ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1248 天井に近い所
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ankoss
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男は少し前に飼いゆっくりを亡くした。
今回死んだのは、やんちゃなれいむだった。とても良い子だった。
今回死んだのは、やんちゃなれいむだった。とても良い子だった。
久しぶりに家にゆっくりがいない状態になったが、しばらく休日に予定が入り忙しくなった。
しかし、久しぶりに予定の無い休日。
しかし、久しぶりに予定の無い休日。
男はそこでれいむの事を思い出したのだ。
特に趣味のない男はゆっくりにつきっきりで休日を終えることが多かった。
襲いかかる虚無感。
男は溜息をついて、ゆっくりの相手をするのが趣味なのだなと、あらためて納得した。
一人暮らしのアパートの部屋をあらためて見る。
れいむの使っていた道具がいくつも転がっている。
男の物は、ほとんど無い。
がらんどうだ。物が多くても使っていたゆっくりはもういない。
空虚な空気に男は悲しくなった。
この間までここで遊んでいたれいむは本当に良い子だった。
特に趣味のない男はゆっくりにつきっきりで休日を終えることが多かった。
襲いかかる虚無感。
男は溜息をついて、ゆっくりの相手をするのが趣味なのだなと、あらためて納得した。
一人暮らしのアパートの部屋をあらためて見る。
れいむの使っていた道具がいくつも転がっている。
男の物は、ほとんど無い。
がらんどうだ。物が多くても使っていたゆっくりはもういない。
空虚な空気に男は悲しくなった。
この間までここで遊んでいたれいむは本当に良い子だった。
「ゆっくりショップに、いってみるか」
自分に言い聞かせるように言って、男は部屋を出る。
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男は駅前の馴染みのショップに入り、ケージのあるエリアへ行く。
ゆっくり自体がいるケージのエリアには、男は行った事がなかった。
男の飼っていたゆっくりは、ほとんどが家に迷い込んできたものや外で拾ったものだ。
ショップには飼い始めてから、ゆっくりの為の物を買いに来るだけだった。
ゆっくり自体がいるケージのエリアには、男は行った事がなかった。
男の飼っていたゆっくりは、ほとんどが家に迷い込んできたものや外で拾ったものだ。
ショップには飼い始めてから、ゆっくりの為の物を買いに来るだけだった。
「ずいぶんいるな。想像以上だ」
言葉通りその数に圧倒されてつい独り言をもらす。
値段はそれこそ幅広い様だが今いるところは高額なエリアのようだ。
一番上の空のケージに貼ってある「売り切れました」の貼り紙の下の値段を見て驚愕する。
れいむ種、躾済。
よほどの個体だったのか強気にも程がある値段が書いてあった。しかし売れている。
男はあんな物を買うのはどんな金持ちかと唸る。どこぞのお嬢様のおねだりだろうか。
流行っている内はステータスで買う人もいるものだ。
自分の月給と書いてある値段を比べて溜息をついた。
値段はそれこそ幅広い様だが今いるところは高額なエリアのようだ。
一番上の空のケージに貼ってある「売り切れました」の貼り紙の下の値段を見て驚愕する。
れいむ種、躾済。
よほどの個体だったのか強気にも程がある値段が書いてあった。しかし売れている。
男はあんな物を買うのはどんな金持ちかと唸る。どこぞのお嬢様のおねだりだろうか。
流行っている内はステータスで買う人もいるものだ。
自分の月給と書いてある値段を比べて溜息をついた。
少し疲れた男は真逆の一番安いエリアへ移動する。
まとめて大きいケージに放り込まれて投げ売りされている奴らは論外なので、個別ケージの一番安い所へ。
まとめて大きいケージに放り込まれて投げ売りされている奴らは論外なので、個別ケージの一番安い所へ。
男はしばらく眺める。
値段は問題ないが、やはりあのれいむの事が忘れられない。
やはり買うのはやめようかと男が踵を返そうとした時、目についた値札があった。
何度も上書きされた値札。
中を見ると静かに眠るちぇん種がいた。
周りにいる元気そうに跳ねているちぇん種に比べるとずいぶん安い。
