、同族に殺傷されることもほとんどなくなった。
飾りごとバッジを奪われた捨てゆっくりが町中にあふれているため、いちいち過剰反応していられないためだ。
だが、殺傷こそされないにしても、
飾りがない=ゆっくりできない、ということは変わらない。
長女ありすの狼狽は特に激しく、きょろきょろと周囲を見回しているが、景色など眼には映っていない有様だった。
飾りごとバッジを奪われた捨てゆっくりが町中にあふれているため、いちいち過剰反応していられないためだ。
だが、殺傷こそされないにしても、
飾りがない=ゆっくりできない、ということは変わらない。
長女ありすの狼狽は特に激しく、きょろきょろと周囲を見回しているが、景色など眼には映っていない有様だった。
「かちゅーしゃしゃん、ゆっくちちちぇぇぇぇええ!」
人間さんのすぃーのブレーキランプを見ては、カチューシャさんだと言って跳ねていき、
「ゆゆっ!『ぽふっ』ゆあーん、ありしゅのかちゅーしゃしゃんじゃにゃいー。」
炭酸飲料のペットボトルの赤いキャップを頭にのせてみては、がっかりする長女ありす。
「おにぇーしゃん、ゆっくちしちぇー。」
その落着きを失った姉の姿を見て、末っ子れいむもめそめそと泣き続けるばかり。
「ゆぅ・・・おちびちゃん、ゆっくり、ゆゆっ!?おちびちゃん、かちゅーしゃさんがあっちに・・・」
「ありしゅのかちゅーしゃしゃん!?」
「ありしゅのかちゅーしゃしゃん!?」
そうしてしばらく探しているうち、親れいむがカチューシャを見つけた。
れいむ一家が雨宿りをしていた植栽の前の水たまりにぷかぷかと浮かんでいる赤いカチューシャ。
おそらく、先ほど泥水を浴びせかけられた時、カチューシャだけ吹き飛ばされてしまったのであろう。
れいむ一家が雨宿りをしていた植栽の前の水たまりにぷかぷかと浮かんでいる赤いカチューシャ。
おそらく、先ほど泥水を浴びせかけられた時、カチューシャだけ吹き飛ばされてしまったのであろう。
「よかったね、おちびちゃん。これでゆっくりできるよ。」
「よかっちゃー!」×2
「よかっちゃー!」×2
そして、その直後、大量の雨水はそこに浮かぶカチューシャごと、側溝に流れ込んでいった。
「ゆ・・・ゆっぐぢ・・・ありしゅ、もうゆっぐぢでぎにゃい・・・」
「おにぇーぢゃぁん、ゆっぐぢぢじぇぇぇぇええ!」
「みにゃいでぇ、ゆっぐぢでぎにゃいありしゅをみにゃいでぇ・・・」
「おちびちゃん・・・。」
「おにぇーぢゃぁん、ゆっぐぢぢじぇぇぇぇええ!」
「みにゃいでぇ、ゆっぐぢでぎにゃいありしゅをみにゃいでぇ・・・」
「おちびちゃん・・・。」
飾りを失ったゆっくり、それは、うんうんより汚く、ゲスよりも不快で、
ぺにぺにのないありすよりも役に立たない、もっともゆっくり出来ないゆっくり。
実際はそうでもないはずなのだが、ゆっくり的にはそう言うことなのだ。
ぺにぺにのないありすよりも役に立たない、もっともゆっくり出来ないゆっくり。
実際はそうでもないはずなのだが、ゆっくり的にはそう言うことなのだ。
「すてちぇ・・・ありしゅみちゃいなゆっくちできにゃいゆっくちはおきゃーしゃんとゆっくちできにゃい・・・」
- 。べしんっ!
