ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3926 錯覚
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ankoss
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『錯覚』 19KB
制裁 自業自得 日常模様 野良ゆ 子ゆ ゲス 現代 独自設定 最初からクライマックスです
制裁 自業自得 日常模様 野良ゆ 子ゆ ゲス 現代 独自設定 最初からクライマックスです
※俺設定注意
※作、長月です
※物語内の時間が前後しています
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今まで書いた作品はこちらに
http://www26.atwiki.jp/ankoss/pages/393.html
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ご意見、ご感想、ご要望は感想用掲示板(長月用スレ)でおねがいします。URLは下にある通りです。
ふたば系ゆっくりSS感想用掲示板(長月用スレ)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852907/
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「どぼじでぇえ・・どぼじでぇええええ・・・」
ずーりずりと這いずりながらまりさは嘆き続ける。
その背中には何本もの枝がささっておりまるでハリネズミ。ずーりずーりとナメクジのように這い回る様はまるで新手のクリーチゃーのようである。
ほんの少し前まで自分は金バッジだったのに。エリートだったのに。ゆん生の勝利者だったのに。
そんな自分が野良?なぜこんな目に?どうして?
どうしてもこうしてもない。全てはまりさの自業自得。因果応報。身から出たさびだ。
ほんの少し前まで自分は金バッジだったのに。エリートだったのに。ゆん生の勝利者だったのに。
そんな自分が野良?なぜこんな目に?どうして?
どうしてもこうしてもない。全てはまりさの自業自得。因果応報。身から出たさびだ。
そして尺取虫のようなその惨めな逃走もすぐに終わった。
「ゆげぇ!!」
頭を踏みつけられたのだ。お兄さんに。
「さーてまりさ、名残り惜しいがこれでお別れだ。」
「ゆぐぇえええええええ・・・・・・・」
枝がパキパキと折れてまりさの体を更にえぐったがお兄さんは気にしていない。むしろ楽しそうにさえ見える。
ゆっくり、ゆっくりとまりさを踏みつける力を強くしていく。
ゆっくり、ゆっくりとまりさを踏みつける力を強くしていく。
「おねがいじまず・・・だずげでぇえくだざぃいい・・・」
「おいおいまりさ・・・野良ゆっくりには生きる価値はない、命乞いする権利もないんじゃなかったのか?自分の言ったことくらい責任持てよ。金バッジ(笑)のまりさちゃん。」
「ゆげぇえええええ・・・・」
最後の命乞いも空しく拒絶された。もうまりさには死しかない。
「それじゃ、まりさ長年ゆっくりさせてくれてありがとよ。短い間だったが楽しませてもらったぜ。せいぜいあの世でゆっくりしてって・・ねっ!!」
まりさに皮肉めいた別れを告げ、お兄さんは一気に体重を足に掛ける。
「ゆべぇ!!!」
屠殺された豚のような声だけを残してまりさは死んだ。ゲスゆっくりらしい惨めな最後である。
「ったく・・・こんなもん着けるなんて100年早いんだよ。このボケが。」
忌々しそうにつぶやきながらお兄さんは地面に転がった金バッジを拾い上げる。お兄さんの手の中で金バッジは夕日を反射しキラキラと輝いていた。
錯覚
どこにでもあるありふれた郊外の田舎町。その中の今時珍しい昔ながらの縁側がある民家がある。
「んーんーんんんぅううんんんううう!!!」
その庭先で一匹の子まりさが必死に跳ねていた。
目からは帯のような涙を流し、口にはセロテープを張られくぐもったうめき声しか出すことができない。
