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anko1715 『生命の限界』~ゆっくりの現状と改造~ 後編
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ankoss
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・初投稿にしていきなりの続編。
・『生命の限界』~ゆっくりの現状と改造~ 前編の後編になります。
・案の定グダグダの予感ですが、駄文に付き合える寛大な方は最後までお付き合い下さい。台詞少なめ。
『生命の限界』~ゆっくりの現状と改造~ 後編
3.
それらは蠢いていた。ほんの先刻まで仲間に囲まれ、生活の一切を親が面倒を見てくれ、何不自由のない生活を送っていた赤まりちゃ達。それが今はどうであろうか。命の次に大事な帽子を取られ、さらさらとした美しい金色の髪の毛は残らずむしり取られ、もちもちの柔肌は今は昔、体の表面は真っ黒の餡が直接露出した2個の白い球体を備えた“かつてまりちゃだった何か”に変わり果てた。
「ゆぎぇぇぇぇっ!いじゃいいいいい!!いじゃいよぉぉぉぉ!!!」
「じにゅっ!まりちゃじんじゃうぅぅぅっ!!」
「たじゅげちぇねっ!きゃわいいきゃわいいまりちゃちゃまをたじゅげろぉぉ、いゃ、たじゅげちぇねぇぇえぇ!」
「ゆぺっ!ゆぺらぎゅっちょちんぎゅりゃぴょっ!!みゃんみゃんぺにゅぺにゅーーー!」
・・・しばらくその地獄絵図を静観していたが、なかなか粘るな。元気のいい証拠だ。叫んで暴れれば暴れるほどその表皮がなくなった体を少しずつ削り、状況は悪化する一方なのだが。まあ、そう悠長な事言っても人間だって耐えられないような痛みだ。痛みに対する耐性の弱いゆっくり、しかも赤ゆだからこの悶絶具合は自分の身になって想像したくもない。
このままでは暴れまわって餡子をまき散らして絶命しそうなので、濃縮還元オレンジジュースの原液をぶっかける。粘性の高い濃縮液の効果は抜群だ。一時的に激痛も和らいだのか、赤まりちゃ達は淀んだうめき声をあげながらも、生の渇望や育ての親への怨嗟を投げかけていた。
さて、そろそろ餌に混ぜた薬の効果が出始める頃だ。そうなる前に手際よく作業を勧める。あらかじめ用意しておいたビン(蓋が閉まるものの底に直径数ミリの穴を開けたもの)に赤まりちゃ達を入れていく。
「いちゃぁぁ、たしゅ・・・おしょらをちょんでりゅみちゃいーーー!」
「ゆうう、まりちゃおちょらをとんじぇっ!」
「いちゃいのじぇぇぇ!ぐぞジジィ!まりちゃちゃまをたじゅけおしょらをっ!!」
「ゆぎゅぴょおおぉぉ!まぴぃちゃおしょらをキラッ☆ミ」
なんかイレギュラーな反応をするゆっくりもいるがキニシナイ、ノープロブレムだ。長年ゆ虐すれば、幻聴の一つや二つもあるさ。
赤まりちゃ6匹全てをビンの中に入れると、ほどなくビンの中身は黒餡白玉漬けの様相を呈するに至った。下の赤まりちゃ、虐待を始めるや否や途端に性格が反転しただじぇまりちゃは、上の重みに耐えかねて半分以下のサイズにまで圧縮されている。ついで頭のネジが飛んだラリまりちゃはその上、命乞いをしてきたまりちゃ、比較的行儀のいい良い子まりちゃ、特に問題のないテンプレ通りの反応をしたまりちゃ2匹と続く。
オレンジジュースの効能とゆっくり本来の回復力を以てしてか、痛い痛いと喚きながらも、未成体の主張を再開し始めていた。
かくして、容積一杯にすし詰め状態にされた赤まりちゃ達は脱出を図ることも、身動きをとることもままならない状況であったが、中枢餡を強化されてジュースも加わったので、生命活動に支障がない程度までたちまちの内に回復した。
さて、今日の仕込みは終わったから、そろそろ寝ようかな。明日も仕事だし。
