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虚無の王-19-1 - (2010/11/26 (金) 19:08:32) の1つ前との変更点

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 森の空気は、重く、濃く、冷たかった。  トリステインの夏は湿度が低い。真夏でも無い限り、陽の当たらない場所、時間は涼しい。濃密な緑に囲われた森は、寒気さえ感じさせる。  ルイズは身を震わせる。だが、それは決して森の寒さ、暗さだけが原因では無い。  付き合って欲しい所が有る――――。  空はそう言って、自分をこの森に連れ込んだ。一体、どこに行くつもりだろう。 「ねえ……」 「懐かしい感じや」  不安になって、尋ねようとした時だ。空は言った。 「この森の空気、“塔”によう似とるわ」 「“塔”?例の“トロパイオンの塔”?」 「せや」  森を縫って、道が伸びている。この先に、農地なり集落なりが在るのだろうか。  それにしては、路面をうっすらと下生えが覆い、路肩からは緑の浸食が著しい。 「木々は腕をからめ天へと伸ばす……」 「え?」  不意に空が呟いた。何を言っている? 「群がる葉々は光を喰らい森の闇をいよいよ深くする」 「空……?」  道が狭まる。下生えの中に消える。これ以上、車椅子で進むのは無理だ。  と、空は両腕に力を込める。車椅子が跳ぶ。  駆動輪が次々と樹々を蹴り付け、忽ち森の中に消える。 「空っ!」  なんのつもりだ。  ルイズは空を追う。下生えを踏み越え、小枝を、丈の有る草をかき分け進む。 ――――狩人は気付かない闇に潜むケダモノ達の双眸も牙も  どこからともなく、声が降って来る。空の声が降って来る。  何のつもりだ?  何を言っている?  ルイズは必死で進む。森をかき分ける。  マントが裂け、袖に棘が絡み、小枝が頬を弾く。 ――――今日は狩人が狩られる夜  空の姿が見えない。暗い森の中、誰も居ない。  不吉な声だけが耳朶を撫でる。  焦燥がルイズの小さな胸を締め付ける。  樹木の隙間から明かりが見えた。  体のあちこちに小さな傷が出来たが、構ってはいられない。真っ直ぐ、光へ向かう。 ――――ここは眠りの森〈スリーピング・フォレスト〉……!!  森を抜けた。ルイズは光の中へ飛び込んだ。  強烈な日差しが、頭に重くのしかかった。目を細めて、ぐるりを見回す。  小さな集落だった。  人の姿は無く、動く物は何も無かった。  凍り付いた様な時間の中で、半ば崩れ落ちた壁の塗り土と、下生えに埋もれた木の柵だけが、時間の経過を教えてくれた。  過去に放棄された集落だ。  井戸の桶では水が腐り、得も言われぬ匂いを発している。正面には、薄汚れた教区教会が見える。  ルイズは鼻を押さえた。風が、強烈な異臭を運んで来た。  養豚場に屠殺場と糞尿、腐敗臭を混ぜ合わせた様な、吐き気を催す臭気だ。  薄暗い教会の中で、影が蠢いた。ルイズは身を強張らせる。  “何か”が居る――――そして、ルイズが悪臭に苦しんでいるのと同様、腐臭の主には、少女の甘い香りが届いている。  錆にまみれ、欠けた手洗盤の覗く小さな部屋を潜る様にして、教会からぬっと影が現れる。  身の丈凡そ2メイル、ぶ厚い脂肪と筋肉とで覆われた巨驅が、300㎏の重量で床石を踏み砕く。  そして、豚の様に突き出た鼻を目にした時、ルイズは心臓が凍り付くのを覚えた。  オーク鬼。人肉――――取り分け、柔らかい子供――――を好物とする化け物だ。  その力は一匹で五人の兵士に匹敵する、とも言われるが、この表現は或る意味語弊が有る。  相手は人間の頭蓋を容易く握り潰し、平然四肢をねじ切る怪物。五人の兵士が集まった所で、オーク鬼と互角の白兵戦が出来る訳では無い。  銃や弩を以て一匹を殺す間に、四人が犧牲となる。  深々と皺が刻まれた顔から、落ちくぼんだ目で少女を睥睨すると、オーク鬼はゆっくりと歩を進める。  その背後から、更にもう一匹が現れる。もう一匹。更にもう一匹――――その数七匹。  オーク鬼は鳴き声を上げる。歪んだ鼻腔から息を吹き出し、鼻を鳴らす。  縄張りに迷い込んだ窮鳥をどう料理しようか――――乏しいながらも、確かに宿した知性で相談する。  相手は小さい。女だ。絶好の御馳走だ。  まず、その細い首に、軽く力を入れてへし折ろう。  邪魔な包みを破り棄て、腹を割いて、ピンク色も鮮やかな内臓を貪り喰おう。  先ずは、何と言っても右脇腹の肝臓だ。  大腸は糞便の臭いにやや閉口するが、植物がよく発酵していて消化の助けになる。  女なら、陰部から子宮にかけても柔らかい――――。  口元から涎を吐き零すオーク鬼の群れを、ルイズは真っ青な顔で見つめていた。  メイジにとっては、必ずしも恐ろしい相手では無い。  生半可な魔法は、悉くそのぶ厚い脂肪で防ぎ止められてしまうにしても、所詮は獣。いざとなれば、飛んで逃げればいい。  だが、ルイズはレビテーションもフライも使う事が出来ない。  緊張に胃がでんぐり返った。カラカラに乾いた喉に、嘔吐感が食道を伝って這い登って来た。  息が苦しい。開けた村落の空気が、火を炊いた密室の様に濁る。  オーク鬼の群が半円状に広がる。邪魔な柵を蹴破り、何気ない動作で小屋の薄壁に力を込めるや、絵芝居の飾りの様にペシャンと引き倒す。塗り土が崩れ、木材が乾いた音を立てる。  小さな村落が、まるで玩具だ。そして屯する獣供は、その残忍と貪欲以外、子供との共通点は何も無い。  