atwiki-logo
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • ページ操作履歴
  • ページ一覧
    • ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ(更新順)
    • このページの全コメント一覧
    • このウィキの全コメント一覧
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このウィキの更新情報RSS
    • このウィキ新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡(不具合、障害など)
ページ検索 メニュー
あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
ページ一覧
あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • ウィキ募集バナー
  • 目安箱バナー
  • 操作ガイド
  • 新規作成
  • 編集する
  • 全ページ一覧
  • 登録/ログイン
ページ一覧
あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
ページ検索 メニュー
  • 新規作成
  • 編集する
  • 登録/ログイン
  • 管理メニュー
管理メニュー
  • 新規作成
    • 新規ページ作成
    • 新規ページ作成(その他)
      • このページをコピーして新規ページ作成
      • このウィキ内の別ページをコピーして新規ページ作成
      • このページの子ページを作成
    • 新規ウィキ作成
  • 編集
    • ページ編集
    • ページ編集(簡易版)
    • ページ名変更
    • メニュー非表示でページ編集
    • ページの閲覧/編集権限変更
    • ページの編集モード変更
    • このページにファイルをアップロード
    • メニューを編集
    • 右メニューを編集
  • バージョン管理
    • 最新版変更点(差分)
    • 編集履歴(バックアップ)
    • アップロードファイル履歴
    • ページ操作履歴
  • ページ一覧
    • このウィキの全ページ一覧
    • このウィキのタグ一覧
    • このウィキのタグ一覧(更新順)
    • このページの全コメント一覧
    • このウィキの全コメント一覧
    • おまかせページ移動
  • RSS
    • このwikiの更新情報RSS
    • このwikiの新着ページRSS
  • ヘルプ
    • ご利用ガイド
    • Wiki初心者向けガイド(基本操作)
    • このウィキの管理者に連絡
    • 運営会社に連絡する(不具合、障害など)
  • atwiki
  • あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
  • 虚無の王-02一つ前との差分

「虚無の王-02」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

虚無の王-02 - (2010/11/26 (金) 19:54:57) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