目からは帯のような涙を流し、口にはセロテープを張られくぐもったうめき声しか出すことができない。
「ほーれゆっくりしてないでとっととにげないと、ぷすぷすさんがきちゃうのぜー。」
その後ろでは一匹の成体まりさがニタニタと笑いながら子まりさの後を追いかけている。
口に爪楊枝をくわえそれを逃げる子まりさの尻に突き刺しているのだ。
当然子まりさは逃げるが所詮成体ゆっくりの速さに叶うはずも無くあっと言うまに追いつかれる。
口に爪楊枝をくわえそれを逃げる子まりさの尻に突き刺しているのだ。
当然子まりさは逃げるが所詮成体ゆっくりの速さに叶うはずも無くあっと言うまに追いつかれる。
「ほーれ。ぷーすぷすなのぜー。」
「んんーんうぅうう!!!!!」
人間には蚊にさされた程度にしか感じない攻撃でも子ゆっくりにはアイスピックで突き刺されるに等しい激痛が奔る。
「ゆっへっへっ。おにいさんもいいおもちゃをくれたもんだぜ。」
のた打ち回りながら涙を流す子まりさを見てまりさはそのどす黒い笑みを更に深めた。この子まりさはまりさの飼い主のお兄さんが与えたものだ。なんでも勝手に庭に入ってきた野良をお兄さんが捕まえたらしい。
悲鳴が近所に漏れないよう口をふさいで「好きにしろ」とまりさの前に差し出してきたのだ。
これはきっと日頃えりーとっ飼いゆっくりとしてストレスを溜めているまりさへのご褒美に違いない。そうまりさは解釈した。
悲鳴が近所に漏れないよう口をふさいで「好きにしろ」とまりさの前に差し出してきたのだ。
これはきっと日頃えりーとっ飼いゆっくりとしてストレスを溜めているまりさへのご褒美に違いない。そうまりさは解釈した。
ちなみにそのお兄さんはと言うと
「うーん・・・これで・・不思議だなー・・・」
さっきから縁側に座ってなにやら紐にぶら下がったまんまるさんを見ながらぶつぶつ言っている。
あれは人間達のおもちゃなのだろうか。時々ぶーらぶらと顔の前で揺らしているがとても面白いようには見えないのだが。
まぁそんなことはどうでもいい。お兄さんがおもちゃで遊んでいるのならまりさも遊ぶだけだ。
あれは人間達のおもちゃなのだろうか。時々ぶーらぶらと顔の前で揺らしているがとても面白いようには見えないのだが。
まぁそんなことはどうでもいい。お兄さんがおもちゃで遊んでいるのならまりさも遊ぶだけだ。
この野良の子ゆっくりという玩具で。
「んんーぅううんっ!!んんんーんぅううっ!!!」
さっきから何か子まりさがこちらに向かって何か訴えかけている。口がセロテープで塞がっている為何を言ってるかは分からないが大体推測は出来る。
どうせくだらない事だ。
どうしてこんなことするの?こんなのゆっくりできないよ。やめてね、ゆっくりしてね。
大方そんなとこだろう。野良ゆの考えそうなことなど金バッジの自分には全部お見通しだ。
「んんっんうんんんうううっー!!!」
「さっきからうるさいんだぜ!!こののらちびがっ!!」
ザクッ
まりさは子まりさの右目に咥えていた爪楊枝を突き刺した。そのままねじるようにグリグリと小さな眼球にえぐり込む。
「ーーーーーーーーーーっ!!!!------ぅっ!!!!!」
あまりに理不尽な激痛に子まりさは声にならない悲鳴を上げる。
仰向けに倒れこんだまま、あんよをびたんびたんと釣り上げられた魚のように叩きつける。
プシャアアアア
あまりの痛みにしまりが悪くなったのか。まむまむからはしーしーが噴出し小さな滝を作った。
「ゆぷぷぷぷぷ。くずがみぐるしくおもらししてやがるのぜ・・・おお、あわれあわれ。」
「・・・おいおいまりさ。それはさすがにやりすぎなんじゃないか?」
その時、縁側にいたお兄さんがこちらに話しかけてきた。どうやらあの玩具で遊ぶのに飽きたらしい。
「ゆゆっ!!なにいってんだぜおにいさん。」
不服そうに口を尖らせるまりさ。せっかくいい気分で子まりさをいたぶっていたのに邪魔され不機嫌そうにしている。
不服そうに口を尖らせるまりさ。せっかくいい気分で子まりさをいたぶっていたのに邪魔され不機嫌そうにしている。