柔らかく華奢な肢体を涎と共に這い回る視線には、動物的な欲求と警戒心とが混じっていた。  五芒星の留め金にマント。見掛け程には、脆弱な獲物では無い。  太い脚が、泥とも汚物ともつかぬ地面を削る。ごつごつと堅い皮膚の上には、獣皮を纏っている。  首飾りの様に提げられた頭蓋骨――――それがどれ程原始的な物であれ、彼等が信仰と、そして首狩りの風習を持つ証左だ。  どの個体もが、棍棒と呼ぶにも野蛮な凶器を手にしている。  包囲の輪が縮まる。  筋骨と悪臭混じりの吐息が、巨大な壁となって躙り寄る。  ルイズは思わず、後退り――――それが切っ掛けとなった。  視界が跳ねた。  300㎏超の巨体が地面を殴り付け、ルイズの小さな足は、確かに宙に浮いた。  オーク鬼は慎重さを捨てた。こいつは退いた。こいつは弱い。こいつは怖くない――――野生の本能が、貴族の少女を捕食対象である“格下”だと保証した。  ルイズは目を見開いた。鳶色の瞳が、針の様にぎゅっと窄まった。  そこにはヴァリエール家の三女は居なかった。取り澄ました貴族は居なかった。  200の心拍で心臓を揺さぶる恐怖が、少女から教養の仮面を剥ぎ取る。哀れな獲物は、逃げる事も出来ずに立ち尽くす。  オーク鬼の群れが迫る。一歩ごとに地面が爆ぜる。  地響きが下腹を衝き、体を足下から振り回す。  視野が歪み、切り取ったかの様に狭くなる。  思考がバラバラに千切れ、感情が麻痺する。膝にはまるで力が入らない。  目尻には涙が浮いていた。歯の根は合わなかった。ルイズは剣の様に佩いた杖を抜き放った。  勇気を奮い起こした訳では無かった。恐怖に駆られた訳でも無かった。  それは怒濤の如く迫り来る殺意と食欲に対して、本能が許した無意識の抵抗だった。  ――――どんな呪文を唱えたのかは覚えていない。  小さな村落に、森林に、爆音が響いた。  気付いた時、目の前は舞い上がる土砂と、木片とで真っ黒に染まっていた。  ルイズは喘ぐ様に肩を揺らした。  荒く不規則な息に、喉が高く鳴った。鳥の首を絞めたら、こんな鳴き声を出すのかも知れない。  地響きが途絶えた。オーク鬼の姿は爆煙の向こうに消えた。  ルイズは震える手で、小物入れをまさぐった。爆発の瞬間、確かに見えた。  恐怖心が、距離感を浸食した。すぐにもその牙が届くかと思われた獣は、まだ二○メイルも先に居た。  小屋を四つ纏めて消し飛ばした自分の魔法は、当の目標に掠めてもいない。  ルイズは散弾を取り出す。  敵が来る。自分を捕食しようと迫って来る。  悠長に呪文を唱えている閑は無い。短い詠唱で、殺傷力を保証してくれる攻撃――――中空の杖に弾丸を籠める。  手が震える。自分の意志を頑なに拒む。その簡単な動作が、思うに任せない。 「あっ!……――――うあ!……――――」  ルイズは声を上げる。意味を成さない奇声だ。  早くしなければ。早くしなければ。  オーク鬼が来る。オーク鬼が来る。  ルイズの焦燥と裏腹に、オーク鬼供は足を止めている。  人間との長い抗争で、メイジの能力は大雑把にだが理解している。だが、ここまで広域を破壊する魔法は知らない。  見えない場所へ飛び込む事を、本能が拒否する。どんな危険が待ち受けているか判らない。  それでも、オークは突進を決意する。本能をねじ伏せる。  メイジとの戦いは一瞬で決まる。次なる呪文を許してはならない――――  爆煙を裂いて銃弾が飛来したのは、その時だ。  一度成功すれば、後は早かった。ルイズは恐怖に引きつった顔で、次々銃弾を送り込む。  一二粒弾、八粒弾、そして巨大な一粒弾。  豚の嘶きにも似た悲鳴が折り重なる。  雨霰と降り注ぐ銃弾が、オーク鬼をパニックに陥れる。  殺傷力は取るに足りないが、問題は数だ。  土煙が視界を覆っている。見えない所から、数え切れぬ程の弾丸が襲い来る。  オーク鬼が知る銃は先込め式。装填装薬に時間がかかり、訓練された兵士でも、二分で三発程度しか連射出来ない。  一体、何人の射撃手が居る?  一体、どこに隠れていた?  すると、あのメイジの小娘は囮――――?  銃弾が途切れるや、獣供は駆けた。  再装填を許すな。なにより、あのメイジに呪文の詠唱を許すな。急げ、急げ、急げ!  ――――前が見えない。邪魔な小屋を、柵を蹴散らす閑など無い。教区教会から伸びる中央通りに殺到する。  煙を突き破った時、そこに、二桁を数える銃手の姿は無かった。呪文を詠唱する、狡猾残忍なるメイジの姿は無かった。  蝋の様な青白い顔で、恐怖と殺意とを瞳孔に凝集した少女――――そして、詠唱はもう終わっていた。  閃光が迸った。3000度のメタルジェットがオーク鬼の分厚い腹を紙風船の様に突き破り、脂肪と肉と臓物とを灼き焦がし、背面へと貫通した。  断末魔の嘶きと、唾液と、吐血とが同時に漏れた。  狭い通りを急いだ事が仇となった。豚面の食人鬼は、折り重なる様に崩れ落ちた。  作戦とは違う。銃弾を放ち続ける内に、不安が襲った。  威力が足りない。これではオーク鬼を倒せない。もっと、強力な攻撃を――――持ち得る最強の呪文を選んだのは、恐怖心の要請だ。  煙が晴れる。  教会へと通じる通りに、腹を破られたオーク鬼の死骸が並んでいる。  と、ルイズは心臓が凍り付くのを覚えた。  オーク鬼が動いた。死んだ筈の獣が動いた。こいつは未だ、死んでいない。呪文を!強力な呪文を!  自分の爆発は詠唱が長い程、威力が上がる。咄嗟に、思いつく限りで最も長い系統魔法を選ぶ。  実の所、オーク鬼は絶命していた。  だが、その恐怖心が、ルイズを救った。