ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1926 二人はW ~Yは二度と帰らない~(前)
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ankoss
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注意書きです。
1 駄文です。
2 原作レイプです。
3 人間が死ぬシーンがあります。
4 無駄に長いので、前・中・後編に分かれています。
5 プロローグパートです。
それでもOKだよと言う方のみ、どうぞ。
20○○年、○○県××市。
そこには、人間と多くのゆっくり達が共存する街が存在していました。
その街は『遊都(ゆうと)』と呼ばれていました。
遊都は年間の犯罪率が県内で最も少なく、人間もゆっくりも、皆が平和に暮らしていました。
……ですが、その平和は突然終止符を打ってしまったのです。
遊都は今では県内での犯罪率がベスト5に入る位になってしまったのです。
何故犯罪率が増えてしまったのか。
……理由は、遊都に存在するゆっくり達にありました。
「ゆっへっへ!!このしょうてんがいは、いまからまりささまのものなのぜ!」
「ゆほほっ!!ありすたちにさからおうなんておもわないことね!」
そこは、遊都に複数存在する、商店街の内の一つ。
商店街の中央で、しかも人間達が買い物や通勤途中などで大勢いる中で、ゆっくりまりさとゆっくりありすが大声で『おうち宣言』をしました。
まりさとありすは体や髪飾りが薄汚れており、野良である事が一目で分かります。
「ああ!?何言ってんだお前!?潰されてぇか!!」
そんな二匹の発言に激怒した魚屋の店主が二匹に怒鳴りつけました。
「そうだ!野良の分際でふざけた事言ってるんじゃねぇ!」
「頭がおかしいんじゃねぇか!?」
後から精肉屋と八百屋の店主も怒鳴ります。
それもそうでしょう。
ゆっくり如きにそんな事を言われれば、誰だって激怒します。
三人は今にも二匹を潰さんとばかりの剣幕で睨みつけました。
「あ~ん?くそにんげんが、まりささまにかてるとでもおもっているのぜぇ?」
「ゆほほっ!!みのほどしらずもいいところねぇ!」
しかし二匹は余裕の表情で三人を挑発しました。
「「「上等だ!!今から潰してやる!!」」」
ゆっくり、しかも野良如きにここまで舐められてはたまりません。
三人は勢い良く二匹に向かって駆け出しました。
もはや二匹の命は風前の灯火。
……かと思われましたが。
「……こうかいするんじゃないのぜぇ?」
「ゆほほっ!!いなかもののぶんざいで、なまいきねぇ?」
二匹は逃げ出そうとも命乞いをしようともしませんでした。
その表情には、後悔や恐怖は感じられず、代わりに圧倒的な自信が見えていました。
そして、二匹は帽子と中とカチューシャの隙間から、、小さい長方形ほどの『何か』を取り出し、口に咥えました。
その『何か』はUSBメモリのような機械で、アルファベットの『D』と『Q』の文字が刻み込まれていました。
「「ゆっくりしんでいってね!!」」
そう二匹が言って『何か』を飲み込んだのと同時に。
『ドスゥッ!!』
『クイィーンッ!!』
野太い男の声が周辺に響き渡りました。
……そして。
「あ……、ああ……」
「ひ、ひぃぃ……」
「いやぁ……!!」
二匹を潰そうとしていた三人も。
他の野次馬達も。
皆、震えあがりました。
何故なら、目の前にいるのは薄汚い野良ゆっくり二匹ではなく……。
全長5メートルは超えるドスまりさと、クイーンありすがいたのですから。
今から数年前の事。
何者かの手によって、遊都に『何か』が大量にばら撒かれました。
その『何か』の対象者が、ゆっくりだったのです。
そう。犯罪率が急上昇してしまったのは、人間ではなく、ゆっくりが犯罪を起こすようになってしまったからです。
それも、食い逃げや人家への不法侵入など、生易しいものではありませんでした。
ゆっくりが引き起こす犯罪のレベルが格段に上がってしまったのです。
そして、大きな犯罪を起こすゆっくりは、ほぼ確実にその『何か』を使用していました。
……その『何か』は、『ガイゆメモリー』と呼ばれていました。
『ガイゆメモリー』をゆっくりが使用すると、そのメモリの持つ能力がゆっくりに与えられます。
そのメモリを使う事で、本来軟弱なゆっくりが、一瞬で化け物並みの能力を得るのです。
そして、その化け物並みの力を得たゆっくりは『ゆーパント』と呼ばれていました。
一体どういう原理で作られているのか全く分からない、未知の物質でした。
メモリの力に囚われたゆっくり達は、己の欲望を叶える為に暴れまわりました。
当然、街の治安を守る警察は黙っていません。
すぐさま警察の精鋭部隊を送り込みました。
……結果は、かなりひどいものでした。
暴れまわったゆっくり達の鎮圧には成功したものの、ゆっくりとは思えない力を前に、精鋭部隊の隊員が約4割殉職してしまったのです。
このままメモリの力を悪用するゆっくり達が暴れ続けたら、今回以上の死傷者を出す事になる。
そう判断した警察は、そんなゆっくり達対策に特化した、新しい課を設けました。
その課の名前は、『ゆーパント対策課』。
ゆーパント課は早速ガイゆメモリーの解析や、ガイゆメモリーをばら撒いた犯人の捜査に乗り出しました。
……ですが、ゆーパント対策課の奮闘も空しく、ガイゆメモリーの実態も、犯人が人間なのかゆっくりなのかさえも解明する事が出来ませんでした。
その間にもガイゆメモリー関連の事件が何件も起こり、今、遊都ではガイゆメモリーの名を知らない者は殆どいない位になりました。
……そして。
「ゆっへっへぇ!!」
「んほぉぉぉぉっ!!」
この二匹もメモリの力を使い、ドスとクイーンに変身して暴れている最中です。
幸い一般市民は皆商店街から避難する事に成功しました。
その間に警察はゆーパント対策課の特殊部隊を送り込みました。
……が。
「撃てぇ―っ!!撃ちこめぇーっ!!」
ドゴオォォォォンッ!!
