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  • 夏休みの使い魔-3一つ前との差分

「夏休みの使い魔-3」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

夏休みの使い魔-3 - (2007/12/14 (金) 23:02:29) の1つ前との変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

マリコルヌは同志を求めていた。 女の子に尻尾を振り、彼女の機嫌一つに一喜一憂する人生。実に嘆かわしい。 男として、誇りある貴族としての矜持を保ちたいと思うならば、 そんなわがままな女は始めから近寄らせずに、まず自らを磨く事に専念すべきだ。 そう、これは決して妬みや僻みから発した思想ではない。 軽佻浮薄な世の風潮に警鐘を鳴らすのはぼくしかいない。 そのような真理にたどりついたマリコルヌは、一つの団を立ち上げていた。 未だ彼一人の孤独な団だが、いつか世界にその名を轟かせる日を信じて……。 軽薄な男女交際を敵とし、世界中の男達を紳士とするための団。 その名を、SOS団と言った。 マリコルヌは、昼の食堂に姿を現した使い魔……ルイズの呼び出した平民をじっくりと観察する。 さえないという形容が最も似合った風貌であろう、とてももてるようには見えない。 人目がある場所であるにもかかわらず、どうやら夜着そのままで皿を運んでいるようだ。 ―――――――――――――――――仲間か。 平民だとて、思想を広める事ぐらいはできる。 彼が仕事を終え、ぼくが食事を終えた時、誘いを掛けてみよう。 団員一号、なんと響きのいい言葉か! 肉を口に運びながらも、マリコルヌの観察は続けられる。 団員一号(仮称)はギーシュの脇で足を止め、何かを拾ってギーシュに手渡した。 ギーシュはマリコルヌの理想を鼻で笑い、SOS団の殺すリストに最初に掲載されると言う栄誉を得た男だ。 あの使い魔とギーシュが意気投合するか、それとも敵対する事になるか。 そこで団員一号(仮称)の紳士としての真価が問われることになるだろう。 「君のおかげで、二人のレディの名誉を傷つけてしまったよ。どうしてくれるんだね?」 「ああ、すまん。何せ俺は産まれてこのかた、一度ももてたためしがないからなあ。 そういう男女の機微は全く理解できんのだ。この哀れな凡人に少しでも憐憫の情を抱いてくれたのなら、 今日の所はこれぐらいで勘弁してもらえるとありがたいんだが」 「ふうん、まあ、仕方ない。君のような平民に僕に匹敵するほどの男女の機微に対する理解を求めるのが無謀か……」 間違いない。もてたためしがないという発言を自らしてしまうほどの自虐、屈辱に涼しい顔で耐えるタフな心――― 彼こそ、SOS団員一号に相応しい逸材だ! ついに同志に巡り合った高揚を抑えきれず、マリコルヌは食事を口に運ぶ速度を加速させる。 隣の席の奴が訝しげな顔をしたが、そんなことより一刻も早く彼を勧誘しなければならない。 期待と喜びに胸躍らせ、マリコルヌは既にSOS団の活動スケジュールを組み立て始めていた。 だが、しかし。マリコルヌが鶏肉の皿を平らげサラダに取り掛かろうとしたちょうどその時、それは訪れる。 「やあ、キョン」 「佐々木か」 マリコルヌはフォークをくわえたままぴたりと停止し、目を見開いた。 落ち着け。落ち着けぼく。まだ彼が敵だと決まったわけではない。 彼にも社会生活というものがあるのだから、偶然女の子と会話することぐらいあるさ。 ぼくだって昨日ケティと会話した、会話したじゃないか。 (ギーシュ様がどこにいらっしゃるか、ご存知ですか?) (え、あ、ああ、教室にいたと思うけど) (そうですか。ありがとうございます) ぼくだって女の子と会話しようと思えばできるんだ。 そう、今のぼくはまだ見ぬ未来の花嫁のために貞操を守っているに過ぎない。 紳士に不純異性交遊は厳禁だからな! 「この先ずっとその服で過ごすつもりかい?そのままだと、二・三日で目も当てられない惨状になると思うけど」 「そう言われればそうだな。しかし、あてがあるわけでもなし……」 「何、ないのなら買いに行けばいい。こっちにだって休日はあるんだ、何なら僕が見繕ってあげてもいいよ?」 嫌な予感がして、マリコルヌはフォークを置いた。この感覚には覚えがある。 幾多の男女を観察してきた彼の本能が警鐘を鳴らす。 そう。それは女が男を連れ出すために完成させた独特の言い回し、男に誘わせるための策謀――― 「そうか?だが金がないしな……元々金持ちってわけじゃないが、こっちに来てからは一文無しだ」 「いいさ。僕が言い出したんだ、君が何か収入の道を見つけるまでは僕が立て替えておくよ」 「それはいくらなんでも悪い。いくら親友と言ってもだ、ただより高い物はないという慣用句もあることだし……」 「それじゃあ貸し一つということにしておこうか?頃合を見計らって返してもらうことにしよう」 「……余計な事言ったか?俺。まあいい、それじゃあ、今度休みをもらって買いに行くとするか」 二人はなおも何か喋りながら、食堂を後にした。 その後姿を眺めつつ、マリコルヌはテーブルの上の手を小刻みに震わせる。 マリコルヌが、キョンの主張する所である「勘違い」の被害者となった瞬間だった。 裏切られたという一方的な感情と怒りが目から血涙、歯茎から血の泡となって噴き出す。 デートだ。あれは間違いなくお、お、おデートって奴だ! しかも、女の子から……女の子の方から誘いを掛けられるなんて! 敵だ。もはや千言を尽くしても奴を許す事などできない。我らSOS団の怒りが天を突き、審判を下すであろう! 我らって言っても、一人しか居ないけどな!ぼく一人で、我らとか言ってるけどな! 呪ってやるとか思うだけで、具体的に何をするわけでもないけどな! 「ぐふっ、ぐふっ、ぐふっ……」 マリコルヌは泣いた。他の生徒達が指をさしてこそこそ笑うのも気にせずに、くぐもった声を上げて泣いた。 午後の授業中は、先生に怒られないようにすすり泣く声で、泣いた。 部屋に帰った後は枕に顔を埋めて、泣いた。 悠々と……いや、無駄に行動力のある誰かさんのせいで充実しすぎた夏休みを送っていた俺が、 目が覚めたらそこは戦乱の異世界だった、などというフレーズが似合いそうな状況で召喚されて三日が過ぎた。 虚無の曜日とかいう休日を服や雑貨の購入に費やすことを決めた俺は、 その発案者である佐々木と共にトリステインの城下町にやってきたわけだが。 「ブルドンネ街。トリステインで一番大きな通りよ」 観光ガイドよろしくこの通りがブルドンネ街という名であることを解説してくれたのは、 この俺のご主人様……ということになっているルイズ。彼女は休日を要求した俺と、 その俺の案内役を申し出た佐々木に対し、自分の使い魔の面倒は自分で見ると言い放って同行を決めた。 「当然でしょ?使い魔の面倒は、それを召喚した貴族が見るの。従者に完全に任せる人もいるけど、私そういうの嫌い」 なるほど。彼女には彼女なりの矜持というものがあるらしい。 貴族だのヴァリエール家だのうるさい分、その権利に相応する義務は果たすという所か。 「貴族ってのも大変なんだな」 「そうよ。だから尊敬しなさい」 「へいへい」 その気の抜けた返答にルイズはちょっと不満げな顔をしたが、俺が彼女への理解を深めた様子を見せた事で満足したのか、 ちらりと佐々木をうながし、前を向いて歩き始めた。