「だいたいおにいさんのほうがいったんだぜ。このくそちびをすきにしていいって。もんくいわれるすじあいっなんてないんだぜ!!」
「そりゃそうだが・・・・」
「おらっ!!いつまでねてんだぜ、くそちび!!」
まだ何か言いたげなお兄さんを無視してまりさは子こまりさへの虐待を再開する。手始めに右目に刺さったままだった爪楊枝を眼球ごと引き抜いた。
「ーーーーーーーーーーっ!!!!」
それまでピクピクと痙攣していた子まりさはさらに声にならない叫びを上げた。もうない右目からも帯のような涙が流れ出ている。
ジョロ・・ジョロ・・
また失禁したらしく、力なく染み出したしーしーが地面を濡らした。
「まーたおもらしなのぜ。これだからのらのくずちびは。」
せせら笑いながらまりさは爪楊枝を目玉ごと捨て、庭に落ちていた枝を口にくわえる。
「そんなしまりのわるいまむまむはこうしてやるのぜ!!」
そう言い放つとまりさは枝の先端をを子まりさのまむまむに突き刺した。
「んんんぅうんんっッーーー!!!!!」
「げーらげら。こうしてきょせいっしてやればおまえみたいなくずちびがうまれることもないんだぜ!!しんせつでごめんね!!」
それはまるでまむまむだけでなく心までえぐるような罵声。もうこの子まりさがにんっしんすることは出来ないだろう。
「おらおら、くそちびぃい!!おにごっこをさいっかいっするぜぇ!!!!」
再びまりさは子まりさを追いかけ始めた。
子まりさは何か言いたげだったがまりさが枝を持って追いかけ始めると諦めて逃げ始めた。
あえてまりさは枝で中枢餡を狙わない。あんよも同じだ。できるだけオモチャが長持ちするように。
あえてまりさは枝で中枢餡を狙わない。あんよも同じだ。できるだけオモチャが長持ちするように。
「んんんぅうっ!!!んぅうううんんぅうう!!!」
突き刺すたびに子まりさは悲痛なうめき声を上げるがまりさには全く届かない。
ただひたすら黒ひげ危機一発でもやってるかのようにその小さな体に枝を刺すだけだ。
ただひたすら黒ひげ危機一発でもやってるかのようにその小さな体に枝を刺すだけだ。
「ゆ・・・ゆ・・・・・・」
数分とたたず子まりさは穴だらけになった。
「さーて・・・そろそろあきてきたし、とどめといくんだぜえ。」
まりさは枝をペッと吐き捨てる。もう子まりさはほとんど動かなくなっていたのでここらがやめ時と判断したのだろう。
数分とたたず子まりさは穴だらけになった。
「さーて・・・そろそろあきてきたし、とどめといくんだぜえ。」
まりさは枝をペッと吐き捨てる。もう子まりさはほとんど動かなくなっていたのでここらがやめ時と判断したのだろう。
「どう・・じで・・・」
度重なる暴行でいつのまにか子まりさの口に張ってあったセロテープは剥がれ落ちていた。もう叫び声どころかろくに喋ることすらできないだろうが。
「どうして?そんなにしりたけりゃめいどのみやげっにおしえてやるのぜ。」
下卑た笑いを浮かべまりさはボロボロの子まりさを見下ろす。
「みえるのぜ?このきんばっじが。まりさがえりーとっであり、おまえら、のらゆとはちがうかちぐみっであるあかしが。」
これ見よがしに帽子の金バッジを見せ付ける。キラキラと光る金バッジとドス黒いまりさの笑みとのコントラストはある意味芸術的だ。
「おまえらのらゆはうんうんいかのごみっくずっ!!うまれてきたことじたいがつみなのぜ!!だからゆっくりするけんりもない!!いきるけんりもない!!いのちごいするけんりすらあたえられない!!せいぜいきんばっじのこのまりささまをゆっくりさせるためのおもちゃになるくらいしかかちがない!!それがおまえらのらゆにあたえられたゆいいつのそんざいいぎっであり、ぎむなのぜ!!」
まりさにとって目の前にいる存在は仲間ではない。同胞ではない。
飼いゆっくりの頂点であり、エリートである金バッジである自分と薄汚い野良ゆが一緒であるはずがない。
だから何をやっても許されるし、むしろそれがエリートの義務だと心の底から信じきっている。
そんなゆがんだ優越感。傲慢極まりない虚栄心。それがこのまりさの本性である。
飼いゆっくりの頂点であり、エリートである金バッジである自分と薄汚い野良ゆが一緒であるはずがない。
