ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4637 差し伸べた手と代価
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ankoss
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『差し伸べた手と代価』 18KB
いじめ 虐待 愛情 不運 だってよ…8作目なんだぜ?
いじめ 虐待 愛情 不運 だってよ…8作目なんだぜ?
とおりすがりです。
餡娘ちゃんの誕生日に、なんとか間に合った…
!注意!
※この話には少し鬼威山らしくない鬼威山が出てきます
※少し書き方を工夫してみたんですが、読みにくいかもしれません
※ゆっくりしていってね!ゆんやぁ!
※この話には少し鬼威山らしくない鬼威山が出てきます
※少し書き方を工夫してみたんですが、読みにくいかもしれません
※ゆっくりしていってね!ゆんやぁ!
「」はゆっくり
『』は人間で
『』は人間で
過去作
anko4545 ゆっくりしていくがいいさ
anko4555 おにいさんはゆっくりする
anko4561 鬼意山と遊ぼう!
anko4580 ゆっくりしつもんするよ!
anko4591 ゆたんぽ
anko4597 ドスまりしゃ
anko4608 ゆたんぽふえる~一般向け~
anko4545 ゆっくりしていくがいいさ
anko4555 おにいさんはゆっくりする
anko4561 鬼意山と遊ぼう!
anko4580 ゆっくりしつもんするよ!
anko4591 ゆたんぽ
anko4597 ドスまりしゃ
anko4608 ゆたんぽふえる~一般向け~
差し伸べた手と代価
「ゅ…………ゅ…………」
「おちびちゃぁぁぁぁぁぁぁん!しっかりしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「れいみゅぅぅぅぅ!しっかりすりゅのじぇぇぇぇぇぇ!」
夜、人通りの少ない路地。その隅からゆっくりの声が聞こえる。
成体のまりさ一匹と子まりさ一匹、そして苦しそうに呻いている子れいむが一匹。
この一家はこの周辺に住んでいる野良ゆっくりである。
父みょんと母まりさという珍しい家族構成だったが、
ある日父みょんは狩りの途中で不慮の事故で永遠にゆっくりしてしまった。
最も、ゴミ漁りをして人間に潰されたのだが。
それからは母まりさが代わりに狩りをしていたが、このまりさは狩場を知らなかったため、
狩りの成果は少なかった。
そしてそんな生活が続き、末っ子の子れいむの命は今や風前の灯同然だった。
「おちびぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
夜に叫ぶということはゆっくりなら絶対にしてはいけない事である。
なぜなら捕食種の大半は夜行性なのだから。
その捕食種に自らの存在をさらすことは自殺に等しいのである。
だが、幸か不幸かまりさ家族を見つけたのは捕食種ではなかった。
『さっきからうるさいなぁ…』
そういいながらまりさたちの前に姿を現したのは、
黒いコートを着た長髪の男だった。
「に、にんげんさん?ゆっくりしていってね!」
『はいはい、ゆっくりしていってね』
「「ゆ!?ゆっくりしていってね!!」」
「ゅ……ゆっきゅり…」
この人間さんはちゃんとあいさつを返してくれた!
きっといい人間さんなんだ!
都合のいいように物事を考えるゆっくりらしい考えだった。
「にんげんさん!おちびちゃんがたいへんなんです!おねがいです、たすけてください!」
『………へ?』
「おちびちゃんはとってもいいこなんです!
おねがいします、たすけてください!」
「れいみゅをたしゅけてくだしゃい!」
二匹のまりさが土下座しながら、男に助けを求めた。
この家族は比較的善良なゆっくりだったが、
人間とどういった接し方をしなければならないのかわからないようだ。
いわゆるゆっくりらしいおバカなゆっくりなのだった。
『あのねぁ、見ず知らずの、それもゆっくりに助けて、といわれて
ほいほい助けられるわけないだろう…』
「ぞんなごどいわずに、おねがいじまずぅぅぅぅぅぅぅ!」
「いみょうとをたしゅけてくだしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
何度も頭を下げ、ぶにぶにと気持ちの悪い音を立てながら、
何回も男にお願いをする二匹。
しかし、何故みょんとまりさの家族にれいむがいるのだろうか?
実はこの母まりさは昔、れいむと番だった。
山で生まれたまりさは幼なじみのれいむと番になり、
今の子れいむと赤まりさが生まれた。
だがゆっくりの増加で次第に山で食べ物が取れなくなり、
家族で町へと越してきたのだが、その道中でれいむと赤まりさは唐突に永遠にゆっくりしてしまった。
だが、もともと山に住んでいたゆっくりが町にすぐ適応できるわけがない。これは必然だったのだ。
そんな悲しみの中でまりさを支えてくれたのが、今は亡き番のみょんだった。
みょんは町に住む野良ゆっくりの一匹だったがとても気前がよく、
誰にでも優しかった。そんなみょんに母まりさは心を惹かれた。
そしてみょんとの間に生まれたのが今の子まりさ。
つまり、最初の番のれいむの面影を残すのは、この子れいむだけなのだ。
そして母まりさにとっては、この子れいむは最初のおちびちゃんでもある。
それだけ深い愛情をかけているのだ。
子まりさもいつも仲良くしてくれた姉れいむを慕っている。
…いや、それ以前に二匹にとってこの子れいむは、かけがえのない家族なのだ。
二匹が必死に土下座をしている中、男は面倒そうに答えた。
「おちびちゃぁぁぁぁぁぁぁん!しっかりしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「れいみゅぅぅぅぅ!しっかりすりゅのじぇぇぇぇぇぇ!」
夜、人通りの少ない路地。その隅からゆっくりの声が聞こえる。
成体のまりさ一匹と子まりさ一匹、そして苦しそうに呻いている子れいむが一匹。
この一家はこの周辺に住んでいる野良ゆっくりである。
父みょんと母まりさという珍しい家族構成だったが、
ある日父みょんは狩りの途中で不慮の事故で永遠にゆっくりしてしまった。
最も、ゴミ漁りをして人間に潰されたのだが。
それからは母まりさが代わりに狩りをしていたが、このまりさは狩場を知らなかったため、
狩りの成果は少なかった。
そしてそんな生活が続き、末っ子の子れいむの命は今や風前の灯同然だった。
「おちびぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
夜に叫ぶということはゆっくりなら絶対にしてはいけない事である。
なぜなら捕食種の大半は夜行性なのだから。
その捕食種に自らの存在をさらすことは自殺に等しいのである。
だが、幸か不幸かまりさ家族を見つけたのは捕食種ではなかった。
『さっきからうるさいなぁ…』
そういいながらまりさたちの前に姿を現したのは、
黒いコートを着た長髪の男だった。
「に、にんげんさん?ゆっくりしていってね!」
『はいはい、ゆっくりしていってね』
「「ゆ!?ゆっくりしていってね!!」」
「ゅ……ゆっきゅり…」
この人間さんはちゃんとあいさつを返してくれた!