俺達も後に続こうとして……佐々木が、あることに気づいた。 「ミス・ヴァリエール。彼が着るような服を売ってる店、わかりますか?」 その問いかけにルイズは足を止める。 「よろしければ、私がご案内しますけど」 「と、当然よ!貴女についてきてもらったのはそのためなんだからね!」 ぎこちなく振り返って虚勢を張るルイズだが、 無駄にふんぞり返った胸と真っ赤な顔がその虚勢を完全に無益なものにしている。 どうやら、彼女の使っていた服屋に無意識のうちに向かっていたらしい。 「くっくっ、それじゃあ私についてきてくださいな、ミス・ヴァリエール」 ルイズは不承不承ながらも頷いて、佐々木の後を追う。 俺もその後を追おうと足を前に進め、雑然と並ぶ露店を三つほど通り過ぎたあたりで声が掛けられた。 「おうおう、見覚えのある奴がいるじゃねえか」 思わずあたりを見渡す俺に更に声が掛けられる。 「どこ見てんだよ。こっちだこっち」 声のした方向を見ると、露店に置かれた剣がカタカタと動いて声を発しているようだ。 「ちょっと、どうしたの……って、インテリジェンスソードじゃない」 インテリジェンスソード?何だそれは。 「喋る剣のことさ。この世界じゃ別に珍しくもない」 「そんなもんかね。まあ、剣なんて使ったこともないしな。必要ないか」 「そうね。さ、早く行きましょ」 結論が出たようなので、俺はその剣に別れを告げ、先を急ぐ事にした。 本当は少し惜しい気もしたんだがな。 「というわけだ。じゃあな」 俺達が立ち去ろうとした時、新しい客がその露店に足を止め、その剣を手に取った。 ちょうどタイミング良かったな。そう思って再び足を前に進める俺達に、 今度はその客がお声を掛ける。 「……佐々木さん!」 ん? 「会えると……きっと会えると信じてました!」 「確か……橘さんだったね。君もこの世界に?」 「知り合いか?」 「ああ、正に知り合いだよ。友達、とまではちょっと言えないからね」 「さ、佐々木さん、それはちょっとひどいのです。せめてその、知己とか」 知り合いも知己もそんなに変わらないような気がするんだが……。 とりあえず、こいつも俺たちと同じ世界にいた、というのは間違いないのだろう。 「ちょっと、お話できませんか?」 橘は通りの通行人を気にしつつ、何か答えを待っているようだ。 その様子から何かを読み取ったのか、佐々木は俺とルイズに目配せをして、言った。 「親戚のやってる店があるんだ、そこで……」 『魅惑の妖精亭』と描かれた看板をくぐり、俺達はテーブルについた。 佐々木が厨房の方角を向いて手を振ると、何だかテカテカしたおっさんと、 鶴屋さんに良く似た黒髪の女の子が手を振り返す。あれが、佐々木の言う親戚とやらか。 「で、どうして橘さんはこの世界にいるの?」 「それが、この国のお姫様にその、召喚されて」 「姫様の使い魔になったってこと?」 「ええ、珍しい事だって騒がれましたけど」 それは本当に珍しい事なのか?俺に続いての珍しい話って、それは本当に例外と言えるものなのだろうか。 「で、何でまた姫様の使い魔がこんなところにいるんだ?」 「そ、それはその、姫様に貰った剣が、ええと……その、間違って捨てられちゃって、それで、」 「リサイクルショップに……」 リサイクルショップ、ねえ。 そんな橘に曖昧な視線を向けつつ、佐々木は腕を組んでなにやら思考をめぐらせていた。 「姫様は……君を、つまり人間を召喚した」 俺と、この橘とかいう奴と。人間を召喚したから、つまりどういうことなのだろう。 異常事態と言うなら、そこから何か分かっても良さそうなものだと思ったりもするのだが。 「人間は例外なんだ。