ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4488 れいむ宇宙へ
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ankoss
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『れいむ宇宙へ』 7KB
制裁 小ネタ 失礼します
制裁 小ネタ 失礼します
※ 余所でやったネタをゆっくりでもやってみたくなったので。
※ 「anko4458 どうあがいても絶望」の登場人物が出てきます。
※ 「anko4458 どうあがいても絶望」の登場人物が出てきます。
チートあきです
「むーしゃむーしゃ、うっめ! めっちゃうっめ!」
とある大きな公園の片隅。ベンチの上に置かれた鯛焼きの袋。一匹のれいむがそれを
破って、中身の鯛焼きを食べていた。バッジなどは無い野良ゆっくりである。
破って、中身の鯛焼きを食べていた。バッジなどは無い野良ゆっくりである。
「おい、れいむ」
「ゆ?」
「ゆ?」
最後の一個を呑み込み、れいむは顔を上げた。
そこにいたのは、がっしりとした体躯の五十歳ほどの男だった。中分けにした黒い髪の
毛に、右目に付けた片眼鏡。細いカイゼル髭と顎髭を生やしている。服装は高級そうな
紺色のスーツである。右手にペットボトルのお茶を持っていた。
瞳に怒りを灯し、男はれいむを見下ろしている。
そこにいたのは、がっしりとした体躯の五十歳ほどの男だった。中分けにした黒い髪の
毛に、右目に付けた片眼鏡。細いカイゼル髭と顎髭を生やしている。服装は高級そうな
紺色のスーツである。右手にペットボトルのお茶を持っていた。
瞳に怒りを灯し、男はれいむを見下ろしている。
「それはワシのおやつだ。それに貴様は何をしている?」
「ゆゆっ、なにいってるの、おじさん! これはれいむのものだよ。ゆっくりしているれいむ
をたたえるためにかってにはえてきたんだよ。ゆっくりりかいしてね?」
「ゆゆっ、なにいってるの、おじさん! これはれいむのものだよ。ゆっくりしているれいむ
をたたえるためにかってにはえてきたんだよ。ゆっくりりかいしてね?」
もみあげをぴこぴこ動かし、れいむが答える。
「ほう……」
男の額に怒りのマークが浮かぶ。
「もう一度言おう。それはワシが食べようとしていた鯛焼きだ。毎日の激務の間、ちょっと
息抜きとして甘いものを食べてゆっくりしようと思って買ってきたものだ。それを勝手に盗
んで食ってしまったことについて、貴様は何か言うべき事はあるか?」
息抜きとして甘いものを食べてゆっくりしようと思って買ってきたものだ。それを勝手に盗
んで食ってしまったことについて、貴様は何か言うべき事はあるか?」
右手を持ち上げわきわきと指を動かす。
仕事の合間に鯛焼きの屋台を見つけ、鯛焼きを買った。それをベンチに置き、お茶を買
いに行って戻ってきたら、どこかの野良ゆっくりに盗み食いされていた。同僚に知られた
ら大笑いされるような凡ミスである。だが、その反省は後回しだ。
仕事の合間に鯛焼きの屋台を見つけ、鯛焼きを買った。それをベンチに置き、お茶を買
いに行って戻ってきたら、どこかの野良ゆっくりに盗み食いされていた。同僚に知られた
ら大笑いされるような凡ミスである。だが、その反省は後回しだ。
「ゆ?」
れいむは男を見上げて身体を傾け。
もみあげでぽんと手を打つような仕草を見せた、
もみあげでぽんと手を打つような仕草を見せた、
「これおじさんのなんだね。ゆっくりりかいしたよ! とってもかわいいれいむにけんっじょ
うっしてくれたんだね。なら、おじさんにはごほうびをあげるよ! かわいいかわいーれい
むのうんうんうけとってね!」
「なるほど。ただの餡子脳か」
うっしてくれたんだね。なら、おじさんにはごほうびをあげるよ! かわいいかわいーれい
むのうんうんうけとってね!」
「なるほど。ただの餡子脳か」
男は目を閉じ、静かに納得した。
れいむは鯛焼きの袋にあにゃるを向け、
れいむは鯛焼きの袋にあにゃるを向け、
「れいむのすーぱーうんうんたいむ――」
「おりゃぁ!」
「おりゃぁ!」
ドギャァアァン!