長女ありすは、突然ほっぺに強い衝撃を受けて、歩道の真ん中あたりまで吹っ飛ばされた。
親れいむがもみあげで、長女ありすをひっぱたいたのだ。
親れいむがもみあげで、長女ありすをひっぱたいたのだ。
「ゆぴゃっ!おきゃーしゃん?」
「おちびちゃん・・・おちびちゃんは、かちゅーしゃさんなんてなくても、れいむのかわいいおちびちゃんなんだよ。」
「ゆっ!」
「だから・・・だから、これでおわかれなんて、ゆっくりできないこといわないでね!」
「おきゃーしゃん・・・」
「しょーだよぉ。おにぇーちゃんは、とっちぇもゆっくちしたゆっくちだよ!ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」
「れいみゅ・・・」
「おちびちゃん・・・おちびちゃんは、かちゅーしゃさんなんてなくても、れいむのかわいいおちびちゃんなんだよ。」
「ゆっ!」
「だから・・・だから、これでおわかれなんて、ゆっくりできないこといわないでね!」
「おきゃーしゃん・・・」
「しょーだよぉ。おにぇーちゃんは、とっちぇもゆっくちしたゆっくちだよ!ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!」
「れいみゅ・・・」
早朝の雨の中、人通りもほとんどない歩道上で、
不幸に見舞われながらも、れいむ一家は家族の絆を再確認したのであった。
不幸に見舞われながらも、れいむ一家は家族の絆を再確認したのであった。
「わかっちゃよ!ありしゅはかちゅーしゃしゃんがなくっちぇも、ときゃい『ぐちゃっ』・・・」
「やべっ、なんか踏んだ。汚ねぇ。」
「やべっ、なんか踏んだ。汚ねぇ。」
そして、そんなことはどうでもいい人間さんの足が、
歩道の真ん中でうろちょろしていた赤ありすを踏みつぶしていったのだった。
歩道の真ん中でうろちょろしていた赤ありすを踏みつぶしていったのだった。
目の前から消えた長女ありすの居たあたりから、飛び散ったカスタードを全身に浴びたれいむ親子。
その口の中には、これまで味わったことのない極上の甘みが広がっていた。
しばらく茫然としているうち、親れいむのほっぺにくっついていた、小さな粒が転がり落ちる。
それは、カスタードの圧力で飛ばされた、長女ありすのきれいなおめめだった。
その口の中には、これまで味わったことのない極上の甘みが広がっていた。
しばらく茫然としているうち、親れいむのほっぺにくっついていた、小さな粒が転がり落ちる。
それは、カスタードの圧力で飛ばされた、長女ありすのきれいなおめめだった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
家族がまた一匹減ってしまい、気を落とすれいむ親子であったが、
だからと言って、今日はおうちに帰ってお葬式をあげよう、とはいかない。
雨も弱まってきたことだし、当初の予定通りゴミ捨て場さんに狩りに行かなくてはならないのだ。
アクシデント続きで、親れいむの予定より遅れてしまっているが、
ゴミを回収するすぃーは、れいむ達の狩りを待ってはくれない。急がなければ。
だからと言って、今日はおうちに帰ってお葬式をあげよう、とはいかない。
雨も弱まってきたことだし、当初の予定通りゴミ捨て場さんに狩りに行かなくてはならないのだ。
アクシデント続きで、親れいむの予定より遅れてしまっているが、
ゴミを回収するすぃーは、れいむ達の狩りを待ってはくれない。急がなければ。
とはいえ、そろそろ本格的に多くなり始めた人間さんのすぃーは、容赦なく歩道に水しぶきをあげる。
道路のどこにでも水たまりができるわけではないが、
今れいむ一家の前に見える道は、町でも特に改修が遅れている範囲であり、
しぶきが激しく歩道にまきあげられている。
その様はさながら、対ゆっくり結界といった風ですらあった。
道路のどこにでも水たまりができるわけではないが、