そうですね、ミス・ヴァリエール?」 「ええ、そうね。今までの歴史の中でも……私以外に人間を召喚したなんて今まで聞いたことがないわ」 と、いうことはつまり……どういうことだ? 「姫様とミス・ヴァリエールは共通点を持ってる、ってことじゃないかな?」 「でも、姫様は水のトライアングルだって聞いたわ。私はフライさえ……使えないんだし、同じだなんてとても」 「共通している部分が存在することと魔法の腕前は全く関係ありませんわ」 きっぱりと言い切った佐々木は、少し考える素振りを見せてから、橘に視線を向ける。 「橘さん、何か隠してない?」 「え、ええと、何のことでしょう」 問いかけられた橘の目は、露骨なまでに泳いでいる。案外分かりやすい奴だな。 問い詰められた橘が値を上げるよりも早く、 今の今まで黙り込んでいた剣が唐突に声を上げた。 「おう!相棒、この兄さんはお仲間だ、話しちまってもいいんじゃねえか?」 「相棒?」 佐々木はつかつかと歩み寄って、その剣を目線の高さまで抱え上げて問いかける。 「相棒って何だい?」 「俺の相棒!虚無の使い魔、神の盾ガンダールヴってことさ」 「ガンダールヴ?」 「ミス・ヴァリエール。知ってるんですか?」 「ええ、伝説の使い魔。六千年前から今日まで、その存在が確認されたって記録は見たことがないわ、少なくとも私は」 その言葉に皆は橘に視線を集め、無言の圧力を掛ける。 注目を集めた橘は佐々木をちらと見た後、諦めたのかため息を一つついて話し始めた。 「話します。でも、先にお姫様と『誰にも話さない』って約束したんですから、 あたしが話したってことは誰にも言わないで欲しいのです」 「約束するわ。僕達は知らなきゃいけない。そうだよね、キョン?」 ああ、その通りだ。何か手がかりがあるというなら教えて欲しい。 「んんっ……わかりました。じゃあ、絶対に秘密ですよ……」 橘はテーブルの中央に皆を寄せた後、意味ありげに、無駄に重々しい声で話し始めた。 「その剣の言った通り、あたしと、おそらくキョンさんも、虚無の使い魔なのです……」
マリコルヌは同志を求めていた。 女の子に尻尾を振り、彼女の機嫌一つに一喜一憂する人生。実に嘆かわしい。 男として、誇りある貴族としての矜持を保ちたいと思うならば、 そんなわがままな女は始めから近寄らせずに、まず自らを磨く事に専念すべきだ。 そう、これは決して妬みや僻みから発した思想ではない。 軽佻浮薄な世の風潮に警鐘を鳴らすのはぼくしかいない。 そのような真理にたどりついたマリコルヌは、一つの団を立ち上げていた。 未だ彼一人の孤独な団だが、いつか世界にその名を轟かせる日を信じて……。 軽薄な男女交際を敵とし、世界中の男達を紳士とするための団。 その名を、SOS団と言った。 マリコルヌは、昼の食堂に姿を現した使い魔……ルイズの呼び出した平民をじっくりと観察する。 さえないという形容が最も似合った風貌であろう、とてももてるようには見えない。 人目がある場所であるにもかかわらず、どうやら夜着そのままで皿を運んでいるようだ。 ―――――――――――――――――仲間か。 平民だとて、思想を広める事ぐらいはできる。 彼が仕事を終え、ぼくが食事を終えた時、誘いを掛けてみよう。 団員一号、なんと響きのいい言葉か! 肉を口に運びながらも、マリコルヌの観察は続けられる。 団員一号(仮称)はギーシュの脇で足を止め、何かを拾ってギーシュに手渡した。 ギーシュはマリコルヌの理想を鼻で笑い、SOS団の殺すリストに最初に掲載されると言う栄誉を得た男だ。 あの使い魔とギーシュが意気投合するか、それとも敵対する事になるか。 そこで団員一号(仮称)の紳士としての真価が問われることになるだろう。 