きっといい人間さんなんだ!
都合のいいように物事を考えるゆっくりらしい考えだった。
「にんげんさん!おちびちゃんがたいへんなんです!おねがいです、たすけてください!」
『………へ?』
「おちびちゃんはとってもいいこなんです!
おねがいします、たすけてください!」
「れいみゅをたしゅけてくだしゃい!」
二匹のまりさが土下座しながら、男に助けを求めた。
この家族は比較的善良なゆっくりだったが、
人間とどういった接し方をしなければならないのかわからないようだ。
いわゆるゆっくりらしいおバカなゆっくりなのだった。
『あのねぁ、見ず知らずの、それもゆっくりに助けて、といわれて
ほいほい助けられるわけないだろう…』
「ぞんなごどいわずに、おねがいじまずぅぅぅぅぅぅぅ!」
「いみょうとをたしゅけてくだしゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
何度も頭を下げ、ぶにぶにと気持ちの悪い音を立てながら、
何回も男にお願いをする二匹。
しかし、何故みょんとまりさの家族にれいむがいるのだろうか?
実はこの母まりさは昔、れいむと番だった。
山で生まれたまりさは幼なじみのれいむと番になり、
今の子れいむと赤まりさが生まれた。
だがゆっくりの増加で次第に山で食べ物が取れなくなり、
家族で町へと越してきたのだが、その道中でれいむと赤まりさは唐突に永遠にゆっくりしてしまった。
だが、もともと山に住んでいたゆっくりが町にすぐ適応できるわけがない。これは必然だったのだ。
そんな悲しみの中でまりさを支えてくれたのが、今は亡き番のみょんだった。
みょんは町に住む野良ゆっくりの一匹だったがとても気前がよく、
誰にでも優しかった。そんなみょんに母まりさは心を惹かれた。
そしてみょんとの間に生まれたのが今の子まりさ。
つまり、最初の番のれいむの面影を残すのは、この子れいむだけなのだ。
そして母まりさにとっては、この子れいむは最初のおちびちゃんでもある。
それだけ深い愛情をかけているのだ。
子まりさもいつも仲良くしてくれた姉れいむを慕っている。
…いや、それ以前に二匹にとってこの子れいむは、かけがえのない家族なのだ。
二匹が必死に土下座をしている中、男は面倒そうに答えた。
『………仕方ないなぁ、助けてあげるよ。はぁ………』
「おねがいじまずぅぅぅぅぅぅ!!…ゆ?」
さっきまで必死に土下座をしていた二匹は、きょとんとした表情で固まった。
「ほ、ほんとうに、たすけてくれるんですか!?」
『助けるってさっきいったじゃん。もう忘れたの?』
「ほんとうにれいみゅをたしゅけてくれりゅのじぇ?」
『だから助けるってば…………あぁもう、それ以上しつこいと帰っちゃうよ?』
「「あ、ありがとうございますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」」
再度土下座をする二匹を見ながら男はやれやれ…、と呟き
弱っている子れいむをすくい上げて子れいむをじっと見つめた。
『………汚いなやっぱり』
「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」」
当たり前の事だが、野良ゆっくりは皆汚い。
それは生活の中で直接地面を這っての移動や生ゴミなどを咥えるなどして付着した汚れを、
お互いにすーりすーりする事で擦り合わせることで付く汚れだ。
人間が触るのは正直抵抗がある。むしろ触りたくない。
『あのさぁ…うるさいと助けてあげないって何回も言わせないでね』
「「ご、ごべんなざいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」」
『まったく…』
そう言いながら男はポケットから何かを取り出し、子れいむの口元まで持っていった。
『ほおら、あ・ま・あ・まだぞ』
「ゅ………ぁ……みゃ………」
あまあまと聞いた子れいむは何とかそれを食べようと必死に舌を延ばす。
『自分で食べられないのか………ほら』
そう言って男は子れいむの口の中にそれを入れて、
『ほら、むーしゃむーしゃ』
「……む……しゃ……………」
子れいむにしっかりと噛ませた。
すると、子れいむの苦しそうな表情は一変し、
「……………し」
「ししししししししし、ししししししあわせぇぇぇぇぇえええええええええええええええええ!!へぶんじょうたいっ!!!」
凄まじい顔芸を見せた。
『うおっ!?(気持ち悪いな…)』
そう思いながらもアヘ顔の子れいむを地面に置くと、
よほど嬉しいらしい二匹が砂糖水の涙を流しながら子れいむに近づいてゆく。
「おちびぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
「れいみゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「おきゃあしゃん!まりしゃ!れいみゅかんじぇんふっかちゅ!じゃよ!!」
さっきまで死にかけていた饅頭とは思えないほどのはしゃぎっぷりを見せる子れいむと
それをみて砂糖水を大量に流す二匹を見ながら、男は苦い顔で子まりさを持ち上げた。
「おしょらをとんでりゅみちゃい!」
「ゆゆ!?おにいさん、まりしゃになにするの!?」
『…いや、この子にもあまあまあげないと不公平かなって思ってさ』
そう言って子まりさに先ほど子れいむに食べさせたあまあまを渡した。
「あ、あみゃあみゃしゃん!まりしゃにゆっくちたべりゃれちぇね!むーしゃむーしゃ!!」
「し、ししししししいしししししし、しぃあわせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
それを食べた子まりさは、やはり子れいむと同じような変顔を晒し、
おまけにうれしーしーまで漏らし始めた。男の手の上で。
(………なんで俺は手の上に乗せたんだろう)
そう思いながらも男は子まりさを地面へと下ろし、
ポケットからティッシュを取り出して手を拭いた。
「おにいざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!ほんどうに、ありがどうございまずぅぅぅぅぅぅぅ!!