「んほほぉっ!!いたくないわぁっ!!」
「おかえしなのぜぇ!ドススパァァァァックッ!!」
ドガアァァァァンッ!!
「ぐあぁぁぁぁっ!?」
「倉野ぉぉぉぉっ!?」
「畜生ぉぉぉぉっ!!くたばれぇぇぇぇっ!!」
結果は散々でした。
特殊部隊はバズーカ砲やガトリング砲、果ては戦車まで投入してゆーパント達に攻撃を仕掛けました。
ですが、ゆーパントには全く通用しませんでした。
それどころか、ドススパークで反撃を食らい、こちらが死傷者が出る始末。
現在、特殊部隊は二匹から数キロ離れた場所で歯ぎしりしながら待機していました。
「ゆっひゃっひゃっひゃっ!!まりさたちにかなうはずがないのぜぇ!!」
「んほほぉっ!!そのとおりねぇっ!!」
二匹は幸せの絶頂にいました。
今までは、人間やカラスや猫などに怯えながら路地裏で暮らす日々を送っていた二匹。
ですが、このメモリを手にした瞬間から、全てが変わりました。
自分達が最も恐れていた人間達も、もはや自分達の敵ではない。
二匹は確信していました。
もう、自分達の敵は誰もいないと。
「「待ちなさい!!」」
自分達の背後にいる、その声を聞くまでは。
「ゆあ~?」
まりさが振り向くと……。
そこには、胴付きのゆっくりさなえとゆっくりれいむが立っていました。
「んほぉ!!なによあんたたち!ありすのじゃまをしようっていうの!?」
ありすがその二人に対して威嚇しました。
「これ以上暴れる事は許しませんよ!」
そう言ったのはさなえでした。
「今、大人しくメモリをその場で壊すなら、見逃しても良いわよ」
そう言ったのはれいむでした。
「「はぁ!?なにいってるの!?ばかなの!?しぬの!?しぬのはそっちでしょ!?」」
そんな二人の言葉にキレた二匹は、二人を瞬殺すべく飛びかかりました。
ドスウゥゥゥゥンッ!!
地響きを立てて、二匹は着地しました。
……が、すでに二人は距離を取っていました。
……二匹は気付きませんでした。
人間ですら自分達に敵わないのに、この二人が目の前に現れた意味に。
さなえが『S』を、れいむが『R』と刻み込まれたメモリを手に持っていた事に。
二人のお腹には、『W』と刻み込まれたベルトが巻かれている事に。
「「変身っ!!」」
『サナエェッ!!』
『レイムゥッ!!』
二人がそう言って、メモリをベルトの挿入口に差し込んだその瞬間、辺りが閃光に包まれ……。
二匹が気付いた時には、二人はそこにはいませんでした。
代わりに、一人の胴付きゆっくりがその場に立っていました。
そのゆっくりの髪の毛は緑と黒が混ざり合ったような長髪でした。
そのゆっくりの服装は緑と黒が混ざり合ったような巫女服でした。
そのゆっくりの瞳は、右目が緑色で、左目が黒色のオッドアイでした。
「な……、なんなのぜ……?おまえ……!?」
「私?私は……」
そして何よりも。
「私は、ただの『ワキミコ』です」
その二人が、自分達の天敵であるという事に。
これは、遊都の平和を護る為、日々戦い続ける二人のゆっくりの物語です。
「二人はW ~Yは二度と帰らない~」
作:ぺけぽん
「……さあ、あなた達の罪を数えなさい」
『ワキミコ』は二匹にそう言いました。
「……ふざけるんじゃないわよぉっ!!」
「ま、まつのぜ!!ありす!」
相方のドスまりさの制止も聞かず、クイーンありすは『ワキミコ』と名乗ったゆっくりに向かって体当たりをしかけました。
ワキミコは、こちらに向かって来るアリスに対して、カウンターパンチの姿勢を取っていました。
何て無駄な事を!