超音速で振り抜かれた男の手がれいむに叩き込まれる。
「ゆぎゃあああああっ!」
身体を駆け抜ける衝撃波に、れいむは悲鳴を上げた。もはやうんうんどころではない。
落雷のような凄まじい衝撃に、意識が跳ねる。
ベンチが軋み、周囲の地面に小さな亀裂が走り、薄い土煙が吹き出す。
そして。
落雷のような凄まじい衝撃に、意識が跳ねる。
ベンチが軋み、周囲の地面に小さな亀裂が走り、薄い土煙が吹き出す。
そして。
「ゆ? ゆ? なんともないよ」
れいむは無傷だった。
普通のゆっくりなら消滅するほどの衝撃を打ち込まれたのに、どこにも傷はない。目や
身体を動かし、自分の無事を確認してからきりっと眉を傾ける。
普通のゆっくりなら消滅するほどの衝撃を打ち込まれたのに、どこにも傷はない。目や
身体を動かし、自分の無事を確認してからきりっと眉を傾ける。
「ゆふん、やっぱりれいむはさいきょうだね!」
勝ち誇った顔のれいむを、男は掴み上げた。
「おそらをとんで――」
「その台詞を吐くのはまだ早い!」
「その台詞を吐くのはまだ早い!」
左足を真上に振り上げてから、れいむを掴んだ右手を思い切り振りかぶる。全身の筋
肉と関節と体重を使った投球フォーム。掴んでいるのは野球ボールではなく、れいむの
頭だが。そのまま勢いよく左足を振下ろし、右腕を振り抜いた。
肉と関節と体重を使った投球フォーム。掴んでいるのは野球ボールではなく、れいむの
頭だが。そのまま勢いよく左足を振下ろし、右腕を振り抜いた。
「宇宙の果てまで飛んでいけェェッ!」
「ゆぅぅぅぅ……!」
「ゆぅぅぅぅ……!」
ドンッ!
空気の壁をぶち抜き、れいむが飛ぶ。
空に浮かぶ綿雲に穴を開け、さらに上空に広がった羽雲を貫く。衝撃波が羽雲に丸い
波紋のような振動を走らせる。ロケット打ち上げなどで見られる、珍しい現象だった。
ともあれ、れいむはお空を飛んだ。
空に浮かぶ綿雲に穴を開け、さらに上空に広がった羽雲を貫く。衝撃波が羽雲に丸い
波紋のような振動を走らせる。ロケット打ち上げなどで見られる、珍しい現象だった。
ともあれ、れいむはお空を飛んだ。
「れいむは、おぞらをどんでるよおおおおお!」
雲を切り裂き、青い空へ。
れいむは一直線に空を突き抜ける。ゆっくりと回転しながら、ただひたすら高く。普通の
ゆっくりなら一瞬で燃え尽きる速度だが、男が叩き込んだ衝撃波がれいむの強度を桁違
いなまでに強化していた。
れいむは一直線に空を突き抜ける。ゆっくりと回転しながら、ただひたすら高く。普通の
ゆっくりなら一瞬で燃え尽きる速度だが、男が叩き込んだ衝撃波がれいむの強度を桁違
いなまでに強化していた。
「ゆわああ……!」
遙か遠くに見える灰色の街。森や林の緑。土の茶色。
空の青さが徐々に薄まり、黒い色へと変化していく。
ゆっくりでは絶対に行けない高さへと、れいむは来ていた。
空の青さが徐々に薄まり、黒い色へと変化していく。
ゆっくりでは絶対に行けない高さへと、れいむは来ていた。
「れいむはっ、おぞらをしはいしたよおおおっ! ごっ、ごのぜがいはああっ! ぜんぶれ
いのものだよおおおお! ゆうううううんっ! いまっ、しんらばんしょうすべてがっ、れい
むをしゅくふくしているよおおお!」
いのものだよおおおお! ゆうううううんっ! いまっ、しんらばんしょうすべてがっ、れい
むをしゅくふくしているよおおお!」
涙と涎と汗と、しーしーとうんうんと。
あらゆるものを溢れさせながら、れいむは感動していた。
雲と雪と氷の白と、海の青が映る地球。無限の漆黒を背景に輝く無数の星々と、天をふ