パニック状態の少女は、死体の数を確認する事さえ忘れていた。  左で、小屋が倒れた。角材が跳ねた。  生き残りが居た。狭い通りへの突入を諦めた一体。すぐ目の前だ。  反射的に杖を構えた瞬間、背後に物音――――  爆発が眼前の一体を吹き飛ばす。  振り向いた時、首筋に腐臭を帯びた息がかかった。そんな気がした。  ジェット噴流に巻き込まれたのだろう。棍棒を右腕ごと失ったオーク鬼が、真っ黒に染まった左の爪を振りかぶる。  牙が粘っこい唾液の糸を引いている。濁った目に、憎悪と嗜虐的な食欲とが覗く。  細い杖が、オーク鬼の腕を打った。  少女の細腕だ。棍棒同然の殺傷力をもった、オーク鬼の腕を止める力は無い。と、ルイズは悲鳴にも似た声で呪文を紡ぐ。  爆発が生じた。  加速した杖、鋭利な短経の先端が、野太い腕を抉り、筋を断ち、骨を砕いた。  細い体がクルリと一回転。絶叫を上げるオーク鬼の頭部に、杖がコツリと当たる。  爆発。  頭蓋が割れ、血と脳漿とが飛び散った。  温かく、粘っこい液体が、桃色の頭目掛けて降りかかる。  それでも、獣の体液が少女の白い体を穢す事は無かった。  汚物はまるでガラス窓に張り付いたかの様に眼前で止まり、そのまま地面に降り落ちたが、ルイズにそれを不思議と感じる余裕は残されていなかった。  300㎏の巨体が、後に倒れた。その震動に、ルイズはたたらを踏む。  村を一望する。  嘗て平穏だった筈の村落は、屠殺場の様相を呈している。  オーク鬼の死体が七つ。吐き気を催す臭いが辺りに漂っている。  オーク鬼はもう居ない。  もう危険は無い。  ルイズは震えた。膝が力無く揺れ、そして折れた。  崩れ落ちる体を、背後から二つの手が受け止めた。 「ひっ――――!」  ルイズは悲鳴を上げた。心臓が止まるかと思った。  その恐怖心も、聞き慣れた声を聞いて、安堵にすり替わった。 「ようやった」  空だ。 「魔法巧くても、度胸の無い奴はいざっちゅう時、役に立たん。ルイズは合格やわ、合格」 「学生でオーク七匹狩れる奴が、どんだけ居る?」 「途中、手貸す必要有るかな、て思うとったけど、結局、出番無しやったし」 「ここ住んどった奴ら、きっと喜ぶで」 「ま、ワルドの見立ては間違いや無かったわ。ルイズなら、歴史に名を留めるメイジになれる。ワイも保証する」  空は上機嫌だった。陽気な声が、立て板に水で捲し立てた。  その言葉は一つとして、ルイズの耳に届いていない。  恐怖と緊張から解放された少女は、震える声で言った。 「……空……私……立てない……」  鳶色の瞳から、涙が溢れた。    * * *  あの後、空に抱き抱えられる様にして学院に戻った。  両腕で駆動輪を回さなければならない車椅子の男は、それでも時折、小さな背を軽く叩き、或いは頭を撫でてくれた。  その間、ルイズはずっと厚い胸板にすがり付き、震えていた。途中、何人かにからかわれたが、それも耳に入らなかった。  寮室に戻ると、ルイズはベッドに籠もった。夕食の時間になっても、部屋を出なかった。  食欲が無かったし、そもそも食事のことなど、頭を掠めもしなかった。  ただ、今日の出来事が、頭の中をグルグルと回っていた。  付き合って欲しい所が有る。  空はそう言った。  どこに?  近くの森に。  何しに?  オーディション、ちゅうとこか――――  空はあの村落がオーク鬼の巣窟となっている事を知っていた。知りながら、自分を肉食獣の群れの真ん中へ放り込んだ。  何の為に?――――オーディション?審査?何の?  合格だ。空はそう言った――――不合格なら、どうなっていた?  背筋が凍った。一体、空は何のつもりだったのだろう?これから自分に何をさせるつもりなのだろう?  考え過ぎだ。そう思いたかった。  なかなか自信を持てずにいる自分に、荒療治を施したのだ。そう思いたかった。  何しろ、無茶な男だ。特訓初日は、崖の上から大岩を転がして来た。滝を見付けるや、樽に入って飛び込め、と口走った。  一方、そんな冗談めかした態度とは裏腹の、冗談にならない言葉が脳裏に浮かぶ。  ルイズ、戦争好きか――――  そこまで考えた時だ。  音も無く、戸が開いた。ルイズは一瞬、身を強張らせたが、つい先刻、空が部屋を出た事を思い出した。  車椅子がそっと、ベッドに近付く。 「具合、どや?」  上から空が覗き込む。 「大丈夫――――」  別に、体の具合が悪い訳では無い。  食事はベッドで摂るか――――その申し出を断って、ルイズは起き上がる。  着替えもせずに寝込んでいた事に、初めて気付いた。  テーブルではシチューが暖かそうに湯気を立てている。  匙を取って一口啜ると、体にじんわりと熱が沁み渡った。  眼前では、空がパンを千切り、シチューに浸している。  食堂では隣り合ってこそいるが、違うテーブルだ。こうして部屋で食事を摂るのも、偶には悪く無いかも知れない。  体が暖まって来ると、少し気分も楽になった。  好き勝手をやっている様に見えて、空は案外と気を使ってくれる。  何かおかしな事を企んでいる――――そう見るのは考え過ぎな気がした。  コツコツと窓が鳴った。ルイズが何かを言う前に、空が窓を開けた。  現れたのは、メッサーシュミット。伝書鷹だ。  魔法による処置が施されている為だろう。鳥目とは無縁らしい。 「また、工房から?」 「せや」 「今、何を作ってるの?」 「何、て言われてもなあ……」  空は顎に指を当てた。色々と手を広げているので、一口には説明し難いらしい。 「せやなあ……いっそ、見に来るか?」  