そんな独り言を呟きながら俺は部屋を後にした。
ーーー翌日ーーー
出勤前に経過を観察した。まだ薬の効果は初期の段階のようで、効果は今ひとつ。うむ、計算通りだ。濃度の調整は適切。
俺は短い筒状の台座に赤まりちゃの入った瓶をセットし、プラスチック製の蓋に開けたごく小さな穴に注射針を差してオレンジジュースの点滴投与をセッテティングした。これで半自動給餌器の完成だ。計算上は1週間は大丈夫なはずだ。
まだ各々原型を留めてはいるものの、愛で派が見れば卒倒間違いない光景を尻目に颯爽と自宅を後にした。
ーーー1週間後ーーー
「ただいまー」
・・・・・・。
返ってくるはずのない挨拶をする俺。俺は一人暮らしだから当然と言えば当然である。歳は世間一般でいう適齢期というやつであったが、俺は自分の意思であえて結婚することも恋人を作ることもしないでいる。「わーぷわ」とか「つけめん」などといったフレーズとはフレーズとは無縁のハズだ。そうだ、そうに違いない。
おっといけない。泊り込みで仕事にかかりきりだったせいだろうか、最近独り言が増えたな。。。
さて、ここは郊外にある寂れた住宅街の外れの借家。ここが俺の家だ。俺の算段では数年以内にまいすいーとはにーと一緒に暮ら(ry
いかんいかん、実験に集中しよう。
地下室のドアを開ける。そこにはちょうどいい案配でオレンジジュースの点滴が最後の数滴を残しており、加工され仕込みの終わった赤まりちゃ達の成れの果てがそこにあった
「よお、お前たちゆっくりできたか?」
まあ・・・なんだ。ホラーとかグロテスク耐性の無い人間なら吐き気をもよおす気持ち悪さだ。
瓶の中は当初黒団子の集合体だったのもが、コーラのように均一な一つの物体と化している。
中では白い球体、そうかつて赤まりちゃの目玉だったものが、無数に蠢いていた。
俺が行った処理はこうだ。
まず生後直ぐは質素かつ良質な食事を与えて基礎免疫力を養い、中枢餡の加工も併せることで食用ゆっくり特有の脆さ(俺は”ぽっくり症候群”と勝手に名付けている)を補強する。
そして、本来加工所で用いられる食ゆ加工用の薬品、餡子軟化剤を混ぜた餌を与え黒団子~今に至る。
強化された中枢餡以外を除く餡がすし詰め状態の瓶の中で軟化し、互いの境界が薄れていく。
下に開けた穴は排泄物を処理させるために開けたものだ。意識して出そうとしなければ出ようのない程度の穴であったため、そこから餡を流出させて死に至ることはなかった。確立された意識と混濁した体をどう制御するのかは半分賭けであったが、さすがはデタラメ饅頭生物もどきゆっくり、俺の意図した通りその穴は排泄物を出すための穴として活用してくれたようだ。
中枢餡と目玉以外のほとんど全ての器官を融解され、個々の体の境界が極限にまで曖昧になった時、この赤まりちゃ達は果たして生きていると呼べるのか、はたまた通常のゆっくりとは逸脱した成長・進化の過程を辿るのか。
それこそが今回の実験の目的であった。
「ほうら、お前たち、いやお前か?まあどうでもいいけど飯だぞー」
そういって俺は瓶の蓋を開ける。各所に分散してた目玉の内5つ程が一斉に上面に移動する。
ひっ・・・。こりゃかなりのホラーだ。1週間前は半分以上瓶に余裕があったのだが、今では8割くらいにまで体積が増えている。
そして、時折泡のようにコポコポと表面が蠢いて気泡を破裂させている。
「ゆごぼぉっ!ゆげぼぼろろろおおぼごぉ!!」
どうやら喋っているらしい。しかし、もはや6匹の独立した意識を判別することすら困難な形容だ。
ゆっくりの凄惨な姿や断末魔を幾度となく見てきた俺にとっても、この気持ち悪さは初めてのものだった。
しかし、ここで実験を止めるわけにはいかない。
早速事前に用意しておいた次の道具を取り出す。型である。今入れられている瓶より二回りほど大きな、透明な可愛らしい豚の形をしたガラス瓶だ。豚の鼻の部分が口になっており、鼻の穴がプリントされたコルク栓がそこにはまる。