たつに分ける天の川、遠くには灰色の月、そして白く大きく輝く太陽。
その光景は純粋に美しかった。
あらゆるものを溢れさせながら、れいむは感動していた。
雲と雪と氷の白と、海の青が映る地球。無限の漆黒を背景に輝く無数の星々と、天をふ
たつに分ける天の川、遠くには灰色の月、そして白く大きく輝く太陽。
その光景は純粋に美しかった。
音のない宇宙。
全天をふたつに分けて伸びる天の川。輝く太陽から左右に伸びる白い光の線。太陽光
が惑星間塵に反射したものである。空気や埃など遮るものの一切無い宇宙空間では、
全てが輝いていた。
全天をふたつに分けて伸びる天の川。輝く太陽から左右に伸びる白い光の線。太陽光
が惑星間塵に反射したものである。空気や埃など遮るものの一切無い宇宙空間では、
全てが輝いていた。
「とってもひまだよ……」
口をとがらせ、れいむが愚痴る。
想像も付かないような光景でも、眺めていればいずれ飽きる。感動が落ち着いた後に
残っていたのは、呆れるほどの空っぽの時間だった。ようするに退屈である。宇宙空間
は案外何もない。
男に叩き込まれた衝撃波の力で、大量の宇宙線と真空に晒されながらも、れいむは
普通に生きていた。
想像も付かないような光景でも、眺めていればいずれ飽きる。感動が落ち着いた後に
残っていたのは、呆れるほどの空っぽの時間だった。ようするに退屈である。宇宙空間
は案外何もない。
男に叩き込まれた衝撃波の力で、大量の宇宙線と真空に晒されながらも、れいむは
普通に生きていた。
「ゆ?」
ふと、れいむは太陽に目を向ける。
白い大きな丸。
白い大きな丸。
「たいようさん、おおきくなってる?」
太陽が数倍の大きさになっていた。普段から知っている太陽。その大きさが変わる事
はないとれいむは考えていた。だが、その考えを否定するように、視界に映る太陽は記
憶の数倍の大きさになっている。
地上では気にすることはないが、太陽系にあるものは例外なく太陽に落ちている。惑星
から隕石、彗星、塵や気体分子まで。
無論、れいむもそのひとつである。
はないとれいむは考えていた。だが、その考えを否定するように、視界に映る太陽は記
憶の数倍の大きさになっている。
地上では気にすることはないが、太陽系にあるものは例外なく太陽に落ちている。惑星
から隕石、彗星、塵や気体分子まで。
無論、れいむもそのひとつである。
「ゆんやあああああ!」
もみあげを振り回しながら、れいむは悲鳴を上げていた。
太陽は既に視界の半分を埋め尽くすほどになっている。
文字通り天文学的な質量を持つ太陽。その大半を占める水素の核融合反応によって、
凄まじいまでの熱量を生み出している。表面温度は約六千度、中心部は千五百万度にも
達すると言われていた。
どちらにしろゆっくりが落ちたら一瞬で消える。
太陽は既に視界の半分を埋め尽くすほどになっている。
文字通り天文学的な質量を持つ太陽。その大半を占める水素の核融合反応によって、
凄まじいまでの熱量を生み出している。表面温度は約六千度、中心部は千五百万度にも
達すると言われていた。
どちらにしろゆっくりが落ちたら一瞬で消える。
「あづいのはゆっぐりできないいいいい! あっぢいげえええええ! れいぶにいぢわる
ずるくぞだいようは、ぎえろおおおおお! じねじねぇぇ、ゆっぐりじねえええ!」
ずるくぞだいようは、ぎえろおおおおお! じねじねぇぇ、ゆっぐりじねえええ!」
ひたすら太陽に向かって罵声を上げていた。
「ゆ、ゆ……たすかったよ」