今れいむ一家の前に見える道は、町でも特に改修が遅れている範囲であり、
しぶきが激しく歩道にまきあげられている。
その様はさながら、対ゆっくり結界といった風ですらあった。
じゃばぁぁぁん 「「「わがらにゃ・・・」」」
じゃばぁぁ 「「わがら・・・」」
じゃばぁ 「わがらにゃいよぉ・・・。」
じゃばぁぁ 「「わがら・・・」」
じゃばぁ 「わがらにゃいよぉ・・・。」
親れいむは、れいむ一家と同じく歩道を歩いていたちぇん一家70匹以上が、
わずか家3軒分も進まぬうちに全滅する姿を目の当たりにした。
わずか家3軒分も進まぬうちに全滅する姿を目の当たりにした。
「ゆ、ゆぅ。これはあぶなすぎるよ。とおくなるけどべつのみちにいこうね。」
「ゆっくちりかい「むきゅ、そのひつようはないわ」ゆ?」
「ゆっくちりかい「むきゅ、そのひつようはないわ」ゆ?」
そこには一匹のぱちゅりーがいた。
一口にぱちゅりーと言ってもいろいろだが、このぱちゅりーの瞳には、知性の輝きがなくもない。
ちぇん達よりは頼りになりそうである。
一口にぱちゅりーと言ってもいろいろだが、このぱちゅりーの瞳には、知性の輝きがなくもない。
ちぇん達よりは頼りになりそうである。
「むきゅん。とおまわりはきけんがふえるだけよ。これをつかうのよ。」
ぱちぇが取り出したのは、買い物袋。
「むきゅーん!これをかぶれば、あめさんおそるるにたる、なのよ!」
「しゅごーい!ぱちぇおにぇーしゃん、ありがちょー!」
「しゅごーい!ぱちぇおにぇーしゃん、ありがちょー!」
さっそくれいむは頭に末っ子れいむを乗せて、その上から透明なビニル袋をすっぽりかぶる。
「ゆゆーん。まりさになったきぶんだよ!」
「むきゅむきゅ。でも、あんまりおみずさんををかぶらないほうがいいわ。ぱちぇのおてほんをみてるのよ。」
「むきゅむきゅ。でも、あんまりおみずさんををかぶらないほうがいいわ。ぱちぇのおてほんをみてるのよ。」
ぱちぇも、すっぽりと白地に企業のロゴが入ったコンビニ袋をかぶると、
水しぶきの降り注ぐ歩道に突っ込んでいった。
水しぶきの降り注ぐ歩道に突っ込んでいった。
ブロロォォォォ・・・ばしゃぁぁん!「むきゅー!」
バシャバシャバシャ!「むぎゅっ!ふくろさん、まえがみえないわ!どいてぇぇぇ!」
ブォロロロ・・・プップー「糞饅頭!道路にでてくんじゃねぇ!!!」「むきゅぅぅぅ!まえが、まえがみえないわぁぁ!」
グシャッ!!!
- 。
ぱちぇの声が聞こえなくなった後、道路のど真ん中には、
紫色の布地と、その周囲に飛び散ったクリームの跡だけが残されていた。
しかし、彼女の献策と尊い犠牲により、れいむ親子はなんとか最大の難所を通り抜けることができたのだった。
紫色の布地と、その周囲に飛び散ったクリームの跡だけが残されていた。
しかし、彼女の献策と尊い犠牲により、れいむ親子はなんとか最大の難所を通り抜けることができたのだった。
「とおくなるけど、ちがうみちにいこうね。おちびちゃん。」
「ゆっくちりかいしちゃよ!」
「ゆっくちりかいしちゃよ!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
雨が一時的にしろ降りやみ、れいむ親子は、大きな河川敷を持つ川に架かる、
橋の上をぽよんぽよんと進んでいた。れいむ親子は運が良かった。
もしも、雨がやんでいなければ、屋根一つない橋の上は進めず、
橋の裏側、鉄骨やパイプの細い足場を、ナメクジのように這い進んで川を渡る必要があったからだ。
橋の上をぽよんぽよんと進んでいた。れいむ親子は運が良かった。
もしも、雨がやんでいなければ、屋根一つない橋の上は進めず、
橋の裏側、鉄骨やパイプの細い足場を、ナメクジのように這い進んで川を渡る必要があったからだ。
「なつさんは、おみずさんがなくって、ゆっくりできなかったよ。
おちびちゃん、こんどなつさんがきたら、ここでおみずさんをのむんだよ。」