だから何をやっても許されるし、むしろそれがエリートの義務だと心の底から信じきっている。
そんなゆがんだ優越感。傲慢極まりない虚栄心。それがこのまりさの本性である。
「・・・・・・・・・・」
それをただ子まりさは呆然と見ていた。意外にもその顔に怒りはなくただ呆然と困惑している。
「それじゃ、あでぃおすなのぜくそちび!!せいぜいのらでいぶのくされまむまむからうまれてきたことをのろうのぜ!!」
言い終わるやいなや、まりさの体は跳躍する。
着地点はもちろん満身創痍で身動きできない小さな同族へだ。
「・・う・・・・しゃ・・・」
何か言いかける子まりさ。しかしその言葉は驕り高ぶったまりさの耳には入らない。
グチャ
水っぽい破裂音と共に地面に小さな餡子の花が咲いた。
「あーあ・・・ついにやっちやったか・・・これ片付けんの俺なのにぃ・・・」
死体の横でふんぞりかえって悦に入っているまりさの元へお兄さんが縁側からサンダルを履いて降りてきた。なぜかその手には手鏡が握られている。
「好きにしろとは言ったが殺せとは言ってなかったのに・・別に逃がしても良かったんだぞ俺としては。」
「まーだそんなこといってるのぜおにいさん。」
つまらない説教など聞きたくないとばかりに、露骨に顔をしかめるまりさ。
「いやそうは言うがそいつだっておまえと同じゆっくりだぞ。俺だってホームレスのおっさん見て「汚ねえ」とか「ああはなりたくない」とは思っても「痛めつけたい」「殺してやる」とは思わない。不況の今、俺だって親父達から相続したこの家と今の職なくしたら、いつ彼らのお仲間になるか分からないんだし。お前だってそうだろう。その帽子についたバッジがなけりゃただの野良ゆと同じ扱い。加工所からは追っかけ回されるだろうしいつ些細な理由で人間に潰されるかもしれない。そう考えたら・・」
「は!?まりさがのら?ねごとはすーやすやしてからいってほしいのぜ、おにいさん。」
お兄さんの言葉を遮り、ふふんとまりさはありもしない鼻で笑った。そこには飼い主への敬意など欠片も見られない。
「まりさほどのゆっくりともなると、ばっじなしでもそのこうきなおーらっでにんげんさんのほうからあたまをさげて、かいゆっくりになってくれっていわれるたちばなのぜ。
まったくおにいさんは、ながねんまりさがゆっくりさせてやってるのにそんなこともわからないのぜ?」
まったくおにいさんは、ながねんまりさがゆっくりさせてやってるのにそんなこともわからないのぜ?」
「長年ゆっくりさせてやってるって・・・お前・・・」
余りの言い草に苦笑するお兄さん。
ニヤニヤと下品な笑いを浮かべているまりさは高貴や気品という言葉からは対極にあるのだが。
ニヤニヤと下品な笑いを浮かべているまりさは高貴や気品という言葉からは対極にあるのだが。
「なぁまりさひとつだけいいか?」
「ゆ!?まだなにかもんくがあるのぜ?」
「いやそうじゃない。ひとつ聞きたいことがあるんだ。つまらないことなんだがどうも引っかかってな。お前、なんであいつの母親がれいむだってわかったんだ?」
「・・ゆ?」
予想もしないお兄さんの問いにまりさは言葉に詰まる。
「いやだからなんでその子まりさの母親がれいむだって分かったのか聞いてるんだ。さっきお前、あの子まりさ潰す時『のらでいぶのくされまむまむからうまれてきた~』って言ってただろ。そりゃゆっくりの生態からいって父親がまりさなのはアホでも分かることだが母親のほうはそうはいかないよな。
れいむじゃなくてありすかもしれないし、ぱちゅりーかもしれない。ちぇん、みょんもいるし可能性は低いがゆうか、さなえ、てんこみたいな希少種かもしれない。そんな中なんでお前はあいつの母親がれいむだって分かったんだ?」
れいむじゃなくてありすかもしれないし、ぱちゅりーかもしれない。ちぇん、みょんもいるし可能性は低いがゆうか、さなえ、てんこみたいな希少種かもしれない。そんな中なんでお前はあいつの母親がれいむだって分かったんだ?」
「ゆ・・・そ・・それは・・・」
まりさは答えられない。