それを真ん中から縦に切断して、切断面をテープで養生、お尻の部分を例によって数ミリの穴を開ける。
「ほれ、入れ入れ」
俺は瓶の蓋を完全に開放して、豚の瓶に”それ”を投入した。
「「「ゆぎぅごぼぼぼぼっ!ぎゃぺtlkじょわいえふぃ!!」」」
ゴボンゴボンと泡が激しく破裂するが無視。さすがの俺ももはや直接触りたくない。
コルク栓に注射針を差して、濃縮還元オレンジジュースを多めに注入し、また放置。動く余地がないので、エネルギー効率は高いはずだ。万一の備え”それ”をケースに降ろすと、俺は部屋を後にした。
ーーー2週間後ーーー
その後の赤まりちゃ”だったもの”の生活は数日おきに俺がやってきて、注射を定期的に注入するだけの短調極まりないものだった。先述のとおり俺は虐待そのものに飽きかけていたので、接触は最低限で良かった。手をかけて加工中とはいえ、所詮は単価50円ほどの格安食用ゆっくりなのだ。実験動物を扱う人間の気持ちというのはこういう感じなのであろうか。
かくして、瓶に全身がぴっちり密着するまで、成長したそれは10個ほどの目玉をぎょろぎょろ動かしながらそこに鎮座していた。
本当は混沌とした感情が激しく渦巻いているのだろうが、そんなことは関係ない、華麗にスルーっと。
俺は注射針の挿入口から注意深く針を瓶の中心近くまで進めた。
「「「!!!ゆがぎぎょうじょいえあjりlkじゃ;いfjd!!!」」」
何か言いたいんだねー、わかるよー。でもすぐ終わるからねー。
注入したのは加工所製のゆっくり強心剤と睡眠薬のブレンド、食ゆ加工中にショック死しないように適時使われる薬品だ。
そして、ボウルに溶かした小麦粉にそおいっ!一気に中身を投下。
「「「ぼぎゃるぺすじょいいぇfじぇわfっhがっっっ!!!」」」
グネグネと白い小麦粉の液体の中を蠢く未知の多眼物体。気持ち悪い・・・。動画共有サイトに投稿しようものなら即削除されそうなそれを俺は手早く大きめの網杓子で掬い、引き伸ばした小麦粉の生地の上にだらっしゃああぁっ!!!
上から同様に生地を被せ余分な生地を調理バサミで切り落とす。もちろん厚手のゴム手袋は必須だ。
作業が完了した頃には薬品の効果が出たのか、赤まりちゃの群体は動かなくなった。今のうちに満遍なくオレンジジュースをスプレーして、ケースの前にモニターをセットして部屋を後にする。これで今回の実験も8割がた完了だ。後はこいつらの生命力が頼りだ。ま、せいぜい頑張れー(棒読み)
赤まりちゃ達は照明のほとんど落とされた部屋で目を覚ました。悪夢が始まってから一度も変わらぬ光景だった。そのうちの1匹は激しい状況の変化と苦痛によって、この段階の到達するまで既に生き絶えていた。その大部分は不要物ーーうんうんとして排出され残りは吸収される形となった。
「「「ゆ”っ」」」
しかし、今回は状況が違った。全身に違和感を感じる。混沌とした意識、久しく感じたことのなかった開放感、その全てが快感であり苦痛であり、不安の種だった。しかし、死ぬための条件を全て摘み取られ死ぬに死ねない状況では、本能に従い生きるために醜く蠢くことしか赤まりちゃ群体には選択肢はなかった。そして、それは目にすることになる。鏡に映るその映像を。
「「「fじおえわふぉいh”‘§″!!!!!!!」」」
今度こそ断末魔と呼ぶにふさわしい叫びだった。俺は監視カメラを通してその様子を観察していた。
どうやら自分たちがどういう状況に置かれたのかを認識したらしい。おお、あわれあわれ。
そしてモニタに映る映像を見てまた絶叫していた。それは養豚場で飼われる豚の映像。それが現実を容赦なく赤ゆ達に突きつける。
瓶にあった足状の突起により形成された足もどきをばたつかせながら必死にもがいている。