「ゆっくちりかいしちゃよ!」
おちびちゃん、こんどなつさんがきたら、ここでおみずさんをのむんだよ。」
「ゆっくちりかいしちゃよ!」
親れいむは町の酷暑で、家族まとめて生死の境をさまよった経験がある。
その時は親れいむのさらに親であるれいむが、
河川敷までたどり着く道のりを知らなかったばかりに、乾きに苦しむこととなった。
ゆっくりの行動半径の狭さでは仕方がなかったとはいえ、水の不足は、親れいむのトラウマとなって未だに残っている。
だからこうして、また夏が来た時のために、おちびちゃんに知識を残していくのだ。
その時は親れいむのさらに親であるれいむが、
河川敷までたどり着く道のりを知らなかったばかりに、乾きに苦しむこととなった。
ゆっくりの行動半径の狭さでは仕方がなかったとはいえ、水の不足は、親れいむのトラウマとなって未だに残っている。
だからこうして、また夏が来た時のために、おちびちゃんに知識を残していくのだ。
無論、親れいむも、次の夏を迎えた時のために対策を怠らない。そんなことしても、無駄であるにもかかわらず。
「?おきゃーしゃん、あにょでっかいかべしゃんはなんなにょ?」
「ゆーん。にんげんさんがつくったかべさんだね。れいむもよくわからないよ。」
「ゆーん。にんげんさんがつくったかべさんだね。れいむもよくわからないよ。」
川の上流には、金属でつくられた壁が、川をせき止めるようにして建てられていた。
ゆっくりにはよくわからない壁さんだが、要するに水門である。
川の水量や水の流れる向きを調整したりするために造られており、
むろんこの川にも大昔からいくつも設置されていた。
ゆっくりにはよくわからない壁さんだが、要するに水門である。
川の水量や水の流れる向きを調整したりするために造られており、
むろんこの川にも大昔からいくつも設置されていた。
だが、ここ数年で、この町ではさらに数か所の水門が、ある目的のために新たに設置された。
『プォーーーーーン。これより、虹浦水門から湯栗水門までの区間における、ゆっくり洗浄を実施します。
河川敷から至急退去して下さい。繰り返します・・・』
河川敷から至急退去して下さい。繰り返します・・・』
5分後、水門の開放とともに、大小様々な、肌色をした大量の玉が、雨水で増水した水とともに下流に流れ込み始めた。
「ゆぅ?おきゃーしゃん。へんにゃにょがういちぇるよ?」
「ゆーん、なんだろうね?」
「ゆーん、なんだろうね?」
上流から流れ込んだ大量の水は、さらに下流にある水門でせき止められ、堤防内は見る見るうちに増水していく。
「しゅごーい!おみずしゃんいっぴゃいだよぉ。」
「ゆぅ、にんげんさんはすごいよ。ゆ・・・・ゆ?ゆ、ゆぁぁぁ・・・」
「ゆぅ、にんげんさんはすごいよ。ゆ・・・・ゆ?ゆ、ゆぁぁぁ・・・」
先に変化に気づいたのは、親れいむであった。
増水した川の両岸、堤防のあたりから、ぷかり、ぷかり、と新たに肌色をした玉が浮かびあがる。
その量は、2分、3分と経つうち、10、100、500と増えていき、気がつけば、川の水面を埋め尽くしていた。
増水した川の両岸、堤防のあたりから、ぷかり、ぷかり、と新たに肌色をした玉が浮かびあがる。
その量は、2分、3分と経つうち、10、100、500と増えていき、気がつけば、川の水面を埋め尽くしていた。
その玉と一緒に浮かびあがって来たのは・・・・・・まりさの黒いお帽子であった。
「ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・ゆ゛っ・・・ゆ゛ぁぁぁああああ!!!」
「おっ、おちびちゃんたちみちゃだめぇぇえ!」
「やっ、やじゃぁぁぁああああ!にんげんしゃん、どぼぢでごんなことしゅるのぉぉぉぉおおおお!!!」
「おちびちゃん!みちゃだめ、みちゃだめぇ。はやくいくんだよぉぉぉ・・・」
「おっ、おちびちゃんたちみちゃだめぇぇえ!」