#navi(虚無の王) 「空?」 「そ。雲さんぎょーさん居る、でっかい空や」 「格好つけた名前ね。まあ、見た目通り、フワフワ軽薄そうな所はいかにも――――」  ルイズは言葉を切った。ニコニコと笑みを浮かべていた空の顔から、急に表情が抜け落ちたからだ。 「なんや、あれ」  空の指さす先では、生徒達が飛行魔法を使い、一足先に教室を目指していた。 「ルイズ!お前は歩いて来いよ!」 「あいつ、フライはおろか、レビテーションさえまともに使えないんだぜ」  口々に悪態をつきながら、去って行く生徒達。 「飛んでるわ」  どこか、憮然とした口調だった。 「そりゃあ、メイジだもの」 「気に入らんわあ」 「何が?」 「あいつら飛んでる癖に、ちっとも気持ち良さそうやあらへん」 「飛べるのなんて、当たり前だからでしょ」 「当たり前なあ……」  空はため息を漏らす。 「昔、イカロス、ちゅう小僧が居ってな」 「何よ、いきなり」 「空が飛びたくて、飛びたくて仕方無かった男の話や」 「フライの魔法を使えばいいじゃない」 「そいつは、そないな物知らんかった。住んどった国にも無かったしな」 「後れた国だったのね」 「イカロスは蝋で固めた羽で天を目指した。それにごっつ怒った太陽の神はんが、蝋溶かしよってな。偽物の翼折れたイカロスは、海に落ちて死によったんや」 「昔、とんでもない馬鹿が居た、て事だけはよく判ったわ」  空はまた、憮然とした。スピットファイアが聞いたら、なんと言うだろう。 (ま、しゃあないわ) 『昔ギリシアの イカロスは  ろうで固めた 鳥の羽根  両手に持って 飛び立った  雲より高く まだ遠く  勇気一つを友にして』 「なに、その歌?」 「ワイの国の歌や」  そう。あくまで和製の歌だ。神話のイカロスは幽閉された“塔”から脱走しようと飛んだ。翼を作り、与えたダイダロスは、太陽に近付き過ぎないよう、忠告を与えていた。だが、飛ぶ喜びに取り憑かれた少年は父の言葉を忘れてしまった。 自分の脚を見つめる。翼が折れようと、生き延びたイカロスのすべき事は決まっている。“塔”に帰る事だ。置き去りにしたものを取り戻す事だ。 「話は馬鹿みたいだけど、歌は悪くないじゃない」 「おおきに」  空は肩を竦める。長年温めて来た計画は、どうも思わぬ所で頓挫しそうだった。 「さて、では行きましょうか」  コルベールは二人を促した。生徒を未契約の使い魔と二人切りに出来ない。自分には監督の義務が有る。そう言って、この場に残ったのだ。  本当にそれだけか?  ルイズは内心で疑念を向ける。車椅子を当然の様に押しているのも、単純な善意だけではあるまい。このメイジとしても、教師としても十分優秀な男が、聊かおかしな研究にのめり込んでいるのは、厨房の小僧だって知っている。 「所でミスタ・空。先刻の――――その、魔法を使わずに飛んだ、平民の話ですが……」 「ああ、あれは御伽話や。そないな阿呆、いくらなんでも、居る訳無いわ」  コルベールはがっくりと肩を落とした。ルイズは呆れる。魔法が無くては飛べない。この世界には引力と言う物が有るのだ。そんな事は、当たり前ではないか。 「ま、イカロスは与太やけどな。空飛ぶ乗り物なら、山と有るで」 「それは風石を使った物ですか?」 「なんや、それ?よう判らへんけど、十分な揚力なり推力なりが有れば、物は飛ぶやろ」 「揚力?」 「そやな。例えば――――」  どうやら、空はコルベールの同類だったらしい。二人の共通言語が、ルイズにはさっぱり判らなかった。彼等の知識は、四系統のいずれにも属さぬ、極めて特殊かつ難解な物であり、その上、どんな権能も約束してくれそうも無かった。 何?ヒコーキ?鉄の塊が、風石も無しに宙に浮くなどと、この二人は本気で信じているのか? (馬鹿みたい!)  ルイズは内心で口を尖らせた。一人、会話に入り込む事も出来ずに放置とあっては、面白い筈も無い。  少年時代、空は“研究所”のデータや未公開技術を特許として売り払いながら資金を稼ぎ、“塔”の機能回復に当たっていた。その知識は、コルベールにとって垂涎物だ。夢見る少年の目をした教師の姿に、ルイズは何も言えずに、無言で足を進める。  何時の間には、話題は空を飛ぶ事から、地上を走る事に変わっていた。空曰く、彼の国には馬を必要とせず、馬より数倍速く、一度に大量の荷物を運べる馬車が在る、と。 コルベールの足取りは目に見えて遅くなっている。話に夢中だ。ルイズは注意しようとして、止めた。夢見る少年の目は、恋する乙女の目に変わっていた。 空の話もエスカレートする。彼の国には、“馬を必要としない馬車”が、トリステインの人口よりも多く走っている、と。法螺を吹くにも限度と言う物が有るだろうに。ルイズは呆れ返る。 「ま、そうなると、事故の危険が大きくなるからな。国の免許が無いと運転出来へんのやけど……」 「なるほど。