このごおんはいっじょうわずれまぜんんんんんんんん!!」
ヘブン状態の子ゆっくり二匹を見ながら母まりさは何度も頭を地面に擦りつけて感謝した。
ただでさえ子れいむを助けてもらった上に、子まりさにまであまあまをくれたのだから。
野良ゆっくりにとってあまあまとは至高の食べ物であり、
それさえあればとてもゆっくりできるものなのだ。
『うん、どういたしまして………。それじゃ、せいぜい長生きしなよ』
そう言い残すと男は闇の中に消えていった。
「おちびちゃんたち、とぉってもしあわせそうだよぉ…」
母まりさはヘブン状態の子まりさとはしゃぐ子れいむをうっとりとして見つめながら、
男へ深い深い感謝をした。
夜空では綺麗な月が母まりさたちを照らしていた。だがそれは、まるで家族を嘲笑うように、不自然なほどに。
その逆光に照らされた男の表情は、誰もわからなかった。
さっきまで必死に土下座をしていた二匹は、きょとんとした表情で固まった。
「ほ、ほんとうに、たすけてくれるんですか!?」
『助けるってさっきいったじゃん。もう忘れたの?』
「ほんとうにれいみゅをたしゅけてくれりゅのじぇ?」
『だから助けるってば…………あぁもう、それ以上しつこいと帰っちゃうよ?』
「「あ、ありがとうございますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」」
再度土下座をする二匹を見ながら男はやれやれ…、と呟き
弱っている子れいむをすくい上げて子れいむをじっと見つめた。
『………汚いなやっぱり』
「「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」」
当たり前の事だが、野良ゆっくりは皆汚い。
それは生活の中で直接地面を這っての移動や生ゴミなどを咥えるなどして付着した汚れを、
お互いにすーりすーりする事で擦り合わせることで付く汚れだ。
人間が触るのは正直抵抗がある。むしろ触りたくない。
『あのさぁ…うるさいと助けてあげないって何回も言わせないでね』
「「ご、ごべんなざいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」」
『まったく…』
そう言いながら男はポケットから何かを取り出し、子れいむの口元まで持っていった。
『ほおら、あ・ま・あ・まだぞ』
「ゅ………ぁ……みゃ………」
あまあまと聞いた子れいむは何とかそれを食べようと必死に舌を延ばす。
『自分で食べられないのか………ほら』
そう言って男は子れいむの口の中にそれを入れて、
『ほら、むーしゃむーしゃ』
「……む……しゃ……………」
子れいむにしっかりと噛ませた。
すると、子れいむの苦しそうな表情は一変し、
「……………し」
「ししししししししし、ししししししあわせぇぇぇぇぇえええええええええええええええええ!!へぶんじょうたいっ!!!」
凄まじい顔芸を見せた。
『うおっ!?(気持ち悪いな…)』
そう思いながらもアヘ顔の子れいむを地面に置くと、
よほど嬉しいらしい二匹が砂糖水の涙を流しながら子れいむに近づいてゆく。
「おちびぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
「れいみゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「おきゃあしゃん!まりしゃ!れいみゅかんじぇんふっかちゅ!じゃよ!!」
さっきまで死にかけていた饅頭とは思えないほどのはしゃぎっぷりを見せる子れいむと
それをみて砂糖水を大量に流す二匹を見ながら、男は苦い顔で子まりさを持ち上げた。
「おしょらをとんでりゅみちゃい!」
「ゆゆ!?おにいさん、まりしゃになにするの!?」
『…いや、この子にもあまあまあげないと不公平かなって思ってさ』
そう言って子まりさに先ほど子れいむに食べさせたあまあまを渡した。
「あ、あみゃあみゃしゃん!まりしゃにゆっくちたべりゃれちぇね!むーしゃむーしゃ!!」
「し、ししししししいしししししし、しぃあわせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
それを食べた子まりさは、やはり子れいむと同じような変顔を晒し、
おまけにうれしーしーまで漏らし始めた。男の手の上で。
(………なんで俺は手の上に乗せたんだろう)
そう思いながらも男は子まりさを地面へと下ろし、
ポケットからティッシュを取り出して手を拭いた。
「おにいざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!ほんどうに、ありがどうございまずぅぅぅぅぅぅぅ!!