「やっ、やじゃぁぁぁああああ!にんげんしゃん、どぼぢでごんなことしゅるのぉぉぉぉおおおお!!!」
「おちびちゃん!みちゃだめ、みちゃだめぇ。はやくいくんだよぉぉぉ・・・」
ゆっくり洗浄、それは、梅雨・秋雨の増水時期に合わせて、川に設置された水門を開放、
堤防に巣穴を掘るゆっくりを溺死させて流しつくす作業である。
気候の安定した春の半ばと秋の初めに大量繁殖する町ゆっくりが、
ちょうど独り立ちして自分のおうちを探すのがこの時期。
巣穴作りに適した、土をむき出しにしている堤防には、役所の防災担当者が頭を抱えるほどの量の巣穴が掘られる。
放っておけば、ここでさらに赤ゆを産んだゆっくり達が、おうちの拡張のために巣穴を深く、大きく広げ始める。
堤防に巣穴を掘るゆっくりを溺死させて流しつくす作業である。
気候の安定した春の半ばと秋の初めに大量繁殖する町ゆっくりが、
ちょうど独り立ちして自分のおうちを探すのがこの時期。
巣穴作りに適した、土をむき出しにしている堤防には、役所の防災担当者が頭を抱えるほどの量の巣穴が掘られる。
放っておけば、ここでさらに赤ゆを産んだゆっくり達が、おうちの拡張のために巣穴を深く、大きく広げ始める。
町の安全を最優先とする以上、中途半端な同情など許される余地はなかった。
なお、ここ数年は、溺死させられた不幸なゆっくり達を供養するために、
年末の寒い時期、ちるのが川に大量発生する時期に合わせて、まりさに似せたぬいぐるみを川に流す、
『ゆっくり流し』と呼ばれる行事が行われるようになった。
昨年は、来場者20万人を記録している人気行事として定着しつつある。
年末の寒い時期、ちるのが川に大量発生する時期に合わせて、まりさに似せたぬいぐるみを川に流す、
『ゆっくり流し』と呼ばれる行事が行われるようになった。
昨年は、来場者20万人を記録している人気行事として定着しつつある。
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れいむ親子はすっかり意気消沈していたが、
それでもむーしゃむーしゃと言うゆっくりを得るため、飲食店街へと向かう。
今目の前にあるのは、かつて親切なゆうかりんからお水をもらった、『がっこう』さん。
この敷地を通り抜ければ、目的地は目の前だ。
それでもむーしゃむーしゃと言うゆっくりを得るため、飲食店街へと向かう。
今目の前にあるのは、かつて親切なゆうかりんからお水をもらった、『がっこう』さん。
この敷地を通り抜ければ、目的地は目の前だ。
「ゆゆっ?おきゃーしゃん、にんげんしゃんがいりゅよ?」
「ゆっ、おちびちゃんかくれてね。」
「ゆー、ゆぅ?おきゃーしゃん、あのにんげんしゃん、はこしゃんとおはなししちぇるよ?」
「ゆぅん?なんだろうね?ちかづいてみるよ。」
「ゆっ、おちびちゃんかくれてね。」
「ゆー、ゆぅ?おきゃーしゃん、あのにんげんしゃん、はこしゃんとおはなししちぇるよ?」
「ゆぅん?なんだろうね?ちかづいてみるよ。」
れいむの視線の先、校庭をはさんで反対側には、雨の日、しかも早朝だというのに、
黄色いカッパと長靴を着こんだ、小学生くらいであろう人間さんの女の子が、
大きなバケツをひっくり返したような箱に向かって、話しかけていた。
ゆっくりにはわからないだろうが、その箱は、一般的にコンポストと呼ばれている、
家庭から出る生ゴミ等から肥料を作る道具であった。
黄色いカッパと長靴を着こんだ、小学生くらいであろう人間さんの女の子が、
大きなバケツをひっくり返したような箱に向かって、話しかけていた。
ゆっくりにはわからないだろうが、その箱は、一般的にコンポストと呼ばれている、
家庭から出る生ゴミ等から肥料を作る道具であった。
「コンポストさま、コンポストさま、お友だちとなかなおりするほうほうをおしえてください!」