札を見てみると、あまり賢くない個体の様だ。
素直で元気だが知能の発達が宜しくなく、語彙に乏しくて会話は余り楽しめない、との事。
やはり話せる事が一番の売りなのだろう。それだけでずいぶんな値下げだ。
値段は問題ないが、やはりあのれいむの事が忘れられない。
やはり買うのはやめようかと男が踵を返そうとした時、目についた値札があった。
何度も上書きされた値札。
中を見ると静かに眠るちぇん種がいた。
周りにいる元気そうに跳ねているちぇん種に比べるとずいぶん安い。
札を見てみると、あまり賢くない個体の様だ。
素直で元気だが知能の発達が宜しくなく、語彙に乏しくて会話は余り楽しめない、との事。
やはり話せる事が一番の売りなのだろう。それだけでずいぶんな値下げだ。
男はちぇんは飼ったことが無いなと、店員に幾つかこのちぇんの事を質問する。
回答は得られ、問題ないと判断した男は早速購入した。
新しい生活が始まった。
回答は得られ、問題ないと判断した男は早速購入した。
新しい生活が始まった。
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まずは家に馴染ませて信頼を得る事から始める。
れいむが使っていた道具を全て片付けて、掃除をして場所を空けた。
れいむが使っていた道具を全て片付けて、掃除をして場所を空けた。
しばらく一緒に過ごしたが、猫っぽい外見に違わず端々で実家で飼っていた猫を思い出す行動をしていた。
だが素直で行動に気紛れさが少なく、
基本的に猫ではなく、ゆっくりはゆっくりなのだな、と、当たり前のことに男は納得した。
何故かどんくさくて、よく物にぶつかるちぇん。
その辺は猫には程遠い。ちぇん種は敏捷いと言うイメージがあったが、このちぇんが特殊だからだろうか。
だが素直で行動に気紛れさが少なく、
基本的に猫ではなく、ゆっくりはゆっくりなのだな、と、当たり前のことに男は納得した。
何故かどんくさくて、よく物にぶつかるちぇん。
その辺は猫には程遠い。ちぇん種は敏捷いと言うイメージがあったが、このちぇんが特殊だからだろうか。
「わかるよー」
口癖にも慣れた。しかし大体わかってないことが多い。
このちぇんに関しては特に、相槌程度に思っておいた方が良さそうだ。
後は会話の前後で理解度を確かめるしか無い。
このちぇんに関しては特に、相槌程度に思っておいた方が良さそうだ。
後は会話の前後で理解度を確かめるしか無い。
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次の休日。
未だ悠々と過ごすちぇん。男は椅子に座って部屋をうろうろするちぇんを眺めている。
猫っぽい行動。
男は時々ちぇんが、天井の方や壁をじっと見ていることに気づいた。
再び実家にいた猫を思い出す。
よく見えないものがいて猫はそれを見ている、なんて話がある。
ふと、男はちぇんなら聞けばわかるのではと思いつき、訊ねる。
未だ悠々と過ごすちぇん。男は椅子に座って部屋をうろうろするちぇんを眺めている。
猫っぽい行動。
男は時々ちぇんが、天井の方や壁をじっと見ていることに気づいた。
再び実家にいた猫を思い出す。
よく見えないものがいて猫はそれを見ている、なんて話がある。
ふと、男はちぇんなら聞けばわかるのではと思いつき、訊ねる。
「ちぇん、何を見てるんだ?」
ちぇんは上を見たまま答えた。
「なにかいるよー」
寒気がした。
思いつきでした事に軽く後悔する。
まさかとは思うが古い噂の様に、霊的な何かがいるのだろうか。
壁には何も、と、思ったがちぇんが見ている所にはヒロインが大写しになった映画のポスターが貼ってある。
視線が定かではないがポスターを見ているとも思える。
まさかとは思うが古い噂の様に、霊的な何かがいるのだろうか。
壁には何も、と、思ったがちぇんが見ている所にはヒロインが大写しになった映画のポスターが貼ってある。
視線が定かではないがポスターを見ているとも思える。
「ちぇん、ポスターのおねえさんか?」
まさかの下らないオチかと男が訊ねる。
「わかるよー。おねえさんがいるよー」
男はふっと力を抜く。
下らない、と男は息をはいた。
下らない、と男は息をはいた。
「ちぇん、おいで。おやつをあげるよ」
言って男は冷蔵庫へ向かう。
ちぇんは嬉しそうについていった。
ちぇんは嬉しそうについていった。