このごおんはいっじょうわずれまぜんんんんんんんん!!」
ヘブン状態の子ゆっくり二匹を見ながら母まりさは何度も頭を地面に擦りつけて感謝した。
ただでさえ子れいむを助けてもらった上に、子まりさにまであまあまをくれたのだから。
野良ゆっくりにとってあまあまとは至高の食べ物であり、
それさえあればとてもゆっくりできるものなのだ。
『うん、どういたしまして………。それじゃ、せいぜい長生きしなよ』
そう言い残すと男は闇の中に消えていった。
「おちびちゃんたち、とぉってもしあわせそうだよぉ…」
母まりさはヘブン状態の子まりさとはしゃぐ子れいむをうっとりとして見つめながら、
男へ深い深い感謝をした。
夜空では綺麗な月が母まりさたちを照らしていた。だがそれは、まるで家族を嘲笑うように、不自然なほどに。
その逆光に照らされた男の表情は、誰もわからなかった。
翌日
「ゆっゆっゆっ!ゆっきゅり~!」
「こーりょこーりょしゅるのじぇ!」
二匹の子ゆっくりは、路地の隅にたたずむダンボールで作られた「おうち」で遊んでいた。
子ゆっくりは二匹とも、特に子れいむは昨日まで死にかけていたとは思えないほどに回復していた。
元々活発な子れいむだが、今日は子まりさと一緒にいつも以上にはしゃいでいる。
それを見て微笑んでいるのは母まりさ。
たった今狩りを終え、家に帰ってきたばかりだ。
狩り、と言ってもこの近くには生ごみの捨て場があり、
そこから袋を破って食べられそうなものを持ってくるだけ。つまりはゴミ漁りだ。
その狩場はほとんどの野良ゆっくりには知られていない。
父みょんが見つけて以来、一部の野良ゆっくりだけの秘密の狩場となっている。
野良世界でこういった安定した狩場を見つけられることは、絶大なアドバンテージとなる。
………無論、その狩場の本来の持ち主にとっては全く正反対の不利益があるのだが。
母まりさは満面の笑みを浮かべ、帽子から生ごみを出した。
今日はどうやら大漁だったらしく、生ごみは帽子いっぱいまで詰まっていた。
「おちびちゃんたち!ごはんさんだよ!」
「「ゆー!」」
ご飯と聞いて遊びを中断した二匹の子ゆっくりが集まってきた。
その笑顔を見てやはり微笑みを浮かべる母まりさ。
こんなゆっくりした子供を授かるなんて、まりさはなんて幸福なんだろう。
お空のゆっくりぷれいすにいるれいむやみょんは見ていてくれているだろうか?
こんなに幸せな家族を持ったまりさの事を…
そんなことを考えながら幸せに包まれた食卓を囲む。
「「まりしゃ(れいみゅ)のすーぱーむしゃむしゃたいむ、はじまるよ!!」」
そういってすぐに食事を始めた家族。
「「むーしゃむー……………ゆべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!??!!」」
だがそんな幸せな時間は長く続かないものだ。
突如、子れいむと子まりさが大量の餡子を吐き始めたのである。
「お、おちびちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!?」
いきなり中身を吐き出す子ゆっくりを見て驚きを隠せない母まりさ。
それもそうだろう。人間でいえばいきなり子供が口から血を吐いているようなものである。
「こーりょこーりょしゅるのじぇ!」
二匹の子ゆっくりは、路地の隅にたたずむダンボールで作られた「おうち」で遊んでいた。
子ゆっくりは二匹とも、特に子れいむは昨日まで死にかけていたとは思えないほどに回復していた。
元々活発な子れいむだが、今日は子まりさと一緒にいつも以上にはしゃいでいる。
それを見て微笑んでいるのは母まりさ。
たった今狩りを終え、家に帰ってきたばかりだ。
狩り、と言ってもこの近くには生ごみの捨て場があり、
そこから袋を破って食べられそうなものを持ってくるだけ。つまりはゴミ漁りだ。
その狩場はほとんどの野良ゆっくりには知られていない。
父みょんが見つけて以来、一部の野良ゆっくりだけの秘密の狩場となっている。
野良世界でこういった安定した狩場を見つけられることは、絶大なアドバンテージとなる。
………無論、その狩場の本来の持ち主にとっては全く正反対の不利益があるのだが。
母まりさは満面の笑みを浮かべ、帽子から生ごみを出した。
今日はどうやら大漁だったらしく、生ごみは帽子いっぱいまで詰まっていた。
「おちびちゃんたち!ごはんさんだよ!」
「「ゆー!」」
ご飯と聞いて遊びを中断した二匹の子ゆっくりが集まってきた。
その笑顔を見てやはり微笑みを浮かべる母まりさ。
こんなゆっくりした子供を授かるなんて、まりさはなんて幸福なんだろう。
お空のゆっくりぷれいすにいるれいむやみょんは見ていてくれているだろうか?