自分のこの巨体なら、こんな奴、一瞬で殺せる!
クイーンありすはそう確信していました。
「はぁっ!!」
「ゆぶぼぁっ!?」
ワキミコのパンチが自分の腹部に命中し、数メートル程浮かび上がり、吹き飛ばされるまでは。
「ゆべえぇぇっ!?」
クイーンありすはズシャアッと滑るように近くの洋服店に頭から突っ込んでいきました。
結果、店は粉々に崩れ、クイーンありすは店の瓦礫に埋もれてしまいました。
「あ、ありすっ!?」
「相方の心配をしている暇はあるんですか?」
「く、くそおぉっ!!ドススパアァァックッ!!」
まりさは自分の十八番である必殺技、ドススパークを口から放ちました。
これで人間達を一瞬で消し炭にしたのだから、ゆっくりに効かない訳がない!
「はっ!」
……ですが、ワキミコはドススパークを横ステップで回避し、こちらに突っ込んできました。
「ここは一気に決めます!」
ワキミコはそう言うと、自分の腋から『H』と『M』と刻まれたメモリを取りだしました。
そして、ベルトから挿入していた『S』と『R』のメモリを抜き出し、代わりに先程のメモリを挿入しました。
『ヒート!!』
『メタルゥッ!!』
するとワキミコの右手には、先程まで無かった銀色に光る槍が握られていました。
「ゆひぃっ!?」
ドスまりさは一瞬ワキミコに怯えてしまい、自分の懐にワキミコを入らせてしまいました。
「行きますよ!!ハワイアンダンス!!」
ワキミコがそう叫ぶと、突如槍に炎が纏い始めました。
ワキミコはその槍でドスまりさを何度も斬ったり突いたりしました。
「ひぎゃあぁっ!?いぎっ!?いぎいぃぃっ!!」
槍で作られる傷と炎による火傷の痛みの両方でドスまりさは悲鳴を上げました。
「んほおぉぉぉぉっ!!」
そこへ、先程の攻撃から回復したクイーンありすが乱入しました。
「ふっ!!」
ワキミコはクイーンありすの突進をバックステップで回避しました。
「これでもくらいなさいぃぃぃぃっ!!」
クイーンありすがそう叫ぶと、クイーンありすの下腹部から、触手のようなぺにぺにが何本も生えだし、ワキミコ目がけて一斉に襲い掛かりました。
触手ぺにぺにの攻撃をワキミコは紙一重でかわし続けます。
「んほほぉっ!!れいぽぅしてやるわぁっ!!」
このままではワキミコは防戦一方のまま。……かに思われましたが。
「仕方ないですね……。れいむさん!交代です!」
ワキミコがそう言うと、急にワキミコの顔つきや雰囲気が変わりました。
その表情は、熱血から冷静へとクールダウンしたようでした。
「……任せなさい」
ワキミコはそう言うと、またも自分の腋から『F』と刻まれたメモリを取りだし、先程取り外した『R』を再び手にしました。
そして最初と同じように『H』と『M』のメモリを取り外し、新しく『F』と『R』を挿入しました。
『ファングッ!!』
『レイムゥッ!!』
するとワキミコの右手に握られていた槍は消え去り、代わりに手首から20センチ程の刃が生えていました。
「行くわよ!!わんわんおラッシュ!!」
ワキミコは先程よりも格段に素早い動きで、触手ぺにぺにをその刃で切断していきました。
「ゆぎゃあぁぁぁぁっ!?ありすのとかいはなぺにぺにがあぁぁぁぁっ!?」
クイーンありすのぺにぺには全て斬り落とされてしまい、下腹部からは命のクリームが漏れ出しています。
「くそったれなのぜえぇぇぇぇっ!!」
ドスまりさは再びドススパークを放とうとしました。
「代わりなさい、さなえ!」
ワキミコがそう言うと、ワキミコの顔つきや雰囲気が最初の頃へと戻りました。
「やらせませんよ!!」
ワキミコはまたも自分の腋から『L』と『T』と刻まれたメモリを取りだし、今までの手順で挿入しました。
『ルナァ!!』
『トリガーッ!!』
今度はワキミコの右手からは刃が消え去り、全長50センチ程のマシンガンが握られていました。
「ライスシャワァーッ!!」
ワキミコはそう叫びながら、ドスまりさ目がけてマシンガンを乱射し始めました。
「いだいっ!?いだいのぜぇぇぇぇっ!?」
バズーカ砲やガトリング砲を通さなかったその肌は、今やハチの巣状態。
しかも口の中にまで銃弾が入り込んでしまったので、もはやドススパークは撃てません。
僅か数分の出来事で、二匹は満身創痍。
それをワキミコは見逃しません。
「これで決めるぜっ!!です!」
ワキミコは最初に挿入していた『S』と『R』のメモリを再び挿入しました。
『ワキシマルドライブッ!!』
ワキミコは高く飛び上がり……。
「レイサナエクストリームキイィィィィック!!」
ワキミコは緑色と黒色のオーラを纏いながらキリモミ回転し、勢い良く二匹に蹴りを叩きこみました。
「「ゆぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」
蹴りの直撃を受けた二匹は、爆風と爆音の中で、断末魔の悲鳴を上げました。
「ゆ、ゆひぃぃぃぃ……」
「とかいはじゃないわぁ……」