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数日後、そんな出来事を忘れかけた日。
男が帰宅して玄関を開けた時に、真っ暗な部屋の中でちぇんが言う。
男が帰宅して玄関を開けた時に、真っ暗な部屋の中でちぇんが言う。
「わからないよー」
暗いままだと大抵眠っているちぇんが一人で何かを言っている。
電気をつけて挨拶をする。
電気をつけて挨拶をする。
「ただいまちぇん。何がわからないって?」
他愛の無い独り言にも近い言葉をちぇんに投げる。
冷蔵庫の中に食材をしまっているとちぇんが答えた。
冷蔵庫の中に食材をしまっているとちぇんが答えた。
「うえにいるれいむたちがへんじしないんだよー」
男は理解しかねた。
ここはアパートの二階だ。三階はない。
隣の部屋はずいぶん前に越して行ってからはもうしばらくの間、無人のままだ。
ここはアパートの二階だ。三階はない。
隣の部屋はずいぶん前に越して行ってからはもうしばらくの間、無人のままだ。
「上ってどこだ?どこかで友達でもできたのか」
部屋飼いの上に二階なのでありえないはずだが。
ちぇんは相変わらずのぼんやりした眼差しでいう。
ちぇんは相変わらずのぼんやりした眼差しでいう。
「おねえさんのうえだよー」
男は硬直した。
瞬時に数日前の事を思い出す。
瞬時に数日前の事を思い出す。
「おねえさんってこれのことか」
恐る恐るポスターを指す。
「そうだよー」
男は背中に嫌な汗をかいた。
ポスターと天井の間には何も無い。
部屋の上にゆっくりの霊でもうろついているというのか。
男には心当たりが、有り過ぎる程に有る。
ポスターと天井の間には何も無い。
部屋の上にゆっくりの霊でもうろついているというのか。
男には心当たりが、有り過ぎる程に有る。
「なあちぇん、何かの間違いじゃないか。前にはお姉さんがいるとしか言ってなかったじゃないか」
ちぇんは引かない。
「いまはわかるよー。いるよー」
男は震えが止まらない。
いるのか、と考える。
その思考に返答するようにちぇんが言う。
いるのか、と考える。
その思考に返答するようにちぇんが言う。
「たくさんいるよー」
ちぇんのその言葉で男は飛び上がりそうになる。
どうしてこんなのんびりした言葉に恐怖しているのか。
どうしてこんなのんびりした言葉に恐怖しているのか。
「や、やめてくれちぇん、いないんだよ。なにもいないって」
ちぇんは少し強い語気に押されて黙る。
男は少し狼狽えてちぇんに言う。
男は少し狼狽えてちぇんに言う。
「もうそんなこというなよ。いい加減にしてくれ」
ちぇんは寂しそうに言う。
「わかったよー」
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ちぇんが来てから二週間は過ぎたが男はちぇんに行動を起こすことはなかった。
いるわけがないと思ってもやはり気になる。
あの出来事以来、男の趣味は鳴りを潜めたままだ。
今日も結局部屋でうろうろするちぇんを眺めている。
いるわけがないと思ってもやはり気になる。
あの出来事以来、男の趣味は鳴りを潜めたままだ。
今日も結局部屋でうろうろするちぇんを眺めている。
ふと、また、天井に近い所をちぇんが凝視する。
男の心拍数が跳ねあがる。
訊いてはいけないと、自制する。
あの時は狼狽えたが今は幾分落ち着いているつもりの男。
耐えられない。
男の心拍数が跳ねあがる。
訊いてはいけないと、自制する。
あの時は狼狽えたが今は幾分落ち着いているつもりの男。
耐えられない。
「ちぇん、なにかいるのか」
ちぇんは困ったようにこっちを見た。
「わからないよー」
いない、と言う意味だろうか。
以前した注意を憶えているほど賢くないと思っていた。
だがこういう時は普通に会話出来る程度の知能があることを、男はもう理解していた。
以前した注意を憶えているほど賢くないと思っていた。
だがこういう時は普通に会話出来る程度の知能があることを、男はもう理解していた。
「いないよー、だろ」
男は止まらない。
「わからないよー」
ちぇんはやはり困った顔だ。それを見て、あの注意を憶えているのだと解釈した。
「ちぇん、こないだの事なら忘れて良い。正直に言ってくれ」
男は一旦切って息を飲んで続ける。
「そこに、なにかいるのか」
天井に近い所を指さして男は問う。
ちぇんは答えた。