技術の進歩に併せて、法も変わる訳ですな!」  マズイ――――  無邪気に興奮するコルベールと対照的に、ルイズは青くなった。空。こいつは本物だ。本物のキ印だ。言う事が必要以上にもっともらしい。嘘つきの自覚が無い妄想狂の典型ではないか。 「しかし、遠い異国で私が取り組んでいる研究が実現し、社会に広く普及しているとは!実は私も――――」  マズイ。マズ過ぎる――――  コルベールは空と同類だ。完全な同類だ。同類に出会う事で、本性が出た。一見、優秀な魔法学院の教師が、真性のキ印だった。全く冗談では無い。これは、本家に連絡するべきか、それとも、まずは学園長に相談するべきだろうか。 「ミスタ・コルベール!」  道も半ばを進んで所で、ルイズは声を上げた。どうせ、次の授業にはもう遅刻だ。足が遅々として進まない事くらいは、我慢出来る。だが、完全に足が止まっては、さすがに黙ってはいられない。 「や、嬢ちゃん。スマン」  コルベールよりも先に、空が詫びた。 「つい、男同士で話し込んでもうてな。女の子に失礼やったわ」 「あんたの辞書にも、失礼なんて言葉が有るのね」 「こう見えても、紳士やで?」 「私は先を急ぎたいだけよ。別に話したい事なんて無いんだから」 「まあ、そうツンツンせんと。とりすていん、てどんな学校なんや?」 「行けば判るわよ。さ、早く行きましょ」  一同は再び歩き出した。 「予想。とりすていん、て地方の小さい学校やろ」 「何でそう思うの?」 「ワイの国にも、学校は沢山あるけど、やっぱり田舎んなると、クラスが少ないわ。全学年で一クラスなんて所とかな」 「トリステイン魔法学園は王都のすぐ側。国外から留学生も集まる由緒正しい学院よ」 「んー?……さっきの連中、全員同クラスやろ?年齢バラバラやん。スキップ?」 「言っている意味、判らないけど、皆大体同年代よ」 「嘘やー」  空は笑った。 「帽子を拾ってくれた、あの嬢ちゃん。十歳そこそこやろ。車椅子座るの手伝ってくれた兄ちゃんは17、8?あの色気ムンムンの姉ちゃんかて、ピチピチの肌からして二十歳前。そして嬢ちゃんは……」  空はルイズを頭の天辺から、爪先まで眺めると、 「ま、本人前に言う事やないわ。やめとこ」  ルイズのこめかみで、血管に罅が入った。この男は、自分をギーシュやキュルケと同年代と見ていない。態度で判る。 「私 は 1 6 よ」 「はぁー……意外やなあ。18辺りかと思ってたわ」 「本気で言っている?」 「冗談は言わんタチやねん」 ルイズは膨れる。何だか、軽く見られている気がした。 「それにしても、ミスタ・空。この車椅子は実に素晴らしい!」  コルベールが浮かれた声を上げる。それは、ルイズの様子に気付いて、それとなく話を変えようとした――――為では無かった。 「本体が軽ければ、車輪の動きも軽い。これほどの品は、ゲルマニアにも無いでしょう。それに、幾つか不可解な装置が付いている様ですが、これは一体――――?」  興奮状態の発明狂は空気を全く読んでいなかった。その頭にあるのは、異国の人間と、その知識に対する好奇心と、残り僅かな毛髪だけだ。 「まあ、こいつは特別製やさかい。色々普通は付いとらん物も、付いとるけど――――例えば、これとか」  空は駆動補助モーターのスウィッチを入れる。コルベールはつんのめりかけた。突然、車椅子の重さが消えた。意志を持つかの様に車輪が回り出す。  コルベールは瞠目する。押せば、押すほど、車椅子が軽くなる。みるみる速度が上がる。空気が壁となって顔にぶち当たる。  膝が空転する。押した分の、倍速、倍の距離を走る車椅子が、中年の体を振り回す。それでも、確かにこの機械は自動では無く、自分が動かしているのだ、と言う実感が有った。無意識に笑みが零れる。 「サラマンダーより、はやーい!」  コルベールは歓声を上げる。猛然と抗議するルイズの声は、とうとうその背中に届かなかった。  道程の残り半分を、コルベールはそれまでの1/10の時間で駆け抜けた。 「お、置き去りはあんまりです!……ミスタ・コルベール」  息を切らしたルイズが追いすがった時、コルベールもまた、車椅子に縋って、膝を踊らせていた。 「み、ミス・ヴァリエール……大人になると言う事は、とても辛い事なのだよ……」 「ええ。それはもう、よく判りますが」 「いや、全く」  ルイズと空の目線が、コルベールの頭頂部で交錯する。  光の向こうに、空は尖塔を見上げた。  高くぶ厚い城壁に、本塔を囲んで聳える5つの塔。白亜の城郭から目を転じれば、巨大な門が口を開く。 「で、ここかい?」 「え、ええ。ここが、我がトリステイン魔法学院です。ようこそ、ミスタ・空」  ――――To be continued 『』内 「勇気一つを友にして(作詞:片岡 輝)」より引用 #navi(虚無の王)