半壊状態の商店街の中央で、ボロボロのまりさとありすの二匹が横たわっていました。
二匹の近くには、壊されたメモリが落ちていました。
そこには、既にワキミコの姿はありませんでした。
「い、いまのうちなのぜぇ……。まりささまはにげるのぜぇ……」
まりさはズリズリと這いずるように移動しました。
……が。
「撃てぇーっ!!」
ワキミコの代わりに、待機していた特殊部隊が突入し、隊員達がまりさ目がけてライフルを撃ちこみました。
「ゆびゃっ!!」
まりさは一瞬で体中に空いた穴から命の餡子を勢いよく吹き出し、絶命しました。
「た、たすけ」
「撃てぇ―っ!!」
命乞いをしようとしたありすも、まりさと同じ運命を辿りました。
「よし、二匹とメモリの残骸を回収しろ!」
「了解!」
特殊部隊の隊長が隊員達にそう指示しました。
隊員達がテキパキと動く中、隊長はただ一人、こう呟きました。
「倉野……、東……、伊崎……、……畜生……」
それは、この戦闘の際に殉職した自分の部下の名前でした。
その呟きを聞いた者は、誰一人いませんでした。
「パクパク……。……はぁ。良い汗をかいた後のカレーは格別です!」
「……あんたさぁ。そんなの食べて、よく平気でいられるわね……」
「何を言ってるんですかれいむさん!今の世の中、常識に囚われていては駄目なのですよ!?」
「はいはい、分かった分かった」
先程、二匹のゆーパントと死闘を繰り広げていた『ワキミコ』……、もとい、さなえとれいむは、ある場所で食事をとっていました。
その場所は、どうやら事務所のようでした。
そして、二人のポケットの中には、先程の戦闘で使用したメモリが入っていました。
……そう。この二人も、ガイゆメモリーの保持者でした。
二人は数年前までは普通の胴付きゆっくりでしたが、『ある事件』がきっかけで、ガイゆメモリーを手に入れました。
しかし、この二人は悪の道に染まるのではなく、この遊都のために戦う道を選びました。
何故なら、その事件が原因で、二人にとって一番大切な人が、目の前からいなくなってしまったからです。
かつて二人は、その大切な人の飼いゆっくりでした。
その大切な人は、探偵業を営んでいました。
その事務所はお世辞にも綺麗とも大きいとも言えない程度のものでした。
事務所を訪れる相談者もあまりいないので、生活は少し苦しいものでした。
しかし、二人にはそんな事はちっとも苦にはなりませんでした。
何故なら、その大切な人の傍にいられるだけで、幸せだったのですから。
その大切な人は、この遊都を心の底から愛していました。
その大切な人は、二人にこんな言葉を残して、息を引き取りました。
「さなえ……。れいむ……。……遊都を……。俺、の、大好きな……、街を……、たの……む……」
二人は、その遺言を胸に刻み、その大切な人の想いを受け継ぐ決意をしました。
私達が、あなたの代わりに。……この遊都を、護ります。
その決意を胸に、二人は探偵事務所をリニューアルしました。
表向きは『ゆっくり探偵事務所』として。
そして、裏では正体を隠して『ワキミコ』として日々ユーパントを倒し続けていました。
「しかし、まぁ……。こうやってゆーパント達を倒す回数は日に日に増えるけど、本職の方はさっぱりなのよねぇ……」
「……そうですねぇ……。れいむさん、カレーおかわりしてもいいですか?」
「人の話聞いてた!?本職がご無沙汰って事は、金欠でもあるって事よ!?少しは食べる量を減らしなさい!!」
「あうぅ……。私はカレーを一日二杯は食べないと死んじゃうんですよぅ……」
「初耳よそんなの!!」
カレーのおかわりの事でしょうもない喧嘩を始めてしまった二人。
そんな時です。
「すみません……、ここは、『ゆっくり探偵事務所』でしょうか……?」
少しほっそりとした、二十歳位の優しげな男性が、事務所の入り口のドアを開けて入って行きました。
「は、はい!そうです!」
「ゆっくり関連のご相談なら、何でも受け付けますよ!」
久々の相談者の来訪に、二人は心の中でガッツポーズをしていました。
「それで、どういったご要件で……?」
さなえが男性に尋ねました。
「……調べてほしいゆっくりがいるんです。……それも、一刻も早く、内密に」
……どうやら、一筋縄ではいかないようでした。
1 駄文です。
2 原作レイプです。
3 人間が死ぬシーンがあります。
4 無駄に長いので、前・中・後編に分かれています。
5 プロローグパートです。
それでもOKだよと言う方のみ、どうぞ。
20○○年、○○県××市。
そこには、人間と多くのゆっくり達が共存する街が存在していました。
その街は『遊都(ゆうと)』と呼ばれていました。
遊都は年間の犯罪率が県内で最も少なく、人間もゆっくりも、皆が平和に暮らしていました。
……ですが、その平和は突然終止符を打ってしまったのです。
遊都は今では県内での犯罪率がベスト5に入る位になってしまったのです。
何故犯罪率が増えてしまったのか。