「君のおかげで、二人のレディの名誉を傷つけてしまったよ。どうしてくれるんだね?」 「ああ、すまん。何せ俺は産まれてこのかた、一度ももてたためしがないからなあ。 そういう男女の機微は全く理解できんのだ。この哀れな凡人に少しでも憐憫の情を抱いてくれたのなら、 今日の所はこれぐらいで勘弁してもらえるとありがたいんだが」 「ふうん、まあ、仕方ない。君のような平民に僕に匹敵するほどの男女の機微に対する理解を求めるのが無謀か……」 間違いない。もてたためしがないという発言を自らしてしまうほどの自虐、屈辱に涼しい顔で耐えるタフな心――― 彼こそ、SOS団員一号に相応しい逸材だ! ついに同志に巡り合った高揚を抑えきれず、マリコルヌは食事を口に運ぶ速度を加速させる。 隣の席の奴が訝しげな顔をしたが、そんなことより一刻も早く彼を勧誘しなければならない。 期待と喜びに胸躍らせ、マリコルヌは既にSOS団の活動スケジュールを組み立て始めていた。 だが、しかし。マリコルヌが鶏肉の皿を平らげサラダに取り掛かろうとしたちょうどその時、それは訪れる。 「やあ、キョン」 「佐々木か」 マリコルヌはフォークをくわえたままぴたりと停止し、目を見開いた。 落ち着け。落ち着けぼく。まだ彼が敵だと決まったわけではない。 彼にも社会生活というものがあるのだから、偶然女の子と会話することぐらいあるさ。 ぼくだって昨日ケティと会話した、会話したじゃないか。 (ギーシュ様がどこにいらっしゃるか、ご存知ですか?) (え、あ、ああ、教室にいたと思うけど) (そうですか。ありがとうございます) ぼくだって女の子と会話しようと思えばできるんだ。 そう、今のぼくはまだ見ぬ未来の花嫁のために貞操を守っているに過ぎない。 紳士に不純異性交遊は厳禁だからな! 「この先ずっとその服で過ごすつもりかい?そのままだと、二・三日で目も当てられない惨状になると思うけど」 「そう言われればそうだな。しかし、あてがあるわけでもなし……」 「何、ないのなら買いに行けばいい。こっちにだって休日はあるんだ、何なら僕が見繕ってあげてもいいよ?」 嫌な予感がして、マリコルヌはフォークを置いた。この感覚には覚えがある。 幾多の男女を観察してきた彼の本能が警鐘を鳴らす。 そう。それは女が男を連れ出すために完成させた独特の言い回し、男に誘わせるための策謀――― 「そうか?だが金がないしな……元々金持ちってわけじゃないが、こっちに来てからは一文無しだ」 「いいさ。僕が言い出したんだ、君が何か収入の道を見つけるまでは僕が立て替えておくよ」 「それはいくらなんでも悪い。いくら親友と言ってもだ、ただより高い物はないという慣用句もあることだし……」 「それじゃあ貸し一つということにしておこうか?頃合を見計らって返してもらうことにしよう」 「……余計な事言ったか?俺。まあいい、それじゃあ、今度休みをもらって買いに行くとするか」 二人はなおも何か喋りながら、食堂を後にした。 その後姿を眺めつつ、マリコルヌはテーブルの上の手を小刻みに震わせる。 マリコルヌが、キョンの主張する所である「勘違い」の被害者となった瞬間だった。 裏切られたという一方的な感情と怒りが目から血涙、歯茎から血の泡となって噴き出す。 デートだ。あれは間違いなくお、お、おデートって奴だ! しかも、女の子から……女の子の方から誘いを掛けられるなんて! 敵だ。もはや千言を尽くしても奴を許す事などできない。我らSOS団の怒りが天を突き、審判を下すであろう! 我らって言っても、一人しか居ないけどな!ぼく一人で、我らとか言ってるけどな! 呪ってやるとか思うだけで、具体的に何をするわけでもないけどな! 「ぐふっ、ぐふっ、ぐふっ……」 マリコルヌは泣いた。