まあ、これ以上下手に体力を消耗されて発狂して死んでもらっては困る。俺は注射器に2週間前投与したものと同じ薬品を装填すべく、仕事で疲れた体を持ち上げた。
それから数カ月が過ぎた。その間の経過観察で分かったことだが、この群体はうんうんや餌の時など共通の目的のためには意識をほぼ同化して活動していること、目やその他器官は必要最低限まで数を減らすか縮小し、各器官を共有するようになったこと、言語の回復とともに奇妙な発音をするようになったこと等が分かってきた。本来は生命の限界まで過酷な改造を施し、いずれ死ぬその時まで苦痛を味あわせて死に至らしめるつもりだったが、この群体はどうやら適応してしまったらしい。
ゆっくりは都合のいいイメージや概念を吹き込むと(今回は否応なしにだが)場合によってはその容姿すら変容させてしまうこともあるという。今回はその極端なケースを実験してみたというわけだ。
俺は今日も地下室のドアを開ける。日課となった餌付けと簡単な巣箱の掃除のためだ。今の俺には何の感慨もない。結局作りたかったのは”ゆっくりの限界を超えた何か”だったはずだが、その後の虐待実験を重ねても、耐久性など根本的な所はゆっくり以外の何者でもなかったからだ。処分場に持っていこうにももはや手に余る代物、うかつに外に運び出せない。しかも、手間をかけて作り上げた努力の結晶だ。簡単にスクラップにして生ごみに出すのもはばかられる。
「はあ、どうしたもんかな」
俺は気怠い感情を抑えながら”それ”の前に立った。”それ”はゆっくりよろしく全ての不幸の張本人にこう挨拶した。
「「「ゆ?ゆぎゅりしじぇいっっでねぶひぃっ!!!!!!!」」」
『生命の限界』~ゆっくりの現状と改造~ 後編
完
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
はじめまして。たくさんのSSを楽しく読ませてもらってましたが、この度初投稿させてもらいました。
ゆっくりが現実世界に現れた場合の自分なりの考察と、ゆっくりの改造の限界に挑戦した”俺”の鬼意山の倦怠期っぷりを表現したつもりです。所詮はゆっくり、主人公の心象を表現するための道具でしかないというスタンスです。
終盤からグダグダですみません。ゆっくりがゆっくりいじめが好きな方が一人でもすっきりー!して頂けたら幸いです。
・『生命の限界』~ゆっくりの現状と改造~ 前編の後編になります。
・案の定グダグダの予感ですが、駄文に付き合える寛大な方は最後までお付き合い下さい。台詞少なめ。
『生命の限界』~ゆっくりの現状と改造~ 後編
3.
それらは蠢いていた。ほんの先刻まで仲間に囲まれ、生活の一切を親が面倒を見てくれ、何不自由のない生活を送っていた赤まりちゃ達。それが今はどうであろうか。命の次に大事な帽子を取られ、さらさらとした美しい金色の髪の毛は残らずむしり取られ、もちもちの柔肌は今は昔、体の表面は真っ黒の餡が直接露出した2個の白い球体を備えた“かつてまりちゃだった何か”に変わり果てた。
「ゆぎぇぇぇぇっ!いじゃいいいいい!!いじゃいよぉぉぉぉ!!!」
「じにゅっ!まりちゃじんじゃうぅぅぅっ!!」
「たじゅげちぇねっ!きゃわいいきゃわいいまりちゃちゃまをたじゅげろぉぉ、いゃ、たじゅげちぇねぇぇえぇ!」
「ゆぺっ!ゆぺらぎゅっちょちんぎゅりゃぴょっ!!みゃんみゃんぺにゅぺにゅーーー!」
・・・しばらくその地獄絵図を静観していたが、なかなか粘るな。元気のいい証拠だ。叫んで暴れれば暴れるほどその表皮がなくなった体を少しずつ削り、状況は悪化する一方なのだが。まあ、そう悠長な事言っても人間だって耐えられないような痛みだ。痛みに対する耐性の弱いゆっくり、しかも赤ゆだからこの悶絶具合は自分の身になって想像したくもない。
このままでは暴れまわって餡子をまき散らして絶命しそうなので、濃縮還元オレンジジュースの原液をぶっかける。粘性の高い濃縮液の効果は抜群だ。一時的に激痛も和らいだのか、赤まりちゃ達は淀んだうめき声をあげながらも、生の渇望や育ての親への怨嗟を投げかけていた。