#navi(虚無の王) 「空?」 「そ。雲さんぎょーさん居る、でっかい空や」 「格好つけた名前ね。まあ、見た目通り、フワフワ軽薄そうな所はいかにも――――」  ルイズは言葉を切った。ニコニコと笑みを浮かべていた空の顔から、急に表情が抜け落ちたからだ。 「なんや、あれ」  空の指さす先では、生徒達が飛行魔法を使い、一足先に教室を目指していた。 「[[ルイズ!]]お前は歩いて来いよ!」 「あいつ、フライはおろか、レビテーションさえまともに使えないんだぜ」  口々に悪態をつきながら、去って行く生徒達。 「飛んでるわ」  どこか、憮然とした口調だった。 「そりゃあ、メイジだもの」 「気に入らんわあ」 「何が?」 「あいつら飛んでる癖に、ちっとも気持ち良さそうやあらへん」 「飛べるのなんて、当たり前だからでしょ」 「当たり前なあ……」  空はため息を漏らす。 「昔、イカロス、ちゅう小僧が居ってな」 「何よ、いきなり」 「空が飛びたくて、飛びたくて仕方無かった男の話や」 「フライの魔法を使えばいいじゃない」 「そいつは、そないな物知らんかった。住んどった国にも無かったしな」 「後れた国だったのね」 「イカロスは蝋で固めた羽で天を目指した。それにごっつ怒った太陽の神はんが、蝋溶かしよってな。偽物の翼折れたイカロスは、海に落ちて死によったんや」 「昔、とんでもない馬鹿が居た、て事だけはよく判ったわ」  空はまた、憮然とした。スピットファイアが聞いたら、なんと言うだろう。 (ま、しゃあないわ) 『昔ギリシアの イカロスは  ろうで固めた 鳥の羽根  両手に持って 飛び立った  雲より高く まだ遠く  勇気一つを友にして』 「なに、その歌?」 「ワイの国の歌や」  そう。あくまで和製の歌だ。神話のイカロスは幽閉された“塔”から脱走しようと飛んだ。翼を作り、与えたダイダロスは、太陽に近付き過ぎないよう、忠告を与えていた。だが、飛ぶ喜びに取り憑かれた少年は父の言葉を忘れてしまった。 自分の脚を見つめる。翼が折れようと、生き延びたイカロスのすべき事は決まっている。“塔”に帰る事だ。置き去りにしたものを取り戻す事だ。 「話は馬鹿みたいだけど、歌は悪くないじゃない」 「おおきに」  空は肩を竦める。長年温めて来た計画は、どうも思わぬ所で頓挫しそうだった。 「さて、では行きましょうか」  コルベールは二人を促した。生徒を未契約の使い魔と二人切りに出来ない。自分には監督の義務が有る。そう言って、この場に残ったのだ。  本当にそれだけか?  ルイズは内心で疑念を向ける。車椅子を当然の様に押しているのも、単純な善意だけではあるまい。このメイジとしても、教師としても十分優秀な男が、聊かおかしな研究にのめり込んでいるのは、厨房の小僧だって知っている。 「所でミスタ・空。先刻の――――その、魔法を使わずに飛んだ、平民の話ですが……」 「ああ、あれは御伽話や。そないな阿呆、いくらなんでも、居る訳無いわ」  コルベールはがっくりと肩を落とした。ルイズは呆れる。魔法が無くては飛べない。この世界には引力と言う物が有るのだ。そんな事は、当たり前ではないか。 「ま、イカロスは与太やけどな。空飛ぶ乗り物なら、山と有るで」 「それは風石を使った物ですか?」 「なんや、それ?よう判らへんけど、十分な揚力なり推力なりが有れば、物は飛ぶやろ」 「揚力?」 「そやな。例えば――――」  どうやら、空はコルベールの同類だったらしい。二人の共通言語が、ルイズにはさっぱり判らなかった。彼等の知識は、四系統のいずれにも属さぬ、極めて特殊かつ難解な物であり、その上、どんな権能も約束してくれそうも無かった。 何?ヒコーキ?鉄の塊が、風石も無しに宙に浮くなどと、この二人は本気で信じているのか? (馬鹿みたい!)  ルイズは内心で口を尖らせた。一人、会話に入り込む事も出来ずに放置とあっては、面白い筈も無い。  少年時代、空は“研究所”のデータや未公開技術を特許として売り払いながら資金を稼ぎ、“塔”の機能回復に当たっていた。その知識は、コルベールにとって垂涎物だ。夢見る少年の目をした教師の姿に、ルイズは何も言えずに、無言で足を進める。  何時の間には、話題は空を飛ぶ事から、地上を走る事に変わっていた。空曰く、彼の国には馬を必要とせず、馬より数倍速く、一度に大量の荷物を運べる馬車が在る、と。 コルベールの足取りは目に見えて遅くなっている。話に夢中だ。ルイズは注意しようとして、止めた。夢見る少年の目は、恋する乙女の目に変わっていた。 空の話もエスカレートする。彼の国には、“馬を必要としない馬車”が、トリステインの人口よりも多く走っている、と。法螺を吹くにも限度と言う物が有るだろうに。ルイズは呆れ返る。 「ま、そうなると、事故の危険が大きくなるからな。国の免許が無いと運転出来へんのやけど……」 「なるほど。