「ゆふーん、なんなのぜ。またじゃりもとおにーさんのおちびちゃんなのぜ。あまあまはあるのぜ?」
「はい、どーぞ。」
「ゆふーん、なんなのぜ。またじゃりもとおにーさんのおちびちゃんなのぜ。あまあまはあるのぜ?」
「はい、どーぞ。」
餡子のかたまりを2~3個コンポストの中にそっと入れる
「ゆふーん。かんしんなのぜ。むーしゃむーしゃ!じゃあ、おはなしをきいてあげるのぜぇ!」
「はい、じつは・・・」
「はい、じつは・・・」
「ゆーん。にゃんだろう、おきゃーしゃん。」
「ゆゆぅ、あれはきっと、にんげんさんのおねがいをきいてくれるはこさんなんだよ。」
「しゅごーい!れいみゅたちのおねがいもきーてくれりゅかなぁ?」
「ゆーん・・・」
「ゆゆぅ、あれはきっと、にんげんさんのおねがいをきいてくれるはこさんなんだよ。」
「しゅごーい!れいみゅたちのおねがいもきーてくれりゅかなぁ?」
「ゆーん・・・」
「・・・きっとみんなつんでれさんなのぜ。あきゅんちゃんもきにしないで、もっとすっきりーをみせてあげればいいのぜ。」
「そうなんだぁ。コンポストさま、ありがとうございました。」
「ゆふぃ。おなやみそうだんはつかれるのぜぇ。にんげんさんもらくじゃなさそうなのぜぇ。」
「そうなんだぁ。コンポストさま、ありがとうございました。」
「ゆふぃ。おなやみそうだんはつかれるのぜぇ。にんげんさんもらくじゃなさそうなのぜぇ。」
と、人間さんがいなくなったのを見計らって、れいむ親子がコンポスト前に駆け寄った。
「・・・こんぽすとしゃま?れいみゅのおねがいきーちぇにぇ!」
「ゆゆっ!?まり・・・こんぽすとさまは、まだおねむのじかんなのぜぇ。あまあまがあるならおはなしきいてあげるのぜぇ。」
「ゆゆーん。にゃいよぉ。」
「ゆぅ、しけてるのぜぇ。まあ、はじめてなら、ただでおはなしきいてあげるのぜぇ。」
「ゆゆっ!?まり・・・こんぽすとさまは、まだおねむのじかんなのぜぇ。あまあまがあるならおはなしきいてあげるのぜぇ。」
「ゆゆーん。にゃいよぉ。」
「ゆぅ、しけてるのぜぇ。まあ、はじめてなら、ただでおはなしきいてあげるのぜぇ。」
「ゆーん、ありがちょー。れいみゅ、おみずしゃんのなかでもゆっくちしちゃいんだよぉ。」
「・・・にんげんさんだって、おみずさんのなかじゃ、しぬときゃしぬのぜ。あきらめるのぜ。」
「ゆがーん!でみょでみょ、あめしゃんのなかでもにんげんしゃんはへーきだよ?」
「ゆぅ・・・ゆゆっ!?それなら、ここのゆうかりんにおねがいしてみるのぜぇ!」
「・・・にんげんさんだって、おみずさんのなかじゃ、しぬときゃしぬのぜ。あきらめるのぜ。」
「ゆがーん!でみょでみょ、あめしゃんのなかでもにんげんしゃんはへーきだよ?」
「ゆぅ・・・ゆゆっ!?それなら、ここのゆうかりんにおねがいしてみるのぜぇ!」
ゆうかりんという名前を聞いて、親れいむも反応した。
ゆうかりん・・・夏の酷暑の中、貴重なお水さんをくれた、とてもゆっくりしたゆっくり。
ゆうかりん・・・夏の酷暑の中、貴重なお水さんをくれた、とてもゆっくりしたゆっくり。
「ゆっ!ゆうかりんはいまもいるの!?」
「なにいってるのぜ。このまり・・・こんぽすとさまのどれいなのぜぇ。
まいにちごはんさんをもってくるおしごとと、うんうんをかたづけるおしごとを、やらせてあげてるのぜ。
たんじゅんだから、ないておねがいしたら、きっとなんとかしてくれるのぜぇ。」
「なにいってるのぜ。このまり・・・こんぽすとさまのどれいなのぜぇ。
まいにちごはんさんをもってくるおしごとと、うんうんをかたづけるおしごとを、やらせてあげてるのぜ。
たんじゅんだから、ないておねがいしたら、きっとなんとかしてくれるのぜぇ。」
「・・・そう?コンポスト様。ゆうかは奴隷なのね。」
親れいむが振り向くと、そこには夏に出会って以来の、あの親切なゆうかりんが立っていた。
満面の笑みを浮かべているが、笑顔がなんだか怖い。