さて、そろそろ餌に混ぜた薬の効果が出始める頃だ。そうなる前に手際よく作業を勧める。あらかじめ用意しておいたビン(蓋が閉まるものの底に直径数ミリの穴を開けたもの)に赤まりちゃ達を入れていく。
「いちゃぁぁ、たしゅ・・・おしょらをちょんでりゅみちゃいーーー!」
「ゆうう、まりちゃおちょらをとんじぇっ!」
「いちゃいのじぇぇぇ!ぐぞジジィ!まりちゃちゃまをたじゅけおしょらをっ!!」
「ゆぎゅぴょおおぉぉ!まぴぃちゃおしょらをキラッ☆ミ」
なんかイレギュラーな反応をするゆっくりもいるがキニシナイ、ノープロブレムだ。長年ゆ虐すれば、幻聴の一つや二つもあるさ。
赤まりちゃ6匹全てをビンの中に入れると、ほどなくビンの中身は黒餡白玉漬けの様相を呈するに至った。下の赤まりちゃ、虐待を始めるや否や途端に性格が反転しただじぇまりちゃは、上の重みに耐えかねて半分以下のサイズにまで圧縮されている。ついで頭のネジが飛んだラリまりちゃはその上、命乞いをしてきたまりちゃ、比較的行儀のいい良い子まりちゃ、特に問題のないテンプレ通りの反応をしたまりちゃ2匹と続く。
オレンジジュースの効能とゆっくり本来の回復力を以てしてか、痛い痛いと喚きながらも、未成体の主張を再開し始めていた。
かくして、容積一杯にすし詰め状態にされた赤まりちゃ達は脱出を図ることも、身動きをとることもままならない状況であったが、中枢餡を強化されてジュースも加わったので、生命活動に支障がない程度までたちまちの内に回復した。
さて、今日の仕込みは終わったから、そろそろ寝ようかな。明日も仕事だし。
そんな独り言を呟きながら俺は部屋を後にした。
ーーー翌日ーーー
出勤前に経過を観察した。まだ薬の効果は初期の段階のようで、効果は今ひとつ。うむ、計算通りだ。濃度の調整は適切。
俺は短い筒状の台座に赤まりちゃの入った瓶をセットし、プラスチック製の蓋に開けたごく小さな穴に注射針を差してオレンジジュースの点滴投与をセッテティングした。これで半自動給餌器の完成だ。計算上は1週間は大丈夫なはずだ。
まだ各々原型を留めてはいるものの、愛で派が見れば卒倒間違いない光景を尻目に颯爽と自宅を後にした。
ーーー1週間後ーーー
「ただいまー」
・・・・・・。
返ってくるはずのない挨拶をする俺。俺は一人暮らしだから当然と言えば当然である。歳は世間一般でいう適齢期というやつであったが、俺は自分の意思であえて結婚することも恋人を作ることもしないでいる。「わーぷわ」とか「つけめん」などといったフレーズとはフレーズとは無縁のハズだ。そうだ、そうに違いない。
おっといけない。泊り込みで仕事にかかりきりだったせいだろうか、最近独り言が増えたな。。。
さて、ここは郊外にある寂れた住宅街の外れの借家。ここが俺の家だ。俺の算段では数年以内にまいすいーとはにーと一緒に暮ら(ry
いかんいかん、実験に集中しよう。
地下室のドアを開ける。そこにはちょうどいい案配でオレンジジュースの点滴が最後の数滴を残しており、加工され仕込みの終わった赤まりちゃ達の成れの果てがそこにあった
「よお、お前たちゆっくりできたか?」
まあ・・・なんだ。ホラーとかグロテスク耐性の無い人間なら吐き気をもよおす気持ち悪さだ。
瓶の中は当初黒団子の集合体だったのもが、コーラのように均一な一つの物体と化している。
中では白い球体、そうかつて赤まりちゃの目玉だったものが、無数に蠢いていた。
俺が行った処理はこうだ。
まず生後直ぐは質素かつ良質な食事を与えて基礎免疫力を養い、中枢餡の加工も併せることで食用ゆっくり特有の脆さ(俺は”ぽっくり症候群”と勝手に名付けている)を補強する。
そして、本来加工所で用いられる食ゆ加工用の薬品、餡子軟化剤を混ぜた餌を与え黒団子~今に至る。