ちぇんは答えた。
「いるよー」
-
数日後、事の真相は解明された。
男は躍起になって解明に勤しんだ。
ヒステリックに暴れた後、どんな結末でも良いからと真相を調べた。
ショップに行って躾を担当した店員などに話を聞いたりして調べる内に、からくりが解けた。
このちぇんは、知能と共に目にも障害があり、ほとんど見えてなかったと言うことがわかったのだ。
担当者は気づいていたが黙っていた。下手をすると廃棄処分になってしまうからだ。
しかし情が移っただけではなく、
このちぇんは匂いで物事を判断する能力が優れている事に気づいたから、と言う理由もあった。
れいむ種やまりさ種の違い、更には親しくなった個体の識別。
匂いだけで群れでのコミュニケーションに問題ないほどの識別能力を持っていた。
ヒステリックに暴れた後、どんな結末でも良いからと真相を調べた。
ショップに行って躾を担当した店員などに話を聞いたりして調べる内に、からくりが解けた。
このちぇんは、知能と共に目にも障害があり、ほとんど見えてなかったと言うことがわかったのだ。
担当者は気づいていたが黙っていた。下手をすると廃棄処分になってしまうからだ。
しかし情が移っただけではなく、
このちぇんは匂いで物事を判断する能力が優れている事に気づいたから、と言う理由もあった。
れいむ種やまりさ種の違い、更には親しくなった個体の識別。
匂いだけで群れでのコミュニケーションに問題ないほどの識別能力を持っていた。
ちぇんがいる、と感じたのは匂い。
男が過去殺してきた数多のゆっくり達の匂いだった。
気分が高まると隣人が越してしまう程に、激しく壁にぶつけ、床に叩きつけ、潰した。
ゆっくりは同族の死臭を嫌うため、男は部屋の掃除は怠らなかった。
しかし天井近い壁はほとんど拭くこともなく目立った汚れも付かなかったので放置された。
せいぜい埃をはたく程度。
男が過去殺してきた数多のゆっくり達の匂いだった。
気分が高まると隣人が越してしまう程に、激しく壁にぶつけ、床に叩きつけ、潰した。
ゆっくりは同族の死臭を嫌うため、男は部屋の掃除は怠らなかった。
しかし天井近い壁はほとんど拭くこともなく目立った汚れも付かなかったので放置された。
せいぜい埃をはたく程度。
かくして、ちぇんは運良く、殺されることなく生き延びた。
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優しく接して信頼を得てから虐待という、スタンダードな虐待を好む男は毒気を抜かれていた。
いつも通り椅子に座って、部屋をうろうろするちぇんを見ている。
いつも通り椅子に座って、部屋をうろうろするちぇんを見ている。
男は匂いなんてそんなに残るものだろうか、とも考えた。
しかし実際に丁寧に拭き掃除をした後は、ちぇんも存在を感じなくなったようだ。
そういう事にしておこうと男は折り合いをつける。
これで終わりなんだと納得する。
あの時のちぇんとの出来事を考えると、虐待をする気が失せる。
しかし実際に丁寧に拭き掃除をした後は、ちぇんも存在を感じなくなったようだ。
そういう事にしておこうと男は折り合いをつける。
これで終わりなんだと納得する。
あの時のちぇんとの出来事を考えると、虐待をする気が失せる。
ちぇんを見る。
動きまわるだけで楽しいのか笑顔でうろうろする。
余計な事はしない。
このちぇんに加虐心を煽られる事は、到底なさそうだ。
男はとりあえず、このちぇんが天寿を全うするまで飼ってみようと思った。
動きまわるだけで楽しいのか笑顔でうろうろする。
余計な事はしない。
このちぇんに加虐心を煽られる事は、到底なさそうだ。
男はとりあえず、このちぇんが天寿を全うするまで飼ってみようと思った。
「ちぇん、ゆっくりしていってね」
過去作
ふたば系ゆっくりいじめ 1119 本当ですよ
ふたば系ゆっくりいじめ 1102 ゆっくりサスペンス劇場
ふたば系ゆっくりいじめ 1008 つまらない
ふたば系ゆっくりいじめ 988 不愉快
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ふたば系ゆっくりいじめ 1102 ゆっくりサスペンス劇場
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ふたば系ゆっくりいじめ 988 不愉快
挿絵:儚いあき