こんなに幸せな家族を持ったまりさの事を…
そんなことを考えながら幸せに包まれた食卓を囲む。
「「まりしゃ(れいみゅ)のすーぱーむしゃむしゃたいむ、はじまるよ!!」」
そういってすぐに食事を始めた家族。
「「むーしゃむー……………ゆべぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!??!!」」
だがそんな幸せな時間は長く続かないものだ。
突如、子れいむと子まりさが大量の餡子を吐き始めたのである。
「お、おちびちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!?」
いきなり中身を吐き出す子ゆっくりを見て驚きを隠せない母まりさ。
それもそうだろう。人間でいえばいきなり子供が口から血を吐いているようなものである。
『うるせぇ野良ゆっくりが!』
近くを散歩していた鬼威山が、その大声を聞いて母まりさ達を発見した。
この鬼威山は基本制裁派だが、気に入らないゆっくりなら善良でもすぐにヒャハることで知られている、
近所でも有名な鬼威山だった。
「にんげんさぁぁぁぁぁぁぁぁん!!おちびぢゃんがだいへんなんでずぅぅぅぅぅぅぅ!!だすげでくだざいぃぃぃぃぃ!」
突然現れた人間に子ゆっくりを助けてもらえるようお願いを始めた母まりさ。
このまりさ、全くと言っていいほど人間と接していないため、人間の恐ろしさを知らない。
つまり、人間とゆっくりの接し方すらわかっていないのである。
『はあ?なんでお前みたいなゴミクズを助けなきゃならないんだ?』
「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
こうして母まりさの結末は半ば決定したようなものになった。
(よく見るタイプの野良家族か…この五月蠅い舌をまずは引き裂いて…)
そう考えていた時、鬼威山は子ゆっくり達の姿に違和感を覚えた。
餡子を吐いているにも関わらず外傷らしきものが見えないのだ。
もちろん汚い野良である。汚れで目立たないという場合もある。
もしくは外傷による吐餡ではない可能性も十分ある。
だが長年のゆ虐の経験からか、この鬼威山ははっきりとした違和感を感じた。
『…オイ、そいつらに何があった?』
その言葉を聞いた母まりさは泣き叫ぶのをいったん止め、目を輝かせた。
「ゆっ!おちびちゃんをたすけ」
『いいから早く話せ!皆殺しにするぞ!』
「ご、ごめんなざいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
おちびぢゃんだちはごはんさんをたべてただけなんでずぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
それなのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
必死に説明をしようとする母まりさの言葉を聞きながら、子ゆっくりを手に取り様子を見る鬼威山
見たところ餡子を吐いている以外に異変はなく、むしろ健康そのものだった。
そう、野良とは思えないほど体の状態は健康そのものだったのだ。。
『………お前、こいつらに何か変わったものを食べさせなかったか?』
「ゆ!?お、おちびちゃんたちはごはんさんを…」
そう言いながら生ごみをおさげで指した母まりさ。
その生ごみをちらりと見た鬼威山は舌打ちをして言い放った。
『違う、ソレじゃない!お前ら最近で何か変わったものを食べたか!?』
「ゆ、ゆぅ!?………ゆ~ん…」
そういわれ考え込んだ母まりさは、はっとなって気が付いた。
「ゆ!そうだよ!おちびちゃんたちはやさしいおにいさんにあまあまをもらったんだよ!」
そうだ。あまあまだ。母まりさは思い出した。
『あまあま?もらった?』
「ゆん!おちびちゃんがたいへんだから、おにいさんにたすけてもらったんだよ!」
あの優しいおにいさんにもらったあまあま。
おちびちゃんはとっても幸せそうにたべていた、あのあまあま。
思い出しただけで、母まりさの表情は和らいだ。
それとは裏腹に、鬼威山は真底つまらなそうな顔をしていた。
予想が的中していたのだ。
『………なるほどな』
「ゆっ!にんげんさん!おちびちゃんたちをはやくなおしてね!」
『いや、どうしようもできないねこれは』
「ど、どうしてぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
にんげんさんならなおせるんでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
母まりさはおにいさんが死にそうな子れいむを治したことを覚えていた。
ならこの人間さんも可愛そうなおちびちゃんを治してくれるはずだ!
そう信じて疑わなかった。
『これは怪我でも病気でもないから、人間でも治せねえよ』
「…ゆ!?」
え?治せない?何故?
病気でも怪我でもない?
なら何故おちびちゃん達はあんなに苦しそうなのだ?
何故?
何故!?
この鬼威山は基本制裁派だが、気に入らないゆっくりなら善良でもすぐにヒャハることで知られている、
近所でも有名な鬼威山だった。
「にんげんさぁぁぁぁぁぁぁぁん!!おちびぢゃんがだいへんなんでずぅぅぅぅぅぅぅ!!だすげでくだざいぃぃぃぃぃ!」
突然現れた人間に子ゆっくりを助けてもらえるようお願いを始めた母まりさ。
このまりさ、全くと言っていいほど人間と接していないため、人間の恐ろしさを知らない。
つまり、人間とゆっくりの接し方すらわかっていないのである。
『はあ?なんでお前みたいなゴミクズを助けなきゃならないんだ?』
「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
こうして母まりさの結末は半ば決定したようなものになった。
(よく見るタイプの野良家族か…この五月蠅い舌をまずは引き裂いて…)
そう考えていた時、鬼威山は子ゆっくり達の姿に違和感を覚えた。
餡子を吐いているにも関わらず外傷らしきものが見えないのだ。
もちろん汚い野良である。汚れで目立たないという場合もある。
もしくは外傷による吐餡ではない可能性も十分ある。
だが長年のゆ虐の経験からか、この鬼威山ははっきりとした違和感を感じた。
『…オイ、そいつらに何があった?』
その言葉を聞いた母まりさは泣き叫ぶのをいったん止め、目を輝かせた。
「ゆっ!おちびちゃんをたすけ」
『いいから早く話せ!皆殺しにするぞ!』
「ご、ごめんなざいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
おちびぢゃんだちはごはんさんをたべてただけなんでずぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!
それなのにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
必死に説明をしようとする母まりさの言葉を聞きながら、子ゆっくりを手に取り様子を見る鬼威山
見たところ餡子を吐いている以外に異変はなく、むしろ健康そのものだった。
そう、野良とは思えないほど体の状態は健康そのものだったのだ。。
『………お前、こいつらに何か変わったものを食べさせなかったか?』
「ゆ!?お、おちびちゃんたちはごはんさんを…」
そう言いながら生ごみをおさげで指した母まりさ。
その生ごみをちらりと見た鬼威山は舌打ちをして言い放った。
『違う、ソレじゃない!お前ら最近で何か変わったものを食べたか!?』
「ゆ、ゆぅ!?………ゆ~ん…」
そういわれ考え込んだ母まりさは、はっとなって気が付いた。
「ゆ!そうだよ!おちびちゃんたちはやさしいおにいさんにあまあまをもらったんだよ!」
そうだ。あまあまだ。母まりさは思い出した。
『あまあま?もらった?』
「ゆん!おちびちゃんがたいへんだから、おにいさんにたすけてもらったんだよ!」
あの優しいおにいさんにもらったあまあま。
おちびちゃんはとっても幸せそうにたべていた、あのあまあま。
思い出しただけで、母まりさの表情は和らいだ。
それとは裏腹に、鬼威山は真底つまらなそうな顔をしていた。
予想が的中していたのだ。
『………なるほどな』
「ゆっ!にんげんさん!おちびちゃんたちをはやくなおしてね!」
『いや、どうしようもできないねこれは』
「ど、どうしてぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
にんげんさんならなおせるんでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
母まりさはおにいさんが死にそうな子れいむを治したことを覚えていた。
ならこの人間さんも可愛そうなおちびちゃんを治してくれるはずだ!
そう信じて疑わなかった。
『これは怪我でも病気でもないから、人間でも治せねえよ』
「…ゆ!?」
え?治せない?何故?
病気でも怪我でもない?
なら何故おちびちゃん達はあんなに苦しそうなのだ?
何故?
何故!?
『こいつらは、舌が肥えちまってんだよ』
舌が肥える。ゆっくり、とくに赤ゆっくりや子ゆっくりは味覚が敏感だ。
この時期は味覚が味に影響を受けやすい、つまりこの時期に味覚は完成されるのだ。
野良で生きるためには苦い草も我慢していかなければならない。
そのために子ゆっくり時代から親は子供を苦い草や生ごみに慣らすのだ。
そんな大切な時期に、甘みの強いものを食べれば、どうなるか。
その結果がこれだ。ゆっくりは本能的に甘みを求める。
つまり味覚が完成されない状態で特上の甘みを得てしまったら、
もうそれ以外は口にすることはできないのだ。
『まあ諦めな。これは完全に“詰み”だ』
「そ、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
母まりさの嘆きの声がこだまする。
あまあまなんてどこにもない。
野良ゆっくりにとってあままあとは、最早手の届かないものなのだ。
そのあまあまを求めた挙句、人間に殺されることなどザラ。
万が一入手しても、次に待ち受けるのは野良同士の醜い殺し合い。
つまり、母まりさは圧倒的に運が良かったのだ。そのあまあまをもらったのだから。
だが、それが無償ではないことまでは気付かなかった。それだけの事である。
『まああまあまでもあればどうにか生きていけるだろうな』
「ほ、ほんと!?ならにんげんさ」
『持ってないしお前らにやるつもりもこれっぽっちもない』
「ゆ、ゆう!?」
安直な考えだった。昨日はただ運が良かっただけ。
そもそも大声を出して人間に見つかったのに潰されない事ですら奇跡に近い。
そう、やはりこの母まりさは運だけはよかった。運だけは。
「………ゆうぅぅぅぅぅぅ!!」
母まりさは唸った後、近くに落ちていた小枝をおさげで器用に拾い上げた。
そして次の瞬間、
この時期は味覚が味に影響を受けやすい、つまりこの時期に味覚は完成されるのだ。
野良で生きるためには苦い草も我慢していかなければならない。
そのために子ゆっくり時代から親は子供を苦い草や生ごみに慣らすのだ。
そんな大切な時期に、甘みの強いものを食べれば、どうなるか。
その結果がこれだ。ゆっくりは本能的に甘みを求める。
つまり味覚が完成されない状態で特上の甘みを得てしまったら、
もうそれ以外は口にすることはできないのだ。
『まあ諦めな。これは完全に“詰み”だ』
「そ、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
母まりさの嘆きの声がこだまする。
あまあまなんてどこにもない。
野良ゆっくりにとってあままあとは、最早手の届かないものなのだ。
そのあまあまを求めた挙句、人間に殺されることなどザラ。
万が一入手しても、次に待ち受けるのは野良同士の醜い殺し合い。
つまり、母まりさは圧倒的に運が良かったのだ。そのあまあまをもらったのだから。
だが、それが無償ではないことまでは気付かなかった。それだけの事である。
『まああまあまでもあればどうにか生きていけるだろうな』
「ほ、ほんと!?ならにんげんさ」
『持ってないしお前らにやるつもりもこれっぽっちもない』
「ゆ、ゆう!?」
安直な考えだった。昨日はただ運が良かっただけ。
そもそも大声を出して人間に見つかったのに潰されない事ですら奇跡に近い。
そう、やはりこの母まりさは運だけはよかった。運だけは。