……理由は、遊都に存在するゆっくり達にありました。
「ゆっへっへ!!このしょうてんがいは、いまからまりささまのものなのぜ!」
「ゆほほっ!!ありすたちにさからおうなんておもわないことね!」
そこは、遊都に複数存在する、商店街の内の一つ。
商店街の中央で、しかも人間達が買い物や通勤途中などで大勢いる中で、ゆっくりまりさとゆっくりありすが大声で『おうち宣言』をしました。
まりさとありすは体や髪飾りが薄汚れており、野良である事が一目で分かります。
「ああ!?何言ってんだお前!?潰されてぇか!!」
そんな二匹の発言に激怒した魚屋の店主が二匹に怒鳴りつけました。
「そうだ!野良の分際でふざけた事言ってるんじゃねぇ!」
「頭がおかしいんじゃねぇか!?」
後から精肉屋と八百屋の店主も怒鳴ります。
それもそうでしょう。
ゆっくり如きにそんな事を言われれば、誰だって激怒します。
三人は今にも二匹を潰さんとばかりの剣幕で睨みつけました。
「あ~ん?くそにんげんが、まりささまにかてるとでもおもっているのぜぇ?」
「ゆほほっ!!みのほどしらずもいいところねぇ!」
しかし二匹は余裕の表情で三人を挑発しました。
「「「上等だ!!今から潰してやる!!」」」
ゆっくり、しかも野良如きにここまで舐められてはたまりません。
三人は勢い良く二匹に向かって駆け出しました。
もはや二匹の命は風前の灯火。
……かと思われましたが。
「……こうかいするんじゃないのぜぇ?」
「ゆほほっ!!いなかもののぶんざいで、なまいきねぇ?」
二匹は逃げ出そうとも命乞いをしようともしませんでした。
その表情には、後悔や恐怖は感じられず、代わりに圧倒的な自信が見えていました。
そして、二匹は帽子と中とカチューシャの隙間から、、小さい長方形ほどの『何か』を取り出し、口に咥えました。
その『何か』はUSBメモリのような機械で、アルファベットの『D』と『Q』の文字が刻み込まれていました。
「「ゆっくりしんでいってね!!」」
そう二匹が言って『何か』を飲み込んだのと同時に。
『ドスゥッ!!』
『クイィーンッ!!』
野太い男の声が周辺に響き渡りました。
……そして。
「あ……、ああ……」
「ひ、ひぃぃ……」
「いやぁ……!!」
二匹を潰そうとしていた三人も。
他の野次馬達も。
皆、震えあがりました。
何故なら、目の前にいるのは薄汚い野良ゆっくり二匹ではなく……。
全長5メートルは超えるドスまりさと、クイーンありすがいたのですから。
今から数年前の事。
何者かの手によって、遊都に『何か』が大量にばら撒かれました。
その『何か』の対象者が、ゆっくりだったのです。
そう。犯罪率が急上昇してしまったのは、人間ではなく、ゆっくりが犯罪を起こすようになってしまったからです。
それも、食い逃げや人家への不法侵入など、生易しいものではありませんでした。
ゆっくりが引き起こす犯罪のレベルが格段に上がってしまったのです。
そして、大きな犯罪を起こすゆっくりは、ほぼ確実にその『何か』を使用していました。
……その『何か』は、『ガイゆメモリー』と呼ばれていました。
『ガイゆメモリー』をゆっくりが使用すると、そのメモリの持つ能力がゆっくりに与えられます。
そのメモリを使う事で、本来軟弱なゆっくりが、一瞬で化け物並みの能力を得るのです。
そして、その化け物並みの力を得たゆっくりは『ゆーパント』と呼ばれていました。
一体どういう原理で作られているのか全く分からない、未知の物質でした。
メモリの力に囚われたゆっくり達は、己の欲望を叶える為に暴れまわりました。
当然、街の治安を守る警察は黙っていません。
すぐさま警察の精鋭部隊を送り込みました。
……結果は、かなりひどいものでした。
暴れまわったゆっくり達の鎮圧には成功したものの、ゆっくりとは思えない力を前に、精鋭部隊の隊員が約4割殉職してしまったのです。
このままメモリの力を悪用するゆっくり達が暴れ続けたら、今回以上の死傷者を出す事になる。
そう判断した警察は、そんなゆっくり達対策に特化した、新しい課を設けました。
その課の名前は、『ゆーパント対策課』。
ゆーパント課は早速ガイゆメモリーの解析や、ガイゆメモリーをばら撒いた犯人の捜査に乗り出しました。
……ですが、ゆーパント対策課の奮闘も空しく、ガイゆメモリーの実態も、犯人が人間なのかゆっくりなのかさえも解明する事が出来ませんでした。
その間にもガイゆメモリー関連の事件が何件も起こり、今、遊都ではガイゆメモリーの名を知らない者は殆どいない位になりました。
……そして。
「ゆっへっへぇ!!」
「んほぉぉぉぉっ!!」
この二匹もメモリの力を使い、ドスとクイーンに変身して暴れている最中です。
幸い一般市民は皆商店街から避難する事に成功しました。
その間に警察はゆーパント対策課の特殊部隊を送り込みました。
……が。
「撃てぇ―っ!!撃ちこめぇーっ!!」
ドゴオォォォォンッ!!