技術の進歩に併せて、法も変わる訳ですな!」  マズイ――――  無邪気に興奮するコルベールと対照的に、ルイズは青くなった。空。こいつは本物だ。本物のキ印だ。言う事が必要以上にもっともらしい。嘘つきの自覚が無い妄想狂の典型ではないか。 「しかし、遠い異国で私が取り組んでいる研究が実現し、社会に広く普及しているとは!実は私も――――」  マズイ。マズ過ぎる――――  コルベールは空と同類だ。完全な同類だ。同類に出会う事で、本性が出た。一見、優秀な魔法学院の教師が、真性のキ印だった。全く冗談では無い。これは、本家に連絡するべきか、それとも、まずは学園長に相談するべきだろうか。 「ミスタ・コルベール!」  道も半ばを進んで所で、ルイズは声を上げた。どうせ、次の授業にはもう遅刻だ。足が遅々として進まない事くらいは、我慢出来る。だが、完全に足が止まっては、さすがに黙ってはいられない。 「や、嬢ちゃん。スマン」  コルベールよりも先に、空が詫びた。 「つい、男同士で話し込んでもうてな。女の子に失礼やったわ」 「あんたの辞書にも、失礼なんて言葉が有るのね」 「こう見えても、紳士やで?」 「私は先を急ぎたいだけよ。別に話したい事なんて無いんだから」 「まあ、そうツンツンせんと。とりすていん、てどんな学校なんや?」 「行けば判るわよ。さ、早く行きましょ」  一同は再び歩き出した。 「予想。とりすていん、て地方の小さい学校やろ」 「何でそう思うの?」 「ワイの国にも、学校は沢山あるけど、やっぱり田舎んなると、クラスが少ないわ。全学年で一クラスなんて所とかな」 「トリステイン魔法学園は王都のすぐ側。国外から留学生も集まる由緒正しい学院よ」 「んー?……さっきの連中、全員同クラスやろ?年齢バラバラやん。スキップ?」 「言っている意味、判らないけど、皆大体同年代よ」 「嘘やー」  空は笑った。 「帽子を拾ってくれた、あの嬢ちゃん。十歳そこそこやろ。車椅子座るの手伝ってくれた兄ちゃんは17、8?あの色気ムンムンの姉ちゃんかて、ピチピチの肌からして二十歳前。そして嬢ちゃんは……」  空はルイズを頭の天辺から、爪先まで眺めると、 「ま、本人前に言う事やないわ。やめとこ」  ルイズのこめかみで、血管に罅が入った。この男は、自分をギーシュやキュルケと同年代と見ていない。態度で判る。 「私 は 1 6 よ」 「はぁー……意外やなあ。18辺りかと思ってたわ」 「本気で言っている?」 「冗談は言わんタチやねん」 ルイズは膨れる。何だか、軽く見られている気がした。 「それにしても、ミスタ・空。この車椅子は実に素晴らしい!」  コルベールが浮かれた声を上げる。それは、ルイズの様子に気付いて、それとなく話を変えようとした――――為では無かった。 「本体が軽ければ、車輪の動きも軽い。これほどの品は、ゲルマニアにも無いでしょう。それに、幾つか不可解な装置が付いている様ですが、これは一体――――?」  興奮状態の発明狂は空気を全く読んでいなかった。その頭にあるのは、異国の人間と、その知識に対する好奇心と、残り僅かな毛髪だけだ。 「まあ、こいつは特別製やさかい。色々普通は付いとらん物も、付いとるけど――――例えば、これとか」  空は駆動補助モーターのスウィッチを入れる。コルベールはつんのめりかけた。突然、車椅子の重さが消えた。意志を持つかの様に車輪が回り出す。  コルベールは瞠目する。押せば、押すほど、車椅子が軽くなる。みるみる速度が上がる。空気が壁となって顔にぶち当たる。  膝が空転する。押した分の、倍速、倍の距離を走る車椅子が、中年の体を振り回す。それでも、確かにこの機械は自動では無く、自分が動かしているのだ、と言う実感が有った。無意識に笑みが零れる。 「サラマンダーより、はやーい!」  コルベールは歓声を上げる。猛然と抗議するルイズの声は、とうとうその背中に届かなかった。  道程の残り半分を、コルベールはそれまでの1/10の時間で駆け抜けた。 「お、置き去りはあんまりです!……ミスタ・コルベール」  息を切らしたルイズが追いすがった時、コルベールもまた、車椅子に縋って、膝を踊らせていた。 「み、ミス・ヴァリエール……大人になると言う事は、とても辛い事なのだよ……」 「ええ。それはもう、よく判りますが」 「いや、全く」  ルイズと空の目線が、コルベールの頭頂部で交錯する。  光の向こうに、空は尖塔を見上げた。  高くぶ厚い城壁に、本塔を囲んで聳える5つの塔。白亜の城郭から目を転じれば、巨大な門が口を開く。 「で、ここかい?」 「え、ええ。ここが、我がトリステイン魔法学院です。ようこそ、ミスタ・空」  ――――To be continued 『』内 「勇気一つを友にして(作詞:片岡 輝)」より引用 #navi(虚無の王)