百聞は一見に如かず。あれこれ説明するより、直接見せた方が話が早い。  それに、工房はトリスタニアの職人街だ。ついでに買い物をしたり、遊んで歩くのも楽しいだろう。  その言葉に、ルイズは目を輝かせた。  トリスタニアで空が何をしているのかには、大いに興味が有ったし、久しぶりに街を歩くのも楽しいだろう。  なかなか、魅力的な誘いだった。  尤も、ぱっちりと開かれた睫が伏せられるまでには、さしたる時間を要さなかった。  一つ、問題が有った。 「……無いわよ。そんなお金」  深刻で、どうにも抗い難い問題だった。 「金持ちが締まり屋なんは、よう聞く話やけど、小遣いあまり貰ってないんか?」 「それなりの額は頂いているわ」 「なら、なして?」 「あんたの食費よ。それで殆ど消えちゃったの」  全く、贅沢をするから――――ルイズは唇を尖らせる。 「本当なら、もしもの時の為に、もっと倹約しておかなくちゃいけなかったのよ」 「もしもの時?」 「あんたが怪我したり、病気にかかった時」  ルイズ自身については、食費も、医療費も、実家が納めた学費から供出される。  だが、使い魔はそうもいかない。 「もし、あんたに何か有ったら、この部屋の家具や衣服を処分しないといけない所だったんだから。何事も無く、今季が終わりそうでほっとしているわ」 「……そら、悪い事したわ」 「いーのよ。“契約”だもの」  山の様な契約書の束を、ルイズは今でも少し根に持っている様だった。  契約書には食事量に関する条項が有る。  日本に帰れば、即刻、創世神〈ジェネシス〉計画を推し進めなければならない空にとって、現状の体力を維持出来るだけの食事は、決して譲れない一線の一つだった。  当時はハルケギニアの事情にも疎く、今現在している様に、工房を経営して利益を上げる、と言うのは全く想像の域を超えていたのだ。  さて――――空は顎を当てる。  思えば、自分がこの世界に来てからと言うもの、ルイズがお洒落をしたり、年頃の娘がする様な遊びに興じている所は見た事が無い。  それが性分とも考えていたが、自分が少女の乏しい財政を圧迫した結果だとしたら、いかにも気の毒だった。  今は自分にも収入が有る。食費は自分で出すべきだろうか。  だが、この依怙地なばかりにプライドの高いルイズが、契約――――それも、始祖ブリミルと祖先より受け継いだ名に賭けて誓った――――を反故にする様な行動を許すとも考え難い。  そもそも、食費が浮いたら浮いたで、この真面目な少女は、“もしもの時”の為に貯蓄する方を選ぶだろう。 「……なあ、ルイズ。芝居とか、興味有らへん?」 「お芝居?」 「せや。知り合いから予約券貰たんやけど、余っとってなあ……」  これは事実だった。  劇場は人の出入りが多く、その上、開演中に余所を気にする観衆は居ない。  観客席の暗さは姿を、役者の歌声は声を隠してくれる。  密談には打ってつけの場所だ。 「一人で行っても侘びしいやろ。ちょい、付き合ってくれへんか?礼に茶くらい奢るさかい」 「え?……いいけど……それ、て……――――」  つまりは、デートの誘い――――そう受け取っていいのだろうか。 「んー……ど、どうしようかしら?」  ルイズは態とらしく悩んで見せた。  生まれてこの方16年。そんな機会に出会いもしなければ、そんな相手に恵まれもしなかった。  とは言え、ここで即答するほど、自分を安く見積もってもいなければ、狼狽えて見せる程、純情無垢と言う訳でも無い。  無意識の内に、シチューを浚う匙が“の”の字を描く。 「演目は?」 「『トリスタニアの休日』言うてな。若い娘さん好みの話らしいわ」  どうにも、ワルドの趣味は判らない。その一言を、空は敢えて飲み込む。  ルイズはもう少しだけ、悩むフリをする事にした。とは言え、心はとっくに決まっている。  芝居は見た事が無かったし、空の言う演目が、女の子に評判らしい事は耳に入っていた。 「仕方ないわね」  ルイズは肩を竦めて見せた。  さり気なさを装ったつもりだったが、言葉と裏腹の明るい声は隠しようもなかった。 「あんた、相手居ないみたいだしね。可哀相だから、付き合ってあげるわ」 「おおきに」  食事を終えると、空は食器の片付けを始めた。  部屋の外に出しておけば、シエスタが回収に来てくれる約束になっている。 「ルイズ、芝居はよく見るんか?」 「ううん。初めて」  ルイズは素直に答えた。  何事についても初心者と見られる事を嫌う、プライド高きトリステイン人としては珍しい事だが、意図が有った。  この観劇は初めて尽くしだ。  それが、自分にどんな意味を持つのか知っておいて欲しかった。 「ま、ルイズは真面目やし、遊び慣れとる雰囲気は無いさかいなあ。ホンマ、家柄はええし、可愛ええし、勉強出来るし、最近は魔法かて巧く行っとる――――」  雨霰の賛辞に、ルイズは澄ました笑みを浮かべた。  必ずしも褒められ慣れてはいないし、こそばゆくもあったが、照れを見せない程度の見栄は有った。 「ただ、もう一つ足りんな。それさえ埋まれば、完璧?つーか、人生勝ち組やのになあ。ホンマ、勿体無い話やで」 「足りない物?」  ルイズは眉を顰めた。  褒めたら、褒めっぱなしにして、気分良くさせておいてくれれば良い物を、どうして、この男は余計な一言を付け加えようとするのだろう。  自然、目線が自分の体に落ちる。  どこを論う気だ。胸か?聊か口にし難い所が、まるで子供の様だと言う事か?  ルイズの予想は少しだけ外れた。空は発育に恵まれなかった少女のコンプレックスを刺激する事はしなかった。  空の言葉は、一瞬、ルイズを呆然とさせた。  気付いた時、その手は杖を握っていた。