「んほほぉっ!!いたくないわぁっ!!」
「おかえしなのぜぇ!ドススパァァァァックッ!!」
ドガアァァァァンッ!!
「ぐあぁぁぁぁっ!?」
「倉野ぉぉぉぉっ!?」
「畜生ぉぉぉぉっ!!くたばれぇぇぇぇっ!!」
結果は散々でした。
特殊部隊はバズーカ砲やガトリング砲、果ては戦車まで投入してゆーパント達に攻撃を仕掛けました。
ですが、ゆーパントには全く通用しませんでした。
それどころか、ドススパークで反撃を食らい、こちらが死傷者が出る始末。
現在、特殊部隊は二匹から数キロ離れた場所で歯ぎしりしながら待機していました。
「ゆっひゃっひゃっひゃっ!!まりさたちにかなうはずがないのぜぇ!!」
「んほほぉっ!!そのとおりねぇっ!!」
二匹は幸せの絶頂にいました。
今までは、人間やカラスや猫などに怯えながら路地裏で暮らす日々を送っていた二匹。
ですが、このメモリを手にした瞬間から、全てが変わりました。
自分達が最も恐れていた人間達も、もはや自分達の敵ではない。
二匹は確信していました。
もう、自分達の敵は誰もいないと。
「「待ちなさい!!」」
自分達の背後にいる、その声を聞くまでは。
「ゆあ~?」
まりさが振り向くと……。
そこには、胴付きのゆっくりさなえとゆっくりれいむが立っていました。
「んほぉ!!なによあんたたち!ありすのじゃまをしようっていうの!?」
ありすがその二人に対して威嚇しました。
「これ以上暴れる事は許しませんよ!」
そう言ったのはさなえでした。
「今、大人しくメモリをその場で壊すなら、見逃しても良いわよ」
そう言ったのはれいむでした。
「「はぁ!?なにいってるの!?ばかなの!?しぬの!?しぬのはそっちでしょ!?」」
そんな二人の言葉にキレた二匹は、二人を瞬殺すべく飛びかかりました。
ドスウゥゥゥゥンッ!!
地響きを立てて、二匹は着地しました。
……が、すでに二人は距離を取っていました。
……二匹は気付きませんでした。
人間ですら自分達に敵わないのに、この二人が目の前に現れた意味に。
さなえが『S』を、れいむが『R』と刻み込まれたメモリを手に持っていた事に。
二人のお腹には、『W』と刻み込まれたベルトが巻かれている事に。
「「変身っ!!」」
『サナエェッ!!』
『レイムゥッ!!』
二人がそう言って、メモリをベルトの挿入口に差し込んだその瞬間、辺りが閃光に包まれ……。
二匹が気付いた時には、二人はそこにはいませんでした。
代わりに、一人の胴付きゆっくりがその場に立っていました。
そのゆっくりの髪の毛は緑と黒が混ざり合ったような長髪でした。
そのゆっくりの服装は緑と黒が混ざり合ったような巫女服でした。
そのゆっくりの瞳は、右目が緑色で、左目が黒色のオッドアイでした。
「な……、なんなのぜ……?おまえ……!?」
「私?私は……」
そして何よりも。
「私は、ただの『ワキミコ』です」
その二人が、自分達の天敵であるという事に。
これは、遊都の平和を護る為、日々戦い続ける二人のゆっくりの物語です。
「二人はW ~Yは二度と帰らない~」
作:ぺけぽん
「……さあ、あなた達の罪を数えなさい」
『ワキミコ』は二匹にそう言いました。
「……ふざけるんじゃないわよぉっ!!」
「ま、まつのぜ!!ありす!」
相方のドスまりさの制止も聞かず、クイーンありすは『ワキミコ』と名乗ったゆっくりに向かって体当たりをしかけました。
ワキミコは、こちらに向かって来るアリスに対して、カウンターパンチの姿勢を取っていました。
何て無駄な事を!