「………ゆうぅぅぅぅぅぅ!!」
母まりさは唸った後、近くに落ちていた小枝をおさげで器用に拾い上げた。
そして次の瞬間、
ブスリッ
「…ゆ、ゆぎぎぎぎぎぎ………」
…自らの体を刺した。
小枝のため、餡子はそこまで漏れていないようだ。
そしてそのまま、母まりさは弱った子まりさと子れいむの前まで移動し、笑みを浮かべた。
「さあおちびちゃん、あまあまさん、だよ…」
『…ほう』
ゆっくりの中身、大半の中身はまさにあまあまである。
だがゆっくりは普段それを口にしようとはしない。
ゆっくりにとって中身はまさに命の源であり、
それを外に出すということは命を危機に晒すことに直結する。
それ以外にも、味を知ってしまうことで他のゆっくりを襲うようになる場合もある。
中身を食べさせる、それはゆっくりが活動できる限りでの命を懸けた行動だ。
おたべなさいではこの後、子ゆっくりを育てるものがいなくなってしまう。
そういった意味でもこの行動は正しい判断だと言える。
「ゆ………あみゃ…あみゃ…」
「いいのじぇ…?あみゃあみゃたべちぇも……」
「ゆん!いいんだよおちびちゃん!おたべないさい!」
子れいむと子まりさは少しずつだが、
母まりさの餡子を口に含んだ。
「「むーしゃむーしゃ………ゆげぇぇぇぇぇ!?げろまじゅぅぅぅぅぅうううううう!!」」
「ゆ…え…?」
再び中身を出してしまった子ゆっくりを見て、何が起きたか分からない様子の母まりさ。
それを見た鬼威山は苦虫を潰したような表情を浮かべた。
確かに野良のゆっくりの餡子、それも大して苦痛を与えない餡子の甘さなどたかが知れている。
だが、それでもあそこまで拒絶反応を起こすのを見たことはない。
つまりあれは、相当の甘みを経験していたことになる。
あの一家はおにいさんにもらった、と言っていた。
そこまでの甘みを、一般的な人間が持ち合わせている必要があるのだろうか?
鬼威山はそのことをが引っかかっていた。
「…………どいよ」
再び餡子を吐き出し苦しみだす我が子を見つめながら、
母まりさは一言一言吐き出すように言った。
「こんなのって、あんまりだよ………ひどすぎるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
食事をとることもできないのでは、いつかは衰弱死してしまう。
こんな酷い仕打ち、あんまりだ!
怒りと憤りを込めた叫びは、むなしく反響するだけだった。
『…でもそれははっきり言って筋違いじゃないか』
「……ゆ?どういうこと……?」
苦しそうに呻く子ゆっくり達と母まりさを見下しながら鬼威山は静かに言った。
『お前達が困って助けを求めて、
それで助けてもらった結果こうなったとしても、
そのときは助かったんだろ?』
「……ゆ……そうだよ……」
…自らの体を刺した。
小枝のため、餡子はそこまで漏れていないようだ。
そしてそのまま、母まりさは弱った子まりさと子れいむの前まで移動し、笑みを浮かべた。
「さあおちびちゃん、あまあまさん、だよ…」
『…ほう』
ゆっくりの中身、大半の中身はまさにあまあまである。
だがゆっくりは普段それを口にしようとはしない。
ゆっくりにとって中身はまさに命の源であり、
それを外に出すということは命を危機に晒すことに直結する。
それ以外にも、味を知ってしまうことで他のゆっくりを襲うようになる場合もある。
中身を食べさせる、それはゆっくりが活動できる限りでの命を懸けた行動だ。
おたべなさいではこの後、子ゆっくりを育てるものがいなくなってしまう。
そういった意味でもこの行動は正しい判断だと言える。
「ゆ………あみゃ…あみゃ…」
「いいのじぇ…?あみゃあみゃたべちぇも……」
「ゆん!いいんだよおちびちゃん!おたべないさい!」
子れいむと子まりさは少しずつだが、
母まりさの餡子を口に含んだ。
「「むーしゃむーしゃ………ゆげぇぇぇぇぇ!?げろまじゅぅぅぅぅぅうううううう!!」」
「ゆ…え…?」
再び中身を出してしまった子ゆっくりを見て、何が起きたか分からない様子の母まりさ。
それを見た鬼威山は苦虫を潰したような表情を浮かべた。
確かに野良のゆっくりの餡子、それも大して苦痛を与えない餡子の甘さなどたかが知れている。
だが、それでもあそこまで拒絶反応を起こすのを見たことはない。
つまりあれは、相当の甘みを経験していたことになる。
あの一家はおにいさんにもらった、と言っていた。
そこまでの甘みを、一般的な人間が持ち合わせている必要があるのだろうか?
鬼威山はそのことをが引っかかっていた。
「…………どいよ」
再び餡子を吐き出し苦しみだす我が子を見つめながら、
母まりさは一言一言吐き出すように言った。
「こんなのって、あんまりだよ………ひどすぎるよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
食事をとることもできないのでは、いつかは衰弱死してしまう。
こんな酷い仕打ち、あんまりだ!
怒りと憤りを込めた叫びは、むなしく反響するだけだった。
『…でもそれははっきり言って筋違いじゃないか』
「……ゆ?どういうこと……?」
苦しそうに呻く子ゆっくり達と母まりさを見下しながら鬼威山は静かに言った。
『お前達が困って助けを求めて、
それで助けてもらった結果こうなったとしても、
そのときは助かったんだろ?』
「……ゆ……そうだよ……」
『助けてもらったのに、そんなことを平気で言うなんてな』
「ゆ!?な、なにいって」
『その生ごみ』
そういって母まりさの狩りの成果である生ごみを指す
『それ、人間のゴミ捨て場を漁って持ってきたんだろ?