強化された中枢餡以外を除く餡がすし詰め状態の瓶の中で軟化し、互いの境界が薄れていく。
下に開けた穴は排泄物を処理させるために開けたものだ。意識して出そうとしなければ出ようのない程度の穴であったため、そこから餡を流出させて死に至ることはなかった。確立された意識と混濁した体をどう制御するのかは半分賭けであったが、さすがはデタラメ饅頭生物もどきゆっくり、俺の意図した通りその穴は排泄物を出すための穴として活用してくれたようだ。
中枢餡と目玉以外のほとんど全ての器官を融解され、個々の体の境界が極限にまで曖昧になった時、この赤まりちゃ達は果たして生きていると呼べるのか、はたまた通常のゆっくりとは逸脱した成長・進化の過程を辿るのか。
それこそが今回の実験の目的であった。
「ほうら、お前たち、いやお前か?まあどうでもいいけど飯だぞー」
そういって俺は瓶の蓋を開ける。各所に分散してた目玉の内5つ程が一斉に上面に移動する。
ひっ・・・。こりゃかなりのホラーだ。1週間前は半分以上瓶に余裕があったのだが、今では8割くらいにまで体積が増えている。
そして、時折泡のようにコポコポと表面が蠢いて気泡を破裂させている。
「ゆごぼぉっ!ゆげぼぼろろろおおぼごぉ!!」
どうやら喋っているらしい。しかし、もはや6匹の独立した意識を判別することすら困難な形容だ。
ゆっくりの凄惨な姿や断末魔を幾度となく見てきた俺にとっても、この気持ち悪さは初めてのものだった。
しかし、ここで実験を止めるわけにはいかない。
早速事前に用意しておいた次の道具を取り出す。型である。今入れられている瓶より二回りほど大きな、透明な可愛らしい豚の形をしたガラス瓶だ。豚の鼻の部分が口になっており、鼻の穴がプリントされたコルク栓がそこにはまる。
それを真ん中から縦に切断して、切断面をテープで養生、お尻の部分を例によって数ミリの穴を開ける。
「ほれ、入れ入れ」
俺は瓶の蓋を完全に開放して、豚の瓶に”それ”を投入した。
「「「ゆぎぅごぼぼぼぼっ!ぎゃぺtlkじょわいえふぃ!!」」」
ゴボンゴボンと泡が激しく破裂するが無視。さすがの俺ももはや直接触りたくない。
コルク栓に注射針を差して、濃縮還元オレンジジュースを多めに注入し、また放置。動く余地がないので、エネルギー効率は高いはずだ。万一の備え”それ”をケースに降ろすと、俺は部屋を後にした。
ーーー2週間後ーーー
その後の赤まりちゃ”だったもの”の生活は数日おきに俺がやってきて、注射を定期的に注入するだけの短調極まりないものだった。先述のとおり俺は虐待そのものに飽きかけていたので、接触は最低限で良かった。手をかけて加工中とはいえ、所詮は単価50円ほどの格安食用ゆっくりなのだ。実験動物を扱う人間の気持ちというのはこういう感じなのであろうか。
かくして、瓶に全身がぴっちり密着するまで、成長したそれは10個ほどの目玉をぎょろぎょろ動かしながらそこに鎮座していた。
本当は混沌とした感情が激しく渦巻いているのだろうが、そんなことは関係ない、華麗にスルーっと。
俺は注射針の挿入口から注意深く針を瓶の中心近くまで進めた。
「「「!!!ゆがぎぎょうじょいえあjりlkじゃ;いfjd!!!」」」
何か言いたいんだねー、わかるよー。でもすぐ終わるからねー。
注入したのは加工所製のゆっくり強心剤と睡眠薬のブレンド、食ゆ加工中にショック死しないように適時使われる薬品だ。
そして、ボウルに溶かした小麦粉にそおいっ!一気に中身を投下。
「「「ぼぎゃるぺすじょいいぇfじぇわfっhがっっっ!!!」」」
グネグネと白い小麦粉の液体の中を蠢く未知の多眼物体。気持ち悪い・・・。動画共有サイトに投稿しようものなら即削除されそうなそれを俺は手早く大きめの網杓子で掬い、引き伸ばした小麦粉の生地の上にだらっしゃああぁっ!!!