なんとなくそう思ったから、としか言いようがないのだ。まるであの子まりさを昔から知っていたように。
得体の知れない違和感をまりさは感じた。
なんとなくそう思ったから、としか言いようがないのだ。まるであの子まりさを昔から知っていたように。
得体の知れない違和感をまりさは感じた。
「そ・・それは・・なんとなく・・・」
「なんとなく・・・か。まぁ確かに野良、飼いに限らずゆっくりのつがいってのはれいむとまりさってイメージが強い。でも本当にそうなのか。本当にそれだけなのか?」
いつのまにかお兄さんの口調が変わっていた。
敵軍の捕虜を尋問してるかのように冷たく威圧的で、それでいて獲物を嬲る猫のように無邪気な悪意。
およそ自分の飼いゆに向けるには、おかしな口調だ。
およそ自分の飼いゆに向けるには、おかしな口調だ。
「ど・・・どうしたんだぜおにいさん・・・いつもとなんかちがうのぜ・・・」
「いつもと違う・・・か。じゃあ逆に聞くがいつもの俺ってどんな奴なんだ。普段どんな服を着てどんなもん食って、なんの仕事をしてる?テレビは何を見る?音楽は何を聴く?」
「ゆ。おにいさんは・・・」
そこまで言ってまりさははたと言葉に詰まる。
思い出せない。思い出せないのだ。全く。確かに自分はお兄さんの飼いゆっくりなはずなのに。まるでそこにぽっかりと穴ができたように記憶がない。
「そんなの、どおでもいいでしょおおおおおおお!!!!」
ついにまりさが発狂した。先程から感じていた正体不明の違和感に耐えられなかったのだ。
「まりさはえりぃとなんだよぉおおおおおお!!!まいにちおにいさんをゆっくりさせてあげてるんだよぉおおおお!!!それでじゅうぶんでしょおおおおお!!!!」
口からツバを飛ばしお下げをぶんぶん振り回すその様はとてもエリート飼いゆには見えない。路地裏によくいるゲス野良そのものである。
「ほーう、まりさ、お前エリートなのか。」
そう言うとお兄さんはまりさの鼻先に鏡を突きつけた。先程からなぜか持っていた手鏡を。
「これでもか?」
そこにはしわ一つない帽子をかぶり誰もが振り返る美ゆっくりのまりさがいる・・
はずだった。
「・・・・ゆ?」
しかし実際に鏡の中にいたのはそれとは程遠い薄汚くみすぼらしいゆっくりがマヌケ面でポカンとしているだけだ。
帽子は生ゴミのシミらしきものがついていてクシャクシャ、顔はすすけて所々あざがあり、髪にはクモの巣とガムまでついている。
今まで自分が馬鹿にしていた野良ゆっくりそのものだ。
帽子に着けている金バッジがひどく浮いた存在になっている。
帽子は生ゴミのシミらしきものがついていてクシャクシャ、顔はすすけて所々あざがあり、髪にはクモの巣とガムまでついている。
今まで自分が馬鹿にしていた野良ゆっくりそのものだ。
帽子に着けている金バッジがひどく浮いた存在になっている。
「よくそんなざまでエリートなんて言えるな。それともエリート(笑)なのは口先だけか。」
「ゆぐぅうぐうううう・・・・」
あまりの言われようにまりさは顔を真っ赤にしてプルプル震えている。余程プライドを傷つけられたのだろう。
あまりの言われようにまりさは顔を真っ赤にしてプルプル震えている。余程プライドを傷つけられたのだろう。
「じ・・・じゃあこれはどうなんだぜぇええええ!!」
自分の帽子からまりさは金バッジを毟り取る。
無理やり毟り取ったので、命の次に大切なはずの帽子に穴が空いてしまっていたがまりさは気づいていない。どうやら相当狼狽しているようだ。
無理やり毟り取ったので、命の次に大切なはずの帽子に穴が空いてしまっていたがまりさは気づいていない。どうやら相当狼狽しているようだ。
「このきんばっじこそまりさがえりーとっで、かちぐみっで、ゆんせいのしょうりしゃっ、であることのあかしっ。うごかぬしょうこなんだぜぇえええ!!!」
そのままおさげでお兄さんに突きつける。その様子はまるで水戸黄門の印籠のようだ。実際まりさもその位の価値が金バッジにあると信じているのだろう。
先程はバッジなんてなくても、と言っていたまりさだが所詮そんなもの根拠のない妄想にすぎない。困ったときは金バッジという分かりやすい権威にすがりつくしかないのだ。