#navi(虚無の王)  森の空気は、重く、濃く、冷たかった。  トリステインの夏は湿度が低い。真夏でも無い限り、陽の当たらない場所、時間は涼しい。濃密な緑に囲われた森は、寒気さえ感じさせる。  ルイズは身を震わせる。だが、それは決して森の寒さ、暗さだけが原因では無い。  付き合って欲しい所が有る――――。  空はそう言って、自分をこの森に連れ込んだ。一体、どこに行くつもりだろう。 「ねえ……」 「懐かしい感じや」  不安になって、尋ねようとした時だ。空は言った。 「この森の空気、“塔”によう似とるわ」 「“塔”?例の“トロパイオンの塔”?」 「せや」  森を縫って、道が伸びている。この先に、農地なり集落なりが在るのだろうか。  それにしては、路面をうっすらと下生えが覆い、路肩からは緑の浸食が著しい。 「木々は腕をからめ天へと伸ばす……」 「え?」  不意に空が呟いた。何を言っている? 「群がる葉々は光を喰らい森の闇をいよいよ深くする」 「空……?」  道が狭まる。下生えの中に消える。これ以上、車椅子で進むのは無理だ。  と、空は両腕に力を込める。車椅子が跳ぶ。  駆動輪が次々と樹々を蹴り付け、忽ち森の中に消える。 「空っ!」  なんのつもりだ。  ルイズは空を追う。下生えを踏み越え、小枝を、丈の有る草をかき分け進む。 ――――狩人は気付かない闇に潜むケダモノ達の双眸も牙も  どこからともなく、声が降って来る。空の声が降って来る。  何のつもりだ?  何を言っている?  ルイズは必死で進む。森をかき分ける。  マントが裂け、袖に棘が絡み、小枝が頬を弾く。 ――――今日は狩人が狩られる夜  空の姿が見えない。暗い森の中、誰も居ない。  不吉な声だけが耳朶を撫でる。  焦燥がルイズの小さな胸を締め付ける。  樹木の隙間から明かりが見えた。  体のあちこちに小さな傷が出来たが、構ってはいられない。真っ直ぐ、光へ向かう。 ――――ここは眠りの森〈スリーピング・フォレスト〉……!!  森を抜けた。ルイズは光の中へ飛び込んだ。  強烈な日差しが、頭に重くのしかかった。目を細めて、ぐるりを見回す。  小さな集落だった。  人の姿は無く、動く物は何も無かった。  凍り付いた様な時間の中で、半ば崩れ落ちた壁の塗り土と、下生えに埋もれた木の柵だけが、時間の経過を教えてくれた。  過去に放棄された集落だ。  井戸の桶では水が腐り、得も言われぬ匂いを発している。正面には、薄汚れた教区教会が見える。  ルイズは鼻を押さえた。風が、強烈な異臭を運んで来た。  養豚場に屠殺場と糞尿、腐敗臭を混ぜ合わせた様な、吐き気を催す臭気だ。  薄暗い教会の中で、影が蠢いた。ルイズは身を強張らせる。  “何か”が居る――――そして、ルイズが悪臭に苦しんでいるのと同様、腐臭の主には、少女の甘い香りが届いている。  錆にまみれ、欠けた手洗盤の覗く小さな部屋を潜る様にして、教会からぬっと影が現れる。  身の丈凡そ2メイル、ぶ厚い脂肪と筋肉とで覆われた巨驅が、300㎏の重量で床石を踏み砕く。  そして、豚の様に突き出た鼻を目にした時、ルイズは心臓が凍り付くのを覚えた。  オーク鬼。人肉――――取り分け、柔らかい子供――――を好物とする化け物だ。  その力は一匹で五人の兵士に匹敵する、とも言われるが、この表現は或る意味語弊が有る。  相手は人間の頭蓋を容易く握り潰し、平然四肢をねじ切る怪物。五人の兵士が集まった所で、オーク鬼と互角の白兵戦が出来る訳では無い。  銃や弩を以て一匹を殺す間に、四人が犧牲となる。  深々と皺が刻まれた顔から、落ちくぼんだ目で少女を睥睨すると、オーク鬼はゆっくりと歩を進める。  その背後から、更にもう一匹が現れる。もう一匹。更にもう一匹――――その数七匹。  オーク鬼は鳴き声を上げる。歪んだ鼻腔から息を吹き出し、鼻を鳴らす。  縄張りに迷い込んだ窮鳥をどう料理しようか――――乏しいながらも、確かに宿した知性で相談する。  相手は小さい。女だ。絶好の御馳走だ。  まず、その細い首に、軽く力を入れてへし折ろう。  邪魔な包みを破り棄て、腹を割いて、ピンク色も鮮やかな内臓を貪り喰おう。  先ずは、何と言っても右脇腹の肝臓だ。  大腸は糞便の臭いにやや閉口するが、植物がよく発酵していて消化の助けになる。  女なら、陰部から子宮にかけても柔らかい――――。  口元から涎を吐き零すオーク鬼の群れを、ルイズは真っ青な顔で見つめていた。  メイジにとっては、必ずしも恐ろしい相手では無い。  生半可な魔法は、悉くそのぶ厚い脂肪で防ぎ止められてしまうにしても、所詮は獣。いざとなれば、飛んで逃げればいい。  だが、ルイズはレビテーションもフライも使う事が出来ない。  緊張に胃がでんぐり返った。カラカラに乾いた喉に、嘔吐感が食道を伝って這い登って来た。  息が苦しい。開けた村落の空気が、火を炊いた密室の様に濁る。  オーク鬼の群が半円状に広がる。邪魔な柵を蹴破り、何気ない動作で小屋の薄壁に力を込めるや、絵芝居の飾りの様にペシャンと引き倒す。塗り土が崩れ、木材が乾いた音を立てる。  小さな村落が、まるで玩具だ。そして屯する獣供は、その残忍と貪欲以外、子供との共通点は何も無い。  柔らかく華奢な肢体を涎と共に這い回る視線には、動物的な欲求と警戒心とが混じっていた。  五芒星の留め金にマント。見掛け程には、脆弱な獲物では無い。  太い脚が、泥とも汚物ともつかぬ地面を削る。