太陽は地上から見上げる程度に小さくなっている。
ふっと息をつくれいむ。真空の宇宙空間で息が付けるのかは不明だが、少なくともれい
むは息をついた気分でいた。
漆黒の宇宙。無数に輝く星々。
遠くで白く輝く太陽。
ふっと息をつくれいむ。真空の宇宙空間で息が付けるのかは不明だが、少なくともれい
むは息をついた気分でいた。
漆黒の宇宙。無数に輝く星々。
遠くで白く輝く太陽。
「ゆーん、どうやっておうちかえろう?」
今更ながらそんな事を考えるれいむ。
太陽の重力圏に放り出された物体の結末は、主にみっつである。ひとつめは太陽の重
力に引かれて太陽に落ちる結末。ふたつめは太陽の周囲を公転する結末、他の惑星の
重力に捕まる結末も一応ここに含む。みっつめは太陽重力を振り切って、太陽系の外へ
と飛んでいく結末。
それらは主に物体の速度に左右される。
そして、れいむはかなり速かった。
太陽の重力圏に放り出された物体の結末は、主にみっつである。ひとつめは太陽の重
力に引かれて太陽に落ちる結末。ふたつめは太陽の周囲を公転する結末、他の惑星の
重力に捕まる結末も一応ここに含む。みっつめは太陽重力を振り切って、太陽系の外へ
と飛んでいく結末。
それらは主に物体の速度に左右される。
そして、れいむはかなり速かった。
「ゆっ、ゆっ……」
泳ぐようにもみあげを動かし、もこもことあんよを動かす。
何もない虚空を、れいむは必死に進もうとしていた。
あれから一体どれくらいの月日が経ったのかわからない。数日か、数ヶ月か、数年か、
はたまた数百年か。時間の感覚はとうの昔に壊れていた。
何もない虚空を、れいむは必死に進もうとしていた。
あれから一体どれくらいの月日が経ったのかわからない。数日か、数ヶ月か、数年か、
はたまた数百年か。時間の感覚はとうの昔に壊れていた。
「かえる……、おうちかえる……」
全身を動かし、れいむは必死に進む。進んでいるつもりだった。
遙か遠くに見える光の点。かつては巨大な火の玉だった太陽も、今では背景の星とほ
ぼ変わらぬ大きさになっていた。目指している光が本当に太陽なのかも分からない。そ
もそも太陽の方向に向かって、それからどうすればいいのかも分からない。
遙か遠くに見える光の点。かつては巨大な火の玉だった太陽も、今では背景の星とほ
ぼ変わらぬ大きさになっていた。目指している光が本当に太陽なのかも分からない。そ
もそも太陽の方向に向かって、それからどうすればいいのかも分からない。
「ゆっ……」
涙はとっくに枯れ果てた。
何もない宇宙空間。どういう仕組みかそこで普通に生きているれいむ。空腹も感じず、
窒息することもなく、身体が動かなくなることもない。そしておそらく絶対に死なない。死
ねないという確信が、れいむにはあった。
何もない宇宙空間。どういう仕組みかそこで普通に生きているれいむ。空腹も感じず、
窒息することもなく、身体が動かなくなることもない。そしておそらく絶対に死なない。死
ねないという確信が、れいむにはあった。
「れいむは、おうちかえるんだよ……!」
微かに残る公園の記憶。
最後に食べたあまあまの記憶。
それにすがるように、れいむはひたすら身体を動かしていた。
最後に食べたあまあまの記憶。
それにすがるように、れいむはひたすら身体を動かしていた。
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以下省略
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