満面の笑みを浮かべているが、笑顔がなんだか怖い。
「ゆぎぇっ!?ゆうかりん、いつのまにいたのぜ!・・・さっきのはじょうだんなのぜ。」
「また、変な商売をしてるのね。」
「ゆっへへへ、おなやみをきいてあげてるだけなんだぜ。にんげんさんもよろこんでるのぜ。」
「ちなみに昨日の給食はカレーだったわ。朝ごはんを楽しみにしててね。」
「かれーさんはゆっくりできないぃぃぃいいいい!!!」
「また、変な商売をしてるのね。」
「ゆっへへへ、おなやみをきいてあげてるだけなんだぜ。にんげんさんもよろこんでるのぜ。」
「ちなみに昨日の給食はカレーだったわ。朝ごはんを楽しみにしててね。」
「かれーさんはゆっくりできないぃぃぃいいいい!!!」
一方親れいむは、雨の中久々に出会ったゆうかりんに、母と一緒に過ごした夏の日々を思い出し、
おちびちゃんに戻ったように涙を流し始めた。
おちびちゃんに戻ったように涙を流し始めた。
「?れいむ?ゆうか、何かひどいことした?」
「ゆあーん、おかーじゃーん、ゆうかりーん。」
「ゆあーん、おかーじゃーん、ゆうかりーん。」
すっかり困り果てたゆうかりんは、同じく困り果てている末っ子れいむを連れて、
取りあえず校内に引き上げることにした。
取りあえず校内に引き上げることにした。
「・・・れいむは、あの時のおちびちゃんだったのね。
あのコンポストの中身は、あの時のまりさなのよ、覚えてる?」
「ゆーん、よくわからないよ。でも、なんでまりさはこんぽすとさまなの?」
あのコンポストの中身は、あの時のまりさなのよ、覚えてる?」
「ゆーん、よくわからないよ。でも、なんでまりさはこんぽすとさまなの?」
「最初はゆうかがきっかけなのよ。仕事で不満がたまってたから、愚痴を聞いてもらってたの。」
「?ゆうかりん、きれいだし、すごくゆっくりできるのに。おしごとたいへんなの?」
「・・・ちょっと先生も子供達もイタズラ好きが多くって、疲れちゃうの。昨日だって、あんなのずっと挿れとけだなんて・・・。」
「ゆぅ、ゆっくりしてね。」
「大丈夫よ。ゆうかもそんなに嫌じゃないから。とにかく、それを学校のみんなに見られてたのね。
いつのまにか、子供達みんなの相談相手になってたのよ。あまあまとか欲しがらないなら、別に悪くは無いんだけど。
「?ゆうかりん、きれいだし、すごくゆっくりできるのに。おしごとたいへんなの?」
「・・・ちょっと先生も子供達もイタズラ好きが多くって、疲れちゃうの。昨日だって、あんなのずっと挿れとけだなんて・・・。」
「ゆぅ、ゆっくりしてね。」
「大丈夫よ。ゆうかもそんなに嫌じゃないから。とにかく、それを学校のみんなに見られてたのね。
いつのまにか、子供達みんなの相談相手になってたのよ。あまあまとか欲しがらないなら、別に悪くは無いんだけど。
- そんなことよりれいむ。」
「?」
「まりさのお話じゃないけど、いいものをあげるわ。」
「あみゃあみゃ?」
「ご飯さんはあげられないきまりなの。ごめんね。・・・」
「まりさのお話じゃないけど、いいものをあげるわ。」
「あみゃあみゃ?」
「ご飯さんはあげられないきまりなの。ごめんね。・・・」
「・・・ゆっくりしていけ。」
「ふらんだぁぁぁぁあああ!」×2
「ふらんだぁぁぁぁあああ!」×2
和室使用の豪華な校務員室では、ふらんがうとうととしながら服を着替えていた。
「後輩よ。最近忙しくなったからって一人増やしてくれたの。」
「ゆぅ。ふらんはゆっくちしたふらん?」
「・・・ニヤリ。」
「ゆびゃぁぁぁあああ!ゆっくちしちぇぇぇぇええ!」
「うー、なにもしてないのに。」
「ゆぅ。ふらんはゆっくちしたふらん?」
「・・・ニヤリ。」
「ゆびゃぁぁぁあああ!ゆっくちしちぇぇぇぇええ!」
「うー、なにもしてないのに。」
などと、末っ子れいむとふらんがじゃれ合っている間に、ゆうかりんは物置からスプレー缶を持ってきた。
「あった、これよ。いいもの。」プシュー!