他の生徒達が指をさしてこそこそ笑うのも気にせずに、くぐもった声を上げて泣いた。 午後の授業中は、先生に怒られないようにすすり泣く声で、泣いた。 部屋に帰った後は枕に顔を埋めて、泣いた。 悠々と……いや、無駄に行動力のある誰かさんのせいで充実しすぎた夏休みを送っていた俺が、 目が覚めたらそこは戦乱の異世界だった、などというフレーズが似合いそうな状況で召喚されて三日が過ぎた。 虚無の曜日とかいう休日を服や雑貨の購入に費やすことを決めた俺は、 その発案者である佐々木と共にトリステインの城下町にやってきたわけだが。 「ブルドンネ街。トリステインで一番大きな通りよ」 観光ガイドよろしくこの通りがブルドンネ街という名であることを解説してくれたのは、 この俺のご主人様……ということになっているルイズ。彼女は休日を要求した俺と、 その俺の案内役を申し出た佐々木に対し、自分の使い魔の面倒は自分で見ると言い放って同行を決めた。 「当然でしょ?使い魔の面倒は、それを召喚した貴族が見るの。従者に完全に任せる人もいるけど、私そういうの嫌い」 なるほど。彼女には彼女なりの矜持というものがあるらしい。 貴族だのヴァリエール家だのうるさい分、その権利に相応する義務は果たすという所か。 「貴族ってのも大変なんだな」 「そうよ。だから尊敬しなさい」 「へいへい」 その気の抜けた返答にルイズはちょっと不満げな顔をしたが、俺が彼女への理解を深めた様子を見せた事で満足したのか、 ちらりと佐々木をうながし、前を向いて歩き始めた。俺達も後に続こうとして……佐々木が、あることに気づいた。 「ミス・ヴァリエール。彼が着るような服を売ってる店、わかりますか?」 その問いかけにルイズは足を止める。 「よろしければ、私がご案内しますけど」 「と、当然よ!貴女についてきてもらったのはそのためなんだからね!」 ぎこちなく振り返って虚勢を張るルイズだが、 無駄にふんぞり返った胸と真っ赤な顔がその虚勢を完全に無益なものにしている。 どうやら、彼女の使っていた服屋に無意識のうちに向かっていたらしい。 「くっくっ、それじゃあ私についてきてくださいな、ミス・ヴァリエール」 ルイズは不承不承ながらも頷いて、佐々木の後を追う。 俺もその後を追おうと足を前に進め、雑然と並ぶ露店を三つほど通り過ぎたあたりで声が掛けられた。 「おうおう、見覚えのある奴がいるじゃねえか」 思わずあたりを見渡す俺に更に声が掛けられる。 「どこ見てんだよ。こっちだこっち」 声のした方向を見ると、露店に置かれた剣がカタカタと動いて声を発しているようだ。 「ちょっと、どうしたの……って、インテリジェンスソードじゃない」 インテリジェンスソード?何だそれは。 「喋る剣のことさ。この世界じゃ別に珍しくもない」 「そんなもんかね。まあ、剣なんて使ったこともないしな。必要ないか」 「そうね。さ、早く行きましょ」 結論が出たようなので、俺はその剣に別れを告げ、先を急ぐ事にした。 本当は少し惜しい気もしたんだがな。 「というわけだ。じゃあな」 俺達が立ち去ろうとした時、新しい客がその露店に足を止め、その剣を手に取った。 ちょうどタイミング良かったな。そう思って再び足を前に進める俺達に、 今度はその客がお声を掛ける。 「……佐々木さん!」 ん? 「会えると……きっと会えると信じてました!」 「確か……橘さんだったね。君もこの世界に?」 「知り合いか?」 「ああ、正に知り合いだよ。友達、とまではちょっと言えないからね」 「さ、佐々木さん、それはちょっとひどいのです。せめてその、知己とか」 知り合いも知己もそんなに変わらないような気がするんだが……。 