自分のこの巨体なら、こんな奴、一瞬で殺せる!
クイーンありすはそう確信していました。
「はぁっ!!」
「ゆぶぼぁっ!?」
ワキミコのパンチが自分の腹部に命中し、数メートル程浮かび上がり、吹き飛ばされるまでは。
「ゆべえぇぇっ!?」
クイーンありすはズシャアッと滑るように近くの洋服店に頭から突っ込んでいきました。
結果、店は粉々に崩れ、クイーンありすは店の瓦礫に埋もれてしまいました。
「あ、ありすっ!?」
「相方の心配をしている暇はあるんですか?」
「く、くそおぉっ!!ドススパアァァックッ!!」
まりさは自分の十八番である必殺技、ドススパークを口から放ちました。
これで人間達を一瞬で消し炭にしたのだから、ゆっくりに効かない訳がない!
「はっ!」
……ですが、ワキミコはドススパークを横ステップで回避し、こちらに突っ込んできました。
「ここは一気に決めます!」
ワキミコはそう言うと、自分の腋から『H』と『M』と刻まれたメモリを取りだしました。
そして、ベルトから挿入していた『S』と『R』のメモリを抜き出し、代わりに先程のメモリを挿入しました。
『ヒート!!』
『メタルゥッ!!』
するとワキミコの右手には、先程まで無かった銀色に光る槍が握られていました。
「ゆひぃっ!?」
ドスまりさは一瞬ワキミコに怯えてしまい、自分の懐にワキミコを入らせてしまいました。
「行きますよ!!ハワイアンダンス!!」
ワキミコがそう叫ぶと、突如槍に炎が纏い始めました。
ワキミコはその槍でドスまりさを何度も斬ったり突いたりしました。
「ひぎゃあぁっ!?いぎっ!?いぎいぃぃっ!!」
槍で作られる傷と炎による火傷の痛みの両方でドスまりさは悲鳴を上げました。
「んほおぉぉぉぉっ!!」
そこへ、先程の攻撃から回復したクイーンありすが乱入しました。
「ふっ!!」
ワキミコはクイーンありすの突進をバックステップで回避しました。
「これでもくらいなさいぃぃぃぃっ!!」
クイーンありすがそう叫ぶと、クイーンありすの下腹部から、触手のようなぺにぺにが何本も生えだし、ワキミコ目がけて一斉に襲い掛かりました。
触手ぺにぺにの攻撃をワキミコは紙一重でかわし続けます。
「んほほぉっ!!れいぽぅしてやるわぁっ!!」
このままではワキミコは防戦一方のまま。……かに思われましたが。
「仕方ないですね……。れいむさん!交代です!」
ワキミコがそう言うと、急にワキミコの顔つきや雰囲気が変わりました。
その表情は、熱血から冷静へとクールダウンしたようでした。
「……任せなさい」
ワキミコはそう言うと、またも自分の腋から『F』と刻まれたメモリを取りだし、先程取り外した『R』を再び手にしました。
そして最初と同じように『H』と『M』のメモリを取り外し、新しく『F』と『R』を挿入しました。
『ファングッ!!』
『レイムゥッ!!』
するとワキミコの右手に握られていた槍は消え去り、代わりに手首から20センチ程の刃が生えていました。
「行くわよ!!わんわんおラッシュ!!」
ワキミコは先程よりも格段に素早い動きで、触手ぺにぺにをその刃で切断していきました。
「ゆぎゃあぁぁぁぁっ!?ありすのとかいはなぺにぺにがあぁぁぁぁっ!?」
クイーンありすのぺにぺには全て斬り落とされてしまい、下腹部からは命のクリームが漏れ出しています。
「くそったれなのぜえぇぇぇぇっ!!」
ドスまりさは再びドススパークを放とうとしました。
「代わりなさい、さなえ!」
ワキミコがそう言うと、ワキミコの顔つきや雰囲気が最初の頃へと戻りました。
「やらせませんよ!!」
ワキミコはまたも自分の腋から『L』と『T』と刻まれたメモリを取りだし、今までの手順で挿入しました。
『ルナァ!!』
『トリガーッ!!』
今度はワキミコの右手からは刃が消え去り、全長50センチ程のマシンガンが握られていました。
「ライスシャワァーッ!!」
ワキミコはそう叫びながら、ドスまりさ目がけてマシンガンを乱射し始めました。
「いだいっ!?いだいのぜぇぇぇぇっ!?」
バズーカ砲やガトリング砲を通さなかったその肌は、今やハチの巣状態。
しかも口の中にまで銃弾が入り込んでしまったので、もはやドススパークは撃てません。
僅か数分の出来事で、二匹は満身創痍。
それをワキミコは見逃しません。
「これで決めるぜっ!!です!」
ワキミコは最初に挿入していた『S』と『R』のメモリを再び挿入しました。
『ワキシマルドライブッ!!』
ワキミコは高く飛び上がり……。
「レイサナエクストリームキイィィィィック!!」
ワキミコは緑色と黒色のオーラを纏いながらキリモミ回転し、勢い良く二匹に蹴りを叩きこみました。