ごつごつと堅い皮膚の上には、獣皮を纏っている。  首飾りの様に提げられた頭蓋骨――――それがどれ程原始的な物であれ、彼等が信仰と、そして首狩りの風習を持つ証左だ。  どの個体もが、棍棒と呼ぶにも野蛮な凶器を手にしている。  包囲の輪が縮まる。  筋骨と悪臭混じりの吐息が、巨大な壁となって躙り寄る。  ルイズは思わず、後退り――――それが切っ掛けとなった。  視界が跳ねた。  300㎏超の巨体が地面を殴り付け、ルイズの小さな足は、確かに宙に浮いた。  オーク鬼は慎重さを捨てた。こいつは退いた。こいつは弱い。こいつは怖くない――――野生の本能が、貴族の少女を捕食対象である“格下”だと保証した。  ルイズは目を見開いた。鳶色の瞳が、針の様にぎゅっと窄まった。  そこにはヴァリエール家の三女は居なかった。取り澄ました貴族は居なかった。  200の心拍で心臓を揺さぶる恐怖が、少女から教養の仮面を剥ぎ取る。哀れな獲物は、逃げる事も出来ずに立ち尽くす。  オーク鬼の群れが迫る。一歩ごとに地面が爆ぜる。  地響きが下腹を衝き、体を足下から振り回す。  視野が歪み、切り取ったかの様に狭くなる。  思考がバラバラに千切れ、感情が麻痺する。膝にはまるで力が入らない。  目尻には涙が浮いていた。歯の根は合わなかった。ルイズは剣の様に佩いた杖を抜き放った。  勇気を奮い起こした訳では無かった。恐怖に駆られた訳でも無かった。  それは怒濤の如く迫り来る殺意と食欲に対して、本能が許した無意識の抵抗だった。  ――――どんな呪文を唱えたのかは覚えていない。  小さな村落に、森林に、爆音が響いた。  気付いた時、目の前は舞い上がる土砂と、木片とで真っ黒に染まっていた。  ルイズは喘ぐ様に肩を揺らした。  荒く不規則な息に、喉が高く鳴った。鳥の首を絞めたら、こんな鳴き声を出すのかも知れない。  地響きが途絶えた。オーク鬼の姿は爆煙の向こうに消えた。  ルイズは震える手で、小物入れをまさぐった。爆発の瞬間、確かに見えた。  恐怖心が、距離感を浸食した。すぐにもその牙が届くかと思われた獣は、まだ二○メイルも先に居た。  小屋を四つ纏めて消し飛ばした自分の魔法は、当の目標に掠めてもいない。  ルイズは散弾を取り出す。  敵が来る。自分を捕食しようと迫って来る。  悠長に呪文を唱えている閑は無い。短い詠唱で、殺傷力を保証してくれる攻撃――――中空の杖に弾丸を籠める。  手が震える。自分の意志を頑なに拒む。その簡単な動作が、思うに任せない。 「あっ!……――――うあ!……――――」  ルイズは声を上げる。意味を成さない奇声だ。  早くしなければ。早くしなければ。  オーク鬼が来る。オーク鬼が来る。  ルイズの焦燥と裏腹に、オーク鬼供は足を止めている。  人間との長い抗争で、メイジの能力は大雑把にだが理解している。だが、ここまで広域を破壊する魔法は知らない。  見えない場所へ飛び込む事を、本能が拒否する。どんな危険が待ち受けているか判らない。  それでも、オークは突進を決意する。本能をねじ伏せる。  メイジとの戦いは一瞬で決まる。次なる呪文を許してはならない――――  爆煙を裂いて銃弾が飛来したのは、その時だ。  一度成功すれば、後は早かった。ルイズは恐怖に引きつった顔で、次々銃弾を送り込む。  一二粒弾、八粒弾、そして巨大な一粒弾。  豚の嘶きにも似た悲鳴が折り重なる。  雨霰と降り注ぐ銃弾が、オーク鬼をパニックに陥れる。  殺傷力は取るに足りないが、問題は数だ。  土煙が視界を覆っている。見えない所から、数え切れぬ程の弾丸が襲い来る。  オーク鬼が知る銃は先込め式。装填装薬に時間がかかり、訓練された兵士でも、二分で三発程度しか連射出来ない。  一体、何人の射撃手が居る?  一体、どこに隠れていた?  すると、あのメイジの小娘は囮――――?  銃弾が途切れるや、獣供は駆けた。  再装填を許すな。なにより、あのメイジに呪文の詠唱を許すな。急げ、急げ、急げ!  ――――前が見えない。邪魔な小屋を、柵を蹴散らす閑など無い。教区教会から伸びる中央通りに殺到する。  煙を突き破った時、そこに、二桁を数える銃手の姿は無かった。呪文を詠唱する、狡猾残忍なるメイジの姿は無かった。  蝋の様な青白い顔で、恐怖と殺意とを瞳孔に凝集した少女――――そして、詠唱はもう終わっていた。  閃光が迸った。3000度のメタルジェットがオーク鬼の分厚い腹を紙風船の様に突き破り、脂肪と肉と臓物とを灼き焦がし、背面へと貫通した。  断末魔の嘶きと、唾液と、吐血とが同時に漏れた。  狭い通りを急いだ事が仇となった。豚面の食人鬼は、折り重なる様に崩れ落ちた。  作戦とは違う。銃弾を放ち続ける内に、不安が襲った。  威力が足りない。これではオーク鬼を倒せない。もっと、強力な攻撃を――――持ち得る最強の呪文を選んだのは、恐怖心の要請だ。  煙が晴れる。  教会へと通じる通りに、腹を破られたオーク鬼の死骸が並んでいる。  と、ルイズは心臓が凍り付くのを覚えた。  オーク鬼が動いた。死んだ筈の獣が動いた。こいつは未だ、死んでいない。呪文を!強力な呪文を!  自分の爆発は詠唱が長い程、威力が上がる。咄嗟に、思いつく限りで最も長い系統魔法を選ぶ。  実の所、オーク鬼は絶命していた。  だが、その恐怖心が、ルイズを救った。パニック状態の少女は、死体の数を確認する事さえ忘れていた。  左で、小屋が倒れた。角材が跳ねた。  生き残りが居た。狭い通りへの突入を諦めた一体。すぐ目の前だ。  反射的に杖を構えた瞬間、背後に物音――――  爆発が眼前の一体を吹き飛ばす。  