とりあえず、こいつも俺たちと同じ世界にいた、というのは間違いないのだろう。 「ちょっと、お話できませんか?」 橘は通りの通行人を気にしつつ、何か答えを待っているようだ。 その様子から何かを読み取ったのか、佐々木は俺とルイズに目配せをして、言った。 「親戚のやってる店があるんだ、そこで……」 『魅惑の妖精亭』と描かれた看板をくぐり、俺達はテーブルについた。 佐々木が厨房の方角を向いて手を振ると、何だかテカテカしたおっさんと、 鶴屋さんに良く似た黒髪の女の子が手を振り返す。あれが、佐々木の言う親戚とやらか。 「で、どうして橘さんはこの世界にいるの?」 「それが、この国のお姫様にその、召喚されて」 「姫様の使い魔になったってこと?」 「ええ、珍しい事だって騒がれましたけど」 それは本当に珍しい事なのか?俺に続いての珍しい話って、それは本当に例外と言えるものなのだろうか。 「で、何でまた姫様の使い魔がこんなところにいるんだ?」 「そ、それはその、姫様に貰った剣が、ええと……その、間違って捨てられちゃって、それで、」 「リサイクルショップに……」 リサイクルショップ、ねえ。 そんな橘に曖昧な視線を向けつつ、佐々木は腕を組んでなにやら思考をめぐらせていた。 「姫様は……君を、つまり人間を召喚した」 俺と、この橘とかいう奴と。人間を召喚したから、つまりどういうことなのだろう。 異常事態と言うなら、そこから何か分かっても良さそうなものだと思ったりもするのだが。 「人間は例外なんだ。そうですね、ミス・ヴァリエール?」 「ええ、そうね。今までの歴史の中でも……私以外に人間を召喚したなんて今まで聞いたことがないわ」 と、いうことはつまり……どういうことだ? 「姫様とミス・ヴァリエールは共通点を持ってる、ってことじゃないかな?」 「でも、姫様は水のトライアングルだって聞いたわ。私はフライさえ……使えないんだし、同じだなんてとても」 「共通している部分が存在することと魔法の腕前は全く関係ありませんわ」 きっぱりと言い切った佐々木は、少し考える素振りを見せてから、橘に視線を向ける。 「橘さん、何か隠してない?」 「え、ええと、何のことでしょう」 問いかけられた橘の目は、露骨なまでに泳いでいる。案外分かりやすい奴だな。 問い詰められた橘が値を上げるよりも早く、 今の今まで黙り込んでいた剣が唐突に声を上げた。 「おう!相棒、この兄さんはお仲間だ、話しちまってもいいんじゃねえか?」 「相棒?」 佐々木はつかつかと歩み寄って、その剣を目線の高さまで抱え上げて問いかける。 「相棒って何だい?」 「俺の相棒!虚無の使い魔、神の盾ガンダールヴってことさ」 「ガンダールヴ?」 「ミス・ヴァリエール。知ってるんですか?」 「ええ、伝説の使い魔。六千年前から今日まで、その存在が確認されたって記録は見たことがないわ、少なくとも私は」 その言葉に皆は橘に視線を集め、無言の圧力を掛ける。 注目を集めた橘は佐々木をちらと見た後、諦めたのかため息を一つついて話し始めた。 「話します。でも、先にお姫様と『誰にも話さない』って約束したんですから、 あたしが話したってことは誰にも言わないで欲しいのです」 「約束するわ。僕達は知らなきゃいけない。そうだよね、キョン?」 ああ、その通りだ。何か手がかりがあるというなら教えて欲しい。 「んんっ……[[わかりました]]。じゃあ、絶対に秘密ですよ……」 橘はテーブルの中央に皆を寄せた後、意味ありげに、無駄に重々しい声で話し始めた。 「その剣の言った通り、あたしと、おそらくキョンさんも、虚無の使い魔なのです……」

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