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
LINE
シェア
Tweet
あの作品のキャラがルイズに召喚されました @ ウィキ
記事メニュー
メニュー
  • トップページ
  • 携帯用トップ
  • メニュー

  • 更新履歴
  • 新着情報



- 長編(五十音順)
長編(五十音順)
  • あ行
  • か行
  • さ行
  • た行
  • な行
  • は行
  • ま行
  • や行
  • ら行
  • わ行
  • その他

- 長編(話数順)
長編(話数順)
  • 01~04
  • 05~14
  • 15~

- 小ネタ
小ネタ
  • あ行
  • か行
  • さ行
  • た行
  • な行
  • は行
  • ま行
  • や行
  • ら行
  • わ行
  • その他
  • ???


  • 長編(完結)
  • お預かり作品

  • 登録タグ

  • お絵描き掲示板

  • テンプレ
  • 歴代スレ

  • SSのwikiへのまとめ方

  • 避難所
  • 作家専用チャット
  • テスト空間

  • リンク



更新履歴

取得中です。
記事メニュー2

新着情報

取得中です。
人気記事ランキング
  1. 長編(五十音順)
  2. 蒼い使い魔
  3. 機械仕掛けの使い魔
  4. 小ネタ
  5. 蒼い使い魔-10
  6. お預かり作品
  7. ゼロの黒魔道士
  8. 薔薇乙女も使い魔
  9. ゼロのしもべ第3部-4
  10. 長編(完結)
もっと見る
最近更新されたページ
  • 31日前