「「ゆぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」
蹴りの直撃を受けた二匹は、爆風と爆音の中で、断末魔の悲鳴を上げました。
「ゆ、ゆひぃぃぃぃ……」
「とかいはじゃないわぁ……」
半壊状態の商店街の中央で、ボロボロのまりさとありすの二匹が横たわっていました。
二匹の近くには、壊されたメモリが落ちていました。
そこには、既にワキミコの姿はありませんでした。
「い、いまのうちなのぜぇ……。まりささまはにげるのぜぇ……」
まりさはズリズリと這いずるように移動しました。
……が。
「撃てぇーっ!!」
ワキミコの代わりに、待機していた特殊部隊が突入し、隊員達がまりさ目がけてライフルを撃ちこみました。
「ゆびゃっ!!」
まりさは一瞬で体中に空いた穴から命の餡子を勢いよく吹き出し、絶命しました。
「た、たすけ」
「撃てぇ―っ!!」
命乞いをしようとしたありすも、まりさと同じ運命を辿りました。
「よし、二匹とメモリの残骸を回収しろ!」
「了解!」
特殊部隊の隊長が隊員達にそう指示しました。
隊員達がテキパキと動く中、隊長はただ一人、こう呟きました。
「倉野……、東……、伊崎……、……畜生……」
それは、この戦闘の際に殉職した自分の部下の名前でした。
その呟きを聞いた者は、誰一人いませんでした。
「パクパク……。……はぁ。良い汗をかいた後のカレーは格別です!」
「……あんたさぁ。そんなの食べて、よく平気でいられるわね……」
「何を言ってるんですかれいむさん!今の世の中、常識に囚われていては駄目なのですよ!?」
「はいはい、分かった分かった」
先程、二匹のゆーパントと死闘を繰り広げていた『ワキミコ』……、もとい、さなえとれいむは、ある場所で食事をとっていました。
その場所は、どうやら事務所のようでした。
そして、二人のポケットの中には、先程の戦闘で使用したメモリが入っていました。
……そう。この二人も、ガイゆメモリーの保持者でした。
二人は数年前までは普通の胴付きゆっくりでしたが、『ある事件』がきっかけで、ガイゆメモリーを手に入れました。
しかし、この二人は悪の道に染まるのではなく、この遊都のために戦う道を選びました。
何故なら、その事件が原因で、二人にとって一番大切な人が、目の前からいなくなってしまったからです。
かつて二人は、その大切な人の飼いゆっくりでした。
その大切な人は、探偵業を営んでいました。
その事務所はお世辞にも綺麗とも大きいとも言えない程度のものでした。
事務所を訪れる相談者もあまりいないので、生活は少し苦しいものでした。
しかし、二人にはそんな事はちっとも苦にはなりませんでした。
何故なら、その大切な人の傍にいられるだけで、幸せだったのですから。
その大切な人は、この遊都を心の底から愛していました。
その大切な人は、二人にこんな言葉を残して、息を引き取りました。
「さなえ……。れいむ……。……遊都を……。俺、の、大好きな……、街を……、たの……む……」
二人は、その遺言を胸に刻み、その大切な人の想いを受け継ぐ決意をしました。
私達が、あなたの代わりに。……この遊都を、護ります。
その決意を胸に、二人は探偵事務所をリニューアルしました。
表向きは『ゆっくり探偵事務所』として。
そして、裏では正体を隠して『ワキミコ』として日々ユーパントを倒し続けていました。
「しかし、まぁ……。こうやってゆーパント達を倒す回数は日に日に増えるけど、本職の方はさっぱりなのよねぇ……」
「……そうですねぇ……。れいむさん、カレーおかわりしてもいいですか?」
「人の話聞いてた!?本職がご無沙汰って事は、金欠でもあるって事よ!?少しは食べる量を減らしなさい!!」
「あうぅ……。私はカレーを一日二杯は食べないと死んじゃうんですよぅ……」
「初耳よそんなの!!」
カレーのおかわりの事でしょうもない喧嘩を始めてしまった二人。
そんな時です。
「すみません……、ここは、『ゆっくり探偵事務所』でしょうか……?」
少しほっそりとした、二十歳位の優しげな男性が、事務所の入り口のドアを開けて入って行きました。
「は、はい!そうです!」
「ゆっくり関連のご相談なら、何でも受け付けますよ!」
久々の相談者の来訪に、二人は心の中でガッツポーズをしていました。
「それで、どういったご要件で……?」
さなえが男性に尋ねました。
「……調べてほしいゆっくりがいるんです。……それも、一刻も早く、内密に」
……どうやら、一筋縄ではいかないようでした。