上から同様に生地を被せ余分な生地を調理バサミで切り落とす。もちろん厚手のゴム手袋は必須だ。
作業が完了した頃には薬品の効果が出たのか、赤まりちゃの群体は動かなくなった。今のうちに満遍なくオレンジジュースをスプレーして、ケースの前にモニターをセットして部屋を後にする。これで今回の実験も8割がた完了だ。後はこいつらの生命力が頼りだ。ま、せいぜい頑張れー(棒読み)
赤まりちゃ達は照明のほとんど落とされた部屋で目を覚ました。悪夢が始まってから一度も変わらぬ光景だった。そのうちの1匹は激しい状況の変化と苦痛によって、この段階の到達するまで既に生き絶えていた。その大部分は不要物ーーうんうんとして排出され残りは吸収される形となった。
「「「ゆ”っ」」」
しかし、今回は状況が違った。全身に違和感を感じる。混沌とした意識、久しく感じたことのなかった開放感、その全てが快感であり苦痛であり、不安の種だった。しかし、死ぬための条件を全て摘み取られ死ぬに死ねない状況では、本能に従い生きるために醜く蠢くことしか赤まりちゃ群体には選択肢はなかった。そして、それは目にすることになる。鏡に映るその映像を。
「「「fじおえわふぉいh”‘§″!!!!!!!」」」
今度こそ断末魔と呼ぶにふさわしい叫びだった。俺は監視カメラを通してその様子を観察していた。
どうやら自分たちがどういう状況に置かれたのかを認識したらしい。おお、あわれあわれ。
そしてモニタに映る映像を見てまた絶叫していた。それは養豚場で飼われる豚の映像。それが現実を容赦なく赤ゆ達に突きつける。
瓶にあった足状の突起により形成された足もどきをばたつかせながら必死にもがいている。
まあ、これ以上下手に体力を消耗されて発狂して死んでもらっては困る。俺は注射器に2週間前投与したものと同じ薬品を装填すべく、仕事で疲れた体を持ち上げた。
それから数カ月が過ぎた。その間の経過観察で分かったことだが、この群体はうんうんや餌の時など共通の目的のためには意識をほぼ同化して活動していること、目やその他器官は必要最低限まで数を減らすか縮小し、各器官を共有するようになったこと、言語の回復とともに奇妙な発音をするようになったこと等が分かってきた。本来は生命の限界まで過酷な改造を施し、いずれ死ぬその時まで苦痛を味あわせて死に至らしめるつもりだったが、この群体はどうやら適応してしまったらしい。
ゆっくりは都合のいいイメージや概念を吹き込むと(今回は否応なしにだが)場合によってはその容姿すら変容させてしまうこともあるという。今回はその極端なケースを実験してみたというわけだ。
俺は今日も地下室のドアを開ける。日課となった餌付けと簡単な巣箱の掃除のためだ。今の俺には何の感慨もない。結局作りたかったのは”ゆっくりの限界を超えた何か”だったはずだが、その後の虐待実験を重ねても、耐久性など根本的な所はゆっくり以外の何者でもなかったからだ。処分場に持っていこうにももはや手に余る代物、うかつに外に運び出せない。しかも、手間をかけて作り上げた努力の結晶だ。簡単にスクラップにして生ごみに出すのもはばかられる。
「はあ、どうしたもんかな」
俺は気怠い感情を抑えながら”それ”の前に立った。”それ”はゆっくりよろしく全ての不幸の張本人にこう挨拶した。
「「「ゆ?ゆぎゅりしじぇいっっでねぶひぃっ!!!!!!!」」」
『生命の限界』~ゆっくりの現状と改造~ 後編
完
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はじめまして。たくさんのSSを楽しく読ませてもらってましたが、この度初投稿させてもらいました。
ゆっくりが現実世界に現れた場合の自分なりの考察と、ゆっくりの改造の限界に挑戦した”俺”の鬼意山の倦怠期っぷりを表現したつもりです。所詮はゆっくり、主人公の心象を表現するための道具でしかないというスタンスです。
終盤からグダグダですみません。ゆっくりがゆっくりいじめが好きな方が一人でもすっきりー!して頂けたら幸いです。