振り向いた時、首筋に腐臭を帯びた息がかかった。そんな気がした。  ジェット噴流に巻き込まれたのだろう。棍棒を右腕ごと失ったオーク鬼が、真っ黒に染まった左の爪を振りかぶる。  牙が粘っこい唾液の糸を引いている。濁った目に、憎悪と嗜虐的な食欲とが覗く。  細い杖が、オーク鬼の腕を打った。  少女の細腕だ。棍棒同然の殺傷力をもった、オーク鬼の腕を止める力は無い。と、ルイズは悲鳴にも似た声で呪文を紡ぐ。  爆発が生じた。  加速した杖、鋭利な短経の先端が、野太い腕を抉り、筋を断ち、骨を砕いた。  細い体がクルリと一回転。絶叫を上げるオーク鬼の頭部に、杖がコツリと当たる。  爆発。  頭蓋が割れ、血と脳漿とが飛び散った。  温かく、粘っこい液体が、桃色の頭目掛けて降りかかる。  それでも、獣の体液が少女の白い体を穢す事は無かった。  汚物はまるでガラス窓に張り付いたかの様に眼前で止まり、そのまま地面に降り落ちたが、ルイズにそれを不思議と感じる余裕は残されていなかった。  300㎏の巨体が、後に倒れた。その震動に、ルイズはたたらを踏む。  村を一望する。  嘗て平穏だった筈の村落は、屠殺場の様相を呈している。  オーク鬼の死体が七つ。吐き気を催す臭いが辺りに漂っている。  オーク鬼はもう居ない。  もう危険は無い。  ルイズは震えた。膝が力無く揺れ、そして折れた。  崩れ落ちる体を、背後から二つの手が受け止めた。 「ひっ――――!」  ルイズは悲鳴を上げた。心臓が止まるかと思った。  その恐怖心も、聞き慣れた声を聞いて、安堵にすり替わった。 「ようやった」  空だ。 「魔法巧くても、度胸の無い奴はいざっちゅう時、役に立たん。ルイズは合格やわ、合格」 「学生でオーク七匹狩れる奴が、どんだけ居る?」 「途中、手貸す必要有るかな、て思うとったけど、結局、出番無しやったし」 「ここ住んどった奴ら、きっと喜ぶで」 「ま、ワルドの見立ては間違いや無かったわ。ルイズなら、歴史に名を留めるメイジになれる。ワイも保証する」  空は上機嫌だった。陽気な声が、立て板に水で捲し立てた。  その言葉は一つとして、ルイズの耳に届いていない。  恐怖と緊張から解放された少女は、震える声で言った。 「……空……私……立てない……」  鳶色の瞳から、涙が溢れた。    * * *  あの後、空に抱き抱えられる様にして学院に戻った。  両腕で駆動輪を回さなければならない車椅子の男は、それでも時折、小さな背を軽く叩き、或いは頭を撫でてくれた。  その間、ルイズはずっと厚い胸板にすがり付き、震えていた。途中、何人かにからかわれたが、それも耳に入らなかった。  寮室に戻ると、ルイズはベッドに籠もった。夕食の時間になっても、部屋を出なかった。  食欲が無かったし、そもそも食事のことなど、頭を掠めもしなかった。  ただ、今日の出来事が、頭の中をグルグルと回っていた。  付き合って欲しい所が有る。  空はそう言った。  どこに?  近くの森に。  何しに?  オーディション、ちゅうとこか――――  空はあの村落がオーク鬼の巣窟となっている事を知っていた。知りながら、自分を肉食獣の群れの真ん中へ放り込んだ。  何の為に?――――オーディション?審査?何の?  合格だ。空はそう言った――――不合格なら、どうなっていた?  背筋が凍った。一体、空は何のつもりだったのだろう?これから自分に何をさせるつもりなのだろう?  考え過ぎだ。そう思いたかった。  なかなか自信を持てずにいる自分に、荒療治を施したのだ。そう思いたかった。  何しろ、無茶な男だ。特訓初日は、崖の上から大岩を転がして来た。滝を見付けるや、樽に入って飛び込め、と口走った。  一方、そんな冗談めかした態度とは裏腹の、冗談にならない言葉が脳裏に浮かぶ。  ルイズ、戦争好きか――――  そこまで考えた時だ。  音も無く、戸が開いた。ルイズは一瞬、身を強張らせたが、つい先刻、空が部屋を出た事を思い出した。  車椅子がそっと、ベッドに近付く。 「具合、どや?」  上から空が覗き込む。 「大丈夫――――」  別に、体の具合が悪い訳では無い。  食事はベッドで摂るか――――その申し出を断って、ルイズは起き上がる。  着替えもせずに寝込んでいた事に、初めて気付いた。  テーブルではシチューが暖かそうに湯気を立てている。  匙を取って一口啜ると、体にじんわりと熱が沁み渡った。  眼前では、空がパンを千切り、シチューに浸している。  食堂では隣り合ってこそいるが、違うテーブルだ。こうして部屋で食事を摂るのも、偶には悪く無いかも知れない。  体が暖まって来ると、少し気分も楽になった。  好き勝手をやっている様に見えて、空は案外と気を使ってくれる。  何かおかしな事を企んでいる――――そう見るのは考え過ぎな気がした。  コツコツと窓が鳴った。ルイズが何かを言う前に、空が窓を開けた。  現れたのは、メッサーシュミット。伝書鷹だ。  魔法による処置が施されている為だろう。鳥目とは無縁らしい。 「また、工房から?」 「せや」 「今、何を作ってるの?」 「何、て言われてもなあ……」  空は顎に指を当てた。色々と手を広げているので、一口には説明し難いらしい。 「せやなあ……いっそ、見に来るか?」  百聞は一見に如かず。あれこれ説明するより、直接見せた方が話が早い。  それに、工房はトリスタニアの職人街だ。ついでに買い物をしたり、遊んで歩くのも楽しいだろう。  その言葉に、ルイズは目を輝かせた。  