助けてもらった人間達に迷惑をかけるとか、ゴミクズ以下だな』
「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
母まりさも知っているはずだ。
ゴミ捨て場は人間が利用するもので、ゆっくりが立ち入ればどうなるか。
当然、生ごみを取ったということはゴミ袋を破り、ゴミ捨て場を荒らしたということ。
それは人間に迷惑をかけたと言うことだ。
「だ、だっでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
しがだないでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?
のらがいぎでいくには、しがだないでじょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
野良生活を生き抜いてきた母まりさの気持ちを全て吐き出した叫びを聞いても、
鬼威山の表情は眉一つ変わらなかった。
『ふざけんなよ。野良なら草でも食ってればいいだろ。
わざわざ生ごみを漁るなんて、恩を仇でかえすようなことだよなぁホントに』
言葉のナイフが母まりさに突き刺さる。
『その生ごみ』
そういって母まりさの狩りの成果である生ごみを指す
『それ、人間のゴミ捨て場を漁って持ってきたんだろ?
助けてもらった人間達に迷惑をかけるとか、ゴミクズ以下だな』
「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
母まりさも知っているはずだ。
ゴミ捨て場は人間が利用するもので、ゆっくりが立ち入ればどうなるか。
当然、生ごみを取ったということはゴミ袋を破り、ゴミ捨て場を荒らしたということ。
それは人間に迷惑をかけたと言うことだ。
「だ、だっでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
しがだないでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?
のらがいぎでいくには、しがだないでじょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
野良生活を生き抜いてきた母まりさの気持ちを全て吐き出した叫びを聞いても、
鬼威山の表情は眉一つ変わらなかった。
『ふざけんなよ。野良なら草でも食ってればいいだろ。
わざわざ生ごみを漁るなんて、恩を仇でかえすようなことだよなぁホントに』
言葉のナイフが母まりさに突き刺さる。
分かっていた。ここが人間の使う場所だということも。
分かっていた。人間は本当は怖いものだということも。
番のれいむも、赤まりさも、みんな人間にころされたのだから。
「かわいいれいむにあまあまちょうだいね!すぐでいいよ!」
「しゃっしゃとよこしぇ!」
そういいながら人間に話しかけたれいむと赤まりさは、
つぎの瞬間には潰れていた。
それをただ物陰で怯えながら見ることしかできなかった。
そのことを覚えていたはずだったのに。
なのに、あの時、何で人間に助けを求めてしまったんだろう。
後悔、それも深く取り返しのつかない後悔。
「ゆ………ゆげぇ………」
「もっちょ………ゆっきゅり………」
子まりさは餡子を吐き続け、子れいむはそれだけ呟いて黒くなった。
「…お、おちびちゃ」
『あーあ、死んじまったな』
鬼威山は吐き捨てながら子れいむをまるでゴミのように蹴り飛ばす。
「………」
母まりさは声が出なかった。
あるのは、自分を責める気持ちだけ。
『でもまあよかったな。
昨日あまあまもらえなかったらこいつは昨日死んでいたんだ。
一日長く生きられたな』
鬼威山の言葉を聞いても、母まりさは反応を示さなかった。
『…もう反応無し、か』
短く舌打ちをすると、鬼威山はくるりと方向を変え、来た道を辿って行った。
『………誰か知らねえが、ずいぶんと惨いことしやがる』
…それだけ言い捨てて。
なのに、あの時、何で人間に助けを求めてしまったんだろう。
後悔、それも深く取り返しのつかない後悔。
「ゆ………ゆげぇ………」
「もっちょ………ゆっきゅり………」
子まりさは餡子を吐き続け、子れいむはそれだけ呟いて黒くなった。
「…お、おちびちゃ」
『あーあ、死んじまったな』
鬼威山は吐き捨てながら子れいむをまるでゴミのように蹴り飛ばす。
「………」
母まりさは声が出なかった。
あるのは、自分を責める気持ちだけ。
『でもまあよかったな。
昨日あまあまもらえなかったらこいつは昨日死んでいたんだ。
一日長く生きられたな』
鬼威山の言葉を聞いても、母まりさは反応を示さなかった。
『…もう反応無し、か』
短く舌打ちをすると、鬼威山はくるりと方向を変え、来た道を辿って行った。
『………誰か知らねえが、ずいぶんと惨いことしやがる』
…それだけ言い捨てて。
その日の午後、子まりさも死んだ。
最後の言葉は「もっとあまあまたべたかった」だった。
最後の言葉は「もっとあまあまたべたかった」だった。
それから母まりさはおかしくなった。
毎日奇声をあげながら壁やアスファルトの床に何度もぶつかった。
餡子まみれになりながら、何度も何度も。
その様子に、他の野良ゆっくりや飼いゆっくり、
人間までも気味悪がり誰も近づこうとはしなかった。
毎日奇声をあげながら壁やアスファルトの床に何度もぶつかった。
餡子まみれになりながら、何度も何度も。
その様子に、他の野良ゆっくりや飼いゆっくり、
人間までも気味悪がり誰も近づこうとはしなかった。
数日後、路地の隅には
小さな餡子のシミが二つと腐った饅頭が一つ、
そして小さなお飾りと穴だらけの大きな帽子だけが、風に揺られていた。
小さな餡子のシミが二つと腐った饅頭が一つ、
そして小さなお飾りと穴だらけの大きな帽子だけが、風に揺られていた。
あとがき
のらにたべものをあたえてはいけないってことだね!
鬼威山ェ
たまには間接的なゆ虐もいいよね
表現に迷うけど。
たまには間接的なゆ虐もいいよね
表現に迷うけど。