先程はバッジなんてなくても、と言っていたまりさだが所詮そんなもの根拠のない妄想にすぎない。困ったときは金バッジという分かりやすい権威にすがりつくしかないのだ。
「なるほど・・・確かにそれは本物の金バッジだな。ビールの王冠でもなければ、最近問題になっている中国産の偽造バッジでもない。正真正銘、国や加工所の認める金バッジだ。」
お兄さんもそれをあっさり認めた。実際バッジには不審な所はないのだから。
しかしお兄さんはその余裕の笑みを壊さない。ただまりさを挑発するかのように見下ろしている。
しかしお兄さんはその余裕の笑みを壊さない。ただまりさを挑発するかのように見下ろしている。
「だけどなまりさ・・・それの裏を見てみろ。」
「・・・?うら?」
言われるまままりさはおさげでバッジをひっくり返す。
ゆっくりのバッジの裏に書いてあることは基本的に金、銀、銅どのバッジでも変わらない。
そこに記載されているのは個体識別の為のシリアルナンバー、飼い主の住所、電話番号、そして
言われるまままりさはおさげでバッジをひっくり返す。
ゆっくりのバッジの裏に書いてあることは基本的に金、銀、銅どのバッジでも変わらない。
そこに記載されているのは個体識別の為のシリアルナンバー、飼い主の住所、電話番号、そして
「・・・めー・・りん・・?」
他は漢字や英語で読めないまりさだったがそこだけは読めた。
「種類 めーりん」の平仮名だけは。
いくら餡子脳のまりさでもこのバッジがめーりんの物であることはわかる。そして自分のものではないことも。
「種類 めーりん」の平仮名だけは。
いくら餡子脳のまりさでもこのバッジがめーりんの物であることはわかる。そして自分のものではないことも。
「ほー、ちゃんとひらがな読めるんだなお前。さすがは金バッジ。」
お兄さんは「金バッジ」という言葉を強調する。まるでまりさの心をえぐるように。
お兄さんは「金バッジ」という言葉を強調する。まるでまりさの心をえぐるように。
「なんで・・・なんでまりさのきんばっじざんにめーりんのなまえが・・・」
放心状態のまりさ。思わず落した金バッジがコロコロと転げていったがまるで気にしていない。
放心状態のまりさ。思わず落した金バッジがコロコロと転げていったがまるで気にしていない。
まりさの全ては崩れ去った。全てが。
「全ては錯覚に過ぎなかったんだよ。お前が金バッジだってのも、俺に飼われているっていうのも。」
呆然とうなだれているまりさにお兄さんは淡々と話し続ける。
「庭で日向ぼっこしてたうちのめーりんから金バッジ奪おうとしていたクソ野良饅頭・・・それがお前だ。」
お兄さんの声にもまるで現実感を感じない。まるで悪い夢でも見ているようだ。
「幸いめーりんは軽症ですんだし、その場で潰してやっても良かったんだけどお前ら謝りもせずに『めーりんはゆっくりを裏切り飼いゆっくりになって自分だけゆっくりしているから制裁した』だの『金バッジは自分達にこそふさわしい』とかあんまりピキィと来る事喚いてたからな。どうせこのまま潰してもお前ら全然反省しないだろうし、懲らしめるために一芝居うったってわけさ。」
お兄さんの話が本当なら全てつじつまが合う。
しかしまりさは分からない。なぜそんな大事なことを忘れてしまっていたのか。なぜ自分が飼いゆっくりだと思っていたのか。
「でも、どうして・・・」
「俺を飼い主だと思っていたんだろう・・・か?」
お兄さんはなにやらゴソゴソとポケットを漁りだした。
「まりさ、これがなんだが分かるか?」
そう言いながらお兄さんはポケットから取り出したもの。それは
そう言いながらお兄さんはポケットから取り出したもの。それは
「それはさっきおにいさんがあそんでいたおもちゃ・・・・・」
まりさには玩具にしか見えなかった紐のついたまんまるさん。正確には5円玉をタコ糸で吊るして振り子のようにしたもの。即席の催眠術用具だ。
「これでお前に催眠術を掛けたんだ。催眠術っていうのは、・・・まぁそいつの行動や記憶を操れる魔法みたいなもんだ。俺はそいつを使ってお前に暗示を掛けた。お前が俺の飼いゆっくりでその金バッジの持ち主だってな。まさかTVでやってたのを見よう見真似で、ここまで効くとは思わなかったけどな。」