トリスタニアで空が何をしているのかには、大いに興味が有ったし、久しぶりに街を歩くのも楽しいだろう。  なかなか、魅力的な誘いだった。  尤も、ぱっちりと開かれた睫が伏せられるまでには、さしたる時間を要さなかった。  一つ、問題が有った。 「……無いわよ。そんなお金」  深刻で、どうにも抗い難い問題だった。 「金持ちが締まり屋なんは、よう聞く話やけど、小遣いあまり貰ってないんか?」 「それなりの額は頂いているわ」 「なら、なして?」 「あんたの食費よ。それで殆ど消えちゃったの」  全く、贅沢をするから――――ルイズは唇を尖らせる。 「本当なら、もしもの時の為に、もっと倹約しておかなくちゃいけなかったのよ」 「もしもの時?」 「あんたが怪我したり、病気にかかった時」  ルイズ自身については、食費も、医療費も、実家が納めた学費から供出される。  だが、使い魔はそうもいかない。 「もし、あんたに何か有ったら、この部屋の家具や衣服を処分しないといけない所だったんだから。何事も無く、今季が終わりそうでほっとしているわ」 「……そら、悪い事したわ」 「いーのよ。“契約”だもの」  山の様な契約書の束を、ルイズは今でも少し根に持っている様だった。  契約書には食事量に関する条項が有る。  日本に帰れば、即刻、創世神〈ジェネシス〉計画を推し進めなければならない空にとって、現状の体力を維持出来るだけの食事は、決して譲れない一線の一つだった。  当時はハルケギニアの事情にも疎く、今現在している様に、工房を経営して利益を上げる、と言うのは全く想像の域を超えていたのだ。  さて――――空は顎を当てる。  思えば、自分がこの世界に来てからと言うもの、ルイズがお洒落をしたり、年頃の娘がする様な遊びに興じている所は見た事が無い。  それが性分とも考えていたが、自分が少女の乏しい財政を圧迫した結果だとしたら、いかにも気の毒だった。  今は自分にも収入が有る。食費は自分で出すべきだろうか。  だが、この依怙地なばかりにプライドの高いルイズが、契約――――それも、始祖ブリミルと祖先より受け継いだ名に賭けて誓った――――を反故にする様な行動を許すとも考え難い。  そもそも、食費が浮いたら浮いたで、この真面目な少女は、“もしもの時”の為に貯蓄する方を選ぶだろう。 「……なあ、ルイズ。芝居とか、興味有らへん?」 「お芝居?」 「せや。知り合いから予約券貰たんやけど、余っとってなあ……」  これは事実だった。  劇場は人の出入りが多く、その上、開演中に余所を気にする観衆は居ない。  観客席の暗さは姿を、役者の歌声は声を隠してくれる。  密談には打ってつけの場所だ。 「一人で行っても侘びしいやろ。ちょい、付き合ってくれへんか?礼に茶くらい奢るさかい」 「え?……いいけど……それ、て……――――」  つまりは、デートの誘い――――そう受け取っていいのだろうか。 「んー……ど、どうしようかしら?」  ルイズは態とらしく悩んで見せた。  生まれてこの方16年。そんな機会に出会いもしなければ、そんな相手に恵まれもしなかった。  とは言え、ここで即答するほど、自分を安く見積もってもいなければ、狼狽えて見せる程、純情無垢と言う訳でも無い。  無意識の内に、シチューを浚う匙が“の”の字を描く。 「演目は?」 「『トリスタニアの休日』言うてな。若い娘さん好みの話らしいわ」  どうにも、ワルドの趣味は判らない。その一言を、空は敢えて飲み込む。  ルイズはもう少しだけ、悩むフリをする事にした。とは言え、心はとっくに決まっている。  芝居は見た事が無かったし、空の言う演目が、女の子に評判らしい事は耳に入っていた。 「仕方ないわね」  ルイズは肩を竦めて見せた。  さり気なさを装ったつもりだったが、言葉と裏腹の明るい声は隠しようもなかった。 「あんた、相手居ないみたいだしね。可哀相だから、付き合ってあげるわ」 「おおきに」  食事を終えると、空は食器の片付けを始めた。  部屋の外に出しておけば、シエスタが回収に来てくれる約束になっている。 「ルイズ、芝居はよく見るんか?」 「ううん。初めて」  ルイズは素直に答えた。  何事についても初心者と見られる事を嫌う、プライド高きトリステイン人としては珍しい事だが、意図が有った。  この観劇は初めて尽くしだ。  それが、自分にどんな意味を持つのか知っておいて欲しかった。 「ま、ルイズは真面目やし、遊び慣れとる雰囲気は無いさかいなあ。ホンマ、家柄はええし、可愛ええし、勉強出来るし、最近は魔法かて巧く行っとる――――」  雨霰の賛辞に、ルイズは澄ました笑みを浮かべた。  必ずしも褒められ慣れてはいないし、こそばゆくもあったが、照れを見せない程度の見栄は有った。 「ただ、もう一つ足りんな。それさえ埋まれば、完璧?つーか、人生勝ち組やのになあ。ホンマ、勿体無い話やで」 「足りない物?」  ルイズは眉を顰めた。  褒めたら、褒めっぱなしにして、気分良くさせておいてくれれば良い物を、どうして、この男は余計な一言を付け加えようとするのだろう。  自然、目線が自分の体に落ちる。  どこを論う気だ。胸か?聊か口にし難い所が、まるで子供の様だと言う事か?  ルイズの予想は少しだけ外れた。空は発育に恵まれなかった少女のコンプレックスを刺激する事はしなかった。  空の言葉は、一瞬、ルイズを呆然とさせた。  気付いた時、その手は杖を握っていた。 #navi(虚無の王)

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