「ゆげへぇ!へんなのかけないでね!ゆっくりできないよ。」
「傘用の防水スプレーよ。少しの雨さんくらいなら、はじいてくれるわ。
ゆっくり用じゃないから、長持ちはしないけどね。」
「ゆっ?ほんちょに?ゆうかりん、ありがちょー!」
「あなた達も大変だと思うけど、がんばってね。」
「ゆげへぇ!へんなのかけないでね!ゆっくりできないよ。」
「傘用の防水スプレーよ。少しの雨さんくらいなら、はじいてくれるわ。
ゆっくり用じゃないから、長持ちはしないけどね。」
「ゆっ?ほんちょに?ゆうかりん、ありがちょー!」
「あなた達も大変だと思うけど、がんばってね。」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ゆうかりんは、やっぱりゆっくりしたゆうかりんだった。
れいむ親子は雨の中を、生まれて初めて溶ける恐怖から解放されて、快適に歩いていた。
れいむ親子は雨の中を、生まれて初めて溶ける恐怖から解放されて、快適に歩いていた。
「ゆっゆーん!ゆうかりんしゅごーい!あめしゃんじぇんじぇんぬれにゃいよ!」
「ゆーん!よかったね!」
「きっちょ、こんぽすとしゃまがおねがいをかなえちぇくれたんだにぇ!」
「ゆ、ゆぅ・・・」
「ゆーん!よかったね!」
「きっちょ、こんぽすとしゃまがおねがいをかなえちぇくれたんだにぇ!」
「ゆ、ゆぅ・・・」
ともあれ、多くの犠牲を払いながらも、ついにれいむ親子は目的地に到着したのであった。
飲食店から出されて、回収を待つ半透明の袋の中には、ゆっくりしたご飯さんが見えている。
きいろいふわふわのおむれつさん、みみずさんみたいでおいしいぱしたさん、おやさいさんもたくさんある。
それは、町のゆっくり達が求めてやまない、宝の山そのものであった。
飲食店から出されて、回収を待つ半透明の袋の中には、ゆっくりしたご飯さんが見えている。
きいろいふわふわのおむれつさん、みみずさんみたいでおいしいぱしたさん、おやさいさんもたくさんある。
それは、町のゆっくり達が求めてやまない、宝の山そのものであった。
「ゆわぁぁ。はやくむーちゃむーちゃしちゃいよぉ。」
だが、雨はともかく、人間さんが見ているかもしれないので、危険はある。
末っ子れいむを近くの飲食店の軒下に残し、親れいむだけでゴミ集積所に向かうことにした。
生ゴミの入った袋は無傷。周囲には未だにゆっくりの影は無く、れいむ達で独占状態だ。
体はゆうかりんのおかげで雨粒をはじき、普段なら命がけの、雨中でのゴミ漁りもゆっくりとできる。
きっとすばらしいあまあまを見つけられるだろう。
末っ子れいむを近くの飲食店の軒下に残し、親れいむだけでゴミ集積所に向かうことにした。
生ゴミの入った袋は無傷。周囲には未だにゆっくりの影は無く、れいむ達で独占状態だ。
体はゆうかりんのおかげで雨粒をはじき、普段なら命がけの、雨中でのゴミ漁りもゆっくりとできる。
きっとすばらしいあまあまを見つけられるだろう。
「ゆっくりごはんさんをみつけるよ!」
「ゆっくちがんばっちぇにぇ!」
「ゆっくちがんばっちぇにぇ!」
ずぼっ!ごそごそごそ・・・
「・・すごいよぉ。こんなにいっぱい。おちびちゃんまっててね!・・・」
ごそごそごそ・・・
ブロロロロォォォォ。キキーッ!
「よーしゴミ積み込めぇ。」
「ういーす。」
「ういーす。」
ポイポイポイッ、ドサドサッ!ウィーン、グシャグシャグシャグシャ。
「終わりやしたー。」
「とっとと乗れぇ、次行くぞぉ。」
「とっとと乗れぇ、次行くぞぉ。」
- ゴミ捨て場には何も残らなかった。
あまあまも、ゆっくりしたおむれつさんやぱしたさんも、親れいむも。
末っ子れいむは呆然としたまま、空となったゴミ捨て場を眺め続けた。
末っ子れいむは呆然としたまま、空となったゴミ捨て場を眺め続けた。
側溝まりさは、第1作『真夏−』では赤ゆっくりとして登場しています。
どの赤まりさとは言いませんが。
どの赤まりさとは言いませんが。
ちなみにふらんは、9月からゆうかりんの助手として勤務を始めています。
初々しくて可愛いと評判も上々みたいです。
初々しくて可愛いと評判も上々みたいです。
過去作品
ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり
ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言
ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿
ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光
ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言
ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿
ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光
『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど)
春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ
春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね
春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ)
春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ)
春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ)
春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道
夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね
夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ)
夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ)
夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ)
夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ)
夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね
夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還
秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ
秋-2. 本作品
翌年 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ)
春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね
春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ)
春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ)
春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ)
春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道
夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね
夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ)
夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ)
夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ)
夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ)
夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね
夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還
秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ
秋-2. 本作品
翌年 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ)

挿絵:儚いあき

挿絵:儚いあき

挿絵:嘆きあき