意外そうな顔でぶーらぶらと五円玉を揺らすお兄さん。
「ところでまりさ。ひとつ言い忘れてたけど・・・実はうちの家に侵入してきた野良ゆはお前一匹じゃないんだ・・・もう一匹お前の子どもがいたんだ・・・」
「・・・ゆ?おちびちゃん・・・・?」
「ああ。中々、父親思いな奴だったぞ。『おまえなんておちょーしゃんがやってけてくれるんらじぇ!!』なんて泣けること言ってくれてたっけなぁ。 なんでも「しんぐるまざー」ならぬ「しんぐるふぁざー」として親子2匹で頑張ってきたそうじゃないか。」
「・・・・・・・・・・・・」
まりさの顔がさっと青くなる。歯の根はかみ合わずただガタガタと震えている。
まりさは分かってしまったのだ。お兄さんの言わんとしていることが。そして自分の犯してしまった罪を。
まりさは分かってしまったのだ。お兄さんの言わんとしていることが。そして自分の犯してしまった罪を。
「ん?どうした?顔色悪いぞ・・・・」
わざとらしくお兄さんはまりさを持ち上げ顔色をうかがう。そして耳元でささやくようにつぶやく。
「・・ていっへんで、うんうん以下のゴミクズで、ゆん生の敗北者で・・・おまけにおちびちゃん殺しの野良まりさちゃん(笑)」
『おちびちゃん殺しの野良まりさ』
それは催眠術を解きまりさに全ての記憶を思い出させる為のキーワード。まりさを地獄へ突き落す悪魔の言葉。
「ゆぅやぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
まりさは絶叫と共に全てを思い出した。思い出してしまった。
「ゆうあああああああああああ!!!!!!どぼじでぇええええええ!!!!」
まりさは慟哭する。まるで町中に響き渡るかのような声で。
まりさは慟哭する。まるで町中に響き渡るかのような声で。
その叫びには、絶望、悲嘆、驚愕、混乱、罪悪をたっぷり含んだゆっくりできないものだった。
「ごべんねおちびちゃんんんんん!!!!ごべんねぇええええええええええええ!!!!!」
狂ったようにまりさは謝り続ける。しかし謝るべき子まりさはもうこの世にいない。
もう取り返しがつかないのだ。今更謝ったところでただの自己満足に過ぎない。
そしてまりさには嘆く暇すら与えられなかった。
ザクゥ
「ゆぎゃあああああああ!!!!!」
お兄さんがまりさの背後から枝を突き刺したのだ。
「ゆぎぁああああああああ!!!!!いだいぃいいいいいいい!!!!」
突如襲った激痛にもだえながらまりさは再び絶叫する。
「どぼじでごんなごどするのぉおおおおお!!!!!」
痛みをこらえながら半泣きで食って掛かるまりさにお兄さんは悪気なくしれっと答える。
「何って・・・義務なんだろ?」
「ゆ?」
「おいおいもう忘れたのか。さっき言ってたじゃないか。野良ゆはおもちゃにされて嬲り殺されるのが存在意義であり、義務だって。当然まりさもそうなるよな。」
まりさは思い出す。自分が子まりさにやった仕打ちの数々を。そして理解する。自分のこれからの運命を。
「・・・ゆああああ・・ああああ」
まりさの顔が再び青くなる。今度は蒼白といって良いほどに。
「ちゃんと義務を果たしてくれよ。野良まりさ。」
今季節は晩秋。庭に枯れ枝などいくらでもある。お兄さんは何本もの尖った枝を両手に持ちながらニッコリと無邪気にそして邪悪に笑う。
「ゆんやぁああああああああああああああああ!!!!!!」
まりさの絶叫が寒々とした秋空に響き渡る。それがまりさとお兄さんの鬼ごっこ開始の合図だ。
(冒頭へ続く)
後書き
一見金ゲス虐待物に見せて実はゲス野良制裁物。これって叙述トリックものなのでしょうか?
実際ゆっくりに催眠術かけたら某死神マンガの鏡花水月並にききそう。「いつから自分が飼いゆっくりだと錯覚していた?」って感じに。
一見金ゲス虐待物に見せて実はゲス野良制裁物。これって叙述トリックものなのでしょうか?
実際ゆっくりに催眠術かけたら某死神マンガの鏡花水月並にききそう。「いつから自分が飼いゆっくりだと錯覚していた?」って感じに。