    ゼロと損種実験体-04
  • 68日前

    ゼロの登竜門-03
  • 98日前

    ゼロの登竜門
  • 142日前

    毒の爪の使い魔
  • 161日前

    お絵描き掲示板/お絵かき掲示板ログ/278
  • 256日前

    ゼロと魔砲使い-14
  • 256日前

    ゼロと魔砲使い-13
  • 256日前

    ゼロと魔砲使い-12
  • 257日前

    ゼロと魔砲使い-34
  • 266日前

    ゼロの社長-17
もっと見る
人気タグ「現代」関連ページ
  • No Image 北斗の拳・外伝 ~零の北斗七星~
  • No Image 滅殺の使い魔
  • No Image 黄金の使い魔
  • No Image 雪と雪風_始祖と神
  • No Image ゼロのガンパレード
  • No Image 伝説を呼ぶ使い魔
  • No Image とりすていん大王
  • No Image 糸色望の使い魔
  • No Image るいずととら
  • No Image ゼロと波動
もっと見る
人気記事ランキング
  1. 長編(五十音順)
  2. 蒼い使い魔
  3. 機械仕掛けの使い魔
  4. 小ネタ
  5. 蒼い使い魔-10
  6. お預かり作品
  7. ゼロの黒魔道士
  8. 薔薇乙女も使い魔
  9. ゼロのしもべ第3部-4
  10. 長編(完結)
もっと見る
最近更新されたページ
  • 31日前

    ゼロと損種実験体-04
  • 68日前

    ゼロの登竜門-03
  • 98日前

    ゼロの登竜門
  • 142日前

    毒の爪の使い魔
  • 161日前

    お絵描き掲示板/お絵かき掲示板ログ/278
  • 256日前

    ゼロと魔砲使い-14
  • 256日前

    ゼロと魔砲使い-13
  • 256日前

    ゼロと魔砲使い-12
  • 257日前

    ゼロと魔砲使い-34
  • 266日前

    ゼロの社長-17
もっと見る
ウィキ募集バナー
新規Wikiランキング

最近作成されたWikiのアクセスランキングです。見るだけでなく加筆してみよう!

  1. MadTown GTA (Beta) まとめウィキ
  2. R.E.P.O. 日本語解説Wiki
  3. シュガードール情報まとめウィキ
  4. SYNDUALITY Echo of Ada 攻略 ウィキ
  5. ソードランページ @ 非公式wiki
  6. 星飼いの詩@ ウィキ
  7. 機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 INFINITEBOOST wiki
  8. ドラゴンボール Sparking! ZERO 攻略Wiki
  9. GTA5 MADTOWN(β)まとめウィキ
  10. harosui_souko @ ウィキ
もっと見る
人気Wikiランキング

atwikiでよく見られているWikiのランキングです。新しい情報を発見してみよう!

  1. アニヲタWiki(仮)
  2. ストグラ まとめ @ウィキ
  3. ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~
  4. 初音ミク Wiki
  5. 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2攻略Wiki 3rd Season
  6. 発車メロディーwiki
  7. MadTown GTA (Beta) まとめウィキ
  8. Grand Theft Auto V(グランドセフトオート5)GTA5 & GTAオンライン 情報・攻略wiki
  9. 検索してはいけない言葉 @ ウィキ
  10. オレカバトル アプリ版 @ ウィキ
もっと見る
全体ページランキング

最近アクセスの多かったページランキングです。話題のページを見に行こう!

  1. 参加者一覧 - ストグラ まとめ @ウィキ
  2. 不思議の国のアリス - アニヲタWiki(仮)
  3. 魔獣トゲイラ - バトルロイヤルR+α ファンフィクション(二次創作など)総合wiki
  4. シャア専用ヅダ - アニヲタWiki(仮)
  5. 犬好 マイキー - ストグラ まとめ @ウィキ
  6. JRE-IKSTシリーズ - 発車メロディーwiki
  7. 参加者一覧 - MadTown GTA (Beta) まとめウィキ
  8. 868 - ストグラ まとめ @ウィキ
  9. ヘイズル・アウスラ[GAU装備] - 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2攻略Wiki 3rd Season
  10. ジンオウガ希少種 - 日本 ウィキ
もっと見る

  • このWikiのTOPへ
  • 全ページ一覧
  • アットウィキTOP
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー

2019 AtWiki, Inc.